JPS643345Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、コンバインの一側上方に設けられて
いる穀粒ホツパー装置に係り、詳しくはタンク部
からホツパー部に向けて穀粒を移送する移送装置
を有する穀粒ホツパー装置に関する。

従来、ホツパー装置は、その容量を大きくする
ため、機体一側にホツパー部を設けると共に、そ
のタンク部を脱穀機上方まで延出させたものがあ
り、該ホツパー装置はタンク部からホツパー部に
穀粒を移送する移送装置（ラセン）を必要として
いる。しかし、従来の移送装置は、その起動を作
業者が手動操作により行なうか、又は常時駆動し
ているため、その操作が大変面倒であり、またホ
ツパー部に籾が詰つている状態で移送装置を駆動
し、籾を損傷したり、移送装置を破損することが
あつた。

そこで、本考案は、タンク部及び該タンク部の
前側端に位置するホツパー部よりなる穀粒ホツパ
ー装置において、タンク部の底部に、タンク部の
奥側からホツパー部へ向けて移送する移送装置を
配設し、またホツパー部及び移送装置部分にそれ
ぞれ穀粒を検知するホツパー部センサー及び移送
部センサーを設け、ホツパー部センサーが作動せ
ず、かつ移送部センサーが作動しているとき、移
送装置を駆動するように構成し、もつて移送装置
を必要時にのみ自動的に駆動して、上述欠点を解
消した穀粒ホツパー装置を提供することを目的と
するものである。

以下、図面に沿つて本考案による実施例を説明
する。

コンバイン１は、第１図に示すように、クロー
ラ２で支持されている機体３を有しており、機体
３は脱穀機、籾処理台５及び運転席６を有してお
り、また機体３の前方に前処理部７が昇降自在に
配設されている。更に、運転席６の後方にはホツ
パー部９ａ及びタンク部９ｂよりなる穀粒ホツパ
ー装置９が設けられており、ホツパー部９ａは籾
処理台５上に位置するように、またタンク部９ｂ
は機体３の上方において脱穀機側に延出するよう
に設置されている。

ホツパー装置９は、第２図及び第３図に示すよ
うに、タンク部９ｂの前側端にホツパー部９ａが
位置しており、かつ該タンク部９ｂの前側端部分
上方に揚穀筒１０の排出部１０ａが設けられてお
り、該排出部１０ａに整列して僅か下方に拡散ス
クリユーコンベヤ１１が縦方向に配設され、また
タンク部９ｂの上部には横方向に延びている２本
の拡散スクリユーコンベヤ１２，１３が配設され
ている。コンベヤ１２，１３は揚穀筒１０からチ
エーン１５、駆動軸１６及び傘歯車１７を介して
伝動され、またコンベヤ１１は駆動軸１６及びチ
エーン１９を介して駆動されている。更に、コン
ベヤ１１のホツパー部９ａには案内板２０が配置
され、またタンク部９ｂ側には多数の拡散板２１
ａ，２１ｂ，２１ｃ，２１ｄが奥に向かつて順次
下降するように傾斜して設けられている。一方、
タンク部９ｂの底部にはタンク部９ｂの奥側から
ホツパー部９ａへ向けて移送するベルトコンベヤ
２２が配設されており、コンベヤ２２はモータ２
３から減速歯車２５及び駆動軸２６を介して駆動
されている。なお、第４図に示すように、ベルト
コンベヤ２２の両端部にはタイミングベルト状の
歯２２ａが形成され、また駆動軸２６には歯付車
２７が固定され、コンベヤ２２は歯２２ａに歯付
車２７が噛合して滑べることなく回転される。ま
た、タンク部９ｂの側壁にはそれぞれ側板２９
ａ，２９ｂ，２９ｃ及びこれら側板の先端に固定
されたビニール板３０ａ，３０ｂ，３０ｃが設け
られており、各ビニール板がコンベヤ２２と接触
して穀粒がベルトコンベヤ２２の下方に洩れるこ
とが防止され、同様にコンベヤ２２の先端部にも
側板３１が設けられている。また、ベルトコンベ
ヤ２２の移送側下方に沿つて底板３２が設けられ
ており、規定量の籾の重量にコンベヤ２２が充分
に耐えられるように設定されている。そして、タ
ンク部９ｂの奥部上方にタンク部センサー３３
が、ホツパー部９ａにホツパー部センサー３５
が、またベルトコンベヤ２２の排出部分に移送部
センサー３６がそれぞれ配置されており、スイツ
チ３３，３５は圧力スイツチ、スイツチ３６は円
筒の先端にレンズが取付けてある発光ダイオード
３６ａ及びフオトトランジスタ３６ａよりなる。
なお、３７はシヤツター、３９は籾袋である。

