JPS639644B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は永久磁石を利用した係合具の取付
け、就中縫着構造の開示に係わるものである。

而して、従前に於けるこの種の永久磁石を使用
した係合具類に於いては、ハンドバツグ等に対す
る取付け手段として概ね折り曲げ脚片を有する取
付金具と、この金具に於ける脚片の挿通折り曲げ
止着に供される座金とを有したものであつて、係
合具の構成部材点数が比較的多く要請されると共
に係合具自体の嵩張り並びに係合具取付け部分の
嵩張りとを必然的に誘起したものである。

本発明に係る係合具は、かゝる従前例に於ける
不都合に鑑み、係合具として使用されている磁石
自体に縫着用の孔を開設せしめるようにしたもの
であつて、従前困難視されていた磁石係合具の直
接的な縫いつけ装着を可能としたものである。

本発明に於いては、特に係合具の組付け部品点
数を必要最少限度にとどめて製品コストの低廉化
と共に製品の小型、軽量化を特に期すようにした
ものであり、その構成の要旨を磁極面一方より他
方磁極面に向けて係合用の孔１ａと、任意複数個
の取付け孔１ｂ又は取付け溝１ｃを設けるように
してなる永久磁石に於ける磁極面一方に該孔１ｂ
又は溝１ｃに連通する孔２ｂ又は溝２ｃを有する
強磁性鈑２を添装止着せしめるようになすと共に
磁極面他方を蔽覆する鈑面に先の孔１ｂ又は溝１
ｃに連通する１個ないしは複数個の細孔を開設し
た一方係合具と、該係合具蔽覆鈑面上に係脱自在
に磁着される強磁性鈑３よりなる他方係合具とを
前記孔１ａを介して鈑２，３の両方又はいずれか
一方より突設した強磁性桿２ａ，３ａとを他方鈑
２，２又は他方桿２ａ，３ａに磁着脱自在に当接
せしめるようにした点に置いたものである。又、
本発明に於いては叙上構成に伴う以下の具体的な
実施例並びにこれ等実施例に附随する相当の設計
変更を予定したものである。

以下、本発明に係る係合具の典型的な一実施例
を添附の図面について説明するに、１は磁極面間
を亘るように孔１ａと、孔１ｂ，１ｂを開設され
た永久磁石であつて、主としてプラスチツク磁石
の使用が予定されたものである。かゝる磁石１に
対し、先の孔１ｂ，１ｂに連通する孔２ｂ，２ｂ
を有し、しかも孔１ａの中程にまで到る強磁性桿
２ａをカシメづけ等の手段をもつて立設した強磁
性鈑２を添装し、この鈑２と磁石１とを有底筒状
のケース４をもつて一体的に止着せしめるように
したものである。

而して該ケース４は真鍮等の非磁性素材よりな
るものとし、先の孔１ａに連通する孔４ａと、孔
１ｂに連通する一対の縫糸挿通孔４ｂ，４ｂとを
有し、且つ該孔４ｂ周面を凹窪４ｃになすと共に
開口縁に沿つて折り曲げ脚片４ｄを有したもので
ある。

かゝる構成よりなる雌具ａに対し、雄具ｂは強
磁性鈑３の端面に前記孔１ａに於ける桿２ａの頂
端に当接磁着される強磁性桿３ａをカシメづけ等
により突設せしめるようになすと共に縫糸の挿通
孔３ｂを適宜開設せしめるようにしたものであ
る。

次いで第２図に於いて示される実施例は前記磁
石１に於ける孔１ｂに代るべきものとして磁石１
の周側に溝１ｃを条設し、又鈑２に於ける周側に
同様の溝２ｃを割設せしめるようになすと共にケ
ース４に於ける凹窪４ｃをケース周側縁と連なる
ように設けたものであつて、先に係合具部材に於
ける成形性をより良くする目的に於いて提供され
たものである。

次いで第６図に於いて示される実施例は雌具ａ
の構成部材中に磁気シールド鈑５を介装使用した
ものであつて、該鈑５に先の孔１ａ，１ｂに連通
する孔を適宜開設するようにしたものである。

更に第７図に於いて示される実施例は叙上ケー
ス４の代替として磁気シールド鈑５を利用した態
様を示したものであつてケース４に於けると同様
に鈑５に孔５ａと、縫糸挿通孔５ｂ並びに凹窪５
ｃを設けるようにしたものであり、第８図に於い
て示される実施例は該鈑５の端面を凹球面状とし
て桿３ａの孔１ａに対する滑り込みを特に良好と
した事例を示したものである。

