JPS6410210B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、座席と背凭れとフレームとを有する
椅子、特に事務用回転椅子であつて、フレームの
一部である支柱が傾倒担体を支持しており、座席
を有する座席担体がこの傾倒担体に水平な横方向
軸線を中心にして傾倒可能に支承されている形式
のものに関する。

傾倒させることの出来る座席を備えた回転椅子
は、種々異なる実施態様で公知になつている。こ
れらの椅子は、その使用者の仕事場における特殊
な条件及び個人的な要望に合わせて、椅子上部構
造を傾倒させうるように構成されている。

或る公知例の場合には、座席の上部構造がガス
ばねによつて調節可能ならしめられている。この
ガスばねによる調節は、無段階調節が可能である
という利点を有しているが、その反面、このよう
な措置に比較的高い経費がかかるという欠点を免
れることも出来ない。

別の公知例においては、この調節が鉛直方向に
延びるねじ山スピンドルによつて行なわれてい
る。然し乍ら、ねじ山スピンドルによる調節は多
くの時間を要する許りではなく、調節作業のため
に使用者が椅子を離れねばならないという欠点も
有している。

更に、この傾倒調節が機械的な係止セグメント
を用いて行なわれる形式のものも公知となつてい
る。ところがこの公知例には、無段階調節が行な
われ得ないという欠点がある。

そこで本発明の課題とするところは、上述した
公知技術を基礎にして、冒頭に述べた形式の椅子
に改良を加え、単純かつ安価なしかも故障しにく
い調節機構を介した無段階調節を行ないうるよう
にすることである。

上記課題を解決すべく提案された本発明の椅子
は、座席を担う座席担体と、該座席担体を当該椅
子の横方向軸線を中心に回動自在に支承すると共
に当該椅子の支柱に支持される傾倒担体と、前記
座席担体の前記回動方向を横切る方向で旋回可能
に該座席担体に取付けられたレバーと、前記レバ
ーの旋回において当該レバーの旋回を案内し、か
つ前記座席担体の回動方向と同方向の該レバーの
回動を阻止するために当該椅子の横方向であつて
上方に伸長して前記傾倒担体に設けられた面とを
備えている。

有利な一実施例によれば、この案内する面が傾
倒担体に穿設されたガイドスリツトとして形成さ
れており、ガイドスリツトが側方に旋回可能なレ
バーによつて貫通されている。

更に、レバーを旋回軸とは反対側の端部で旋回
平面図に位置している滑り案内面に沿つて摺動可
能ならしめておくならば、特に効果的であること
が実証されている。

なお、この滑り案内が旋回軸方向に向けられた
リブから成つていて、このリブがレバーの自由端
部によつて把持されていると、極めて好都合であ
る。

更に別の有利な実施例によれば、レバーが座席
担体に穿設されたスリツトを貫通する下向きの部
位を有しており、この部位に一つのグリツプが配
置されている。

この場合、該グリツプが座席の全面下部に配置
されているならば効果的である。

本発明による構造を有する椅子は、極く僅かな
経費で交換可能な部品を用いることにより、従来
は費用の嵩むガスばねの装置によつてのみ達成可
能であつた快適な操作を保証する。使用者は、調
節レバー用のハンドグリツプを簡単に側方へ旋回
させることにより、その椅子を所望の位置に自由
に調節することが可能であり、しかもその場合、
使用者は座席を立つ必要がない。それ自体は傾倒
不能であつて椅子の支柱と剛性結合されている定
置の傾倒担体と、座席担体又は座席との間の連結
は、ただ一つの構成部材を用いて、つまり座席担
体に旋回可能に枢支されたレバーを介して行なわ
れる。この形式の装置が特に経済的であることは
明らかであり、しかもガスばねを用いた場合には
その大きな信頼性にも拘らず確実には除き得ない
故障の原因が、本発明においては事実上皆無であ
る。

その自由端部で滑り案内中を移動するレバーを
用いることによつて、レバーの旋回支承体を簡単
なねじで形成し、かつレバーを比較的肉薄なもの
として構成することが可能ならしめられる。

本発明の有利な一実施例によれば、ガイドスリ
ツトが旋回軸と滑り案内とのほぼ中間に配置され
ているが、このような構成様式をとるならば、特
に実用に適した効果を発揮させうることが説明さ
れている。

更に本発明の別の特徴によれば、レバーがほぼ
方形の横断面を有しており、この方形成形体の縦
縁部がガイドスリツトの範囲内でスリツト滑り面
と平行に配置されている。

更に、レバーの滑り面を弾性的な耐磨耗性物質
でコーテイングしておくと効果的であることも実
証されている。

合目的的には、ガイドスリツトが旋回軸から一
定の変らない距離をおいて延在している傾倒担体
の壁部分に穿設されている。このような配置形式
をとるならば、座席がどのような位置を占めてい
ても調節レバーを一定の行程だけ旋回させること
により、常に同じ傾倒状態を座席に与えることが
保証される。

更に本発明の有利な実施例によれば、座席の傾
倒軸が座席の高さのほぼ中間に配置されている。
このような配置形式を採用するならば、座席にお
ける特に効果的な重心位置が得られることはもと
より、調節機構におけるレバーの力の釣り合いが
極めて有効に制御されることになる。

次に添付図面に示された実施例について、本発
明を説明する： 椅子の支柱１には傾倒担体２が固定されてお
り、該傾倒担体２はその両サイドに位置する二つ
の支承部３を介して旋回可能に座席担体４と結合
されている。この座席担体４は、その縦方向中心
軸線内に配置された主として一本のねじにより形
成されている旋回支承体５を有しており、該支承
体は側方に旋回可能なレバー６のための旋回軸を
成している。