次に、第５図に基づき、本実施例の回路を説明
する。回路は電源Ｂからメインスイツチ４０、ヒ
ユーズ４１を介して接続されており、更に各セン
サー３３，３５，３６が並列に接続されている。
ホツパー部センサー３５は通常接点ａに接続して
おり、籾圧力が作用すると接点ｂに切換えられ、
タンク部センサー３３は通常接点を開にしている
が、籾圧力が作用すると閉成され、また移送部セ
ンサー３６はベルトコンベヤ２２上に籾があると
出力しないが、籾がなくなると出力して、スイツ
チ回路４２をオンしてリレー４３を作動し、各接
点を実像から破線の状態、即ち接点ｃ，ｄから接
点ｅ，ｆに切換える。また、リレー４５を介して
モータ２３が接続されており、リレー４５は通常
実線の状態、即ちオフ状態にあるが、スイツチ回
路４６の作動によりオンに切換えられる。スイツ
チ回路４６はセンサー３５の接点ａからリレー４
３の接点ｃ及びタイマー回路４７を介して作動さ
れ、タイヤー回路４７は上記経路からの電流が断
たれても、その後数秒間スイツチ回路４６を作動
状態に保持するが、センサー３５の接点ｂからタ
イマー停止回路４９を介して通電されると、該タ
イマー回路４７の機能が停止され、直ちにスイツ
チ回路４６を切換える。なお、図中、５０はフラ
ツシヤーユニツト、５１は籾警報スイツチ回路、
５２はブザー、ランプ等の警報器、５３は籾警報
停止ボタン、５５は籾停止回路である。

ついで、上述構成に基づく作用について説明す
る。

コンバイン１が刈取作業を始める前は、第６図
１に示すように、ホツパー装置９は空の状態にあ
る。この状態では、ホツパー部センサー３５は接
点ａに保たれ、また移送部センサー３６は出力し
てスイツチ４２を作動し、リレー４３は接点ｅ，
ｆに切換えられている。従つて、スイツチ回路４
６には通電されず、リレー４５はオフ位置を保
ち、モータ２３は停止している。そして、コンバ
イン１が刈取作業を開始すると、脱穀機から揚穀
筒１０を介して籾がホツパー装置９に送られ、籾
は揚穀筒排出部１０ａから拡散コンベヤ１１及び
案内板２０によりまずホツパー部９ａに送られ
る。更に、ホツパー部９ａからシヤツター３７を
介して籾袋３９に送出され、籾袋が満杯になる
と、第６図２及び第２図鎖線ｘで示すように、ホ
ツパー部９にも溜められ、ホツパー部センサー３
５が籾圧力により作動し、接点ｂに切換える。こ
の状態では、リレー４３は破線位置、即ち接点
ｅ，ｆに切換え保持されているので、接点ｂから
接点ｆ及びフラツシヤーユニツト５０を介して籾
警報スイツチ回路５１に通電し、警報器５２を断
続的に作動する。これにより、籾袋３９を交換す
るか、また籾袋３９をそのままにして籾警報停止
ボタン５３を押して、籾停止回路５５を介してス
イツチ回路５１を切換え、警報器５２の作動を停
止するか、更には何もしないで警報器５２を作動
させたままにしておく。そして、ホツパー部９ａ
に更に籾が溜つて、第６図３及び第２図鎖線ｙで
示す状態になると、移送部センサー３６の発光ダ
イオード３６ａの光が籾で遮ぎられ、スイツチ回
路４２をオフに切換えてリレー４３を戻す。する
と、リレー４３は接点ｃ，ｄに切換えられ、籾警
報スイツチ回路５１への通電を断ち、警報器５２
の作動を停止する。更に、揚穀筒１０から籾が送
られると、籾が一番手前の拡散板２１ａにより矢
印に示すように送られ、更に該拡散板２１ａ部分
が満杯になると、二番目の拡散板２１ｂに流さ
れ、順次タンク部９ｂの奥へ溜められていく。そ
して、籾が拡散コンベヤ１２，１３に達するまで
積上げられると、コンベヤ１２，１３により更に
タンク部９ｂの奥に運ばれ、三番目、四番目の拡
散板２１ｃ，２１ｄにより順次タンク部９ｂの奥
に溜められ、ついに第６図４に示すように、ホツ
パー装置９が略々満杯になる。すると、タンク部
センサー３３が作動して接点を接続し、警報スイ
ツチ回路５１に通電して警報器を連続して作動す
る。これにより、警報停止ボタン５３を押して警
報器５２の作動を停止すると共に、籾袋３９を交
換してホツパー部９ａの籾を排出する。すると、
第６図５に示すように、ホツパー部センサー３５
は籾圧力が作用せず、接点ａに切換える。この状
態では、リレー４３は接点ｃ，ｄが接続している
ので、接点ａから接点ｃ及びタイマー回路４７を
介してスイツチ回路４６に通電し、リレー４５を
接続状態に切換える。これにより、モータ２３は
駆動され、減速ギヤ２５及び駆動軸２６を介して
ベルトコンベヤ２２を駆動し、コンベヤ２２上の
籾をホツパー部９ａに移送する。そして、籾袋３
９が満杯になるか、又はシヤツター３７を閉じて
第６図６に示すようにホツパー部９ａに籾が溜
り、ホツパー部センサー３５が接点ｂに切換わる
と、タイマー回路４７への通電が断たれると同時
に、タイマー停止回路４９に通電され、スイツチ
回路４６は直ちに非作動状態になり、モータ２３
を停止する。これにより、ベルトコンベヤ２２は
過負荷を生じて破損したり、また籾に過度の圧力
をかけて損傷することなく、直ちに停止する。そ
して、上述した第６図５，６の作動を繰返して、
やがてタンク部９ｂに籾がなくなる寸前になる
と、第６図７に示すように、移送部センサー３６
の発光ダイオード３６ａの光はフオトトランジス
タ３６ｂに達し、スイツチ回路４２を作動してリ
レー４３を接点ｃ，ｆが接続するように切換え
る。すると、今まで接点ａから接点ｃ及びタイマ
ー回路４７を介してスイツチ回路４６を作動し、
モータ２３を駆動していたところ、接点ｃがオフ
されタイマー回路４７への通電は断たれるが、タ
イマー回路４７が更に数秒間続けてスイツチ回路
４６を作動状態に保ち、モータ２３を数秒駆動し
てベルトコンベヤ２２上の籾を完全に排出した
後、タイマー回路４６の保持時間が切れてコンベ
ヤ２２は自動的に停止する。

