JPS642126B2 - - Google Patents

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JPS642126B2
JPS642126B2 JP7594181A JP7594181A JPS642126B2 JP S642126 B2 JPS642126 B2 JP S642126B2 JP 7594181 A JP7594181 A JP 7594181A JP 7594181 A JP7594181 A JP 7594181A JP S642126 B2 JPS642126 B2 JP S642126B2
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JP
Japan
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catalyst
polymerization
ethylene
pressure
compound
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JP7594181A
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Mitsuyuki Matsura
Takeo Shimada
Yoshiteru Kageyama
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔〕 発明の背景 本発明は、極めて高活性のチーグラー型触媒を
用いてエチレンを125℃以上の高温、200Kg/cm2
越える高圧下で単独重合および共重合させる方法
に関する。 エチレンの重合法には工業的に大規模で用いら
れている方法として次の二つがある。 第一の方法は、エチレンを高温および高圧下、
たとえば125℃以上および500Kg/cm2以上で、代表
的には140〜300℃および1000〜3000Kg/cm2または
それ以上の条件で、重合させる。重合は、フリー
ラジカルを生成しうる化合物、代表的には過酸化
物あるいは酸素もしくはこれらの組合せからなる
重合開始剤の存在下で行なわれる。この方法は一
般に「高圧法」と言われ、分枝ポリエチレンを生
成するのがその特徴である。 第二の方法は、エチレンを比較的低温および低
圧下、たとえば250℃以下および200Kg/cm2以下、
普通は50〜90℃および30Kg/cm2以下、の条件で重
合させる方法である。この方法で用いる代表的な
触媒は「チーグラー型触媒」とも称される有機金
属錯化合物である。「チーグラー型触媒」という
語は、周期律表のa〜a族の遷移金属の化合
物と周期律表〜族の金属の有機金属化合物と
の組合せからなる触媒に用いられる。広く用いら
れているチーグラー型触媒は、四塩化チタンまた
は三塩化チタンのようなチタン化合物とトリエチ
ルアルミニウムまたはジエチルアルミニウムクロ
ライドのようなアルミニウム化合物との組合せを
基本としている。チーグラー法すなわち低圧法の
製品は、直鎖状ポリエチレンで分枝鎖が事実上な
く、また代表的な高圧法ポリエチレンの融点が
105〜120℃の範囲にあるのに対して130℃以上の
融点を有している。さらに、低圧法ポリエチレン
の比重は、一般に高圧法ポリエチレンのそれより
は高く、高圧法ポリエチレンでは通常0.935以下
であるのに対して低圧法ポリエチレンの典型的な
値は0.95以上、普通は約0.96、である。 ところで、ポリエチレンの大規模な工業的製法
としては一般化されていないが、第三の方法が提
案されている。たとえば、英国特許第828828号明
細書には、オレフイン、特にエチレン、を少なく
とも175℃の温度、少なくとも500Kg/cm2の圧力で
チーグラー型触媒(すなわち有機金属化合物と周
期律表のa,a、またはa族の金属の酸化
物以外の化合物との錯化合物触媒)をオレフイン
に対し25〜500重量ppm添加して重合させる方法
が提案されている。この高温および高圧下でのチ
ーグラー触媒のようなイオン重合触媒の使用によ
るエチレンの重合法に関してはその後も多くの改
良技術が提案されているが、これらはいずれも次
