JPS6410327B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は射出成形機の射出速度制御に関する。
特に射出成形機の射出速度を制御するための比例
電磁流量制御弁の電気制御信号に関するものであ
る。

（従来の技術） 射出成形機に於て溶融樹脂を金型キヤビテイに
射出する速度は成形品の品質に大きな影響を与え
る。このため射出速度制御のための多くの発明・
考案がなされている。本発明は射出速度制御のた
めに使用される比例電磁流量制御弁に関するもの
であり従来比例電磁流量制御弁を使用して射出速
度のフイードバツク制御を行う場合射出速度の予
め定めた設定値と実際の射出速度との偏差を増巾
器で増巾しそして更に別の増巾器で適当な手法で
演算した信号により比例電磁流量制御弁を制御し
ていた。

（発明が解決しようとする問題点） 然しこの場合、射出速度の設定値とフイードバ
ツクされた信号値との間に偏差がなければ比例電
磁流量制御弁を駆動することができず必ずオフセ
ツトを生じる。又比例電磁流量制御弁をこのよう
な場合に使用したとき周波数応答の低いことから
偏差値の少ない範囲においては精度の良い制御は
望めない。又１つの比例電磁流量制御弁を使用し
て２つのポンプを駆動させ射出シリンダに油を流
入させ射出速度を制御する場合、１つのポンプか
ら２つのポンプの駆動に切換える際比例電磁流量
制御弁の指令信号を零にする過渡的現象に比例電
磁流量制御弁の作動が追従できずハンチングを生
じる。

（問題点を解決するための手段） このため本発明では射出速度制御において２つ
以上のポンプを用いて一つの比例電磁流量制御弁
によつて流量をクローズドループ制御し射出速度
制御を行う場合、スクリユ前進速度の実測値と予
め定めた設定値の偏差を検出し比例電磁流量制御
弁の開度を制御する際、前記偏差値に設定値の信
号を加算させる手段によつて問題の解決を図つた
ものである。

（作用） 射出成形機のスクリユ前進速度を検出し予め設
定した設定値との偏差を検出すると共に常に該偏
差値に該設定値を加算する回路を設け比例電磁流
量制御弁を作動させる電気信号値を増加させるよ
うにした。

（実施例） 次に図面に従つて説明する。１は加熱筒であり
２はホツパ、３は加熱筒１内にて回転往復動する
スクリユである。４は射出シリンダであり、５は
射出シリンダ４内に挿嵌したピストンである。６
は管路７に設けたリリーフバルブである。８はス
クリユ３に固定した指針であり、９は位置検出器
である。該位置検出器９は指針８がスクリユ３の
移動によつて抵抗９ａの抵抗値の変化を検出する
ことによつて位置を検出する。１０は位置設定器
でありスクリユの位置が予め定めた位置に達する
と信号を生じる。該位置設定器１０には２つの抵
抗を設け２つの予め定めた位置を設定することが
できる。１１は第１比較器であり、１２は第２比
較器である。１３と１４は第１及び第２抵抗であ
る。１３ａ，１４ａは第１指針及び第２指針であ
る。１５はＲ１リレ、１６はＲ２リレである。１
７は微分器であり、スクリユ３の位置変位を時間
にて微分しスクリユの前進速度を検出する。１８
は基準速度設定器であり該基準速度設定器１８は
速度設定用基準電源１９、第１抵抗２０、第２抵
抗２１及び第３抵抗２２により構成されている。
２３はＲ１リレ１５により作動する第１常開スイ
ツチであり、２４はＲ２リレにより作動する第１
常閉スイツチである。該第１常閉スイツチ２３及
び第１常閉スイツチ２４は第１回路２９に直列に
設けている。２５は第２回路３０に設けたＲ１リ
レ１５により作動する第２常閉スイツチである。
２６は第３回路３１に設けたＲ２リレ１６により
作動する第３常閉スイイツチであり、２７は第３
常閉スイツチ２６に直列に設けたＲ１リレ１５に
より作動する第２常開スイツチである。２８は回
路３２に設けたＲ２リレ１６により作動する第３
常開スイツチである。３３は回路２９と回路５０
の信号を加算する第１加算器である。３６は回路
３４と回路３５の信号の偏差を増巾する増巾器で
ある。３９は第２加算器であり回路５０と回路３
８の信号を加算する。４０は電流増巾器である。
４１は第１油圧ポンプであり、４２は第２油圧ポ
ンプである。４３は２位置４方向切換弁でありポ
ンプ４１から吐出する油を射出シリンダ室４ａへ
吐出したり（オンロード）又はオイルタンクに還
流したりする（アンロード）。４４は比例電磁流
量制御弁である。４５はＲ１リレ１５により作動
する第４常開スイツチであり、４６は第４常閉ス
イツチであり、第４常開スイツチ４５と第４常閉
スイツチ４６とが閉じたとき２位置４方向切換弁
４３のソレノイドを励磁する。４７は射出開始用
２位置２方向切換弁である。

