JP2001095316A - 水稲種子固定シートを用いた湛水直播方法 - Google Patents
水稲種子固定シートを用いた湛水直播方法Info
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Abstract
代かき土壌の硬軟が不均一であることから一定の播種深
さに播種することが難しく、苗立ち不良あるいは倒伏の
原因になっていたのを解決する,水稲種子固定シートを
用いた湛水直播方法の提供。 【解決手段】 水溶性もしくは水分散性のシート状支持
体1に粘着剤3層を筋状あるいは点状に配設し、この粘
着剤3層に水稲種子2を貼着、固定し、シート状支持体
1を水溶性高分子フィルム4により被覆して水稲種子2
を保持した水稲種子固定シートAを形成し、該水稲種子
固定シートAを作業機のシート供給装置8に搭載し、切
取り刃6を備えた植付爪Bにより水稲種子固定シートA
の所定量を順次切り取り、土中に一定の深さに播種す
る。
Description
トから植付爪を用いて所定量切り取り、任意の間隔及び
粒数で代かき土壌に一定の深さに播種する,水稲種子固
定シートを用いた湛水直播方法に関するものである。
中直播機を用いた条播、打ち込み式播種機を用いた土中
点播が一般的であり、簡易な方法としては動力散粒機等
を流用して土壌表面に散播する場合もある。湛水土壌中
直播機を用いた条播では、フロート下部に設けられた靴
底型の作溝器で代かき土壌に溝を作り、溝の中にカルパ
ー剤等をコーティングした種子を自然落下させて覆土板
で覆土する方法がとられている。打ち込み式土中点播
は、高速回転する鋸刃にカルパーコーティング種子を一
定量ずつ供給し、種子に適度な速度を与えて代かき土壌
に打ち込み、一定の播種深さを得ようとする方式であ
る。
の播種方法においても、代かき土壌の硬軟が不均一であ
ることから一定の播種深さに播種することが難しく、苗
立ち不良あるいは倒伏の問題は依然として解決されてい
ない。
な播種深さを得るためには種子を強制的に一定の深さに
プランジャなどで押し込む方法が有効である。このよう
な播種法は、田植機の植付け機構を利用することによっ
ても実現できる。田植機の湛水直播への汎用利用という
アイディアは古くからあり、土と種子等を接着剤でマッ
ト状に固めて田植機にセットするなどの研究が行われた
が、土を用いたマットは重く、崩れやすかったり、長さ
が60cm程度と小型であったため実用化には至らなか
った(中谷、石川県農業試験場研究報告1981)。
の有していた課題を解決して、且つ従来技術の欠点を克
服した新規な水稲種子固定シートを用いた湛水直播方法
を提供しようとするものである。
めにこの発明は、水溶性もしくは水分散性のシート状支
持体に配設された粘着剤層と水溶性高分子フィルムとの
間に水稲種子を保持した水稲種子固定シートを作業機の
シート供給装置に搭載し、切取り刃を備えた専用の植付
爪で、上記水稲種子固定シートの所定量を順次切り取
り、土中に一定の深さで播種する,水稲種子固定シート
を用いた湛水直播方法である。
で所定量を順次切り取るために、水稲種子固定シートを
植付爪の動きに連動しながら左右横方向に一定のピッチ
で送るシート供給装置が設けられている。このような植
付爪とシート供給装置の機構には、田植機の植付け機構
を流用することができ、従来周知の田植機を本発明の作
業機として用いることもできる。
シート状支持体に、古紙再生紙、尿素発泡樹脂あるいは
ロックウールを用いる。一定の剛性を有するこのような
材料をシート状支持体に用いることで、専用の植付爪に
よって精度良く一定間隔に切り取ることができる。水溶
性高分子フィルムは、ポリビニルアルコールフィルムで
あり、シート状支持体上に粘着剤によって筋状に貼着、
固定された種子の脱落を、播種作業が完了する迄のあい
だ防ぐ役割をする。
散性のシート状支持体に配設された粘着剤層が水溶性粘
着剤であり、上記シート状支持体上に筋状または点状に
設けることで種子を筋状に固定する。種子の筋列のピッ
チを、作業機のシー卜供給装置の横送りピッチに一致さ
せ、縦刃とM字型の横刃を備えた専用の植付爪を用いる
ことで、水稲種子固定シートを所定量連続的に精度良く
切り取ることが可能となる。
持体及び水溶性高分子フィルムは播種後徐々に水田土壌
