JPS644693Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、開栓時に複数成分を混合し得る容器
蓋に関するもので、より詳細には、頂板部と筒状
スカート部とを有し、且つ容器口部の外周ねじと
係合するねじを備えた容器蓋本体と、容器蓋本体
の頂板部内面側に該本体と共に着脱し得るように
設けられ且つ容器口部の軸方向に延びる支持体を
備えたライナーと、容器口部内周面より内方に設
けられ且つ容器口部に固定される内筒体と、支持
体及び内筒体の下端に接着され且つ金属箔、樹脂
フイルムまたは金属箔−樹脂積層体で形成された
底面部材と、ライナー、内筒体及び底面部材で区
画される配合剤収容空間と、及び底面部材の内筒
体への接続部乃至はこれに近接した部分に設けら
れた、開栓時に破壊する弱化域とから成ることを
特徴とする開栓時に複数成分を混合し得る容器蓋
に関する。

或る種の飲料、薬品等においては、複数種の成
分を長期間にわたつて混合状態で保存すると、そ
れらの相互作用により、味覚や香の低下、活性変
化等の幣害を生じる場合があり、使用直前に複数
種の成分の混合が要望されることがある。

この要望に答えるものとして、一方の成分を容
器本体内に収容し、他方の成分を容器蓋内に収容
して、開封時に両成分を混合する方式が種々提案
されている。

その代表的なものは、容器蓋内で配合剤を保持
するダイアフラム状の底面を、下端にカツターを
備えた中栓を押圧することにより破断し、容器蓋
内の配合剤を容器本体内の内容物に混合するとい
うものである。

しかしながら、このような容器蓋においては、
購入者にとつて、開栓操作の他にダイアフラムの
破断操作が必要であるという煩わしさがあり、更
に容器蓋の構造も著しく複雑になり、実際的でな
い。

従つて、本考案の目的は、開栓時において、開
栓のトルク或いは容器蓋の上昇を利用して配合剤
保持底面の破壊が生じ、その結果として開栓以外
の操作を必要とせずに、内容物への配合剤の混合
を行い得る容器蓋を提供するにある。

本考案の他の目的は、開栓時における配合剤保
持底面の破壊が比較的小さい力で容易に行われる
ような、開栓時に複数成分を混合し得る容器蓋を
提供するにある。

本考案を添付図面に示す具体例に基づき以下に
詳細に説明する。

本考案の容器の一例を示す第１図において、容
器蓋本体１は、例えばアルミニウム等の金属で製
造され、頂板部２と頂板部の周囲から垂下してい
る筒状スカート部３とを有している。筒状スカー
ト部３には、容器口部４の外周面のねじ５と係合
するねじ６が設けられており、且つスカート部３
の下端７は内方に折曲げられて、容器口部４のあ
ご８に係合している。このスカート部３には、容
器蓋が開栓されていないことを保証するそれ自体
公知の不正開封防止手段（ミシン状切目）９が設
けられている。

この容器蓋本体１の頂板部内面側には、全体と
して１０で示す内蓋を構成するライナーが設けら
れている。ライナー１０は、例えばポリエチレン
等の合成樹脂で形成されていて、この具体例で
は、外周に環状の密封用係合部１１及び中央部に
下方に突出した円状突起部１２を備えており、更
に容器口部軸方向に且つ下方に延びる棒状の支持
体１３を一体に有している。容器蓋本体１のスカ
ート部３には、頂板部２に近接して環状の内向き
突起１４が形成されていて、ライナー１０を離脱
しないように保持し、これにより、開栓時にはラ
イナー１０が容器蓋本体１と共に容器口部４から
取除かれる構成となつている。

容器口部４の内周面より内側に位置するよう
に、全体として１５で示す内筒体が容器口部４に
固定されるように設けられる。この内筒体１５も
ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂で形
成されており、この具体例において、内筒体１５
は、容器口部内周面１６と係合する内側筒部１
７、この内側筒部の上端に連なるフランジ部１８
及びフランジ部外周の係合部１９から成つてい
て、この係合部１９が容器口部４の環状溝２０に
食込むことによつて内筒体１５の容器口部４への
固定が行われるようになつている。

内筒体１５は、ライナー１０に対して開栓時に
のみ離脱するような一時的固定が行われており、
内筒体１５の内側筒部１７内に、ライナー１０の
円状突起部１２を嵌挿させることにより、内筒体
１５のフランジ部１８とライナー１０の密封用係
合部１１とが密着している。図面に示す具体例で
は、この一時的固定を確実なものとするために、
円状突起部１２の嵌挿面には環状の溝２１が、ま
た内筒体１５には環状の突起２２が夫々設けら
れ、これらが係合することにより両者の離脱が防
止されている。