次に作動について説明する。先ず位置設定器１
０の第１指針１３ａと第２指針１４ａを予め定め
た位置に設定する。次に基準速度設定器の第１指
針２０ａ、第２指針２１ａ及び第３指針２２ａを
予め定めた位置に設定する。ポンプ４１とポンプ
４２を駆動させ、射出開始用２方向２位置切換弁
４７のソレノイドを励磁するとポンプ４２から吐
出する油は比例電磁流量制御弁４４を通つて射出
シリンダ室４ａに入りスクリユ３を前進させる。
この時２位置４方向切換弁４３のソレノイドは励
磁されていないので、ポンプ４１から吐出される
油はタンクに還流している。スクリユ３が前進す
ると位置検出器９によつてスクリユ３の位置を電
圧にて検出し微分器１７により微分しスクリユ３
の前進速度を検出する。一方Ｒ１リレ１５及びＲ
２リレ１６のいずれもが作動していないので加算
器３３には基準速度設定器１８の第１抵抗２０の
信号が入力され第１段階の基準速度を決めてい
る。このためスクリユ３の速度信号と基準速度設
定器１８の第１抵抗２０による基準速度信号との
偏差が偏差増巾器３６により算出され偏差と回路
５０による基準速度信号とを加算器３９によつて
加算した信号が電流増巾器４０にて電流に交換さ
れ、該電流によつて比例電磁流量制御弁４４の開
度が決められる。

スクリユ３が更に前進し、位置設定器の第１抵
抗１３に設定した位置に達すると比較器１１が作
動しＲ１リレ１５を励磁する。Ｒ１リレ１５の励
磁によつて第１常開スイツチ２３、第２常閉スイ
ツチ２５、第２常開スイツチ２７及び第４常開ス
イツチ４５が作動し２位置４方向切換弁４３を切
換えポンプ４１から吐出する油を射出シリンダ室
４ａに注入しスクリユ３の前進速度を速くし、一
方基準速度設定器１８からの加算器３３への信号
は回路２９と回路３１の信号に切換わり増速され
たスクリユ前進速度は第２段階の基準速度設定に
従つて制御される。更にスクリユ３が前進し位置
設定器の第２抵抗１４に設定した位置に達すると
比較器１２が作動しＲ２リレ１６を励磁し第１常
閉スイツチ２４、第３常閉スイツチ２６、第３常
開スイツチ２８及び第４常閉スイツチ４６を作動
２位置４方向切換弁４３のソレノイドを解磁し射
出シリンダ室４ａにはポンプ４２から吐出される
油のみが注入する。そして、基準速度設定器１８
から加算器３３への信号は回路３２のみの信号に
切換わる。従つてスクリユ３の前進速度は基準速
度設定器１８の第３抵抗２２の第３段階の速度設
定に従つて速度制御される。

（効果） 本発明は比例電磁流量制御弁を用いるクローズ
ループ制御に於て第１図に示した様に基準速度設
定器の出力を加算器３３に加算した出力を偏差増
巾器３６に入力して与えると共に回路５０によつ
て加算器３３及び偏差増巾器３６を迂回して加算
器３９に直接入力させることによつて比例電磁流
量制御弁４４の開度を制御対象範囲全域にわたつ
て安定かつ精密に制御できる様にしたことは本発
明の大きな効果である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の作動油圧回路とブロツクダイ
ヤグラムを含む回路図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 加熱筒に回転可能なスクリユを挿嵌し、該ス
   クリユを前進し溶融原料を金型キヤビテイに射出
   する射出シリンダを設け該スクリユの前進位置を
   抵抗の変化によつて検出する位置検出器を設け該
   スクリユの位置を示す電圧が予め定めた電圧にな
   ると出力を生じる比較器を複数箇備え且つ該比較
   器の出力により励磁されるリレをそれぞれ備えた
   位置検出器を設け、一方スクリユ速度を検出する
   ため位置検出器の出力電圧を微分する微分器を設
   け且つそれぞれの位置区間におけるスクリユの基
   準速度を設定する複数の基準速度設定器を設け該
   複数の基準速度設定器の出力を選択的に加算し得
   る第１加算器を設け、該微分器よりの出力と第１
   加算器よりの出力との偏差を増巾する偏差増巾器
   を設け、該偏差増巾器の出力と基準速度設定器か
   らの出力を加算する第２加算器を設け、該第２加
   算器からの出力によつて吐出量を可変にする比例
   電磁流量制御弁によつて作動するポンプと前記位
   置設定器に設けたリレによつて作動する切換弁を
   設け、該切換弁の作動によつて油をタンクにアン
   ロードさせる状態から射出シリンダにオンロード
   させるポンプを設けたことを特長とする射出成形
   機の射出速度の制御装置。