の二点で充分満足しうるものとはいい難かつた。
第一点は触媒活性が充分に高くないということ
で、このため生成オレフイン重合体中の触媒残査
量が多く、従つて触媒分解および精製工程を省略
した場合には製品重合体は、熱および酸化劣化の
受け易い着色した臭の強い製品となる。特に高圧
および高温下でのイオン重合法は、高圧ラジカル
重合によるポリエチレン製造装置を使用する場合
が多いが、触媒分解および精製工程が必要になる
と大規模な設備改造を要すること、さらにこれに
伴う重合体製造コストが大幅に上昇すること等の
観点から触媒活性の向上はこの技術を工業化する
にあたつての重要なポイントである。第二点は高
圧および高温下でのイオン重合法においては、触
媒を高圧ポンプで反応器に供給する必要がある
が、高圧ポンプでの注入性能を良くする為に粒径
が小さくかつ一定で触媒溶媒中での分散性の良い
ことが必要であり、さらに触媒分散液中の固体触
媒濃度も制限される。このため溶媒使用量の節減
および高圧ポンプ小型化の観点からも触媒活性が
充分高いことが好ましい。また一般にエチレンと
α―オレフインとを共重合させると触媒活性が低
下するので、共重合の場合はより一層の高活性触
媒が必要である。 〔〕 発明の概要 要 旨 本発明は上記の点に解決を与えることを目的と
し、特定の態様でつくつた遷移金属触媒を使用す
ることによつてこの目的を達成しようとするもの
である。 したがつて、本発明によるエチレンの重合法
は、200Kg/cm2を越える圧力および少なくとも125
℃の温度において、下記の成分Aと成分Bとの組
合せからなる触媒にエチレンまたはエチレンと少
なくとも1種の他のα―オレフインとを接触させ
ること、を特徴とするものである。 成分 A 有機金属化合物またはアルキルシロキサラン誘
導体。 成分 B 下記化合物(1),(2)および(3)の接触生成物である
固体組成物。 (1) マグネシウム酸素含有化合物 (2) PCl5,POCl3,SOCl2,SiCl4,FeCl3
AlCl3,BCl3及び一塩化イオウから選ばれる化
合物 (3) チタン化合物 効 果 本発明により200Kg/cm2を越える圧力および少
なくとも125℃の温度においてこの特定のチーグ
ラー型触媒を使用してエチレンの単独重合および
エチレンと少なくとも1種の他のα―オレフイン
との共重合を行うと、遷移金属当りの重合体生成
量および担体当りの重合体生成量が共に高い。本
発明触媒成分によると、このように高圧および高
温の重合条件下で遷移金属当りおよび担体当りの
活性が高いチーグラー触媒が得られる理由は必ず
しも明らかでないが、前記の化合物(2)の存在が触
媒活性の向上に大きな役割をはたしているものと
推定される(ただし、本発明はこのような理論に
よつて制約を受けるものではない)。 〔〕 発明の具体的説明 1 使用触媒 本発明において使用する触媒は、下記成分Aお
よびBの組合せからなるものである。この触媒は
「チーグラー型触媒」の範疇に属し、成分Aは、
遷移金属触媒成分である成分Bに対して共触媒と
考えることができる。 1 成分A(必須成分) (1) 有機金属化合物 共触媒として用いられる有機金属化合物として
は、チーグラー型触媒の共触媒として知られてい
る周期律表第〜族の有機金属化合物のいずれ
でも使用できる。特に、有機アルミニウム化合物
が好ましい。 その具体例としては、一般式R1 3-pAlX1 p(ここ
でR1は炭素数1〜20の、好ましくは1〜6の、
炭化水素残基または水素であり、X1は水素、ハ
ロゲンまたは炭素数1〜20の、好ましくは炭素数
1〜6の、アルコキシ基であり、pは0p
2、好ましくは0<p≦1.5の数である)で表わ
されるものがある。 具体的には、(イ)トリメチルアルミニウム、トリ
エチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアル
ミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、(ロ)ジ
エチルアルミニウムモノクロライド、ジイソブチ
ルアルミニウムモノクロライドなどのジアルキル
アルミニウムモノハライド、(ハ)エチルアルミニウ