支持体１３の下端２３及び内筒体１５の下端２
４には、金属箔、樹脂フイルム、または金属箔−
樹脂積層体から成る底面部材２５が接合される。

かくして、本考案においては、ライナー１０、
内筒体１５及び底面部材２５により配合剤収容空
間２６が形成されていることが了解されよう。

本考案によれば、底面部材２５の内筒体１５へ
の接続部乃至はこれに近接した部分に開栓時に破
壊する弱化域を設ける。

この弱化域を拡大して示す第２図において、底
面部材２５と内筒体下端２４との接合部に近接し
て、底面部材２５にはその厚み方向の途中に達す
るような切筋２７が形成される。更に、内筒体１
５の筒部１７には、その下端２４に近接して内向
きのナイフエツジ状突起２８が形成される。切筋
２７とナイフエツジ２８とは、底面部材２５が支
持体１３により上方に持上げられたとき、ナイフ
エツジ２８が切筋２７と接触して、これに剪断力
が作用する位置関係にある。

本考案においては、ライナー１０と内筒体１５
とを、第１図に示す関係で組立て、これらで形成
される空間２６内に、開栓時に内容物中に混入さ
すべき配合剤を充填させる。配合剤の充填後、底
面部材２５を第１図に示す位置関係で施こし、ヒ
ートシール等の手段により、内筒体１５及び支持
体１３への接着と密封を行う。

上述した組立、配合剤の充填及びヒートシール
等の操作は、容器蓋本体の外で行つても、或いは
容器蓋本体内で行つてもよい。前者の場合には、
この組立体１０，１５，２５を、中栓のように容
器口部４に嵌合させ、次いで容器蓋本体１を被蓋
させ、ローラによる押圧加工により容器口部４へ
のねじ成形と固定を行う。後者の場合には、完成
された容器蓋を容器口部４に嵌合させ、同様のロ
ール加工により容器口部４への固定を行う。

開栓に際しては、容器蓋本体１を旋回させる。
これにより容器蓋本体１は容器口部４に対して上
方に持上げられ、これに伴なつて、容器本体１内
に突起１４によつて支持されるライナー１０も上
方に持上げられ、更に支持体１３も上方に持上げ
られる結果として底面部材２５も上に引張られ
る。このため、底面部材２５の切筋２７とナイフ
エツジ２８とが係合して、切筋２７に剪断力が作
用し、第３図に示す通り、底面部材２５がスコア
２７の位置で破断して収容空間２６内の配合剤２
９が容器内に収容された内容物中に添加されるこ
とになる。

かくして、本考案によれば、開栓操作で配合剤
保持底面の破断が行われ、開栓以外の操作を必要
とせずに、所望とする配合剤の内容物への添加を
行うことが可能となる。

しかも、本考案においては、開栓時における配
合剤保持底面の破断が、切筋での剪断という形で
行われることから、比較的小さい力で容易に行わ
れ、開栓操作も至つて容易であるという利点があ
る。

また、配合剤収容空間がライナー１０、内筒体
１５及び底面部材２５で完全に包まれているた
め、蓋の施用時或いは開封時に異物が混入するの
が防止され、衛生的特性にも顕著に優れている。

尚、内筒体１５に設けるナイフエツジ２８は環
状のものでよいし、或いは内筒体１５の内周に沿
つて、鋸歯状に設けられたものでも、また間隔を
おいて複数個周状に配置されたものであつてもよ
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の容器蓋の一例の断面図であ
り、第２図は第１図の容器蓋の弱化域の拡大断面
図であり、第３図は開栓時の底面部材の破断を示
す説明図である。 引照数字１は容器蓋本体、２は頂面部、３はス
カート部、４は容器口部、１０はライナー、１３
は支持体、１５は内筒体、２５は底面部材、２７
は切筋、２８はナイフエツジを夫々示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 頂板部と筒状スカート部とを有し、且つ容器口
   部の外周ねじと係合するねじを備えた容器蓋本
   体；容器蓋本体の頂板部内面側に該本体と共に着
   脱し得るように設けられ且つ容器口部の軸方向に
   延びる支持体を備えたライナーと、容器口部内周
   面より内方に設けられ且つ容器口部に固定される
   内筒体と、支持体及び内筒体の下端に接着され且
   つ金属箔、樹脂フイルムまたは金属箔−樹脂積層
   体で形成された底面部材と、ライナー、内筒体及
   び底面部材で区画される配合剤収容空間と、及び
   底面部材の内筒体への接続部乃至はこれに近接し
   た部分に設けられた、開栓時に破壊する弱化域と
   から成り、 前記弱化域は、底面部材と内筒体下端との接合
   部に近接して底面部材にその厚み方向の途中に達
   するように設けられたスコアと、内筒部材にその
   下端に近接して設けられ且つ底面部材が上方に持
   上げられたとき該スコアと係合する剪断用ナイフ
   エツジとを備えていることを特徴とする開栓時に
   複数成分を混合し得る容器蓋。