かゝる雄具ｂ並びに雌具ａの構成に於いて、該
雄具ｂ並びに雌具ａの係合構造として、第４図に
於ける実施例は桿３ａの長さ寸法を孔１ａを介し
て鈑２に到るものとして他方の桿２ａを省略した
態様を、又第５図に於ける実施例は桿２ａを孔１
ａの開口端縁にまで到る長さ寸法のものとして鈑
３に於ける桿３ａを割愛し、代つて鈑３の周縁を
折り曲げて縁鍔３ｃとしたものである。

本発明に係る係合具は叙上に於ける特長ある構
成、就中永久磁石１を有する雌具ａを縫糸６をも
つて直接ハンドバツグあるいは衣服等の取付け生
地７に縫着する構造とし、特にケース４又は鈑５
に、かゝる縫着に必要な縫糸挿通孔４ｂ，５ｂを
設けるようにして叙上従前例に於ける不都合を一
掃し得たものである。

即ち、従前係合具に於いて該係合具を生地７に
取付ける為に通例折り曲げ脚片を有する取付け金
具を用意し、この脚片を生地の反対方向に置かれ
た座金に挿通、折り曲げるようにして生地と係合
具との一体化を期したものであるが、かゝる手法
に於いては、先ず係合具自体に別途用意された取
付け金具部材を固着することを要し、次いで該金
具に於ける脚片の挿通座金を用意する必要を有し
たものであることよりして、部品点数並びに組付
け手間数が多く、製作並びに取付けコストが割高
とされたものである。

又、かゝる介装取付け部材の存在をもつて係合
具の取付け面に於ける嵩張りを生じ、小型、薄肉
を特に要請される薄物生地等に対する取付け係合
具としては不適当とされたものである。

本発明に係る係合具に於いては縫糸６をもつて
直接生地７に縫着するようにしたことによつて従
前係合具に於ける斯かる不都合が一掃されたもの
であつて、製作コスト、取付コストの低廉化と共
に取付け面の嵩張りを一切なくし、すつきりとし
た取付け面を保障し、薄手生地は勿論のこと、特
にフアツシヨン機能の高く要請される装身具類等
の係合具となし得たものである。

又、縫着構造としたことにより取付け係合具に
於けるガタツキは一切なく、生地７と完全に密着
した態様の係合具の使用を約束されたものであ
る。

本発明は叙上に於ける特長ある係合具構造より
して通例の磁石利用係合具に代わるべきものとし
て、又通例の釦あるいはホツク類に代わるべきも
のとして広汎な使途が予定されたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る係合具の部品分解斜視
図、第２図は他の実施例を示す部品分解斜視図、
第３図ないし第８図は各実施例を示す断面図であ
る。 尚、図中１……磁石、２〜３……鈑、４……ケ
ース、５……シールド鈑、６……縫糸、７……生
地を示したものである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 磁極面一方より他方磁極面に向けて係合用の
   孔１ａと、任意複数個の取付け孔１ｂ又は取付け
   溝１ｃを設けるようにしてなる永久磁石に於ける
   磁極面一方に該孔１ｂ又は溝１ｃに連通する孔２
   ｂ又は溝２ｃを有する強磁性鈑２を添装止着せし
   めるようになすと共に磁極面他方を蔽覆する鈑面
   に先の孔１ｂ又は溝１ｃに連通する１個ないしは
   複数個の細孔を開設した一方係合具と、該係合具
   蔽覆鈑面上に係脱自在に磁着される強磁性鈑３よ
   りなる他方係合具とを前記孔１ａを介して鈑２，
   ３の両方又はいずれか一方より突設した強磁性桿
   ２ａ，３ａとを他方鈑２，３又は他方桿２ａ，３
   ａに磁着脱自在に当接せしめるようにしたことを
   特徴とする係合具。 ２ 前記磁極面上を蔽覆する鈑を孔１ａに連通す
   る孔を有する有底筒状の非磁性ケース４としたこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載に係る
   係合具。 ３ 前記磁極面上を蔽覆する鈑を孔１ａに連通す
   る孔を有する磁気シールド鈑５としたことを特徴
   とする特許請求の範囲第１項記載に係る係合具。 ４ 前記ケース４又は鈑５に於ける孔１ｂに連通
   する細孔４ｂ，５ｂの開口部を凹窪４ｃ，５ｃ面
   としたことを特徴とする特許請求の範囲第１項記
   載に係る係合具。