ムセスキクロライドなどのアルキルアルミニウム
セスキハライド、(ニ)ジエチルアルミニウムハイド
ライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド
などのジアルキルアルミニウムハイドライド、(ホ)
ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアル
ミニウムブトキシド、ジエチルアルミニウムフエ
ノキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシ
ド、などがあげられる。 これら(イ)〜(ニ)の有機アルミニウム化合物は、単
独でまたは二種類以上組み合わせて用いてもよ
い。 これらのうち本発明の高温高圧下での重合にお
いては、ジアルキルアルミニウムモノハライド、
あるいは、ジアルキルアルミニウムモノハライド
と上記(イ)、(ハ)または(ニ)の有機アルミニウム化合物
とを併用した混合有機アルミニウム化合物を使用
するのが好ましい。 (2) アルキルシロキサラン誘導体 さらに別の共触媒としてアルキルシロキサラン
誘導体を使用することもできる。アルキルシロキ
サラン誘導体は、次のような一般式で表わされ
る。 ここでR2,R3,R4,R5,R6はそれぞれ炭素原
子1〜10、好ましくは1〜6、の飽和炭化水素基
であるが、R6 (上記のR7,R8,R9はそれぞれ炭素原子1〜
10の、好ましくは1〜6の、飽和炭化水素基であ
る。) の基であることもできる。また、このアルキルシ
ロキサランは、このアルキルシロキサランを合成
する出発原料としてポリシロキサンを使用する場
合には、重合体の型式をとることもできる。これ
らのアルキルシロキサランのSi/Al原子比は1
以上3以下が好ましい。具体的にはトリメチルジ
メチルシロキサン、トリメチルジエチルシロキサ
ラン、トリメチルジプロピルシロキサラン、トリ
メチルジブチルシロキサラン、トリメチルジオク
チルシロキサラン、ジメチルエチルジエチルシロ
キサラン、等があげられる。 これらアルキルシロキサラン誘導体はトリアル
キルアルミニウムとポリシロキサン類とを反応さ
せることによつて予じめ合成したものを用いるの
が一般的であるが、重合反応器内で両者を混合し
その場で調製したものであつても良い。 (3) 成分使用量 これらの有機金属化合物またはアルキルシロキ
サラン誘導体の使用量は特に制限はないが、以下
に示す本発明の固体触媒成分に対して、Al/Ti
原子比で1〜1000、特に1〜100の範囲内が好ま
しい。 2 成分B 下記の化合物(1),(2)および(3)の接触生成物であ
る固体組成物からなるものである。 (1) マグネシウムの酸素含有化合物 本発明において使用されるマグネシウムの酸
素含有化合物とは、マグネシウム原子と酸素原
子を主たる構成要素とする化合物の総称であ
り、具体的には下記にあげた化合物をあげるこ
とができる。 (イ) MgO,Mg(OH)2,MgCO3またはMgSO4 (ロ) Mg(OC2H5)Cl,Mg(OH)Clなどのハロ
ヒドロカルビルオキシマグネシウム。 (ハ) Mg(OC2H52,Mg(OCH32などのマグネ
シウムジアルコラート。 (ニ) Mg(OCOCH32,Mg(OCOC6H52などの
マグネシウムの有機酸塩。 (ホ) マグネシウムとアルミニウムの複酸化物ま
たはマグネシウムとケイ素の複酸化物 上記(イ)〜(ホ)の成分の混合物も使用可能であ
り、また上記マグネシウム化合物の中で結晶水
を有するものも当然使用可能である。 上記マグネシウム化合物の中で好ましいもの
は(イ)、(ロ)、(ハ)または(ニ)のマグネシウム化合物で
あり、中でも(イ)、(ロ)または(ハ)のマグネシウム化
合物が特に好ましい。 (2) 化合物(2)としては、PCl5,POCl3,SOCl2
SiCl4,FeCl3,AlCl3,BCl3及び一塩化イオウ
から選ばれる化合物があげられる。 これらハロゲン基含有化合物は、本発明に係
る触媒の活性の向上に大きな役割を果たしてい
る。 (3) 化合物(3)としては、チタン化合物があげられ
る。具体例としては、次の通りである。
TiCl4,TiBr4,Ti(OC2H5)Cl3,Ti(O―
