JPS645528Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は容器本体に蓋体を開閉自在に蝶着して
なるコンパクト容器に関するものであり、より具
体的には化粧料を収納したレフイル容器を容器本
体から分離して交換自在としたコンパクト容器に
関するものである。

《従来の技術》 従来のこの種のコンパクト容器としては、実開
昭58−104105号公報または実開昭58−145112号公
報に示されたように、容器本体に形成された凹所
内に化粧料を収納したレフイル容器を配設すると
ともに、容器本体と蓋体との間にレフイル容器固
定用の回転枠体をを蝶着したものが公知となつて
いる。

しかしながら、この公知のコンパクト容器では
レフイル容器と別個にただ単にレフイル容器を押
えるためだけの回転枠体を蝶着しており、この枠
体はコンパクト容器自体の機能からすると付加的
部品であつてコスト高の原因となつていた。ま
た、枠体は容器本体の周縁全長に亘つて形成され
ているため、容器本体内の化粧料等を充填し得る
面積部分が比較的狭いものに限定されると言つた
問題点があつた。

《考案の目的》 本願考案は上記の問題点に鑑みてなされたもの
で、その目的は従来のレフイル容器固定用の枠体
を不要とし、化粧用具等を収納する中皿容器にレ
フイル容器固定枠としての機能を持たせた、部品
点数の少ない低コストのコンパクト容器を提供す
るにある。

《問題点を解決するための手段》 本考案のコンパクト容器では、容器本体に形成
した凹所内に凹所全体の寸法よりも充分に小さな
中皿容器を格納可能に蓋体と同様に蝶着し、この
凹所の他の部分にはレフイル容器を着脱可能に格
納し、中皿容器が凹所から上方へ回転移動された
時にレフイル容器を凹所から分離可能とし、中皿
容器が凹所内へ格納された時にレフイル容器を中
皿の外縁部によつて凹所内へ止錠する手段を備え
てなるのである。

《実施例》 以下に本考案の好適な実施例に係るコンパクト
容器について添附図面を参照にして説明する。

１は矩形の容器本体を示し、この容器本体１の
後端縁部にはピン２によつて蓋体３が開閉自在に
蝶着されている。

蓋体３はその内面に鏡４を添着してなり、また
その前端縁には爪片５が一体的に垂設され、この
爪片５の内面には第１の係合突起６が形成されて
いる。この爪片５に対応して容器本体１の前端縁
部には凹状切欠部７が形成され、この切欠部７の
奥面には第２の係合突起８が一体的に形成され、
蓋体３を閉じると蓋体３の爪片５が容器本体１の
凹状切欠部７内に入り、第１，第２の係合突起
６，８が相互に係合して蓋体３は閉止位置を占め
る。

容器本体１にはその周縁立壁９によつて画成さ
れた凹所１０が形成され、この凹所１０の中央部
には凹所１０の面積の約1/3の平面積を有する化
粧用具収納用の中皿容器１１が配設され、この中
皿容器１１の後端縁部は容器本体１と蓋体３とを
蝶着する前記ピン２に枢着されている。中皿容器
１１の上端周縁には鍔部１２が水平方向外方に若
干張出して形成され、また前端壁下方には第３の
係合突起１３が一体的に形成されている。この第
３の係合突起１３に対応して容器本体１の前方内
底面に壁板１４が一体的に立設され、この壁板１
４の内面に第４の係合突起１５が一体的に形成さ
れている。従つて、中皿容器１１を第２図の状態
から矢印方向に回転してやると、中皿容器１１の
前端壁部に形成した第３の係合突起１３が上記第
４の係合突起１５と係合して、中皿容器１１は容
器本体１の凹所１０内に格納されここに固定され
ることになる。中皿容器１１の前端部の鍔部１
２′は前端壁よりも内方に突入していて、この前
端壁との間に棚部を形成しているため、第１図の
状態からこの棚部に指を引掛けて中皿容器１１を
引き上げると前記の第３・第４の係合突起１３，
１５の係合が解除されて第２図のように中皿容器
１１が回転して開放する。

上記中皿容器１１の両側の凹所１０内には異種
または異色の化粧料１６ａ，１６ｂを収納してな
るレフイル容器１７ａ，１７ｂが着脱自在に配設
される。具体的には、凹所１０の内底面にはこれ
を略３分割する２個の突条１８ａ，１８ｂが一体
的に形成され、容器本体１の上端左右の鍔部９
ａ，９ｂは左右の内側壁面よりも内方へ若干突入
して形成されている。そして、レフイル容器１７
ａ，１７ｂの高さは凹所１０の内底面と鍔部９ａ
または９ｂの下面との間の距離よりも僅かに小さ
くして、レフイル容器１７ａ，１７ｂは第２図の
状態において、外側底部を鍔部９ａ，９ｂの下面
に入れ、その内側底部を突条１８ａ，１８ｂに衝
接させることによつて凹所１０の両側に位置決め
される。この状態にて中皿容器１１を下方に回転
して閉じると、その両側上端の鍔部がレフイル容
器１７ａ，１７ｂの内側上端縁部に重合し、次い
で中皿容器１１の前端に形成した第３の係合突起
が容器本体側の第４の係合突起と係合するため、
中皿容器１１が止錠されると同時に第１・第２の
レフイル容器も止錠されることになる。

