JPS642610Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 脱穀装置の機体の後面側で、該脱穀装置により
脱穀し終えた穀稈を搬出する穀稈搬送装置の終端
部の下方に、回転する掻込装置を受入口に具備す
る排藁カツターを装架し、その排藁カツターの受
入口の後方に、前記穀稈搬送装置の終端部から排
出される前記脱穀ずみの穀稈たる排藁の流路を排
藁カツターの受入口に連通さす状態と該カツター
の機体の後方に開放さす状態とに切換える切換カ
バーを設けて、脱穀装置から排出される排藁を、
切截処理して放出する状態と未切截のまま放出す
る状態とに切換えるようにしたコンバインの排藁
処理装置において、前記切換カバーの前方で、前
述の掻込装置の上方に、その掻込装置が掻込む排
藁の浮上りを防止するように設けられる排藁ガイ
ドを、非作用位置に切換えるための切換装置につ
いての改良に関するものである。

上述の如く、コンバインの排藁処理装置に、排
藁カツターの掻込装置が掻込む排藁の浮上りを防
止するように設ける排藁ガイドは、それの上端部
が穀稈搬送装置の放出口に臨むよう上方に長く形
成することが、穀稈搬送装置から放出される排藁
を、掻込装置で排藁カツターの受入口に確実に掻
込ます上において望しいが、そのようにすると、
切換カバーを切換作動せしめて、穀稈搬送装置か
ら放出される排藁が排藁カツターの機体の後方に
未切截のまま流出していく状態に切換えたとき
に、穀稈搬送装置により搬出されてくる排藁がこ
の排藁ガイドにつかえて、後方への流動が阻害さ
れるようになるので、このように排藁ガイドを長
く形成する場合は、該排藁ガイドを、切換カバー
の切換作動に連動して、作用位置と非作用位置と
に交互に切換わるようにしておく必要がある。

本考案は、この切換カバーの切換作動に連動せ
しめた排藁ガイドの切換が、格別に連繋機構を設
けたり、また、排藁ガイドに切換えのための切換
機構を設けたりすることなく、簡単な機構をもつ
て確実に行なわれるようにすることにある。

そして、この目的を達成するための本考案によ
るコンバインの排藁処理装置における排藁ガイド
の切換装置は、排藁カツターの掻込装置の上方に
設ける排藁ガイドを、それの上端部が穀稈搬送装
置の放出口に臨むよう上方に長く形成して、その
上端部側が前方下方に回動して非作用位置に沈み
込むよう下端部を軸支するとともに後方に回動す
るようバネで付勢し、かつ、そのバネの付勢に抗
して該排藁ガイドを、排藁をガイドする作用位置
に保持せしめる規制部材を設け、前記穀稈搬送装
置から放出される排藁の流路を切換える切換カバ
ーには、それの前方回動により前記排藁ガイドに
衝合して該排藁ガイドを非作用位置に押込む衝合
部を設けて構成したことを特長とするものであ
る。

次に実施の一例を図面に従い具体的に説明する
と、第１図において、１はコンバインＡの機体に
脱穀部として装架してある脱穀装置で、図面では
前半側（第１図で左半側）を省略しているが自脱
型の脱穀装置よりなる従来公知のものである。２
は前記脱穀装置１で脱穀処理されて穀稈搬送装置
１０の終端部から排出される脱穀ずみの穀稈たる
排藁を切截処理するようコンバインＡの機体後部
に装架せる排藁カツターで、機枠２０の上面側に
設けてある受入口２ａに臨ませて軸架した掻込輪
よりなる掻込装置２１によつて排藁を２つ折りに
折曲げながら掻込み、その排藁を一対に対向させ
て機枠２０の上面側に軸支せる送込ロール２２，
２３により機枠２内腔に形設してある切截室２４
内に送込み、該室２４内に軸架せる回転刃２５及
び機枠２０に固定させて設けた固定刃２６とで切
截して、排出樋２７より排出する従来公知のシリ
ンダ型の排藁カツターである。

３は前記脱穀装置１から排出される排藁を、前
記排藁カツター２の受入口２ａに供給するよう搬
出したりその排藁カツター２の機枠２０の後方に
未切截のまま放出したりするよう装架せる穀稈搬
送装置で、搬送チエン３０とそれに対向させた搬
送レール３１とよりなる従来公知のものであり、
それの放出口Ｗは、搬送レール３１の移動により
搬送チエン３０の中間部位終端部位置とに切換わ
るようになつている。