nC4H93Cl,Ti(O―nC4H94,TiOCl2、三塩
化チタン。 これらの化合物は、単独でまたは二種以上組
み合わせて用いてもよい。 上記の化合物(1)〜(3)は本発明における必須成
分であるが、付加的に補助成分を含有すること
もできる。補助成分の例としては、アルコー
ル、エーテル、エステルのような電子供与体、
あるいはアルキルヒドロポリシロキサン、ジア
ルキルポリシロキサンのようなポリシロキサン
類をあげることができる。 (4) 化合物(1)〜(3)の接触 化合物(1)〜(3)の接触は以下の方法および量比
により行なうことが好ましい。 〈接触方法〉 化合物(1)〜(3)の接触方法は本発明の効果が認め
られる限り任意の方法でありうるが、中でも下記
の接触順序で行なうことが好適である。 (a) 化合物(1)と(2)とを接触させ、次に化合物(3)を
接触させる方法 (b) 化合物(1),(2)および(3)を同時に接触させる方
法。 〈接触条件〉 化合物(1)〜(3)の接触条件としては、一般に知ら
れている任意の条件で行なうことができるが、好
適な条件としては、一般に、−50℃〜200℃の温度
範囲で各化合物を接触させる。接触時間は通常10
分〜5時間程度である。 化合物(1)〜(3)の接触は撹拌下に行なうことが好
ましく、またボールミル、振動ミル等による機械
的な粉砕を行なうことによつて各化合物の接触を
一層完全にすることもできる。 化合物(1)〜(3)の接触は、分散媒の存在下に行な
うこともできる。その場合の分散媒としては、炭
化水素、ハロゲン化炭化水素、ジヒドロカルビル
ポリシロキサン等がある。炭化水素の具体例とし
ては、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエ
ン、シクロヘキサン等があり、ハロゲン化炭化水
素の具体例としては、塩化n―ブチル、1,2―
ジクロルエタン、クロロホルム、四塩化炭素、o
―クロルトルエン、m―クロルトルエン、p―ク
ロルトルエン、塩化ベンジル、塩化ベンジリデ
ン、ヨードベンゼン等があり、ジヒドロカルビル
ポリシロキサンの具体例としてはジアルキルポリ
シロキサンたとえばジメチルポリシロキサン、メ
チルフエニルポリシロキサン等がある。 〈量比〉 各化合物の使用量は、本発明の効果が認められ
る限り任意のものでありうるが、一般的には次の
範囲内が好ましい。化合物(1)対化合物(2)対化合物
(3)のモル比は、通常、1対(0.01〜50)対(0.05
〜100)、好ましくは1対(0.1〜20)対(0.1〜
50)である。 3 触媒の調製 前記の成分Aおよび成分Bを重合帯域内または
重合体域外で組合せればよい。また、重合帯域に
供給する前に予じめ0〜100℃,1〜100気圧、10
分〜10時間前重合することもできる。高圧の重合
帯域に固体の成分Aをまたは成分Aと成分Bとを
高圧ポンプで圧入することから、これらは液状ま
たは微細な粒子ないしそのスラリでなければなら
ず、従つてその粒径は10μ程度以下、好ましくは
1〜5μ程度であることが望ましい。 なお、希望するならば、前記のようにしてつく
つた成分Bは電子供与体、たとえばアルコール化
合物(具体例は前記した通り)でさらに処理した
ものであつてもよい。 2 エチレンの重合 1 重合装置 本発明の重合法は、バツチ操作としても実施で
きるが、重合を連続式で行なうのがより好まし
い。重合装置はエチレンの高圧ラジカル重合法で
一般的に用いられている装置を使用することがで
きる。具体的には連続撹拌式槽型反応器または連
続式管型反応器がある。 重合はこれら単一の反応器を用いて単一区域法
として実施できるが、多くの反応器をシリーズ
に、場合によつては冷却器を連結して用いるか、
または多区域法になるよう内部をいくつかの区域
に効果的に分割した単一の反応器を用いることも
できる。多区域法では、各区域における反応条件
に差をもたせて、それらの各反応器または各反応
区域で得られる重合体の特性をコントロールする
ように、それぞれの反応器または反応区域ごとに
単量体組成、触媒濃度、分子量調整剤濃度等を調
節するのがふつうである。複数反応器をシリーズ
に連結して用いる場合は、2基以上の槽型反応器
