JPS642910Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は吊り足場に設けて、それを手動又は電
気的に操作する足場用ウインチの操作の安全のた
め、足場の傾きを自動的に防止する装置に関する
ものである。本考案は足場の他、つりかごその他
同様の足場又は建物の屋上に取りつけた少くとも
２つのウインチで吊り下げられる吊り物に応用で
きる。

この場合、ウインチの１つのケーブルの巻上げ
又は巻きもどしの速度は他のウインチのケーブル
よりも速くなる場合があり、従つて足場やつりか
ごが水平面に対して傾く原因となる。

このような状態に於いて、特に操作時或いは事
故発生時等この傾斜運動を停止することができる
自動傾斜防止装置を備えることが非常に望まれて
いる。

電気ウインチを停止しうるこの種の装置は既に
公知である。公知の装置は足場が通常の水平位置
にある時水平に位置するように設けられた管を備
え、該管は水銀を含んでいる。管に含まれた水銀
は管の傾斜と無関係に水平面を保つので、管中に
適切に備え且つ、ウインチモータの始動及び停止
を制御する電気回路装置に連結した接点によつて
望ましい結果が得られる。現在この装置はモータ
によるウインチだけにしか応用できず、又比較的
もろく、足場に発生した動揺の結果、時ならず作
動することもある。

本考案の主たる目的はがんじようで信頼性が高
く且つ構造及び操作の簡単な機械的な自動傾斜防
止装置を提供することにあり、本装置は次のよう
な目的のために用いるものである。

(1) 足場の傾きの所定の最少角度が水平面に関し
てその両端間に表われる時ウインチの１つに隣
接して設けた安全ケーブルに負荷を移送できる
負荷移送装置を制御するための手動又はモータ
駆動のウインチの場合。

(2) 足場両端間に所定の最小傾斜角度が水平面に
関して表われた時、ウインチのモータを停止す
る停止装置を制御するため上述した傾斜防止装
置とは独立して又はそれに結合させた方法で、
その傾斜防止装置の作動前に、又は同時に、或
いはその後に作動する電気ウインチの場合。

本考案による傾斜防止装置の機能は直接又は間
接に、水平面から床の傾斜角度を記録し、負荷移
送装置又はモータ停止装置又はその組合せを作動
させることにある。

本考案の基本原理は一端を安全装置に連結した
制御レバーに取付け、他端は足場と安全制御装置
が取付けられている横部材との間に設けた枢軸を
中心に足場が回動した時に足場の固定部材から押
圧力又は引張り力を受けるようにした連結部材を
使用することにある。

連結部材は負荷移送装置と協働するようになつ
ており、該負荷移送装置はそれに応答して働くウ
インチのモータを停止する機動停止装置によつて
完成される。本考案の変形例によれば、２つの装
置は組合わされて、共通のケーシングに結合され
ている。本考案はその構造が簡単であるため連結
部材が負荷移送装置を経ることなしに直接及び単
独に機動停止装置を制御する場合にも適用でき
る。

上述した構成の特別な特徴によれば、負荷移送
装置は本考案の基本的な構成部材の連結部材と殆
ど無関係に介在でき、例えば足場の両端に同様の
負荷が発生し、足場が傾かない状態で落下或いは
所定の速度制限を越えた場合に足場の傾斜に関係
なく制御レバーを作動させて安全ケーブルに負荷
を移動できる。

本考案の装置は種々の作動原理と種々の作動形
態を有しているので、足場の昇降運動は高い安全
性をもつて行なわれる。

例えば、本考案の傾斜防止装置は足場の端部近
くに位置する２つのモータ操作の巻上げウインチ
を有し、各ウインチは負荷移送装置と機動停止装
置とに連絡され、負荷移送装置は機動停止装置を
制御し、傾斜防止し装置に反応する。