４は、前記排藁カツター２の受入口２ａ及び掻
込装置２１らを後方から安全に囲うとともに、前
後に回動することにより、前記穀稈搬出装置３か
ら排出される排藁の流路を前記排藁カツター２の
受入口２ａに連通さす状態と該排藁カツター２の
機体の後方に開放さす状態とに切換えるように設
けた切換カバーで、基端を排藁カツター２の機枠
２０の後端部の上部に設けた回動軸４０に支持せ
しめてあつて、その回動軸４０をそれの一端に連
繋した作動アームの作動により回動せしめること
で、その回動軸４０中心に前後に回動するように
軸支してあり、穀稈搬送装置３の放出口Ｗを搬送
チエン３０の中間部位に切換えたときには、第１
図で実線に示している如く回動軸４０から直立し
た姿勢とすることで、放出口Ｗから排出される排
藁の流路が排藁カツター２の受入口２ａに連通す
る状態としながらその受入口２ａを後方から囲う
状態とし、また、穀稈搬送装置３の放出口Ｗを搬
送チエン３０の終端部に切換えたときには、第１
図で鎖線に示している如く前方に傾斜回動させた
姿勢とすることで、放出口Ｗから排出される排藁
の流路が排藁カツター２の機体の後方に開放する
状態としながら掻込装置２１及び受入口２ａを上
から覆い込んで安全に囲う状態となるようにして
ある。そして、その切換作動は、コンバインＡの
操縦席の近傍に設けられて前述の作動アームと連
繋機構を介し連繋する操作杆の操作により遠隔操
作で行なわれるようになつている。

５は、前記穀稈搬送装置３の放出口Ｗを搬送チ
エン３０の途中に切換えて、放出口Ｗから放出さ
れる排藁を掻込装置２１が排藁カツター２の受入
口２ａに掻込むようにしたときに、その排藁が掻
込装置２１から溢出するのを防止するために掻込
装置２１の掻込側の外側を囲むように設けた排藁
ガイド（排藁押え）であるが、第１図に示してい
るよう、それの上端部が穀稈搬送装置３の前記放
出口Ｗに臨むよう上方に長く形成してあつて、前
記放出口Ｗから放出される排藁を強制的に排藁カ
ツター２の受入口２ａに誘導するガイドを兼ねて
形成してある。そして、該排藁ガイド５は、それ
の下端部が排藁カツター２の機枠２０の後端側の
上部で、前述の切換カバー４の前方位置に回動自
在に軸支してある左右方向の回動軸５０に取付け
て、その回動軸５０により前後に回動するよう軸
支するとともに、該回動軸５０の軸端部にねじり
バネ５１を巻付け、そのバネ５１の一端側を該軸
５０に係止し他端側を該回動軸５０に遊嵌して機
枠２０に対し固定せしめる規制リンク６０に係止
することで、そのねじりバネ５１により後方（第
１図で右方）に回動するよう付勢し、かつ、その
後方の回動を、回動軸５０の軸端部に該回動軸５
０の軸方向に対し直交する方向に屈曲させて形成
した衝合杆５２と前記規制リンク６０に設けた軸
杆状の規制部材６１とにより規制して、前記衝合
杆５２が規制部材６１に衝合することで第１図及
び第２図に示している如く所定の作用位置に保持
され、その作用位置から前方に押し込むことで、
バネ５１の付勢に抗して第３図に示している如く
前方に回動し、上端部が穀稈搬送装置３から下方
に離れた非作用位置に沈み込むようにしてある。
そして、前記切換カバー４には、該カバー４を前
方に回動させることで、第３図に示している如く
前記排藁ガイド５の背面に衝合して該排藁ガイド
５を前述の非作用位置に押し込んでいくための衝
合部４ａが設けてある。

