JPH0125559Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、田植機用マツト状苗の育成用床材に
関する。

従来の床材としては、一般に、育苗箱に床土を
充填したものであり、その床材上に、播種ホツパ
ーから繰り出しロールを介して籾を点播してい
た。

ところが、中成苗を育成する場合には、上記籾
の播種密度を下げると共に、植付爪により確実に
取出すために播種ピツチを整える必要があり、上
記点播形式では対応しづらいものとなつていた。

そこで、床土に所定ピツチで籾収容のための凹
部を形成するとか、あるいは、所定ピツチで凹部
を備えさせたシート部材を用い、それら凹部に播
種するものが提案されているが、いずれにおいて
も、凹部夫々に播種するために、例えば、繰り出
しロールに、その長手方向に所定間隔をへだてて
籾取出し用の溝を形成する等、播種装置として特
別なものが必要であり、コスト高になる欠点があ
つた。

本考案は、上記の点に鑑み、播種密度のいかん
にかかわらず、播種装置として特別なものを用い
ずに所望ピツチで容易に播種できるようにするこ
とを目的とする。

本考案の田植機用マツト状苗の育成用床材は、
上記目的達成のために、床材表面の縦横の少なく
とも一方に、植付爪による取出用の凹入部を備え
させ、かつ、前記凹入部の隣り合うものの間の頂
部に籾接着用の接着剤を塗布してあることを特徴
とする。

つまり、床材上全面にわたらせて籾を播いた後
に、床材を天地逆向きの姿勢にすることにより、
頂部に播かれた籾のみが接着剤で接着されて残
り、凹入部等の他の箇所に播かれた籾が自ずと落
下排除されるのである。

従つて、播種装置として特別なものを用いなく
ても済むばかりか、任意に手播きするといつたこ
とでも、容易確実に所望ピツチで播種でき、播種
処理を安価に行える極めて経済的な床材を提供で
きた。

しかも、播種された箇所夫々を挾むように凹入
部が形成されているから、成育後における田植機
での植付けに際し、植付爪により苗を所定量づつ
確実に取出させることができる。

以下、本考案の実施例を例示図に基いて詳述す
る。

縦横夫々に所定間隔をへだてて植付爪による苗
取出し用の凹入部１…，２…を設けると共に、縦
横夫々で隣り合う凹入部１，１…，２，２…間に
突起部３…を備えさせ、かつ突起部３…夫々の頂
部に、籾の３〜４粒を接着させられる範囲にわた
つて接着剤４を塗布し、田植機用マツト状苗の育
成用床材５を構成してある。

前記床材５の材質としては、古新聞を利用する
等によるパルプ材とか高発泡ウレタン樹脂が用い
られ、型への流し込みとか、あるいは、プレス成
形等により製作されるものである。

又、材質的に、あるいは薄肉にするとか孔を穿
ける等により突起部３…夫々の頂部においては、
籾からの根が床材を突き破つて下方に伸長できる
ように構成されている。

次に、上述床材５を用いて育苗床を形成する作
業形態について説明する。

第１ベルトコンベア６の途中に播種ホツパー７
を設け、搬送始端側で載置した床材５上に播種す
る。第１コンベア６の搬送終端において、床材５
を反転し、接着しなかつた籾を容器８に落下回収
させた後、床材５を元の姿勢に戻して育苗箱９に
収納し、第２ベルトコンベア１０に載置する。

第２ベルトコンベア１０で搬送しながら、覆土
装置１１により、保温並びに乾燥防止のために覆
土し、その後、潅水装置１２により水を供給し、
育苗床を得る。

前記突起部３…としては、第４図に示すよう
に、籾が落下しにくいように、その頂部に凹部１
３を設けるものでも良い。

本考案としては、縦横の一方のみに凹入部１あ
るいは２を設けるものでも良い。又、凹入部１，
２としては、突起部３…と連続的に成形するもの
に限らず、線材とかシート材等の別体のものによ
り突起部３…を所定間隔で一体的に連設するもの
でも良い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る田植機用マツト状苗の育成
用床材の実施例を示し、第１図は要部の一部破断
斜視図、第２図は育苗床形成状態の横断面図、第
３図は播種作業を示す概略平面図、第４図は他の
実施例を示す一部破断斜視図である。 １，２……凹入部、４……接着剤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 床材表面の縦横の少なくとも一方に、植付爪に
   よる取出用の凹入部１，２を備えさせ、かつ、前
   記凹入部１，２の隣り合うものの間の頂部に籾接
   着用の接着剤４を塗布してある田植機用マツト状
   苗の育成用床材。