尚、上記の実施例においては、レフイル容器１
７ａ，１７ｂの上端面を平坦面としたため、中皿
容器１１の左右鍔部とレフイル容器１７ａ，１７
ｂの上端面との間に段差が形成されてしまう。こ
のような段差を無くすために、例えば第３図に示
すようにレフイル容器１７ａ，１７ｂの各々の左
右上端部を段付縁部として、この段部に容器本体
１の左右の内方鍔部及び中皿容器１１の左右の両
側上端鍔部が重合するようにしても良い。或いは
第４図に示すように、レフイル容器１７ａ，１７
ｂの外側上端部だけを段付縁部とし、この段部を
容器本体１の左右の内方鍔部の下方に挿入し、レ
フイル容器１７ａ，１７ｂの内側面には中皿容器
１１の左右側面が周一面となつて当接するように
しても良い。

また、上記実施例においては、中皿容器１１の
両側にレフイル容器１７ａ，１７ｂを配設した
が、この中皿容器１１を例えば容器本体１の凹所
１０の左側半分に格納されるサイズとし、レフイ
ル容器をこの凹所の右側半分に格納されるサイズ
とし、レフイル容器を１個にすることもできる。

更にはまた第５図に示すように、回転式中皿容
器１１ａを容器本体１の凹所１０の前後方向の長
さの約半分程度の短小な形状とし、前記第１実施
例の場合と同様の壁板１４ａを凹所１０の略中央
部に設け、凹所１０の後方両側に第１及び第２の
レフイル容器１７a′，１７b′を分離自在に収納す
るとともに、この壁板１４ａと容器本体１の前端
縁部との間に形成された空所に第３のレフイル容
器１７ｃを分離自在に収納し、中皿容器１１ａの
前端壁部に形成された係合突起１３ａを壁板１４
ａに形成された係合突起１５ａと係合した時に、
中皿容器１１ａの上端周縁から突出した鍔部と容
器本体１の内周縁から突出した鍔部とによつて３
個のレフイル容器１７a′，１７b′，１７ｃを止錠
するようにしても良い。

《作用》 上記本考案に係るコンパクト容器の使用に当た
つては、レフイル容器１７ａ，１７ｂには異種ま
たは異色の化粧料１６ａ，１６ｂが収納され、中
皿容器１１の容器本体１に対する止錠によつてレ
フイル容器１７ａ，１７ｂも容器本体から離脱す
ることがないようになつている。使用者がレフイ
ル容器１７ａ，１７ｂ内の化粧料を好みのものに
変更するには、中皿容器１１を引き上げて第３の
係合突起１３と第４の係合突起１５との係合を解
除し、次いでこの中皿容器１１を後端部のピン２
を中心にして上方に回動してやる。この中皿容器
１１の回動によつて、その側方及び前方に位置す
るレフイル容器１７ａ，１７ｂは水平方向内側に
移動可能となり、このように移動するとレフイル
容器１７ａ，１７ｂは容器本体１の左右鍔部１２
ａ，１２ｂから離れるため、止錠が解除されて上
方へ分離することができる。従つて、新たな別に
用意されたレフイル容器と交換することができ
る。新たなレフイル容器と交換した場合には、こ
のレフイル容器の端縁部を容器本体１の鍔部の下
方へ係合した後に中皿容器１１を下方へ回動し
て、前記第３・第４の係合突起１３，１５を相互
に係合すれば、中皿容器１１の止錠と同様にレフ
イル容器も止錠される。

《考案の効果》 以上のように本考案のコンパクト容器によれ
ば、中皿容器の回動によつてレフイル容器の止錠
または解錠を行なうことができるから、従来のよ
うな中皿固定用の回転枠体を不要とし、部品点数
を減らしてコストダウンを計ることができる。更
には、本考案では従来のような容器本体の凹所の
全周を覆う枠体が必要でないから、容器本体の凹
所の有効利用面積を増大させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例に係るコンパクト
容器を一部破断して示す斜視図、第２図は第１図
の状態から中皿容器を上方へ回動した状態を示す
斜視図、第３図及び第４図は中皿容器とレフイル
容器との他の係合状態を示す部分断面図、第５図
は本考案の他の実施例に係るコンパクト容器を一
部破断して示す斜視図である。 １……容器本体、３……蓋体、１２，９ａ，９
ｂ……鍔部、１０……凹所、１１……中皿容器、
１７ａ，１７ｂ，１７a′，１７b′，１７ｃ……レ
フイル容器。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 容器本体に蓋体を開閉自在に蝶着してなるコ
   ンパクト容器において、該容器本体に形成した
   凹所内に該凹所の全体の寸法よりも充分に小さ
   な中皿容器を格納可能に該蓋体と同様に蝶着
   し、該凹所の他の部分にはレフイル容器を着脱
   可能に格納し、該中皿容器が該凹所から上方へ
   回転移動された時に該レフイル容器を該凹所か
   ら分離可能とし、該中皿容器が該凹所内へ格納
   された時に該レフイル容器を該中皿容器の外縁
   部によつて凹所内へ止錠してなることを特徴と
   するコンパクト容器。 (2) 前記中皿容器が前記凹所の中央部に配設さ
   れ、前記レフイル容器が該中皿容器の両側に配
   設されてなることを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項記載のコンパクト容器。 (3) 前記中皿容器の上端に鍔部を形成し、該中皿
   容器及び前記レフイル容器を前記凹所内に格納
   した時に該鍔部が該レフイル容器の上端縁に重
   合することにより止錠してなることを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項または第２項
   記載のコンパクト容器。