JPS642748B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、水密性、気密性が完全で、且つ地震
や熱応力等に対しても伸縮自在に葺成した被覆金
属外囲体の軒先修も、水密性、気密性を備え、且
つ伸縮自在に構成できる被覆金属外囲体における
軒先伸縮修装置に関する。

〔従来の技術及びその問題点等〕

近時、構造物の内、外表面に被覆金属材（主に
ステンレス材）をシーム溶接して伸縮自在とし、
しかも水密且つ気密に施工する被覆金属外囲体が
研究、開発されている。この軒先修も水密且つ気
密に施工することが望まれ、さらに、熱応力等に
対して伸縮自在にし、熱応力等による熱歪または
破損等を防止することを必要とされる。ところ
が、軒先部を水密且つ気密に施工すると、伸縮自
在に構成することが技術的に困難であつた。

〔問題点を解決するための手段〕

そこで発明者は、前記問題点等を解決すべく鋭
意、研究を重ねた結果、本発明を、主板の両側に
立上り部を形成した長尺の被覆金属材相互の立上
り部を可動吊子を介してシーム溶接して継手部を
形成し、これらを構造物上に順次繰返して被覆金
属外囲体を葺成し、その継手部の長手方向は構造
物上の軒先面に直交するようにし、それら継手部
の軒先寄りの立上り部を主板に当接するように折
返し、該箇所と共に主板端を下方に屈曲して屈曲
部を形成し、水平縁の端より溝形部を形成し、該
端より垂下部を形成した軒先水切材の上面を前記
被覆金属外囲体の軒先下面に当接し、その水平縁
を主板端等と共にシーム溶接し、且つその垂下部
を構造物の軒先端面に固着した被覆金属外囲体に
おける軒先伸縮修装置としたことにより、とした
ことにより、その軒先を水密且つ気密的に修がで
き、さらに地震や熱応力等に対しても、構造物と
は独立して伸縮可能となり、これによつて破損や
熱歪等を確実になくすことができ、前記の問題点
等を解決したものである。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を第１図乃至第５図に基
づいて説明する。

Ａは構造物の上部であつて、屋根、屋上等であ
り、新設、既設の場合がある。また、該上部Ａは
鉄骨コンクリート（図面参照）、コンクリートブ
ロツク、鉄骨、デツキプレート、木造等で構成さ
れている。Ｂは長尺のシーム溶接可能な板厚（約
0.2mm乃至約１mm）の被覆金属材（例えば、ステ
ンレス等）であつて、主板１の両側には約２cm乃
至８cmの立上り部２，２が形成されている。その
主板１立上り部２，２で構成された被覆金属材Ｂ
は、コイル状の鋼板がロール成形機等にて一体的
に成形されている。被覆金属材Ｂが上部Ａに載置
され、その被覆金属材Ｂの一側の立上り部２に、
その上部Ａにボルト等にて固着した可動吊子３の
可動舌片５が重合され、その可動吊子３が、その
立上り部２の長手方向に適宜の間隔をおいて複数
設けられている。その可動吊子３は、吊子本体４
に長孔等を介して可動舌片５が摺動可能に設けら
れて構成され、その吊子本体４が上部Ａに固着さ
れている。次いで、隣接の被覆金属材Ｂの他側の
立上り部２が、前位の被覆金属材Ｂの一側の立上
り部２に重合され、同時にその間に可動舌片５が
挾持される。このとき、該挾持箇所をスポツト溶
接しておくこともある。そして、その両立上り部
２，２の上端近く（スポツト溶接した場合、これ
より下側）がシーム溶接（抵抗溶接）され、継手
部６が形成されている。該継手部６は、シーム溶
接した箇所の下側の立上り部２，２が下方にゆく
に従つて次第に開いて形成されている（図面参
照）。その継手部６の上端は、そのまゝにしたり
（図面参照）、或はその上端を下方に折返して馳折
部として構成されることもある。これらが順次繰
返されて被覆金属外囲体が施工されている。該被
覆金属外囲体の継手部６の長手方向は軒先面に直
交（略直交する場合も含む）するように構成され
ている。また、被覆金属外囲体の軒先側が僅かに
下り勾配になるように形成され、且つ軒先は、構
造物の上部Ａの軒先面より適宜の幅（後述の屈曲
部７に軒先水切材Ｃの上部の幅を加えた幅に相当
する）が突出している。

前記略全継手部６，６…の一部を除いたその外
の継手部６の軒先寄りは主板１に当接するように
折返され、該折返し箇所と共に主板１端が下方に
屈曲されて屈曲部７が形成されている。

その一部の継手部６は、例えば、約４乃至５ｍ
の間隔をおいた、いくつかの継手部６であり、こ
れは、軒先端まで全て直立している（第１図、第
３図参照）これに伴つて、その一部の継手部６端
寄りの主板１端は、屈曲部７が次第に平担状にな
るように形成されている。また、軒先面の長さが
比較的短かい（例えば、約５乃至６ｍ）場合に
は、その継手部６，６…の全ての軒先寄りが主板
１に当接するように折返されて、該折返し部と共
に主板１端が屈曲されて屈曲部７が形成されるこ
ともある。

Ｃは長尺または適宜の長さの軒先水切材であつ
て、比較的小幅の水平縁８の一端より、断面Ｖ字
状（図面参照）または半円状の溝形部９が形成さ
れ、該溝形部９の外端より垂下部１０が一体形成
されている。該垂下部１０の下端より上側に折返
し縁を形成することが多い。その水平縁８と溝形
部９とを合わせて軒先水切材Ｃの上部と指称す
る。