なお、前述の規制リンク６０は、回動軸５０中
心に自在に回動し、機枠２０に設けた支軸８０中
心に回動する軸筒８１の回動端と、該規制リンク
６０に前記規制部材６１を利用して回動自在に設
けた連結金具８２及び該金具８２から突出して前
記軸筒８１に摺動自在に嵌合するガイドピン８３
ならびに圧縮バネ８を介し連繋して第３図におい
て反時計方向に回動するよう付勢し、その圧縮バ
ネ８の押出しによる回動を機枠２０に設けたスト
ツパ７で規制することで、第３図に示している姿
勢で機枠２０に対し固定保持されていて、前記圧
縮バネ８の付勢に抗して時計方向に回動させる
と、圧縮バネ８が死点越して規制部材６１の位置
を第４図に示している如く変位せしめるようにし
てある。

次に作用効果について説明すると、上述の如く
構成してある本考案による排藁ガイドの切換装置
は、穀稈搬送装置３の放出口Ｗから放出される排
藁が排藁カツター２の受入口２ａに流れる状態と
するよう、切換カバー５を第１図にて実線に示し
ている如く直立した姿勢に切換えると、排藁ガイ
ド５がバネ５１の付勢により後方に回動して同第
１図にて示している姿勢となり、また、穀稈搬送
装置３の放出口Ｗから放出される排藁が排藁カツ
ター２の機枠２０の後方に流れるように、切換カ
バー４を第１図で鎖線に示している如く前方に傾
斜回動した姿勢に切換えると、その切換カバー４
の前方回動の際に、該カバー４に設けた衝合部４
ａが第３図に示している如く排藁ガイド５を前方
下方に押し込んで、非作用位置に沈み込ますよう
になる。

従つて、排藁ガイド５は格別に連繋機構及び切
換機構を設けることなく、切換カバー４の切換作
動に同調連動して切換作動を行なうようになり、
穀稈搬送装置３から放出される排藁を排藁カツタ
ー２に供給する状態と排藁カツター２の機枠２０
の後方に未切截のまま放出せしめる状態との切換
えに伴なう排藁ガイド５の作用位置と非作用位置
との切換えが、簡単な機構で確実に行なえるよう
になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例装置の一部破断した側
面図、第２図は同上装置の要部の斜視図、第３図
及び第４図は作用の説明図で、第３図は排藁ガイ
ドを非作用位置に押込んだ状態の側面図、第４図
は規制部材の位置を変更した状態の側面図であ
る。 図面符号の説明、Ａ……コンバイン、１……脱
穀装置、１０……穀稈搬送装置、２……排藁カツ
ター、２ａ……受入口、２０……機枠、２１……
掻込装置、２２，２３……送込ロール、２４……
切截室、２５……回転刃、２６……固定刃、２７
……排出樋、３……穀稈搬送装置、３０……搬送
チエン、３１……搬送レール、Ｗ……放出口、４
……切換カバー、４ａ……衝合部、４０……回動
軸、５……排藁ガイド、５０……回動軸、５１…
…バネ、５２……衝合杆、６０……規制リンク、
６１……規制部材、７……ストツパー、８……バ
ネ、８０……支軸、８１……軸筒、８２……連結
金具、８３……ガイドピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脱穀装置の機体の後面側で、該脱穀装置により
   脱穀し終えた穀稈を搬出する穀稈搬送装置の終端
   部の下方に、回転する掻込装置を受入口に具備す
   る排藁カツターを装架し、その排藁カツターの掻
   込装置の上方には、該掻込装置で掻込む排藁をガ
   イドする排藁ガイドを設け、その排藁ガイドの後
   方には、前後に回動して前記穀稈搬送装置から排
   出される排藁の流路を前述排藁カツターの受入口
   に連通さす状態と該カツターの機体の後方に開放
   さす状態とに切換える切換カバーを設けたコンバ
   インの排藁処理装置において、前記排藁ガイド
   は、それの上端部が前述穀稈搬送装置の放出口に
   臨むよう上方に長く形成して、それの上端部側が
   前方下方に回動して非作用位置に沈み込むよう下
   端部を軸支するとともに後方に回動するようバネ
   で付勢し、かつ、そのバネの付勢に抗して該排藁
   ガイドを、前述排藁をガイドする作用位置に保持
   せしめる規制部材を設け、前述の切換カバーに
   は、それの前方回動により前記排藁ガイドに衝合
   して該ガイドを非作用位置に押込む衝合部を設け
   たことを特長とするコンバインの排藁処理装置に
   おける排藁ガイドの切換装置。