または2基以上の管型反応器の組合せの他に、1
基以上の槽型反応器と1基以上の管型反応器との
組合せも使用することもできる。 1基または2基以上の反応器中で生成した重合
体は、これを未反応の単量体から分離し、触媒残
渣を除去することなく、普通の高圧法の場合のよ
うに処理することができる。触媒残渣の除去は、
低圧でチーグラー触媒を用いる通常の方法では、
経費と時間の非常にかかる工程である。未反応の
単量体の混合物は、追加量の同一単量体と混合
し、再加圧して反応器に循環させる。前記のよう
に添加する追加量の単量体は、混合物の組成を元
のフイードの組成に戻すような組成のものであ
り、一般にはこの追加量の単量体は、重合容器か
ら分離した重合体の組成にほぼ相当する組成をも
つ。 触媒は、たとえば、しかるべき不活性液体中の
微細な分散体としてこれを直接高圧ポンプにて反
応器中へ注入する。適切な不活性液体としては、
たとえばホワイトスピリツト、炭化水素油、ペン
タン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ト
ルエン、高級(分枝鎖)飽和脂肪族炭化水素、お
よびこれらの液体の混合物をあげられる。この分
散体は、これを反応器中に導入する前に水および
空気と接触させないよう、好ましくは窒素シール
下におく。また、エチレンおよび他の単量体も、
水および酸素を実質的に含んではならない。 前記のように、生成した重合体は触媒を除去す
ることなくこれを処理できる。これは本発明にお
ける使用触媒が非常に高活性であり、そのためき
わめて少割合の触媒を用いて単量体の重合体への
高重合率を達成できるからである。 2 単量体および共単量体 本発明の触媒系を用いて行なわれる重合は、エ
チレンの単独重合、またはエチレンと一般式R−
CH=CH2で表わされる少くとも1種類の他のα
―オレフインとの共重合、である。エチレンの単
独重合の場合は、生成するポリマーは比重0.95〜
0.97の範囲の高密度ポリエチレンとなるのが普通
である。 一般式R−CH=CH2(ここでRは炭素数1〜12
の炭化水素残基である。)で表わされる共単量体
の具体例としては、プロピレン、ブテン―1、ペ
ンテン―1、ヘキセン―1、ヘプテン―1、オク
テン―1、ノネン―1、4―メチルペンテン―
1、デセン―1、等がある。これらα―オレフイ
ンは生成共重合体中に30重量%まで、好ましくは
3〜20重量%まで共重合させることができる。エ
チレンとこれらのα―オレフインとの共重合によ
り広い範囲の比重をもつポリマーが得られる。得
られるポリマーの比重は共単量体の種類、共単量
体のフイード組成、等によりコントロールされ
る。具体的には密度0.890〜0.955程度の、好まし
くは0.89〜0.94程度の範囲内の所望の密度のポリ
マーを得ることができる。 本発明の方法は特に上記のような共重合体の製
造に好適であつて、高収量で中〜低密度のエチレ
ン共重合体を得ることができる。 これら共重合体は、従来の低圧法高密度ポリエ
チレンとは異なる密度を有しているばかりでな
く、従来の高圧法低密度ポリエチレンとも異なる
性質、即ち長鎖分岐を実質的に有しないことおよ
び分子量分布(Q値)も3〜5と狭いこと等を有
するものであり、機械的強度、特に引張強度、お
よび環境破壊応力に対して優れた重合体である。 3 重合条件 (1) 重合圧力 本発明において採用される重合圧力は、200
Kg/cm2を越える圧力であり、好ましくは300〜
4000Kg/cm2、さらに好ましくは500〜3500Kg/cm2
の範囲内の圧力である。 (2) 重合温度 重合温度は少なくとも125℃であるが、好まし
くは150〜350℃の範囲内であり、さらに好ましく
は200〜320℃の範囲内である。 なお本質的なことではないが、採用される重合
圧力および重合温度の組合せ条件において、重合
反応混合物は、単一の流動体相を形成しても、二
相に分離していてもよい。 (3) 反応器供給ガス組成 本発明において採用される反応器供給ガス組成
は、エチレン5〜100重量%、少なくとも1種の
α―オレフイン性共単量体0〜95重量%、および
分子量調節剤としての水素0〜20モル%の範囲
