JPS642912Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はカーポートに関するもので、左右の
桁上にアーチ状の垂木と直線状の梁を設けるとと
もに、梁の中央から放射状に垂木支持棧を設け、
その集束部を同一の固定金具で固定することによ
つて、垂木支持棧集束部を安定かつ強固に固定す
ることができ、さらにその固定作業が容易なカー
ポートを提案することを目的とする。

以下、図面によつてこの考案の実施の一例につ
いて説明する。

図において、符号Ａはカーポートを示す。この
カーポートＡは、設置面の左右に二列に列設され
た支柱１，１……上にそれぞれ桁２，２を横架、
これら左右の桁２，２上に複数のアーチ状の垂木
３，３……を架設する一方、垂木３，３……に対
して直交する中骨５，５，５を設け、これら垂木
３および中骨５，５，５とその上にそれぞれねじ
止めされる目板６，７との間に屋根材８，８，８
……を挟持固定し、さらに前後端部および中央部
の三個所において、それぞれ上記垂木３に対応さ
せて直線状の梁４を設けることにより正面から見
て弓形の屋根を形成するとともに、各梁４の上部
中央から垂木３に向かつてそれぞれ放射状の垂木
支持棧１０，１１，１２を設け、これらの支持棧
１０，１１，１２の下端集束部を一対の固定金具
１３，１３によつて固定することによつて屋根部
を補強したものである。

桁２は中空部材で、第５図のように、上面部の
内側に垂木取付面２ａが、中央に屋根材保持溝２
ｂが、さらに外側に樋溝２ｃが設けられるととも
に、下面部には支柱取付面２ｄが形成されてい
る。上記樋溝２ｃは雨樋２０に連通している。ま
た、支柱取付面２ｄには支柱１の上端部が取付金
具２１を介して固定されている。

垂木３は、第３図のように、断面方形の金属製
中空部材からなり、上面部にねじ受部３ａと気密
材嵌着溝３ｂとが形成され、下端部両側には支持
縁３ｃが張出し形成されている。そして、垂木３
の両端部は第５図に示すように桁２の取付面２ａ
にＬ字形に屈曲した取付金具２２を介して固定さ
れている。中骨５も、第２図のように、断面方形
の中空部材で、上面部にねじ受部５ａと気密材嵌
着溝５ｂとを形成したものであり、隣りあう垂木
３と３との間に配設され、その端部は垂木３の側
面に当接して支持縁３ｃに支持され、かつ、ねじ
止めされている。屋根材８はアクリル板等の板材
から構成され、垂木３と中骨５の嵌着溝３ｂ，５
ｂにとりつけられた気密材上に載置され、上方か
ら目板６，７によつて挟持固定されている。両側
の屋根材８の下端部は第５図のように、桁２の屋
根材保持溝２ｂに保持されている。目板６，７は
それぞれ垂木３、中骨５の上面部のねじ受部３
ａ，５ａにねじ止めされている。また、梁４は断
面方形の中空部材で、第５図に示すように、その
端面は桁２の側面に突当てられ、コ字形の取付金
具２３を介して桁２に止着固定されている。

次に、屋根部の補強構成について詳しく説明す
る。

左右の桁２，２の上部には、上述のように、上
記アーチ状の垂木３，３……が架設され、さらに
カーポートＡの前後端部および中央部の三個所に
おいて、それぞれ上記垂木３に対応させて直線状
の梁４が設けられ、さらに各梁４の上部中央から
垂木３に向かつて放射状の垂木支持棧１０，１
１，１２が設けられている。そして、第２図およ
び第３図に示すように、これらの支持棧１０，１
１，１２の上端部は垂木３の下面に当接され、取
付金具１６によつて固定されている。すなわち、
支持棧１０，１１，１２の上部内側面にＬ字形に
屈曲形成された取付金具１６の一方の片１６ａを
ねじ止めするとともに、他方の片１６ｂを垂木３
の支持縁３ｃにねじ止めし、これによつて支持棧
１０，１１，１２を垂木３に固定している。

これに対して、放射状に設けられた支持棧１
０，１１，１２の下端部は、第４図ａ，ｂに示す
ように、梁４の中央部上面に集束され、しかも各
支持棧１０，１１，１２の木口は梁４の上面に当
接した上で一対の固定金具１３，１３によつて固
定されている。固定金具１３は表面に適宜のリブ
を設けた半円状部材１３ａに梁４に対応する取付
孔１３ｂ，１３ｂと支持棧１０，１１，１２に対
応する取付孔１３ｃ，１３ｃ，１３ｃとを形成し
て成り、これら固定金具１３，１３を梁４の中央
部表裏両側面に取付孔１３ｂ，１３ｂから嵌挿し
たボルト１８とナツト１９とによつて止着し、同
時に梁４の上部に突出した突出部に上記支持棧１
０，１１，１２の集束の下端部の側面を当接さ
せ、固定金具１３の取付孔１３ｃ，１３ｃ，１３
ｃから嵌挿させたボルト１８とナツト１９とによ
つて支持棧１０，１１，１２を側面から止着固定
している。

