JPS642250Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はシールドケースにテープガイド部材を
設ける事により、ヘツド素体に入力するノイズ磁
束を該シールドケースに導く構成にした磁気ヘツ
ドに関するものである。

一般に磁気ヘツドは、録音、再生時において記
録媒体駆動用モーター、地磁気、その他の外部機
器から発生するノイズ磁束の影響で誘導ノイズが
生じ、磁気テープ等の磁気記録媒体からの正規の
出力情報にその誘導ノイズが混入して正確な情報
が得られないという事態が生ずる。そこで磁気ヘ
ツドは通常、シールド・ケースでコアを包囲する
事によつてコアを外界から磁気的に隔離してノイ
ズ磁束からの保護を図つている。しかるに、磁気
ヘツドはその構造上、コアの磁気空隙部を磁気テ
ープ等の磁気記録媒体に直接又は間接的に接触さ
せねばならないため、このコアの前記磁気記録媒
体との接触面はシールド・ケースから露出した構
造になつている。それ故コアの磁気記録媒体との
接触面は、磁気ヘツドの磁気的シールド化を図る
上での最大の弱点になつている。

本考案は、前記シールドケースに出来るだけ多
くのノイズ磁束を通過させる事によつて磁気ヘツ
ド素体を通過するノイズ磁束の量を減少させ、誘
導ノイズを少なくする事によつてSN比の向上を
計るものである。

以下、図に示した実施例を用いて本考案の説明
を行なう。

第１図は本考案第１実施例の磁気ヘツドの構成
を示した平面図である。

第１図において１ａ，１ｂはパーマロイ、セン
ダスト、フエライト等の高透磁率物質から成る磁
気コア、２ａ，２ｂは磁気コア１ａ，１ｂにそれ
ぞれ捲回したコイル、３ａ，３ｂは磁気コア１
ａ，１ｂを互いに突合わせた突合わせ部であり、
特に３ａは磁気コア１ａ，１ｂの前面に接触して
矢印Ａの方向に走行する不図示の磁気記録媒体
（磁気テープ）と摺動し乍ら情報の記録及び再生
を行なうための磁気ギヤツプである。４は磁気コ
ア１ａ，１ｂ、コイル２ａ，２ｂから成る磁気ヘ
ツド素体、５は磁気ヘツド素体４を収納し、ノイ
ズ磁束の侵入を防止するためにパーマロイの如き
高透磁率物質で形成したシールドケース、６ａ，
６ｂは一方をシールドケース５に設け、他方を前
記磁気記録媒体（不図示）に接近する方向に突出
して設けた突出部材である。該突出部材６ａ，６
ｂは矢印Ａに対して略平行な経路で磁気ヘツド素
体４に侵入するノイズ磁束を捕えてシールドケー
ス５へ導くためにパーマロイ、センダスト等の高
透磁率物質を用いる。次に第１図を用いてノイズ
磁束の経路を説明する。今、仮に従来の磁気ヘツ
ドの如く突出部材６ａ，６ｂが無かつた場合を考
えると、不図示の磁気記録媒体が走行する方向Ａ
に対して略平行なノイズ磁束７（実線）は７ａ
（破線）を経て磁気コア１ａ，１ｂに取り込まれ
るのでコイル２ａ，２ｂに誘導ノイズを発生させ
る。そこで本考案の如く突出部材６ａ，６ｂを設
けると、磁束７（実線）は７ｂ（実線）を経て突
出部材６ａに取り込まれ、シールドケース５と突
出部材６ｂを経由して磁束７ｃ（実線）の矢印方
向へ出る。このため、磁気ヘツド素体４はノイズ
磁束７，７ａの影響を受けなくなる。

第２図ａ〜ｄはそれぞれ本考案に係る第１〜第
４実施例の磁気ヘツドを示した斜視図である。そ
して第２図ａは第１図に示した磁気ヘツドとほゞ
同じ構成である。第２図ａは第１図に示した突出
部材６ａ，６ｂを部分的に更に突出させてテープ
ガイド板９ａ，９ｂを形成させたものである。第
２図ｂは第１図に示した突出部材６ａ，６ｂに穴
を設けて保持部材１０ａと１０ｂを形成し、該穴
に高透磁率物質から成るテープガイドピン１１
ａ，１１ｂと１１ｃ，１１ｄを嵌合させたもので
ある。

第２図ｃは第２図ｂに示した部材１０ａ，１０
ｂをシールドケース５に設けないで、高透磁率物
質から成るテープガイドピン１２ａ，１２ｂと１
２ｃ，１２ｄをシールドケース５に直接に設けた
ものである。

第２図ｄは第２図ｃよりもテープガイドピンの
数を少なくし、高透磁率物質から成る１対のテー
プガイドピン１３ａ，１３ｂを磁気ギヤツプ３ａ
の上下に位置するシールドケース５に設けたもの
である。尚、第２図ａ〜ｄはテープガイド付きの
磁気ヘツドを形成するが、従来のテープガイド付
き磁気ヘツドではテープガイドにステンレスを用
いていたので第１図で説明した加くノイズ磁束を
シールドケースに引き込む作用がなかつた。

例えば、第２図ａに示したテープガイド板９
ａ，９ｂにおいて、ステンレスを用いた場合と、
パーマロイ（高透磁率物質）を用いた場合とを比
較すると、パーマロイを用いた本考案の磁気ヘツ
ドではノイズレベルが約３dB低下してSN比が改
善された。この例から分かる様に、本考案の磁気
ヘツドは外部から侵入するノイズ磁束の影響を、
部品の数を増加する事なく、或は複雑な加工を施
す事なく少なくする効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案第１実施例の磁気ヘツドの構成
を示した平面図、第２図ａ〜ｄは本考案第１〜第
４実施例の磁気ヘツドを示した斜視図。 １ａ，１ｂ……磁気コア、２ａ，２ｂ……コイ
ル、３ａ……磁気ギヤツプ、４……磁気ヘツド素
体、５……シールドケース、６ａ，６ｂ……突出
部材、９ａ，９ｂ……テープガイド板、１０ａ，
１０ｂ……保持部材、１１ａ〜１１ｄ，１２ａ〜
１２ｄ，１３ａ，１３ｂ……テープガイドピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁気記録媒体と摺動して情報の記録若しくは再
   生を行なうヘツド素体、高透磁率物質から成り前
   記ヘツド素体を収納するシールドケース、一方を
   前記シールドケースに設けた穴に嵌合させ他方を
   前記磁気記録媒体に接近する方向に突出して設け
   た高透磁率物質から成るピン形状のテープガイド
   部材を有し、前記磁気記録媒体の走行する方向に
   対して略平行にヘツド素体に入力するノイズ磁束
   を前記ピン形状のテープガイド部材を経由して前
   記シールドケースに導く構成にした事を特徴とす
   る磁気ヘツド。