JPS64628B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は、一般家庭その他で使用する無加圧型
据付式の電気温水器に関する。

＜従来技術＞ 従来の電気温水器を第５図に示す。該電気温水
器は、ステンレス材その他の鋼板にてタンク本体
３ａを形成し、上部及び下部に夫々給湯管１７
ａ、給水管１０ａをタンク本体３ａに不可分に密
着接続すると共に、該タンク本体３ａの下位にヒ
ータ２２を内挿して水密的に保持しており、又、
該タンク本体３ａの内面をグラスライニング１３
にて防錆処理を一様に施し、該タンク本体３ａの
側壁部にはタンク本体の防錆効果を高めるために
防食電極１４を取付け、該タンク本体３ａと外装
板１とのなす対向間隙に断熱材２を充填してなる
ものであつた。

ここで、上記従来例のものでは、タンク本体３
ａの長期使用による発錆をなくする為に、該タン
ク本体３ａ内面にグラスライニングを施している
が、それにしても、グラスライニングには通常ピ
ンホールが存在し、この部分から徐々に侵食が進
行する。

この様なグラスライニングのピンボールからの
侵食発錆を防ぐ為に、更に、防食電極１４をタン
ク内に挿設し、該防食電極（正極）とタンク本体
３ａ（負極）間に、電源回路（外装板とタンク本
体との間にあり図示せず）より一定の電位を与え
ていた。従つて、防食電極や、電源回路を必要と
し、それだけ構成が煩雑化する。

又、この様に、従来のタンク本体は、それ自体
の製作においても、製缶工程、熔接工程、それに
タンク本体内面にグラスライニング処理等を行な
う数段の加工工程を必要とし、それに拘らず、尚
もグラスライニングによる防錆作用は完全とは言
えず、防食電極を付設してピンホールからの発生
を防止する手段が必要な為に、製作費が高くなつ
たり、グラスライニングが熱水で分解されて徐々
に変化し、防錆作用が劣化するなどの欠点を有し
ていた。

＜発明が解決しようとする問題点＞ 本発明は、温水器を構成する貯湯タンク本体の
材質を転換することにより、耐食性と保温象の向
上を図ることを目的とする。

＜問題点を解決する為の手段＞ 本発明の電気温水器は、貯湯タンク本体をゼラ
ミツクス材にて、最も成形し易い形状の複数個の
組立部品で構成する。

＜実施例＞ 以下、図面に示す実施例について、詳細に説明
する。図例の貯湯タンク本体３は、耐熱性、断熱
性等の熱特性の良いアルミナセラミツクス材その
他適宜セラミツク材を用いて円筒状、角筒状等任
意形状に形成した容器胴部１８と、同材質の上蓋
２３とで構成する。

即ち容器胴部１８の上端に鍔縁５を一体に連設
し、更に、該容器胴部１８の下位側には給水路１
０を装着するための取付孔１９を形成し、給水管
１０のフランジ部１０′と、これに螺合したナツ
ト２０との間に、該取付孔１９の口縁部をパツキ
ンを介して挟着し、更に、容器胴部１８の他側に
は加熱ヒータ２２を挿着する挿入口２１を形成
し、該加熱ヒータ２２の基部周側に形成した取付
鍔縁部と、該容器胴部１８の側壁とを、ボルトに
よつて水密的に取付けて構成する。

又、他方、容器胴部１８の上端開放部には、周
辺に取付フランジ６を連設した上蓋２３を、その
周縁部の該取付鍔縁６にて前記容器胴部１８の鍔
縁５に、水密接合し、該上蓋２３の中央部に給湯
管１７を取り付ける取付口２３′を形成して、該
取付口２３′の口縁を両側から上記給湯管１７の
フランジ部１７′と該給湯管１７に螺合したナツ
ト２０とで水密的に挟持、定着してなる。

上記の様に構成した貯湯タンク本体３と、該貯
湯タンク本体３を取り巻く外装板１との間に、断
熱作用、緩衝作用等の優れた発泡ウレタン、グラ
スウール等の断熱材２を挿填し、しかも、前記給
水管１０、給湯管１７及びヒータへの電源引込み
線等を、夫々、外装板１の外部に取り出すことに
よつて電気温水器を構成する。