上述のように、梁４と垂木３との間に垂木補強
用支持棧１０，１１，１２を介装したことによ
り、垂木３が補強されるほか、とくに、支持棧１
０，１１，１２は放射状に設けられているので、
多方向からの風圧等の負荷に対する強度が大き
く、屋根部の強度が向上する。また、梁４の上面
部における上記支持棧１０，１１，１２の集束下
端部を同一の固定金具１３で梁４に固定すること
ができ、しかもその際、各支持棧１０，１１，１
２の木口は梁４の上面に当接し、かつその下端部
は側面から固定されるので、安定かつ強固に固定
することができ、またその固定作業も容易であ
る。さらに、支持棧１０，１１，１２の下端部は
固定金具１３によつて外部に露出しないので、外
観の体裁もよい。

なお、固定金具１３は上述のように、二枚組み
に構成する必要はないのであつて、一枚であつて
もよく、あるいは第６図のように、半円状部材１
３ａ，１３ａを連結片１３ｄで一体に連結する構
成であつてもよい。この固定金具１３によつて支
持棧１０，１１，１２を固定するときは、連結片
１３ｄを梁４の上面部に配置してこの連結片１３
ｄ上に支持棧１０，１１，１２の下端部を受け、
上述の例と同様にボルトとナツトで固定すればよ
い。この場合、支持棧１０，１１，１２の木口は
固定金具１３の連結片１３ｄを介して梁４の上面
に当接する。

また、放射状に設けられた各支持棧の下端部は
梁の上面部に対し、上記実施例のように一点に集
束されている必要はなく、少し間隔をおいて集束
するものであつてもよい。

以上詳しく説明したように、この考案にかかる
カーポートは、設置面の左右に列設された複数の
支柱上にそれぞれ桁を横架し、これら左右両側の
桁上にアーチ状の垂木と直線状の梁とを架設し、
上記垂木に沿つて屋根材を配設することにより正
面から見て弓形の屋根を形成するとともに、上下
に対応して位置する梁と垂木との間に複数の支持
棧を放射状に設け、該支持棧の集束下端部を梁の
上面中央部に配置し、上記梁の中央部側面に固定
金具を当接してボルトで固定し、該固定金具の一
部を上記梁の上部に突出させ、この突出部に上記
支持棧の集束下端部の側面を当接し、支持棧の集
束下端部をボルトで固定金具に固定する一方、上
記支持棧の上端部を上記垂木の下面に当接し、且
つ取付け金具で固定したことを特徴とするもので
あるから、垂木が補強されるほか、とくに支持棧
は放射状に設けられているので、多方向からの風
圧等の負荷に対する強度が大きく、屋根部の強度
が向上する。また、梁の上面部における上記支持
棧の集束下端部を同一の固定金具で梁に固定する
ことができ、しかもその際、支持棧の木口は梁の
上面に当接し、かつ下端部は固定金具によつて側
面から固定されるので、安定かつ強固に固定する
ことができ、さらにその固定作業も容易である。
さらに、支持棧の下端部は固定金具によつて外部
に露出しないので、外観の体裁もよい。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案にかかるカーポートの斜視
図、第２図および第３図は第１図のＸ−Ｘ線およ
びＹ−Ｙ線上の断面図、第４図ａは支持棧の集束
下端部の固定態様説明図、同図ｂはそのＺ−Ｚ線
上の断面図、第５図は上記カーポートの桁部分の
断面図であり、第６図は他の例の固定金具による
支持棧固定態様説明図である。 符号Ａ……カーポート、１……支柱、２……
桁、３……垂木、４……梁、１０，１１，１２…
…支持棧、１３……固定金具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 設置面の左右に列設された複数の支柱上にそれ
   ぞれ桁を横架し、これら左右両側の桁上にアーチ
   状の垂木と直線状の梁とを架設し、上記垂木に沿
   つて屋根材を配設することにより正面から見て弓
   形の屋根を形成するとともに、上下に対応して位
   置する梁と垂木との間に複数の支持棧を放射状に
   設け、該支持棧の集束下端部を梁の上面中央部に
   配置し、上記梁の中央部側面に固定金具を当接し
   てボルトで固定し、該固定金具の一部を上記梁の
   上部に突出させ、この突出部に上記支持棧の集束
   下端部の側面を当接し、支持棧の集束下端部をボ
   ルトで固定金具に固定する一方、上記支持棧の上
   端部を上記垂木の下面に当接し、且つ取付け金具
   で固定したことを特徴とするカーポート。