JPS643795Y2 - - Google Patents

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JPS643795Y2
JPS643795Y2 JP1989683U JP1989683U JPS643795Y2 JP S643795 Y2 JPS643795 Y2 JP S643795Y2 JP 1989683 U JP1989683 U JP 1989683U JP 1989683 U JP1989683 U JP 1989683U JP S643795 Y2 JPS643795 Y2 JP S643795Y2
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JP
Japan
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ceramic layer
piston
pores
piston body
chromium oxide
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JP1989683U
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JPS59126157U (ja
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Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、セラミツク被覆を施した内燃機関
用ピストンの改良に関する。
最近の内燃機関では、ピストンの直接高温ガス
に曝される部分をセラミツク層にて被覆し、ピス
トンの耐熱性や耐食性を改善したものがあるが、
上記セラミツク層には、セラミツク粒子間の隙間
によつて、気孔部の発生は避けがたい。そしてこ
の場合、内燃機関の作動中に燃焼ガスが気孔部に
侵入して、セラミツク層を脆弱化し、あるいはこ
の燃焼ガスがピストン本体の表面に到達して、セ
ラミツク層をピストン本体から剥離させるなどの
不都合が生じる。
この考案に係る内燃機関用ピストンでは、ピス
トンの燃焼室を構成する頂面領域をセラミツク層
にて被覆し、このセラミツク層の気孔部に酸化ク
ロムを充填することによつて、燃焼ガスが気孔部
に侵入するのを阻止し、セラミツク層の脆弱化や
剥離を防止するようにしたものである。
なおここで、「燃焼室を構成する頂面領域」と
は、シリンダの内壁面と共に燃焼室を構成するピ
ストンの頂面部を意味し、ピストン凹部の内周面
およびピストン頂面を形成する平坦面を含んでい
る。
以下ピストン本体が球状黒鉛鋳鉄より成るピス
トンに、この考案を適用した実施例につき第1図
〜第2C図に基いて説明する。
第1図はピストン1の頂面領域2に燃焼室凹部
6を持つピストン1の縦断面図で、このピストン
1の頂面領域2には、セラミツク層がピストン本
体4を蔽うように設けられている。またこのピス
トン1の下部は、ピストン5によつて連結棒8の
小端部と互いに回動自在に連結されている。なお
このピストン1の外径は140mmである。
ところで上記セラミツク層3は、以下の工程順
序に従つて形成された。
Γ 第1工程−下地処理。
ピストン本体4の頂面領域2を、その平坦面7
を含めシヨツトブラストなどによつて梨地に仕上
げ、セラミツク層3がピストン本体4に確実に附
着できるようにする。
Γ 第2工程−セラミツク溶射。
プラズマガンを用い、ピストン本体4の頂面領
域2にジルコニヤZrO2を約2mmの厚さで均一に
吹付け、セラミツク層3を形成する。
Γ 第3工程−三酸化クロムCrO3水溶液の塗布。
気孔部がある上記セラミツク層3の表面に、刷
毛で三酸化クロムCrO3の水溶液を塗り、上記気
孔部に上記水溶液を含浸させる。
この水溶液は三酸化クロムCrO360%,水40%
の重量比の水溶液とする。
なお第2図は、上記セラミツク層3の組織拡大
図で、符号9は上記気孔部を示す。すなわちこの
気孔部9は、相隣るジルコニアZrO2粒子10間
の隙間がセラミツク層3の表面にまで連なること
によつて形成される。
Γ 第4工程−加熱処理。
ピストン1を1時間で510℃まで昇温させ、次
に510℃の温度で10分間保持した後、室温まで冷
却する。
この加熱処理により水分は蒸発し、また三酸化
クロムCrO3は酸化第二クロムCr2O3になる。この
酸化第二クロムCr2O3は、第2B図のごとく気孔
部9に付着して、酸化クロム領域11を形成す
る。
Γ 第5工程−繰返し処理。
上記第3〜4の工程を10回繰返し、第2C図に
示すごとく気孔部6に酸化第二クロムCr2O3を充
填する。
かくしてこのピストン1を用いた内燃機関を作
動させれば、燃焼ガスは酸化クロム領域11によ
つて阻止され、気孔部9内への侵入は不可能とな