以上説明したように、本考案によれば、タンク
部９ｂ内の穀粒（籾）は自動的に完全に排出され
るので、作業者は他の作業に専念することがで
き、作業能率を大幅に向上することができると共
にホツパー部センサー３５及び移送部センサー３
６により穀粒の排出を自動制御するため、移送装
置２２に必要以上の負荷を作用させず、モータ２
３等の駆動装置を破損したり、穀粒を損傷したり
することを防止できる。また、移送装置をベルト
コンベヤ２２にすると、穀粒の移送量を大きく、
かつ滑らかにすることができ、ホツパー装置９の
容量を大とすることができると共に、穀粒に過度
の圧力を生じることなく、穀粒の損傷を更に防止
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用し得るコンバインを示す
斜視図、第２図はその穀粒ホツパー装置を示す一
部断面した側面図、第３図はその一部断面した平
面図、第４図は移送装置の駆動部を示す図、第５
図は本考案の回路図、第６図は異なる状態におけ
る穀粒ホツパー装置を示す作用説明図である。 ９……穀粒ホツパー、９ａ……ホツパー部、９
ｂ……タンク部、２１ａ，２１ｂ，２１ｃ，２１
ｄ……拡散装置（拡散板）、２２……移送装置
（ベルトコンベヤ）、３５……ホツパー部センサ
ー、３６……移送部センサー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) タンク部及び該タンク部の前側端に位置する
   ホツパー部よりなる穀粒ホツパー装置におい
   て、タンク部の底部に、タンク部の奥側からホ
   ツパー部へ向けて移送する移送装置を配設し、
   またホツパー部及び移送装置部分にそれぞれ穀
   粒を検知するホツパー部センサー及び移送部セ
   ンサーを設け、ホツパー部センサーが作動せ
   ず、かつ移送部センサーが作動しているとき、
   移送装置を駆動するように構成した穀粒ホツパ
   ー装置。 (2) 移送装置をベルトコンベヤとした実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の穀粒ホツパー装置。