次に、上記実施例においては、給水管１０、給
湯管１７を容器胴部１８或は上蓋２３に取り付け
るには、給水管１０或は給湯管１７の端部に形成
したフランジ１０′或は１７′と、該各管１０，１
７上に螺装したナツト２０との間に、容器胴部１
８或は上蓋２３の各取付口縁を挟んで取付けるよ
うにしているが、この取付構成に限らず、第２図
及び第４図に示すものであつても良い。即ち、第
２図に示すものは、容器胴部１８の側部に給水口
２５を設けると共に、該給水口２５を中心にし
て、その周囲に、取付螺孔を有するナツト７を予
め所要数インサートによつて取付けた場合を示
し、該インサートしたナツト７に給水管１０の端
部フランジ９からパツキン８を介して取付ボルト
１１，１１を挿通し、給水パイプ１０を容器胴部
１８に取り付けるものである。

又、第３図に示すものは、給水管１０の端部に
形成したフランジ１２と共に容器胴部１８を形成
する際に、直接給水管１０の基部をインサートに
よつて取り付けておく場合であり、又、第４図に
示す例は、容器胴部１８の側壁に、給水口２５
と、外側の突縁１６と、給水管１０の取付ボルト
孔２４とを、同時に形成しておき、これに、該給
水管１０の端部に形成したフランジ９を容器胴部
１８との間にパツキン８を介して対接させ、該容
器胴部１８の内側から、前記ボルト孔２４を経
て、給水管１０のフランジ９にボルト１５を挿通
し、ナツトにより締め付けて、給水管１０を容器
胴部１８に定着するものである。

尚、上記第２図乃至第４図の例は、何れも給水
管１０を容器胴部１８に取り付ける場合である
が、給湯管１７を上蓋２３に取り付ける場合に
も、全く同様に、実施することができる。又、上
記の構成は、上蓋と容器胴部とで横割に構成した
が、中央部で縦割、その他適所で数分割組立式と
することも含むものとする。

＜作用＞ 次に、上記構成の貯湯タンクの作用について述
べる。先ず、電気温水器は、内容量12〜14［リツ
トル］程度の小型器で、据え付け式のものである
為に、給水管１０を水道元栓から適宜配管し、給
湯管を湯水混合栓に接続しておき、貯湯タンク内
を満水にした後、ヒータ２２に通電すると、やが
て、所定温度（85［℃］上限）の熱湯が生成され、
その時点で、自動温度調節器が動作して通電を停
止する。

そこで、本発明においては、給水管路内に通水
制止弁が介在しているので、給水を中止しても貯
湯タンク内には全く圧力が作用しない無加圧配管
方式を採用している為に、貯湯タンク本体３がセ
ラミツクのような比較的脆性面で劣る素材であつ
ても、この様な圧力管路内で、一機器としての使
用が可能である。

使用にあたつては、湯水混合栓の給湯用蛇口を
開くことにより、新たな水は、給水管１０より補
給され、この補給水圧によつてタンク本体３内の
熱湯は、給湯管１７から押し出され、前記の湯水
混合栓に送られ、ここで、水と混じつて適温の温
水として供給されるのである。

＜発明の効果＞ 本発明は、上記構成作用からなり、貯湯タンク
本体をセラミツク材にて分割組立式に構成したこ
とにより、長期使用しても、これまでのように、
グラスライニングのピンホールや、熱変化による
グラスライニングの劣化に伴なう侵食防止の為に
設けた防食電極などが全く不用であり、又、これ
に付随する電源回路がいらず、構成が極く簡単で
コスト安となり、それに、電気量も低減し、セラ
ミツクの使用によりグラスライニングのような劣
化もなく、これまでの様に、鋼板とグラスライニ
ングとの組合わせによる貯湯タンク本体と比べて
も、機械的衝撃に対し強度が高く、構造が簡単
で、その上、断熱性が良く、耐食性の高い、長期
使用が可能な電気温水器の提供を図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の電気温水器の縦断側面図、
第２図は、給水器と貯湯タンクとの取付部の変更
例を示す部分拡大断面図、第３図及び第４図は何
れも同上他の実施例を示す部分断面図、第５図
は、従来の電気温水器の縦断面図である。 ３……貯湯タンク本体、１０……給水管、１７
……給湯管、２２……ヒータ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 上部に給湯管、下部に給水管を有し且つヒー
   タを内挿した貯湯タンク本体で構成する温水器に
   おいて、上記貯湯タンク本体をセラミツクスにて
   分離可能に接合構成し、接合部にパツキンを介し
   て水密的に組立て、該貯湯タンク本体の外周部を
   断熱材にて包囲したことを特徴とする電気温水
   器。