JPS644520Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、シユート或いはホツパーの要耐摩耗
部分に張設される摩耗防止用内張板に関するもの
である。

〔従来の技術〕

本出願人は、「裏面に取付用ボルトを植設突出
させた金属製保持板の表面に、耐摩耗磁器板を接
着固定した摩耗防止用内張板」を改良し、「金属
製保持板に対し伸縮弾性を有する所要厚さのゴム
質接着材層により耐摩耗磁器板を固定し、緩衝な
らびに防音効果を奏するようにした摩耗防止用内
張板」を提案して以来既に久しい。（実開昭50−
114075号公報参照） 〔考案が解決しようとする課題〕 ところが、上述した既往の考案においては、例
えば、シユート或いはホツパー等の要耐摩耗部分
に張設すべき摩耗防止用内張板を構成する部材中
に、取付用ボルトを植設した比較的厚い金属製保
持板（厚さ約６mm程度）が、その外周を外部に露
呈した状態で存在し、そのため内張板の重量が増
大し、運搬或いは所要個所への張設取付に際し、
操作上好ましくないのみならず、搬送物の種類に
よつては、搬送中に搬送物から発散される有害ガ
スのため、金属製保持板はその露呈した外周から
漸次腐蝕されて往々支障が起こり、そのため、こ
の保持板の材料にステンレス板を使用する結果と
なつたりして、製品コストの点からも好ましくな
い。（搬送物がコークス等の場合に上記腐蝕の発
生する現象は特に顕著である。） 本考案は、上述した本出願人の考案に対し、提
案実施以来の経験に微し、さらに、改良工夫を施
したものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、表面に、例えば磁器板等の耐摩耗板
を敷き並べて焼付固着した一連のゴム質基板中に
取付用螺杆の金属製板状頭部を埋設固定した摩耗
防止用内張板であつて、前記金属製板状頭部が貫
通孔を備え、該金属製板状頭部を前記ゴム質基板
中に埋設固定したときに該貫通孔に前記ゴム質基
板の一部が充満した構成としたことを特徴とする
摩耗防止用内張板である。

〔作用〕 本考案においては、前述の厚い金属製保持板が
外周に露呈する構成を改め、なお、従来この保持
板に植設していた取付用螺杆については、保持板
からこれらを分離し、その金属製板状頭部に適宜
貫通孔を設け、この金属製板状頭部の部分を耐摩
耗板を表面に焼付固着したゴム質基板中に、該ゴ
ム質基板の一部が前記貫通孔に充満状態となるよ
うに直接埋設固定したので、従来品にくらべ内張
板の重量は大幅に軽減せらると共に、有害ガスに
よる腐蝕発生の心配もなく、また、耐腐を考慮し
てステンレス材を使用する場合も、取付用螺杆の
みをステンレス材とすることで足りるから、製品
コストに対する影響も従来品に比較して甚だ僅少
である。また貫通孔にゴム質基板の一部が充満し
ているのでゴム質基板と取付用螺杆との結合が強
固となる。

〔実施例〕

以下実施例図面について本考案を説明する。

第１図において、１は耐摩耗板で、例えば磁器
板等が用いられ、ゴム質基板２（以下基板２と
略）の表面に互いに目地を隔てて縦横に隣接して
敷きならべ、基板２上に焼付固着されている。

取付用螺杆３は、螺杆部３′と金属製板状頭部
４（以下頭部４と略）とから構成されており、こ
の頭部４は比較的薄肉の板状で、適宜貫通孔８…
が設けられていて、この貫通孔８…に基板２の一
部が充満するように基板２中に全体を包み込まれ
た状態で一体的に埋設固定され、斯くして頭部４
はこの基板２に対し回動しないように植設せられ
ている。

なお、上記摩耗防止用内張板は、シユートＳ等
に設けた取付孔Ｈに取付用螺杆３の螺杆部３′を
挿通し、背面よりナツト５を緊締することにより
所要個所に張設固定せられる。なお、必要によ
り、図の如くナツト５との間に平座金６、スプリ
ングワツシヤー７を介装することもある。

第１図に示した取付用螺杆３は螺杆部３′と頭
部４とが一体的のものであるが、第２図イの如く
頭部４と螺杆部３′とを別体とし、螺杆部３′の端
部に薄い金属板製の頭部４を溶接等の手段で固着
９して取付用螺杆３を構成してもよく、基板２に
適宜間隔を置いて埋設してある。また、第２図
イ、ロの如く、頭部４は四角その他の角形とし
て、貫通孔８…によるのみならず頭部４の形状に
よつても取付用螺杆３が基板２に対し回動しない
ようにすることが好ましい。

