JPS646643Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は湛水直播用籾マツト、詳しくは植付爪
をもつ田植機により籾を湛水直播するための籾マ
ツトに関する。

一般に湛水直播にあつては、播種装置を備えた
湛水直播機を用い、前記播種装置の繰り出し装置
により籾タンクから所望量の籾を繰り出して湿田
圃場に自然落下させ、直播している。

所が斯かる湛水直播機によれば、籾を前記繰り
出し装置の繰り出しロールにより自然落下させて
直播するため、湿田圃場に籾を均一な深さに直播
しにくくバラツキが生じ、土壌表面に播種された
ものでは、その根の張り具合が悪くなるなど生育
に悪影響を与える問題があつた。

本考案は以上の実情に鑑みて考案したもので、
その目的は、田植えに用いるマツト苗状の籾マツ
トを形成して、湛水直播機を用いることなく植付
爪をもつ田植機を利用して、前記植付爪により強
制的に籾を湿田圃場に均一深さに直播させ得ると
共に、前記植付爪による直播時に前記籾マツトの
くずれを防止し、かつ、籾を籾マツト内に埋没保
持させ得る点にある。

しかして、本考案は長尺シート状のベース部材
と保持部材とから成り、前記ベース部材を、硬質
層と、軟塑性材料から成り、前記籾を埋没保持可
能とした軟塑性層とにより構成し、かつ、前記保
持部材を軟塑性材料により形成し前記ベース部材
の軟塑性層と保持部材との間に前記籾を保持する
ごとく成す一方、前記ベース部材及び保持部材を
前記植付爪による切割を可能に構成したものであ
る。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

１は植付爪をもつ田植機（図示せず）により籾
を湛水直播するための籾マツトであつて、長尺シ
ート状のベース部材２と保持部材３とから構成さ
れている。

前記ベース部材２は、例えばダンボールなどの
硬質層２１上に、ウレタンなどの軟塑性材料から
成り、前記籾４……を埋没保持可能とした軟塑性
層２２を接着剤などを用いて結合して成るもので
あり、また、前記保持部材３は、前記軟塑性層２
２と同様、ウレタンなどの軟塑性材料により形成
して成るものである。

しかして、これらベース部材２の軟塑性層２２
と保持部材３との間に前記籾４……を保持するご
とく成すと共に、前記ベース部材２及び保持部材
３を前記植付爪による切割を可能に構成したもの
である。

即ち、前記ベース部材２の軟塑性層２２と保持
部材３間への籾４……の保持は、前記軟塑性層２
２への保持部材３の重合により、これら軟塑性層
２２と保持部材３との接合面で籾４……と接する
部分が、塑性変形により内方に凹むことになり、
これにより前記接合面間に籾４……を接着剤を用
いることなく埋没により保持している。

本考案は以上の如く構成するもので、前記籾マ
ツト１を田植機の苗載台に載せ、植付爪により通
常マツト苗を土壌に植付ける場合と同様、籾マツ
ト１の籾４……を含む一片を切割して土壌の一定
深さに強制的に直播するのである。

この場合、籾マツト１におけるベース部材２の
底部には硬質層２１を設けているので、該籾マツ
ト１の一片を植付爪により切割するに際し、ベー
ス部材２の軟塑性層２２と保持部材３とのずれや
形くずれを防止できるので、籾マツト１を均等な
大きさに切割することができる。

以上の如く籾マツト１を形成し、田植機を利用
して直播することから、田植機の植付爪による籾
４……の播種深さの調節が容易に行なえ、かつ、
前記籾４……を均一な深さに確実に直播すること
ができ、その上覆土などの必要もなく、精度の良
い直播作業が行なえるのである。

また、前記ベース部材２と保持部材３との間に
挾み込む籾４……の量を地域や湿田圃場の状態な
どに応じて疎又は密に調整することにより前記植
付爪による一度の播種量を自由に撰択している。

この場合、前記ベース部材２の軟塑性層２２の
上面全体に籾４……を均一状に散播してもよい
し、前記植付爪の切割量に応じて複数室に仕切る
仕切板を用いて前記軟塑性層２２上面を区画し、
斯かる状態で各室に籾４……を均一に散播しても
良い。

以上の如く、本考案は長尺シート状のベース部
材と保持部材とから成り、前記ベース部材を、硬
質層と、軟塑性材料から成り、前記籾を埋没保持
可能とした軟塑性層とにより構成し、かつ、前記
保持部材を軟塑性材料により形成し、前記ベース
部材の軟塑性層と保持部材との間に前記籾を保持
するごとく成す一方、前記ベース部材及び保持部
材を前記植付爪による切割を可能に構成したもの
であるから、従来のように湛水直播機を用いるこ
となく、既存の田植機を利用して籾マツトの籾を
湿田圃場に直播することができると共に、田植機
の植付爪により籾マツトの籾を土壌に対して均一
な深さに強制的に直播することができ、しかも、
籾マツトにおけるベース部材の底部には硬質層を
設けているので、該籾マツトの一片を前記植付爪
により切割するに際し、前記ベース部材の軟質層
と保持部材とのずれや形くずれを防止でき、籾マ
ツトを均等な大きさに切割することができる。

さらに、前記籾をベース部材の軟塑性層と軟塑
性材料から成る保持部材との間に保持するように
したので、これら軟塑性層と保持部材との接合面
の塑性変形を利用して接着剤を用いずに籾を埋没
保持することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案籾マツトの実施例を示すもので第
１図はその斜視図、第２図は第１図−断面
図、第３図は籾を保持する前の説明図である。 １……籾マツト、２……ベース部材、２１……
硬質層、２２……軟質層、３……保持部材、４…
…籾。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 植付爪をもつ田植機により籾を湛水直播するた
   めの籾マツトであつて、長尺シート状のベース部
   材２と保持部材３とから成り、前記ベース部材２
   を、硬質層２１と、軟塑性材料から成り、前記籾
   を埋没保持可能とした軟塑性層２２とにより構成
   し、かつ、前記保持部材３を軟塑性材料により形
   成し前記ベース部材２の軟塑性層２２と保持部材
   ３との間に前記籾を保持するごとく成す一方、前
   記ベース部材２及び保持部材３を前記植付爪によ
   る切割を可能に構成したことを特徴とする湛水直
   播用籾マツト。