中で分散し、水溶性粘着剤は播種後速やかに分散するた
め、水稲の生育に害作用を及ぼすことはない。このよう
な方法で成形した水稲種子固定シートは、軽量でありロ
ール状にして大量に作業機に搭載することで、大面積を
高能率に播種することができる。
のために過酸化カルシウムを原料としたカルパー剤等を
コーティングした種子を用いる。本発明でも発芽促進の
ために、過酸化カルシウムをコーティングした種子を用
いるが、本発明ではシート状支持体に種子が貼着、固定
された状態で播種されるため、あらかじめ過酸化カルシ
ウムをシート状支持体に塗布しておく方法も有効であ
る。
面を用いてさらに詳細に説明する。図1は水稲種子固定
シートをロール状に巻いた斜視図、図2は水稲種子固定
シートの拡大横断面図、図3は水稲種子固定シート用の
植付爪の斜視図、図4は作業機にロータリ型田植機を利
用した播種作業状態図、図5は本発明の方法と従来の方
法における出芽深さの分布を示すグラフである。
種子固定シート)、2は過酸化カルシウムを被覆した水
稲種子である。水稲種子固定シート1の幅は周知の田植
機の苗載台の内寸と同じ280mmであり、長さは適宜
選定ができ、種子は18列で筋状に固定されている。シ
ート状支持体1には、前述したとおり古紙再生紙、尿素
発泡樹脂あるいはロックウールを使用できる。
図2において、1はシート状支持体、2は過酸化カルシ
ウム被覆水稲種子、3は粘着剤、4は水溶性高分子フィ
ルムである。
再生紙を用いる場合を例として、水稲種子固定シート1
の作製法について説明する。最初に、シート状支持体
(古紙再生紙)1に粘着剤3を塗工、配設する方法につ
いて述べる。この発明では、古紙再生紙lに粘着剤3を
塗工、配設する方法として、最初に剥離紙に粘着剤3を
筋状に塗工しておき、粘着剤3を塗工、配設した剥離紙
と古紙再生紙を貼り合わせることで、粘着剤3を古紙再
生紙に転写する方法をとっている。すなわち、塗工機
(キスコー夕−)を用いて水溶性粘着剤3を、幅280
mmのロール巻剥離紙上に、1本当たりの塗工幅を3m
mとして18本、乾燥後の厚さが約60μmとなるよう
に塗工し、約100℃で乾燥させる。次に、粘着剤3が
筋状に塗工された剥離紙と古紙再生紙(丸三製紙(株)
製、坪量18Og/m2)を貼り合わせ、筋状の粘着剤
3を古紙再生紙1に転写する。
工された古紙再生紙1の上に、鳩胸状まで浸種し、過酸
化カルシウム粉剤(日本カルオキサイト(株)製、パー
ウェルG)を被覆した水稲種子2を振りかけ、粘着剤3
上に筋状に載置、貼着する。次に、この上に幅300m
mのポリビニルアルコールフィルム(日本合成化学工業
(株)製、30μm厚)4を載せ、約100g/m2の
水を噴霧しエアーを吹き付け貼り合わせ、乾燥させると
水稲種子固定シートが出来上がる。
載置、貼着する方法として、先に剥離紙を用いて粘着剤
3をポリビニルアルコールフィルム4の方に筋状に転写
しておき、過酸化カルシウム被覆種子2をポリビニルア
ルコールフィルム4に筋状に載置、貼着してからシート
状支持体lに貼り付ける方法でも良い。この方法は、粘
着剤3が付着しにくい尿素発泡樹脂あるいはロックウー
ルをシート状支持体1とする場合に適している。
について説明する。植付爪Bは、水稲種子固定シートA
を長方形のブロック状に切り取るため、縦刃5、M字型
の横刃6を有する。シートAをブロック状に切り取る
際、縦刃5あるいは横刃6のどちらか一方が先にシート
Aを切ってしまうと他方はつながったままとなる。この
ため、横刃6をM字型とし下端6a点と、縦刃の下端5
a点のシートA面からの距離を等しくして縦横方向が同
時に切り取れる形状にしている。さらに、切り取ったブ
ロックの横方向が直線状に切り取れるように、M字型横
刃6の刃面がシートAに対し垂直に作用する設定となっ
ている。
は、植付爪Bの動きに連動して左右横方向に一定のピッ
チで移動する田植機の苗載台と同様な動作をする。この
発明では、作業機の植付爪による横方向の切り取り回数
と水稲種子固定シートAの種子列の数を一致させて高い
切り取り精度を確保している。横方向の切り取り回数を
18回とする場合は、水稲種子固定シートAの種子列も
18本となり、掻き取り回数1回当たりの横送りピッチ
は16mmであり、これに合わせて植付爪Bの横刃6の
幅は16mmとなる。このようにすることで、水稲種子