第２図ロ例は頭部４が薄肉の金属製円板状のも
のである。

また、第３図に示した取付用螺杆３は、比較的
広く且つ薄く、さらに複数個の貫通孔８′を散在
させて穿設した板状の金属板４′に所要間隔を置
いて（図示の場合は、概ね長方形の金属板４′の
四隅に位置して）複数個の螺杆部３′の端部を溶
接等の手段で回動しないように固定し、（皿状端
部を持つた螺杆部３′を用い、これに対応し、金
属板４′に端部を皿状にした通孔を穿設し、螺杆
部３′の皿状端部を金属板４′の前記皿孔に嵌入
し、皿状端部の周縁を金属板４′に溶接するよう
にするのも一つの固定手段である）取付用螺杆３
の頭部４を各螺杆部３′に共通する一枚の広く且
つ薄く、さらに多数の貫通孔８′を散在して設け
た金属板４′を以て構成した形態のもので、前述
した金属板４′から成る頭部４をこの金属板４′の
周縁が外部に露出しないように基板２中に埋設固
定するわけである。なお、図示のものは、金属板
４′に貫通孔８′を散在させてあるが、金属板４′
の中央部分に大きな貫通孔を一個設け、金属板
４′の形状や窓枠状となるようにしてもよい。こ
の例では複数個の螺杆部３′が共通の頭部４とな
る薄く広い金属板４′に対し互いに関係位置を保
つて取付けられて取付用螺杆３が形成されている
から、各螺杆部３′に対し、金属板４′はあたかも
治具の関係を保有することとなり、製造工程が極
めて簡潔となり、その結果、製品価格を大幅に低
下させることができるし頭部の回転防止にも役立
つものである。

製造工程の一例を述べれば、先ず、型内底部に
磁器板等の耐摩耗板１…を敷きならべ、その上に
適宜厚さに生ゴム層を置き、この生ゴム層の上
に、所要位置に螺杆部３′を固着した薄い金属板
４′（頭部４）を螺杆部３′の先端を上方にして載
置し、さらにその金属板４′の上に適宜厚さの生
ゴム層を置いて、全体を加圧下に加熱すれば各螺
杆部３′に共通の頭部４としての薄い金属板４′が
基板２の一部が貫通孔８′に充満した状態で基板
２中に包まれて埋設固定された所望の製品を容易
に得ることができる。

この場合の実際数値について一例を示せば、耐
摩耗板１の厚さ約15mm、基板２の厚さも約15mm、
螺杆部３′に対し共通の頭部４となる広く薄い金
属板４′の厚さは1.6mm〜２mm程度である。

〔考案の効果〕

本考案は以上の如くで、効果を挙げれば次の通
りである。

(イ) 従来品に用いた取付用ボルトを備えた厚さ６
mm程度の部厚い金属製保持板を廃止したから重
量が非常に軽くなり（重量が20％〜30％程度減
少した）、運搬或いはシユート等への取付作業
が極めて容易で、また厚肉の金属板を使用しな
いのでコストダウンが可能となつた。

(ロ) 薄い金属板製の頭部は、基板中に全体を包み
込まれた状態で一体的に埋設固定され、従来品
の如く金属製保持板の外周縁が外部に露呈する
ようなことがないから、搬送物から放散される
有害ガスによつて金属製部分が腐蝕するような
従来品の欠点がなく、耐久性が非常に大きくな
る。

(ハ) 薄い金属板製の頭部には、所要の貫通孔が設
けられているから、この貫通孔に基板の一部が
充満した状態で頭部はその全体を基板中に包ま
れ全面から基板によつて強圧保持され、その結
果、取付用螺杆は基板に対し極めて強個に取付
け固着され、基板に対し取付用螺杆の抜け出し
或いは回動するような故障が発生しない。

(ニ) 基板から外部に露出する部分は、取付用螺杆
の螺杆部のみであるから、搬送物が放散する有
害ガスに対しステンレス材を使用するとして
も、その必要量は僅かであり、耐蝕性のあるす
ぐれた製品を廉価に提供することができ、しか
も孔あき金属板であるため耐摩耗板の衝撃に対
するクツシヨン性も良好になり耐摩耗板の破損
防止に役立つものである。

【図面の簡単な説明】

添付図面は、本考案の実施例を示し、第１図は
シユートＳ等に張設固定した状態を縦断して示し
たものである。第２図は取付用螺杆３の他の実施
例を示した斜面図である。また、第３図は各螺杆
部３′共通の一枚の薄い金属板４′で頭部４を構成
した場合の斜面図である。 図中、１……磁器板等の耐摩耗板、２……基
板、３……取付用螺杆、３′……螺杆部、４……
頭部、４′……金属板、５……ナツト、６……平
座金、７……スプリングワツシヤー、８，８′…
…貫通孔、Ｓ……例えばシユート等、Ｈ……取付
孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 表面に、例えば磁器板等の耐摩耗板を敷き並
   べて焼付固着した一連のゴム質基板中に取付用
   螺杆の金属製板状頭部を埋設固定した摩耗防止
   用内張板であつて、前記金属製板状頭部が貫通
   孔を備え、該金属製板状頭部を前記ゴム質基板
   中に埋設固定したときに該貫通孔に前記ゴム質
   基板の一部が充満した構成としたことを特徴と
   する摩耗防止用内張板。 (2) 前記取付用螺杆が螺杆部に金属製板状頭部を
   溶接固定したものであることを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲の(1)に記載した摩耗防止用
   内張板。