JP3022229U - 育苗箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の排水小孔を貫設してなる育苗箱の底板
に、多数の凹円錐形状の水溜凹部を設けたことを特徴と
する育苗箱。 【解決手段】 従来の育苗箱は、その水溜凹部（イ）が
いづれも該凹部を形成する内壁面の３〜４箇所に縦方向
の角部（ヘ）を有し（図４〔Ａ〕〔Ｂ〕）、又は内壁と
底壁との間に横方向の角部（ト）が発生する（図４
〔Ｃ〕）為、苗の成育に伴って水溜凹部内で伸長する毛
根が、上記角部に当接して強制的に屈折され、必ずしも
良好な根巻きによるマット部が形成されず、その結果、
特に田植機を利用する機械的植え付けの際に根切れが多
発するという課題が見受けられたものであった。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は主として水稲用の育苗箱の改良に関し、特に稚苗の根巻きを良好に したことを特徴とするものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から図３・４に例示したように底面に多数の水溜凹部（イ）を有する底板 （ロ）面に複数の排水小孔（ハ）を貫設してなる巾約３０ｃｍ、長さ約６０ｃｍ 、周壁（ニ）の高さ４ｃｍ内外のプラスチック製の育苗箱は広く知られていたが 、その水溜凹部（イ）の形状は、通常ダイヤカットと称される凹四角錐形（図４ 〔Ａ〕）か、テトラカットと呼ばれる凹三角錐形の組み合わせ（図４〔Ｂ〕）、 又はニューラインと称し、育苗箱の長さ方向に角形凹溝（ホ）を通設したもの（ 図４〔Ｃ〕参照）等であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記形態の水溜凹部（イ）を有する従来の育苗箱は、その水溜凹部（イ）がい づれも該凹部を形成する内壁面の３〜４箇所に縦方向の角部（ヘ）を有し（図４ 〔Ａ〕〔Ｂ〕）、又は内壁と底壁との間に横方向の角部（ト）が発生する（図４ 〔Ｃ〕）為、苗の成育に伴って水溜凹部内で伸長する毛根が、上記角部に当接し て強制的に屈折され、必ずしも良好な根巻きによるマット部が形成されず、その 結果、特に田植機を利用する機械的植え付けの際に根切れが多発するという課題 が見受けられたものであった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

かかる実状を打破する目的で、本考案者は鋭意実験、改善を重ねて従来のこの 種育苗箱における上記水溜凹部を凹円錐形に形成したことによって、これ迄の課 題を確実に克服するに到ったものである。 即ち、複数の排水小孔を貫設してなる育苗箱の底板に多数凹設される水溜凹部 を凹円錐形にするという手段を講じたものである。

【０００５】

【考案の実施の形態】

以下、図１〜３に示す実施例に従って本案育苗箱の構成を更に詳述すると、図 において１はプラスチック材によって一体成型された育苗箱主体、２は上記主体 の底板、３は底板面の適宜な位置に複数貫設された排水小孔、また４は上記排水 小孔３を避けて底板２面から下向きに円錐形状に凹設された多数の水溜凹部であ る。 尚、底板２に対する上記凹円錐形の水溜凹部の配置は、図３に例示したような 直列にするか、或いは千鳥状に配列するかは自由である。

【０００６】 上述した構成の本案育苗箱は、箱内に床土を敷した上、籾を蒔き、覆土を施し て緑化台（育苗機）にて発育させることは、猶従前の育苗箱と同様である。

【０００７】 本案の育苗箱は、その水溜凹部４を凹円錐形に構成したことによって、水溜凹 部４の内壁面には角部が発生せず、従って発育する苗の毛根は、従来の育苗箱に 見られたように水溜凹部の角部に当接して強制的に屈折されることがなく、スム ーズに伸張して、良好なマット部を形成し得るものである。

【０００８】

【考案の効果】

以上、詳述したように本案の育苗箱によれば、全自動育苗ロボットで緑化台に 入れる時に土寄りが起こり難い他、特に苗の毛根の根巻きをスムーズに保ち、そ のマット形成を良好にして苗の機械的植え付けに際して、根切れなどの発生を大 巾に低減させて、従来の育苗箱に見られた課題を解消し得るという格別顕著な効 果を奏するものである。 又、水溜凹部を凹円錐形に構成したことにより、その内壁に角部が形成されな いから、使用後の育苗箱の洗浄が極めて容易、且つ清浄に行えるなどの効果も得 られるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】育苗箱の全体を示す斜視図

【図２】本案育苗箱を横断して示す断面図

【図３】本案育苗箱における水溜凹部の一部を拡大して
示す平面図

【図４】従来の育苗箱における水溜凹部の一部を拡大し
て示す平面図であって、その〔Ａ〕はダイヤカット、
〔Ｂ〕はテトラカット、又〔Ｃ〕はニューライン方式の
ものを示したものである。

【符号の説明】

１ 育苗箱主体 ２ 底板 ３ 排水小孔 ４ 水溜凹部 ５ 周壁

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の排水小孔を貫設してなる育苗箱の底
   板に、多数の凹円錐形状の水溜凹部を設けたことを特徴
   とする育苗箱。