JPS645784Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は例えば電子卓上計算機等に使用され
るキーボードスイツチに関する。

第１図は周知のキーボードスイツチである。１
１は印刷配線基板であり、この基板１１には図示
せぬ固定接点等が印刷形成される。この基板１１
にはスペーサ部材１２が積層され、このスペーサ
部材１２には表面シート１３が装着される。この
表面シート１３には０〜９の数字や加減乗除の記
号等からなる操作表示部１４が印刷形成される。
前記スペーサ部材１２には操作表示部１４にそれ
ぞれ対応して第２図に示すような収納孔２１が設
けられる。この収納孔２１の内部には前記印刷配
線基板１１に設けられた固定接点２２，２３、コ
モン接点２４が配設されるとともに、可動接片２
５が設けられスイツチ機構が構成される。この可
動接片２５は例えば略ドーム形状とされており、
この内面部周縁部には前記固定接点２２，２３に
それぞれ接触される接点２６，２７が設けられ、
内面部中央部には前記コモン接点２４に接触可能
な接点２８が設けられる。

上記構成において、通常可動接片２５は自身の
弾性力によつて第２図に示す状態となつており、
コモン接点２４と接点２８が離間したオフ状態と
なつている。この状態において操作表示部１４を
例えば指先で押圧すると、これに伴ない可動接片
２５が彎曲され、所定の彎曲位置を過ぎると瞬時
に第３図に示す如く屈曲される。したがつて、コ
モン接点２４と接点２８が当接され、スイツチ状
態がオン状態とされる。この状態において操作表
示部１４に対する押圧力を解除すると、可動接片
２５は瞬時に反転し第２図に示す状態に復帰され
る。

ところで、上記構成においてスイツチ切換え時
における押圧力は可動接片２５に作用されるが、
操作表示部１４を介在しているため、この力の作
用点は必ずしも可動接片２５の中央部に集中する
とは限らない。したがつて、可動接片２５に加わ
る単位面積当りの押圧力が弱くなることがあり、
十分な節度（クリツク）が得られないことがあ
る。これを改善するためには可動接片２５の屈曲
力を強めればよいが、押圧力もこれと同様に強く
しなければならない欠点を有している。

そこで、第４図に示す如くスペーサ部材１２の
収納孔２１内に突起３１を有する可動操作子３２
を設け、この突起３１によつて可動接片２５の中
央部を押圧する構成が考えられている。このよう
な構成であれば、操作表示部１４に加えられた押
圧力は総べて可動接片２５の中央部に集中して作
用するため十分な節度が得られる。しかし、可動
操作子３２を介在することによりスペーサ部材１
２の厚みが増大するためスイツチ自体が大型化す
る欠点が生ずる。また、基板１１上に複数個配置
されたスイツチ機構に対してそれぞれ可動操作子
３２を設けることは極めて煩雑で組立て工数を要
するものである。さらに、可動操作子３２とスペ
ーサ部材１２の収納孔２１内壁面とが摺接するた
め、摩耗粉等が生じ故障の原因となるなどの問題
を有している。

この考案は上記事情に基づいてなされたもの
で、その目的とするところは基板と表面シートと
の間に可動接片の中央部のみにそれぞれ当接する
押圧部が一体形成された弾性部材を設けることに
より、構成および組立てが簡単でスイツチ形状を
大型化することなく十分な節度を得ることが可能
なキーボードスイツチを提供しようとするもので
ある。

以下、この考案の一実施例について図面を参照
して説明する。尚、第５図乃至第７図中、第１図
乃至第４図と同一部分には同一符号を付し、異な
る部分についてのみ説明する。

第５図において、スペーサ部材１２と表面シー
ト１３の間には例えばシリコンゴム等からなるシ
ート状弾性部材５１が設けられる。この弾性部材
５１には操作表示部１４およびスペーサ部材１２
の収納孔２１にそれぞれ対応して押圧部５２が切
残し形成される。即ち、前記弾性部材５１には各
スイツチ機構に対応し、且つ前記収納孔２１と同
一の透孔５５が設けられ、この透孔５５の内部に
前記可動接片２５の中央部にそれぞれ当接される
押圧部５２が設けられる。この押圧部５２は連結
部５３，５４によつて透孔５５の内面と橋絡され
る。

上記構成において、操作表示部１４を押圧する
と、この押圧力は押圧部５２に集中され、可動接
片２５の中央部に作用される。したがつて、可動
接片２５に加わる単位面積当りの力が増大するた
め、反転力を増大しなくとも節度感が増大し、十
分な切換え感覚を得ることができる。

また、押圧部５２は弾性部材５１に一体形成さ
れるため、弾性部材５１をスペーサ部材１２に装
着することのみにより押圧部５２を各可動接片２
５に対応して配置することが可能である。したが
つて、組立てが容易であり、組立て工数を削減す
ることが可能である。

さらに、押圧部５２はスペーサ部材１２の凹所
２１に比べて十分小さくなされているため押圧部
５２が凹所２１の内壁面に摺接することがない。
したがつて、摩耗粉が生じ、故障原因となること
もない。

尚、上記実施例では押圧部５２、連結部５３，
５４は弾性部材５１より切残して形成したが、こ
れに限らず、例えば第８図に示す如く一体成形し
て製作することも可能である。このようにすれ
ば、スペーサ部材と弾性部材とを一体構造とする
ことができるため、組立て工数をさらに削減する
ことが可能である。

その他、この考案の要旨を変えない範囲で種種
変形実施可能なことは勿論である。

以上、詳述したようにこの考案によれば、構成
および組立てが簡単でスイツチ形状を大型化する
ことなく十分な節度を得ることが可能なキーボー
ドスイツチを提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のキーボードスイツチの構成を示
す斜視図、第２図は第１図の要部を取出して示す
側断面図、第３図は第２図の異なる動作状態を示
す側断面図、第４図は第１図乃至第３図と異なる
従来のキーボードスイツチの要部を取出して示す
側断面図、第５図はこの考案に係わるキーボード
スイツチの一実施例を示すもので、全体構成を示
す分解斜視図、第６図は第５図の要部を取出して
示す上面図、第７図は第６図の側断面図、第８図
はこの考案の他の実施例を示す側断面図である。 １１……印刷配線基板、１３……表面シート、
１４……操作表示部、２５……可動接片、５１…
…弾性部材、５２……押圧部、５３，５４……連
結部、５５……透孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基板上に複数個配置され弾性を有する可動接片
   が操作力に応じて屈曲されスイツチ状態が切換え
   られるスイツチ機構と、前記基板に装着され前記
   スイツチ機構に対応して操作表示部が設けられた
   表面シートと、この表面シートおよび前記基板間
   に介在され前記スイツチ機構にそれぞれ対応して
   透孔を有するとともにこの透孔内部に前記可動接
   片の中央部にそれぞれ当接される押圧部およびこ
   の押圧部と前記透孔内面とを橋絡保持する連結部
   が一体形成された弾性部材とを具備したことを特
   徴とするキーボードスイツチ。