JPS6410753B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は設置コストおよびランニングコスト
の安価な低温倉庫に関するものである。

従来の低温倉庫は、冷凍機を用いて庫内を一定
温度に保持するように構成されている。従つて、
この低温倉庫においては、設備費用（イニシアル
コスト）およびランニングコストが高いものとな
つている。

この発明は上記事情に鑑みてなされたもので、
その目的はイニシアルコストおよびランニングコ
ストの少ない低温倉庫を提供することにあり、冬
季の外気が低温度であることをヒートパイプ（ヒ
ートサイフオン）を用いて利用するもので、外気
の冷熱エネルギーにより庫内に設けた製氷ピツト
に氷をつくり、この氷により庫内を低温度に保持
するようにしたものである。

以下、この発明を図面を参照して説明する。第
１図はこの発明の第１の実施例を示すもので、こ
の発明を地上型倉庫に適用したものである。図中
１は倉庫（地上建屋）を示すもので、この倉庫１
の床部２には製氷ピツト３が設けられている。そ
して、この倉庫１にはヒートパイプ４がその一端
を上記製氷ピツト３に捜入するとともにその他端
を屋上の外気中に突出するようにして取りつけら
れている。このヒートパイプ４は外気が低温度で
ある時のみ、内部に作業流体が作動するように構
成されているので、冬季のみ外気の冷熱が上記製
氷ピツト３に伝えられ、春季ないし夏季の外部の
熱気は製氷ピツト３には伝えられないことにな
る。従つて、冬季の外冷気によつて製氷が行なわ
れ、この氷によつて庫内を冷却することができ、
春季ないし夏季には外の熱気の影響を受けること
がない。なお、冬季における庫内の冷却は、上記
したように製氷によつて行なうので、マイナス温
度になることがない。従つて、この氷温貯蔵庫
は、貯蔵に際し、低温度である必要はあるが、マ
イナス温度では低温障害を起こしてしまう晩柑な
どの貯蔵には最適である。また、この氷温貯蔵庫
のイニシアルコストは、製氷ピツト３とヒートパ
イプ４との設置コストだけで済むので、安価であ
り、ランニングコストは全く必要としない。

第２図はこの発明の第２の実施例を示すもの
で、この発明を廃道トンネル等を利用した地下型
倉庫に適用したものである。図中、符号５は地下
抗道、廃道トンネル等の地下空間を示すものであ
る。この地下空間５の床部６には製氷ピツト７が
設けられている。そして、この地下空間５には上
記ヒートパイプ４と同構造のヒートパイプ８が、
その一端を上記製氷ピツト６に挿入するととも
に、その他端を地上の外気中に突出するようにし
て取りつけられている。

この発明を上記のように構成しても前記第１の
実施例と同様の効果を得ることができる。しか
も、この第２の実施例においては、地下型倉庫の
利点、すなわち、低温一定、高湿度な環境がイニ
シアルコストをかけることなく、自然に得られる
という利点によつて、さらにこの発明による効果
が助長されることになる。

以上説明したように、この発明に係る省エネル
ギー型氷温貯蔵庫は、冬季の外気が低温度である
ことをヒートパイプ（ヒートサイフオン）を用い
て利用するもので、外気の冷熱エネルギーにより
庫内に設けた製氷ピツトに氷をつくり、この氷に
より庫内を低温度に保持するようにしたものなの
で、イニシアルコストおよびランニングコストの
大幅な低減を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の第１の実施例の断面構成
図、第２図はこの発明の第２の実施例の断面構成
図である。 １……倉庫（地上建屋）、２……地上建屋の床
部、３，７……製氷ピツト、４，８……ヒートパ
イプ、５……地下空間、６……地下空間の床部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 地上建屋内または地下空間内に製氷ピツトを
   設け、この地上建屋または地下空間にヒートパイ
   プをその一端を前記製氷ピツトに挿入するととも
   に、その他端を外気中に突出するようにして設け
   たことを特徴とする省エネルギー型氷温貯蔵庫。