その軒先水切材Ｃを取付けるには２つの実施例
が存在する。この第１実施例は、図示しないが、
継手部６，６…全ての端が折返されている場合で
あり、これには、長尺の軒先水切材Ｃの上部が前
記被覆金属外囲体の軒先下面に当接され、且つそ
の水平縁８が、主板１端及び折返し継手部６端と
共に軒先面方向に全長に亘つてシーム溶接され、
その垂下部１０は構造物の軒先端面に釘等で固着
されている。また、軒先水切材Ｃの第２実施例
は、略全継手部６，６…の一部を除いたその外の
継手部６，６…が主板１に当接するように折返さ
れている場合で、これには、適宜の長さ（例え
ば、約４ｍ乃至５ｍ）の軒先水切材Ｃ，Ｃ相互端
が適宜の幅重合されて伸縮重合部１１が形成され
ている。該伸縮重合部１１の一方の水平縁８端に
は切欠き部１２が形成され、隣接する水平縁８，
８端間に僅かの間隔が有している。このようにし
た垂下部１０，１０は構造物の上部Ａの軒先面に
取付けられている。即ち、伸縮重合部１１付近の
一方の垂下部１０が釘等で固着されたり、或はそ
の伸縮重合部１１付近の一方の垂下部１０が釘等
で固着され、且つその他方の垂下部１０が長孔を
介して釘等で固着されることもある。また、その
一部の継手部６（全長に亘つて直立したもの）付
近を除いた主板１端及び折返した継手部６端と、
水平縁８とがシーム溶接されている（第１図参
照）。この場合、その伸縮重合部１１は、その一
部の継手部６の直下（略直下の場合も含む）に存
在するように構成されている（第１図、第３図参
照）。即ち、伸縮重合部１１の伸縮に応じて、一
部の継手部６も開閉自在になるように構成されて
いる。

〔発明の効果〕

本発明においては、被覆金属外囲体の継手部６
の長手方向は構造物の軒先面に直交するように
し、それら継手部６，６…の軒先寄りは主板１に
当接するように折返し、該箇所と共に主板１端を
下方に屈曲して屈曲部７を形成し、水平縁８の端
より溝形部９を形成し、該溝より垂下部１０を形
成した軒先水切材Ｃが上部を前記被覆金属外囲体
の軒先下面に当接し、その水平縁８を主板１端等
と共にシーム溶接し、且つその垂下部１０を構造
物の軒先端面に固着したことにより、その長尺の
被覆金属材Ｂ，Ｂ…で構成される被覆金属外囲体
が、外気温等によつて、その継手部６の長手方向
（軒先側）に熱伸縮して、熱応力を発生しようと
するが、その軒先水切材Ｃの溝形部９の適宜の開
閉にて、その被覆金属外囲体の長手方向の伸縮を
全て吸収することができ、何等熱応力を生じさせ
ないようにできる。これによつて熱歪や破損等を
防止することができる。

さらに、地震等の外力に対しては、構造物に可
動吊子３を介して被覆金属外囲体を設けたので、
その可動吊子３の存在ゆえに、あたかも構造物と
被覆金属外囲体とが独立した状態となつており、
例え、構造物に地震等の外力が作用しても、可動
吊子３の存在にて、被覆金属外囲体が変形破損し
にくゝ、地震等に対して極めて強固にできる。

また、以上のように伸縮自在にしても、その軒
先水切材Ｃの水平縁８は被覆金属外囲体の軒先に
シーム溶接され、軒先修としては、水密且つ気密
を完全にでき、軒先側からの雨水等の浸入を確実
に遮断できる。

また、その屈曲部７は、被覆金属外囲体の軒先
が刃物状ではなく安全で、しかも、建築工学上も
優美にできる。

また、本発明の被覆金属外囲体は、主板１の両
側に立上り部２，２を形成した長尺の被覆金属材
Ｂ，Ｂ相互の立上り部２，２をシーム溶接して継
手部６を形成し、これらを構造物の上部Ａに順次
繰返して葺成したので、その被覆金属材Ｂの長手
方向の熱伸縮は、その可動吊子３の摺動にて吸収
でき、且つ継手部６のシーム溶接で水密且つ気密
な外囲体を提供できる。この発明では、その軒先
水切材Ｃは被覆金属外囲体の軒先にシーム溶接さ
れていることから、その軒先水切材Ｃの伸縮は材
料の展延性の範囲内であり、その軒先が比較的小
さい場合に特に有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の斜視図、第２図は本発明の要
部斜視図、第３図は本発明の要部正面図、第４図
は軒先水切材を構造物上部の軒先に取付けた一部
斜視図、第５図は被覆金属材相互の継手部箇所の
一部斜視図である。 Ａ……上部、Ｂ……被覆金属材、Ｃ……軒先水
切材、１……主板、２……立上り部、６……継手
部、７……屈曲部、８……水平縁、９……溝形
部、１０……垂下部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 主板の両側に立上り部を形成した長尺の被覆
   金属材相互の立上り部を可動吊子を介してシーム
   溶接して継手部を形成し、これらを構造物上に順
   次繰返して被覆金属外囲体を葺成し、その継手部
   の長手方向は構造物上の軒先面に直交するように
   し、それら継手部の軒先寄りの立上り部を主板に
   当接するように折返し、該箇所と共に主板端を下
   方に屈曲して屈曲部を形成し、水平縁の端より溝
   形部を形成し、該端より垂下部を形成した軒先水
   切材の上面を前記被覆金属外囲体の軒先下面に当
   接し、その水平縁を主板端等と共にシーム溶接
   し、且つその垂下部を構造物の軒先端面に固着し
   たことを特徴とした被覆金属外囲体における軒先
   伸縮修装置。