JPS644016Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はベースボードヒーター、更に詳しくは
室内の壁面下部に沿つて設ける暖房装置であり、
特に温度の立ち上がり特性、及び室内の高さ方向
における温度分布の均一化を図つたベースボード
ヒーターに関するものである。

〔従来の技術〕及び〔考案が解決しようとする課
題〕 従来より室内を暖房するための暖房装置として
は種々のものが提供されていた。それらの内の例
として、電気あるいは温水を熱源として床面を暖
房するもの、あるいは電気、ガスを熱源とするス
トーブ、更にはこれらのストーブに送風機を取付
けたもの、あるいは室内の壁面下部に沿つて設け
られるいわゆるベースボードヒーターといわれる
暖房装置等があつた。

また、これら種々の暖房装置に要求される暖房
効果としては、単に室内の温度を上昇させるだけ
でなく、室内の高さ方向に関して略一定の温度で
暖房すること、及び暖房機の使い始めであつても
室内がすぐに暖まる、即ち暖房のための温度の立
ち上がり性能が良いこと等が要求されていた。

そこで、上記暖房機に要求される性能を、前述
した各種の暖房機についてみると、床暖房に関し
ては、室内の高さ方向の温度分布を一定にする効
果はあるものの、温度の立ち上がり性能が著しく
低いという欠点があつた。電気あるいはガスを用
いたストーブ、更にはこれらのストーブに送風機
を付設したもの等については、温度の立ち上がり
は優れているものの、室温を高さ方向に略一定に
するということが殆どできず、特にひどい場合な
どは天井付近と床面付近で温度差が10℃程度にも
なることが知られている。又ベースボードヒータ
ーは、室内の高さ方向温度を一定に維持すること
はできるものの、暖房開始時の温度の立ち上がり
性能が悪いものであつた。

〔課題を解決するための手段〕

そこで、本考案は、室内の高さ方向の温度分布
が略均一となるベースボードヒーターに、強制的
な空気の送風ダクトを設け、運転開始時における
暖房温度の立ち上がり性能の悪さを克服すること
により、理想的な暖房装置を提供することをその
目的とする。

前述した目的を達成するために、本考案は、上
板、下板及び前板から成る側面形状略コ字状のベ
ース板の前板内側に発熱体を設け、この発熱体の
上下に排出孔、吸入孔を形成したベースボードヒ
ーターにおいて、下板と発熱体との間に中間板を
配すると共に下板の奥方から立設板を立設させて
空気の送風ダクトとし、中間板と立設板の間に隙
間を設け空気の吐出口としたことを特徴とする。

〔実施例〕

以下本考案の一実施例を、発熱体として温水を
用いたものを例にあげて説明する。

この実施例では、上板１０、下板１１及び前板
１２から成る側面形状略コ字状のベース板１３を
形成し、この前板１２内側に２本の通水パイプ１
４が固定してある。また更に、下板１１と通水パ
イプ１４との間には中間板１５が設けられ、下板
１１の奥方からは立設板１７を立設させ、下板１
１、中間板１５、立設板１７及びそれらの間の前
板１２とによつて、送風ダクト１６が形成してあ
る。また中間板１５の後方先端と立設板１７との
間に隙間を形成し、ここを送風ダクト１６からの
空気の強制的な吐出口１８としてある。また、前
板１２の通水パイプ１４下部及び上部には、それ
ぞれ室内の空気の吸入孔１９及び排出孔２０が形
成してある。なお、下板１１下部からは床面上に
接する載置板２１が突設してある。又前記送風ダ
クト１６は、中間に送風機２２を介して、室内の
天井付近あるいは床面付近に開口させた吸い込み
口２３から吸い込んだ空気を、ベースボードヒー
ターに送るためのものである。

次に本考案に係るベースボードヒーターの使用
について説明する。

まず、使用開始直後はベースボードヒーターの
特性として暖房のための室内の温度上昇が遅いの
で、通水パイプ１４に温水を通すと共に送風機２
２のスイツチを入れ、送風ダクト１６、吐出口１
８を介して空気を強制的に通水パイプ１４に吹き
付けることによつて吸入孔１９、排出孔２０から
温風を室内に送り出し、温度上昇の立ち上がりの
悪さを補うのである。

このようにして、ある程度室内が暖まつた後
は、送風機２２の作動を停止して、通常のベース
ボードヒーターと同様に使用する。このときには
前板１２に設けた吸入孔１９から室内の空気を吸
い込み、その空気を通水パイプ１４に供給されて
いる温水との間で熱交換を行なわせた後、排出孔
２０から室内に送り出すものである。勿論、室内
がある程度暖まつた後においても、送風機２２を
作動したままで使用することもできる。この実施
例にあつては、ベースボードヒーターの有する高
さ方向温度の均一性と共に、送風ダクト１６を設
けたことによる暖房温度の立ち上がりの早さをも
期待することができるのである。

第２図に示した概略図は、室内の天井付近に吸
い込み口２３を設け、この吸い込み口２３から吸
い込んだ空気を送風ダクト１６に送り込む場合を
示したものである。このように形成すると天井付
近の高温空気を、ベースボードヒーターを介して
更に暖めて室内の床面付近に送り出すことができ
るので、暖房効率の著しい向上と共に、室内の高
さ方向温度の均一性が更に担保されるものであ
る。

第３図に示した例はベースボードヒーターと略
同じ高さ、即ち室内の床面付近に吸い込み口２３
を設けた場合を示すものである。このようにする
と、床面付近の低い温度の空気を暖めて室内に送
り出すことができるので、特に床面付近が寒いと
いうことがなくなるものである。

なお、以上の実施例においては、発熱体として
高温温水を供給する通水パイプ１４を用いた場合
を例に挙げて説明したが、この他にも、例えば電
気的な発熱体をベースボードヒーターに付設して
用いることもできる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案は、暖房すべき室
内の高さ方向の温度の均一性を担保できると共
に、暖房開始時における室内温度の立ち上がりの
悪さをも充分補うことができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものであつて、第
１図は斜視図、第２図は吸い込み口を天井付近に
設けた場合を示す概略図、第３図は吸い込み口を
床面付近に設けた場合を示す斜視図である。 １０……上板、１１……下板、１２……前板、
１３……ベース板、１４……通水パイプ、１５…
…中間板、１６……送風ダクト、１７……立設
板、１８……吐出口、１９……吸入孔、２０……
排出孔、２１……載置板、２２……送風機、２３
……吸い込み口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上板、下板及び前板から成る側面形状略コ字状
   のベース板の前板内側に発熱体を設け、この発熱
   体の上下に排出孔、吸入孔を形成したベースボー
   ドヒーターにおいて、下板と発熱体との間に中間
   板を配すると共に下板の奥方から立設板を立設さ
   せて空気の送風ダクトとし、中間板と立設板の間
   に隙間を設け空気の吐出口としたことを特徴とす
   るベースボードヒーター。