次に本考案の実施例を添付図面について詳細に
説明する。

第１図、第２図、第３図及び第４図の略示図に
関し、本考案の安全装置３の作動を制御するレバ
ー９上の足場１の傾きの結果が示されている。特
に第１図において制御レバー９は足場１により連
結部材１０上に発生された垂直方向の押圧力に応
動するもので、第２図において制御レバー９は足
場１により連結部材１２上に発生された垂直方向
の引張り力に応動するものであり、第３図及び第
４図において、同じ制御レバー９は足場１により
連結部材１１上に発生された横方向の押圧力に応
動するものである。

第１図乃至第４図において、足場１はＶ字形横
材２により安全ケーブル４を通す安全装置３から
懸下されている。安全装置３は公知の一般的な構
成により締付ジヨーによつて安全ケーブル４を固
く把握するようになつている。安全装置３もリン
ク５により主負荷ケーブル７により保持された支
持装置６から吊下げられている。足場１と一体の
固定部材８が連結部材１０，１１，１２を介して
安全装置３を制御するレバー９を作動するように
なつている。

第１図、第３図及び第７図に示す場合において
は、連結部材１０，１１は足場から隔離されてい
る部材から成り、足場１により発生された押圧力
により作動されるようになつている。連結部材１
０は上下方向に移動可能であり且つレバー９に枢
動可能に連結されたロツド（第１図）から構成さ
れており、連結部材１１はレバー９に固定した枢
軸レバー（第３図及び第４図）からなつている。
第２図に示す場合に、制御作用は引張り作用であ
り、連結部材１２は引張り力により作動されるよ
うにその下端を足場の固定部材８に取付けた伸縮
部材である。いずれの場合でも傾動する足場１に
よつて連結部材１０，１１，１２に付加される作
動は一方向の作動である。

第１図乃至第４図に示した上述の実施態様は傾
斜防止装置が足場の対向端に位置するものに関し
て比較的低い位置に配設する安全装置を作動する
場合に関するものである。より高い位置に配設す
る安全装置を作動する変形例も本考案の範囲であ
り、ロツド、レバー及び伸縮部材からなる連結部
材１０，１１，１２の位置を逆にすることによつ
て得られる。

第５図は安全装置３の最も簡単な場合におい
て、ロツドから成る連結部材１０により発生され
る作動を示すが、この場合モータ停止機能はな
い。第５図に示した型式の装置は安全ケーブル４
を締めつけるようにした一対のジヨー１３，１４
が図の上方に矢印で示した如く、荷重を保持する
懸下リンク５の軸支ピン１５から安全装置３を経
て懸下された負荷により開放又は非作動位置に保
持されるものである。ジヨー１３，１４はその制
御リンク１６，１７により太線で示した位置で開
放状態を保ち、制御レバー９による負荷開放によ
り圧縮ばね１８を伸長させることができ、ジヨー
１３，１４を閉じる方向に制御リンク１６，１７
を制御する。

本考案は巻上げウインチがビルの張出しに取り
つけられた場合も又該ウインチが足場の外枠横部
材に固定された場合も同様に応用できる。最初の
場合、足場は各主負荷ケーブルの端部に安全装置
を介して固定されている。

第５図に略図的に示した取りつけは安全装置３
を固定させる横材２が足場１の床に折りたたむこ
とができ、保管する場合や持ち運びに良い利点を
有する。このため、横部材２を足場１に関して枢
軸２１を中心に90度回転できるように、押圧作動
の場合に連結部材１０の受面として作用する足場
１の固定部材は伸縮自在としなければならない。
この目的のため、固定部材は支持横部材２の枢軸
２１を枢支し且つ足場の対応する端部に固着され
たソケツト２０内を摺動するばね付加押圧部材１
９から成つている。この押圧部材１９の外端の形
状は連結部材１０が展開操作の間自動的にその位
置をとるように平坦面になつている。連結部材１
０は安全装置３に取付けられ且つ押圧部材１９に
対して連結部材１０を常に圧接しているばね２３
に対する反動部材として作用する摺動通路２２に
より案内される。

第６図及び第７図は安全ケーブル４による負荷
移送を巻上げモータの停止と組合せ、特開昭52−
44951号公報に記載されているようなジヨーの閉
鎖作用を開放する制御レバー２４から成る安全装
置３上の連結部材１１によつて起される作用を示
す。

