JPS645679Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は横置きＶ型エンジン搭載の自動二輪車
用空気清浄器に関するものである。

横置きＶ型エンジン搭載の自動二輪車の空気清
浄器はシリンダブロツク間の上方に配置されてお
り、この取付位置は前方シリンダブロツクの後方
（走行時における風下）であるため、ラジエータ
放熱によつて加熱された空気が空気清浄器に流入
するばかりでなく、ほこりや水の浸入を防止する
必要があつた。

本考案は、このような点に鑑みて、エンジンの
放熱に余り影響されず、且つほこりや水の侵入を
防止した自動二輪車用空気清浄器を提供するもの
で、その特徴とするところは、空気清浄器を前後
シリンダブロツクの間の上方に位置させて車体の
側部に配設するとともに、空気取入口を車体の内
方を臨む位置に開口させた横置きＶ型エンジン搭
載の自動二輪車用空気清浄器を提供するものであ
る。

以下本考案の一実施例を添付図面に基づいて詳
述する。

第１図は本考案に係る空気清浄器を横置きＶ型
エンジン搭載の自動二輪車に適用した場合の空気
清浄器１の配設位置を示したもので、空気清浄器
１は、Ｖ型エンジン２の前方シリンダブロツク２
ａと後方シリンダブロツク２ｂとの間に位置し、
その間に配設された気化器３の上方にあつて、燃
料タンク４の直下且つ水冷式冷却器５の後部に近
接して配設されている。この空気清浄器１は、車
体の左右に２個、第２図に示す燃料タンク４の下
面に沿つて配置され図示しない４個のキヤブレー
タを結合しているチヤンバーにそれぞれ支持され
ている。第２図は、第１図におけるＡ−Ａ線断面
を示したもので、空気清浄器１は、空気清浄器本
体７と、空気清浄器カバー８と、フイルター９
と、空気取入口用ダクト１０等からなつている。
空気清浄器本体７には、空気流入孔７ａおよび空
気流出孔７ｂが穿設されており、さらに空気流入
孔７ａの端縁周部に空気取入口用ダクト１０と係
合するためのフランジ７ｃが突設され、また空気
流出孔７ｂの端縁周部にはチヤンバー１１と係合
するための環状突部７ｄが形成されている。空気
清浄器カバー８には、下部周縁部に清浄器本体７
の端縁周部７ｅに嵌合する溝８ａが形成されてい
る。フイルター９は、第４図に二点鎖線で示した
ように、下部９ａが厚く、環状に形成されてい
る。空気取入口用ダクト１０は、第３図ａ〜ｃに
示すようにクランク状通路１０ａを有し、それら
の通路は複数の隔壁１０ｂによつて仕切られ、補
強されている。この空気取入口用ダクト１０の入
口側端には、その下方および側方に張出した鍔１
０ｃが形成され、出口側端には清浄器本体７のフ
ランジ７ｃと係合するための凹溝１０ｄが形成さ
れている。

このような各要素は以下のように組付けられ
る。入口用ダクト１０の凹溝１０ｄを嵌合させて
当該空気取入口用ダクト１０を空気清浄器本体７
に支持させるとともに、空気清浄器本体７の空気
流出孔７ｂを囲むようにフイルター９を配置し、
その外側からシールラバー１２を介して空気清浄
器カバー８を被せ、該カバー８の周縁の溝８ａを
空気清浄器本体７の端縁周部７ｅに嵌着させて空
気清浄器１を組付ける。

このようにして組付けられた空気清浄器１は第
２図に示すように、空気清浄器本体７の空気流出
孔７ｂとチヤンバー１１の通気孔１１ａとを合致
させて、該通気孔１１ａを環状凸部７ｄに嵌着す
るとともに、該チヤンバー１１に空気清浄器１を
支持する。かかる取付状態において、ダクト１０
は車体の内方、即ち車体の内部中心近傍に開口し
ている。なお、第２図は左側空気清浄器１の燃料
タンク４およびメインフレーム６との位置関係を
示したものであるが、右側空気清浄器も全く対称
に、特にダクトの開口が左側のものと対向するよ
うに車体の右側に配設される。

しかも、車体の両側に配置することによりキヤ
ブレータまでの距離を短かく、且つ等距離にする
ことができ、空気の吸入バランスが良くなると共
に、外観も良くなる。

このようにして車体に配設された空気清浄器１
は、その空気取入口用ダクト１０の開口１０ｅか
ら空気を取入れ、クランク状通路１０ａを経て空
気清浄器本体７の空気流入孔７ａに導入し、さら
にフイルター９を経て空気流出孔７ｂに導き、該
流出孔７ｂを介して気化器３に送出する。その
際、泥水、泥土或は前方からの雨水等は空気取入
口用ダクト１０の鍔１０ｃにより開口１０ｅに達
するのを阻止される。また開口１０ｅから空気取
入口用ダクト１０内に侵入した塵挨はフイルター
９によつて濾過される。なお、フイルター９と空
気清浄器１のケース８間に介在させているシール
ラバー１２は、フイルター９と空気清浄器ケース
８間をシールするばかりでなく、フイルータ９の
振動を吸収するとともに、振動によつて発生する
空気清浄器ケース８の騒音も吸収する。

以上説明したように本考案によれば、空気清浄
器をシリンダブロツク間の車体の側部に位置させ
ているので、比較的エンジンの放熱の影響を受け
ない空気を取入れることができる。また空気取入
口を車体の内方を臨む位置に開口させているため
にほこりや雨水、地上からの泥土、泥水等が空気
取入口に侵入する虞れがなく、フイルターの浄化
効率を長期に亘り高く維持できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る空気清浄器を取付けた状
態を示した自動二輪車の側面図、第２図は第１図
におけるＡ−Ａ線の拡大断面図、第３図ａは空気
取入口用ダクトの斜視図、第３図ｂは第３図ａに
おけるＢ−Ｂ線断面図、第３図ｃは空気取入口用
ダクトの空気取入口側から見た正面図、第４図は
本考案に係る空気清浄器を取付けた状態を示す部
分拡大図である。 １……空気清浄器、２……Ｖ型エンジン、２ａ
……前方シリンダブロツク、２ｂ……後方シリン
ダブロツク、３……気化器、４……燃料タンク、
５……水冷式冷却器、６……メインフレーム、７
……空気清浄器本体、７ａ……空気流入孔、７ｂ
……空気流出孔、７ｃ……フランジ、７ｄ……環
状突部、７ｅ……端縁、８……空気清浄器カバ
ー、８ａ……溝、９……フイルター、９ａ……下
部、１０……空気取入口用ダクト、１０ａ……ク
ランク状通路、１０ｂ……隔壁、１０ｃ……鍔、
１０ｄ……凹溝、１０ｅ……開口、１１……チヤ
ンバー、１２……シールラバー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 車体の前後にシリンダブロツクを有する横置
   きＶ型エンジン搭載の自動二輪車において、前
   後シリンダブロツク間の車体の側部に配設さ
   れ、空気取入口が当該空気取入口に設けられた
   ダクトを介して車体の内方を臨む位置に開口さ
   れて成ることを特徴とする自動二輪車用空気清
   浄器。 ２ 前記空気清浄器は車体の左右両側にそれぞれ
   配設され、各空気取入口が互いに対向するよう
   に位置されたことを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の自動二輪車用空気清浄
   器。