レバー６は爪状に形成されたその自由端部６ａ
で、旋回軸方向に向けられたリブ７に係合してお
り、このリブ７は旋回支承体５から一定の変らな
い距離を保つように配置されている。更にこのレ
バー６は、傾倒担体２における上向きに突出した
前方の壁２ｂに設けられている傾斜したガイドス
リツト２ａを貫通している。なお、本実施例にお
いては、座席担体４の回動方向と同方向のレバー
６の回動を阻止するための面がガイドスリツト２
ａの上下面で構成されている。このガイドスリツ
ト２ａの上下面が椅子の横方向であつて上方に伸
長している。前方の壁２ｂは一定不変の距離をお
いて旋回支承体５を取り囲むように延在してい
る。傾倒担体２は傾斜によつては変らないよう
に、しかし回転可能に椅子の支柱１と結合されて
いる。

このようにして、レバー６は一方で旋回支承体
５に、又他方でガイドリブ７にそれぞれ支承され
ている。レバー６の前端部には操作アーム６ｂが
設けられており、このアームにはグリツプ９が坐
着している。操作アーム６ｂは、旋回軸５を中心
にした円弧に沿つて延びるように座席担体４に穿
設されたスリツト４ａを貫いている。符号４ｂ
は、一点鎖線で単に暗示するに留めた座席のクツ
シヨンを示すものである。

レバー６が側方に旋回すると、座席担体４は支
承部３を中心にして前方又は後方に傾倒する。こ
の場合の傾倒度調整は、何よりも先ず第一に、旋
回支承体５からのガイドスリツト２ａの距離如何
に関つている。図示の実施例においては、ガイド
スリツト２ａがガイドリブ７によつて形成された
滑り案内と旋回支承体５とのほぼ中間に位置して
いる。

互いに重なつて滑動するこれら二つの部分を遊
びなしに構成するため、これらの部分には図示さ
れてない耐磨耗性の弾性物質がコーテイングされ
ている。この被覆処理は、ガイドリブ７に係合し
ているレバー６の自由端部６ａと、ガイドリブ７
自体とに施されている。更に、耐磨耗性の弾性コ
ーテイング処理は、ガイドスリツト２ａ内部と、
このガイドスリツトを貫通しているレバー６の符
号８で示す部分とにも施されている。

【図面の簡単な説明】

第１図は複数の異なる傾倒位置を示した椅子の
概略側面図、第２図は椅子の座席部分における鉛
直断面図であつて、第３図の矢印―線に沿つ
て波断したもの、第３図は第２図による椅子調節
機構をクツシヨンを取り除いて示した平面図、第
４図は第２図における矢印―線に沿つた断面
図である。 １…椅子の支柱、２…傾倒担体、２ａ…ガイド
スリツト、２ｂ…傾倒担体の前方の壁、３…支承
部、４…座席担体、４ａ…スリツト、４ｂ…クツ
シヨン、５…旋回の支承体、６…レバー、６ａ…
自由端部、６ｂ…操作アーム、７…ガイドリブ、
８…レバー部分、９…グリツプ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 座席を担う座席担体と、該座席担体を椅子の
   横方向軸線を中心に回動自在に支承すると共に当
   該椅子の支柱に支持される傾倒担体と、前記座席
   担体の前記回動方向を横切る方向で旋回可能に該
   座席担体に取付けられたレバーと、前記レバーの
   旋回において当該レバーの旋回を案内し、かつ前
   記座席担体の回動方向と同方向の該レバーの回動
   を阻止するために当該椅子の横方向であつて上方
   に伸長して前記傾倒担体に設けられた面とを備え
   たことを特徴とする椅子。 ２ 前記面が傾倒担体に穿設されたガイドスリツ
   トとして形成されており、このガイドスリツトが
   前記レバーによつて貫通されていることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項記載の椅子。 ３ レバーが旋回軸とは反対側の端部で、旋回平
   面内に位置している滑り案内に沿つて摺動可能で
   あることを特徴とする特許請求の範囲第１項又は
   第２項記載の椅子。 ４ 滑り案内が旋回軸の方向に向けられたリブか
   ら構成されており、このリブがレバーの自由端部
   によつて把持されていることを特徴とする特許請
   求の範囲第３項記載の椅子。 ５ レバーが座席担体に穿設されたスリツトを貫
   通する下向きの部位を有しており、この部位の端
   部にグリツプが配置されていることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項から第４項のいずれか一項
   に記載の椅子。 ６ グリツプが座席の前面下部に配置されている
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項から第５
   項のいずれか一項に記載の椅子。 ７ ガイドスリツトが旋回軸と滑り案内とのほぼ
   中間に配置されていることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項から第６項のいずれか一項に記載の
   椅子。 ８ レバーが、ガイドスリツトの範囲内において
   その縦縁部でスリツト滑り面と平行に位置してい
   る、ほぼ長方形の横断面を有していることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項から第７項のいずれ
   か一項に記載の椅子。 ９ レバーの滑り面が弾性的な耐磨耗性の物質で
   コーテイングされていることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項から第８項のいずれか一項に記載
   の椅子。 １０ ガイドスリツトが、旋回軸から一定不変の
   距離をおいて延在している傾倒担体の壁部分に穿
   設されていることを特徴とする特許請求の範囲１
   項から第９項のいずれか一項に記載の椅子。 １１ 座席の傾倒軸が座席の高さのほぼ中間に配
   置されていることを特徴とする特許請求の範囲第
   １項から第１０項のいずれか一項に記載の椅子。