内、であるのがふつうである。 (4) 滞留時間 反応器内での平均滞留時間は、採用される反応
条件下での触媒の活性持続時間と関係する。使用
する触媒の半減期は反応条件の中でも特に温度に
より左右され、触媒の寿命が長くなるに伴つて反
応器内での単量体滞留時間も長くすることが好ま
しい。本発明において採用される平均滞留時間は
2〜600秒の範囲内であり、好ましくは10秒〜150
秒、さらに好ましくは10秒〜120秒の範囲内であ
る。 (5) その他 重合温度および圧力の観点よりみれば、本発明
による重合法はエチレンの高圧重合法の範疇に属
する。従つて、本発明による重合法は、触媒用分
散媒として、あるいは他の目的で少量導入される
液状媒体を除けば実質的に液状分散媒を使用しな
いで行なわれる。従つて、本発明の方法では、重
合体から未反応単量体を分離するだけでよく、重
合体からの液状媒体の分離および液状媒体の精製
は必要ではない。本発明の方法によれば、生成重
合体中の触媒残渣は極めて微量であるので、触媒
の分解および精製を行なう必要がなく、生成重合
体は、分離器で未反応単量体と分離されたあと、
そのまま製品となる。この製品はそのまま使用し
てもよいが、既に高圧ラジカル重合法によつて得
られた製品に使用されているような種々の後処理
工程を行なつてもよい。 3 実験例 実施例 1 触媒成分の製造 内容積460ml、内径95mmφのステンレス鋼製ポ
ツトに16mmφのステンレス鋼製ボールを43個充填
し、MgO(協和化学製No.30,150℃で3時間真空
乾燥してある。)20g,PCl5 52gを窒素ガス雰
囲気下で封入し、回転ボールミルで回転数90r.p.
m.で24時間粉砕した。 窒素ガス置換した1のフラスコに、充分に脱
気精製したn―ヘプタンを0.5入れ、次いで上
記の粉砕固体35gおよびTi(O―nC4H9 27gを
それぞれ導入し、90℃に温度を上げて1時間撹拌
し、次いでTiCl,40mlを導入し、1時間反応し
た。得られた固体をn―ヘプタンで充分に洗浄し
て、固体触媒成分(a)とした。Tiの担持量は7.0重
量%であつた。 触媒分散液の調製 窒素ガス置換した1のフラスコに、充分に脱
気精製したn―ヘキサンを300ml入れ、次いで前
述の活性固体成分(a)を6gと140mmolのジエチ
ルアルミニウムクロリドとを加えて予備活性化し
て、Al/Tiの原子比を16とした。次いで、充分
に脱気精製したヘキセン―1を加え、ヘキセン―
1/Tiのモル比が20となるように調製したのち
2時間撹拌して、微細な触媒懸濁液を得た。 この触媒懸濁液を乾燥窒素で置換した撹拌機付
触媒調製槽に入れ、次いで充分に脱水精製したn
―ヘキサンを25になるまで加え、固体成分の濃
度を0.28g/にした。これを触媒(a)―イとし
た。 エチレンの高圧重合 内容積1.5の撹拌式オートクレーブ型連続反
応器中で、表―1に示す反応条件によりエチレン
を重合させた。触媒は、前述の(a)―イを用いた。
生成する重合体の分子量を調節するために水素を
連鎖移動剤として添加した。用いたエチレンおよ
び水素は充分に脱気および精製した。 重合の結果、固体触媒成分1g当り20100gの
ポリエチレン(PE)が得られた。すなわち、対
触媒収率(g・PE/g・固体触媒成分)=20100
であつた。 実施例 2〜7 実施例―1の触媒成分の製造において、PCl5
を下記に示す成分に変更した以外は全く同様にし
て触媒成分(b)―イおよび触媒分散液(b)―イ〜(g)―
イを製造した。
【表】 得られた触媒分散液(b)―イ〜(g)―イを用いて、
実施例―1と同様にしてエチレンの高圧重合を行
なつた結果を表―1に示す。 実施例 8〜10 実施例―1の触媒成分の製造においてMgOを
下記に示す成分に変更した以外は全く同様にして
触媒成分(h)〜(j)および触媒分散液(h)―イ〜(j)―イ
を製造した。
【表】 得られた触媒分散液(h)―イ〜(j)―イを用いて、
実施例―1と同様にしてエチレンの高圧重合を行
なつた。 比較例 1 実施例―1の触媒成分の製造において、PCl5
を加えずMgOのみを粉砕し、得られた粉砕
MgO10gを使用して、実施例―1と同様に反応
させた。得られた固体をn―ヘプタンで充分に洗