本装置に於いて、安全ケーブル４の通るジヨー
１３，１４は制御リンク１６，１７の１つに係合
している制御レバー２４により締めつけばねの力
に抗してケーブル開放位置に保持されている。主
負荷ケーブル７がゆがんだ場合、例えば足場１が
下降運動中に障害物により支持されると、懸下リ
ンク５は同時に電気スイツチ２５を作動して、ウ
インチのモータを直ちに停止し、制御レバー２４
の延長部に係合して制御レバー２４を回動させ、
従つて安全ケーブル４に対するジヨー１３，１４
の締めつけ運動を制御する。本装置は更に安全ケ
ーブル４の直線速度を検出することができ且つリ
ンク２７を介して制御レバー２４に連結している
回転部材２６を備え、それによつて過度の速度又
は予め定めたケーブル速度に到達すると、制御レ
バー２４は枢動しジヨー１３，１４を開放し、安
全ケーブル４を締付ける。

本考案によれば、連結部材１１は足場１が所定
の傾斜をなした場合、足場１の固定部材８により
係合される下端を有し、その上端はピボツトピン
２８の高さで制御レバー２４に連結されている。
従つて足場１が第７図に示したように矢印Ａの方
向に傾いた時、固定部材８は連結部材１１を矢印
Ｂの方向に動かし、かくして制御レバー２４をピ
ボツトピン２８を中心に矢印Ｃの方向に回動さ
せ、ジヨー１３，１４をそのケーブル締めつけ位
置に開放する。

公知の方法によれば、ウインチのモータに連結
させた電気スイツチ２９は安全装置１３のケーシ
ングにより支持され、ジヨー３，１４を支える枢
動フレーム３１に備えた支柱３０に相対するよう
になつているので、ジヨー１３，１４が安全ケー
ブル４を締付ける場合、枢動フレーム３１は自動
的に回動し、従つてそれに備えた支柱３０がスイ
ツチ２９を作動し、ウインチのモータを停止す
る。これらの状態に於いて、本考案の装置は足場
が異常に傾いた際に連結部材１１を作動すること
により、又制御レバー２４を作動してジヨー１
３，１４を閉じることにより電気スイツチ２９を
自動的に作動するものである。

上記の記述は実施例として示したもので、本考
案の内容を限定するものではなく、実用新案登録
請求の範囲に示された本考案の基本原理をはずれ
ることなく構成的追加や変形が可能であることは
明らかである。特に連結部材と安全装置のケーシ
ングにより支持された電気スイツチの間に適当な
連結部材を設け、足場の異常傾斜の結果の連結部
材の動きの間このスイツチを直接作動する（又こ
のシステムのウインチを停止する）ようにするこ
とも可能である。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示したもので、第１乃至
第４図は安全装置の作動の種々の形態を図示的に
示す正面図、第５図は安全装置の変形した単純な
形態を図式的に拡大して示した正面図、第６及び
７図は作動位置で本装置の他の変形例を詳細に示
す正面図である。 １……足場、２……横部材、３……安全装置、
４……安全ケーブル、７……主負荷ケーブル、８
……固定部材、９，２４……レバー、１０，１
１，１２……連結部材、１３，１４……ジヨー、
１６，１７……ジヨー制御リンク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ２つ又はそれ以上のウインチにより、主負荷ケ
   ーブルで吊り下げられる吊り足場において、固定
   部材を有する足場に安全装置を取付けた横部材を
   枢着し、主負荷ケーブルを連結した安全装置内に
   安全ケーブルを握持又は釈放するジヨーを備えた
   ジヨー制御リンクを配設し、ジヨー制御リンクに
   はジヨーが安全ケーブルを握持又は釈放するよう
   にジヨー制御リンクを作動する制御レバーの一端
   を接続し、その他端を足場と横部材との枢着点を
   中心に足場が回動した時に足場の固定部材から押
   圧力又は引張り力のインパルスを受ける位置に配
   置したことを特徴とする吊り足場の傾斜運動を停
   止する自動傾斜防止装置。