る。したがつて燃焼ガスによるセラミツク層3の
脆弱化や、ピストン本体4からの剥離は阻止され
る。
さらに上記酸化クロム領域11は、ジルコニヤ
ZrO2粒子10間のバインダとしても機能するか
ら、酸化クロム層11の存在によつてセラミツク
層3は一層強化される。
また酸化第二クロムCr2O3は、それ自体耐熱性
や耐食性に優れているので、セラミツク層3は燃
焼ガスにより特に気孔部9から損傷や腐食を受け
ることがなく、それ故気孔部9は、セラミツク層
の破壊起点になることもない。
さらに酸化第二クロムCr2O3の熱膨張係数は、
ジルコニヤZrO2のそれに類似するため、内燃機
関作動中の温度変動によつてセラミツク層3内に
局部的な応力を生じ、この応力がセラミツク層3
の破壊を誘起するようなこともない。
また上記酸化クロム領域11には、ピストン本
体4からセラミツク層3が剥離するのを抑止する
効果もある。
すなわち引張り試験結果によれば、気孔部9に
酸化第二クロムCr2O3を充填した上記セラミツク
層3は、6〜7Kg/mm2の剥離強度を示した。そし
てこの値は、気孔部9を充填していないセラミツ
ク層の6〜7倍の強度であることが確められた。
以上本考案を一実施例につき説明したが、上記
実施例は本考案を限定するものでは決してなく、
本考案の技術的思想に基いて種々の変更が可能で
ある。例えば本考案のピストン本体4は、球状黒
鉛鋳鉄製であつたが、その他の鋳鉄又は鋼、ある
いはチタン、アルミニウム又はこれらの系の合金
であつてもよい。
またセラミツク層3を形成する5工程について
も、例えば下地処理は梨地仕上げに、またセラミ
ツクはジルコニヤZrO2に必ずしも限定する必要
はない。さらにセラミツク層3は、プラズマ溶射
以外の方法によつて形成しもよい。その他、三酸
化クロムCrO3水溶液を塗布する方法や、上記水
溶液の濃度、加熱処理の温度や時間、あるいは第
3〜第4工程の繰返し回数なども、状況に応じて
変更が可能である。
本考案は上述のような構成であるから、内燃機
関の作動中に、燃焼ガスがセラミツク層に侵入
し、セラミツク層を脆弱化したり、あるいはピス
トン本体からこのセラミツク層を剥離させたりす
ることを防止することができる。
また比較的簡単な工程によつて酸化クロムを気
孔部に充填することが可能であるから、ピストン
の製作を特に複雑化するおそれもない。
【図面の簡単な説明】
図はピストン本体が鋳鉄製のピストンに、この
考案を適用した実施例を示すもので、第1図は同
上のピストンの縦断面図、第2A図〜第2C図は
セラミツク層の組織拡大図で、それぞれ順に、気
孔部への酸化クロムの充填前、一部充填、完全充
填の状態を示す説明図である。 また図面に用いられた符号において、1……ピ
ストン、2……頂面領域、3……セラミツク層、
4……ピストン本体、6……燃焼室凹部、7……
平坦面、9……気孔部、10……ジルコニヤ粒
子、11……酸化クロム領域、である。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 燃焼室を構成する頂面領域をセラミツク層にて
    被覆しこのセラミツク層の気孔部に酸化クロムを
    充填して成る内燃機関用ピストン。
JP1989683U 1983-02-14 1983-02-14 内燃機関用ピストン Granted JPS59126157U (ja)

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JP1989683U JPS59126157U (ja) 1983-02-14 1983-02-14 内燃機関用ピストン

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JP1989683U JPS59126157U (ja) 1983-02-14 1983-02-14 内燃機関用ピストン

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JPS59126157U JPS59126157U (ja) 1984-08-24
JPS643795Y2 true JPS643795Y2 (ja) 1989-02-01

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JPH01142246A (ja) * 1987-11-26 1989-06-05 Adiabatics Inc 断熱コーティングを施した内燃機関の燃焼室構成部品

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JPS59126157U (ja) 1984-08-24

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