浄して、触媒成分(k)とした。 実施例―1と全く同様の方法で、触媒分散液(k)
―イを調製し、エチレンの高圧重合を行なつた。
重合の結果は表―1に示すように、対触媒収率=
6300であり、実施例―1に比して非常に低い対触
媒収率であつた。 比較例 2 実施例―8の触媒成分の製造において、PCl5
を加えずMg(OH)2のみを粉砕し、得られた粉砕
Mg(OH)2 10gを使用して、実施例―1と同様
に反応させた。得られた固体をn―ヘプタンで充
分に洗浄して、触媒成分(l)とした。 比較例―1と全く同様の方法で、触媒分散液(l)
―イを調製し、エチレンの高圧重合を行なつた結
果を表―1に示す。対触媒収率は3700ときわめて
低かつた。また生成したポリマーは着色してい
た。 実施例 11〜13 実施例―1において、実施例―1の触媒分散液
の調製時において用いたジエチルアルミニウムク
ロリド(共触媒)をそれぞれ下記に示す化合物に
変更または配合組成を変更した以外は全く同様に
して、触媒分散液(a)―ロ〜(a)―ニを得た。
【表】 前記により得られた触媒分散液(a)―ロ〜(a)―ニ
を用いて、実施例―1と全く同様にエチレンの高
圧重合を行なつた。結果を表―1に示す。 実施例 14 窒素ガス置換した1のフラスコに、充分に脱
気精製したn―ヘプタンを0.5入れ、次いで実
施例―1で製造のMgOとPCl5の粉砕固体35gお
よびTiCl440mlを導入し、90℃に昇温して2時撹
拌した。得られた固体をn―ヘプタンで充分に洗
浄して固体触媒成分(m)とした。Tiの担持量
は2.5重量%であつた。 触媒分散液(m)―イは実施例―1と全く同様
に調製したが、但し、固体成分濃度を0.67g/
とした。 実施例 15 実施例―1に記載したポツトにMgO 20g、
PCl552g,TiCl320gをN2雰囲気下で封入し、回
転ボールミルで24時間粉砕した。次いで、N2
換した1のフラスコに、粉砕固体を移し、n―
ヘプタンで充分に洗浄し、触媒成分(n)とし
た。実施例―1と全く同様の方法で、触媒分散液
(n)―イを調製し、エチレンの高圧重合を行な
つた結果を表―1に示す。 実施例 16〜18 実施例―1で調製した触媒分散液(a)―イを用
い、実施例―1と同様の装置を使用して、エチレ
ンと他のα―オレフインとの共重合を行なつた。
採用した反応条件および重合結果を表―2に示
す。 実施例 19〜21 実施例―13で調製した触媒分散液(a)―ニを用
い、実施例―1と同様の装置を使用して、エチレ
ンと他のα―オレフインとの共重合を行なつた。
採用した反応条件および重合結果を表―2に示
す。 実施例22および比較例3 実施例―1の触媒成分の製造において、PCl5
を一塩化イオウ88g(実施例―22)及びSi
(OC2H53Cl129g(比較例―3)にそれぞれ変更
した以外は実施例―1と全く同様にして触媒成分
及び触媒分散液〔(p)―イ及び(q)―イ〕を
それぞれ製造した。 得られた触媒分散液をそれぞれ用いて、実施液
―1と同様にしてエチレンの高圧重合を行つた結
果を表1に示す。
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は、チーグラー触媒に関する本発明の技
術内容の理解を助けるためのフローチヤート図で
ある。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 200Kg/cm2を越える圧力および少なくとも125
    ℃の温度において、下記の成分Aと成分Bとの組
    合せからなる触媒にエチレンまたはエチレンと少
    なくとも一種のα―オレフインとを接触させるこ
    とを特徴とするエチレンの重合法。 成分 A 有機金属化合物またはアルキルシロキサラン誘
    導体、 成分 B 下記化合物(1),(2)および(3)の接触生成物である
    固体組成物。 (1) マグネシウムの酸素含有化合物、 (2) PCl5,POCl3,SOCl2,SiCl4,FeCl3
    AlCl3,BCl3及び一塩化イオウから選ばれる化
    合物、 (3) チタン化合物。
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