固定シートAに搭載された種子を有効に一定量ずつ播種
できるようになる。
水稲種子固定シートAは、数粒の種子が搭載されたブロ
ック状に切り取られ、植付爪Bの中で保持された後、プ
ッシユロッド7によって土中に押し込まれ播種される。
による方法と、従来の湛水土壌中直播機を用いる方法の
播種試験を、気温の高い好条件下で行い、苗立ち後に1
本ずつ引き抜いて出芽深さを測定して、播種深さの精度
を比較した(図5参照)。
は、ロングマット田植機をベースとした田植機であり、
縦刃5とM字型の横刃6を備えた専用の植付爪Bを設
け、苗載台8にはシート押さえ装置9も設けられてい
る。また、プッシュロッド7が種子シートAを土中に押
し込む位置でのプッシユロッド7の最下端部とフロート
10の最下端部の垂直距離を設定播種深さとし、これを
8mmに設定した。
では、フロート下部に靴底型の溝切り装置と、板状の覆
土装置を持つ一般的な播種機を用いた。供試した種子
は、鳩胸状まで浸種し、どちらの方法も、過酸化カルシ
ウム粉剤を被覆した。
示している。出芽深さとは、稲の茎が土中にあり白く緑
化していない境目から種子の底部までの距離であり、播
種深さを簡易に測定するために用いられる。湛水土壌中
直播機を用いた従来の方法では表面に露出している割合
が10%あり出芽深さのバラツキが大きいが、本発明の
水稲種子固定シートでは、設定播種深さ8mmをピーク
とした分布となりバラツキが小さく押さえられている。
種子固定シートを用いた湛水直播方法によれば、植付爪
でブロック状に切り取られた種子シートは、植付爪の中
に保持された後、ブッシュロッドによって土中に一定深
さで播種される。このこように一定深さに数粒ずつ点播
することで、苗立ちの均一化が達成されると同時に倒伏
が軽減され、最終的には収量が安定する。本発明の水稲
種子固定シートでは、シート状支持体には、水溶性もし
くは水分散性の古紙再生紙、尿素発泡樹脂あるいはロッ
クウールを用いているため軽量であり、ロール状に巻い
て作業機に搭載することで大面積をカバーできる。さら
に本発明の方法は、作業機に従来の田植機を利用するこ
とができるため、移植栽培農家が直播を導入する際、機
械コストを必要とせずに、安定的な直播技術を提供する
ことができる。
である。
状態の部分斜視図である。
分布を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 水溶性もしくは水分散性のシート状支持
体に粘着剤層を配設し、この粘着剤層に水稲種子を筋状
に貼着し、シート状支持体を水溶性高分子フィルムによ
り被覆して水稲種子を保持した水稲種子固定シートを形
成し、該水稲種子固定シートを作業機のシート供給装置
に搭載し、切取り刃を備えた植付爪により水稲種子固定
シートの所定量を順次切り取り、土中に一定の深さに播
種することを特徴とする水稲種子固定シートを用いた湛
水直播方法。 - 【請求項2】 水溶性もしくは水分散性のシート状支持
体が、古紙再生紙、尿素発泡樹脂あるいはロックウール
であり、水溶性高分子フィルムがポリビニルアルコール
フィルムである請求項1記載の水稲種子固定シート。 - 【請求項3】 水溶性もしくは水分散性のシート状支持
体に配設される粘着剤層が水溶性粘着剤であり、上記シ
ート状支持体上に筋状または点状に設けられ、水稲種子
が筋状に貼着、固定されている請求項1記載の水稲種子
固定シート。 - 【請求項4】 縦刃とM字型の横刃を備えた植付爪によ
り水稲種子固定シートの所定量を順次切り取り、土中に
播種する請求項1記載の水稲種子固定シートを用いた湛
水直播方法。
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CN105766089A (zh) * | 2016-04-07 | 2016-07-20 | 徐存然 | 一种旋耕机的双头式机头驱动装置 |
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-
1999
- 1999-10-01 JP JP28136799A patent/JP3273930B2/ja not_active Expired - Fee Related
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