JPS639535A - プレス成形性に優れた制振鋼板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野コ 自動車をはじめとする車両、産業機械また各種機械器具
に対し、現在各種騒音対策がとられでいる。１つはエン
ジン等の振動、ｌ！音源の改善である。また１つは、振
動、騒音が室内や外部に伝播しないように、振動を吸収
する制振材料を構造物の一部として用いる。本発明はこ
のような目的に応えるものであり、プレス成形性の優れ
た制振鋼板に関するものである。

［従来の技術］ 制振鋼板は、例えば厚さが等しい約１ｍｍ程度までの間
に０．０１〜Ｑ、３ｍａ＋程度の有機系粘弾性物質層を
介在させたものであり、他の制振材料例えばＣｕ−Ｍｎ
合金のように双晶変形を利用するもの。

紡鉄に代表される母金属と第二相との界面での粘性流動
を利用するもの等に較べ、高い制振能と良好なプレス成
形性を有する。たとえば曲げ加工性を向上させ、より良
好なプレス成形性を得る方法として、粘弾性樹脂層のヤ
ング率をすくなくとも１０’ｄｙｎ／ａＪ以上とするこ
とが開示されている（特開昭５９−８７１４６）。しか
し自動車等、高いプレス成形性が要求される用途に対し
、従来の制振鋼板は十分なプレス成形性を有していると
は言い難い、特にプレス成形を行う際、粘弾性樹脂が軟
質な常温用制振鋼板においては、プレス成形中の破断の
みならず、表裏の鋼板のはがれ、フランジ部のしわ等の
問題を生じており（自動車材料ニュース：Ｎｏ２７，１
９８４．１２／２３）このことが制振鋼板の適用の妨げ
となっている。

［発明が解決しようとする問題点］ 本発明はこのような状況鑑み、常温で高い制振性を示す
制振鋼板において、優れたプレス成形性を有する制振鋼
板を提供するものである。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は２枚の鋼板の間に剪断接着強度７０ｋｇ／−以
下の樹脂を介在させた制振鋼板において。

片側の鋼板の板厚ｔ１が０．７５ｍｏ＋以下で、他方の
鋼板の板厚し□が０．３０ｍｍ以上であり、下記条件を
満足することを特徴とするプレス成形性に優れた制振鋼
板に関するものである。

（ｔ工＋ｔｚ）／ｌエ　≦　１．７５ ［作用］ 本発明においては、常温で優れた制振性を有する鋼板と
するため、介在せしめる樹脂は剪断接着強度が７０ｋｇ
／ａｊ以下のものを用いる。

プレス成形性を支配する要因は、破断としわに分類する
ことができる。しわ押え力を上下させる等の手法によっ
て通常これを抑制し、破断もしわも生じないプレス成形
品を製造する。しかし、制振鋼板においては、このよう
な良好なプレス成形域が存在しないか又は非常に狭く、
プレス成形が非常に難しい場合が多かったが、発明者等
はこれらに対し、以下に示す新規知見を見出し、発明を
完結させたものである。第１図は（ｔ□＋ｔよ）／ｌ工
の値としわの関係を示す図である０表裏面は共にＣ：０
．０４０％、Ｓｉ：　０．０２４％、Ｍｎ：０．２１％
、Ｐ：０．０１０％、Ｓ：０．００８％。

ＡＱ：０．０６０％、Ｎ：０．００３２％、残Ｆｅより
なる成分の鋼板で、樹脂は剪断接着強度が４０ｋｇ／ｃ
ｏｔ（７）厚さ０．０４ＩＩＩＩｌノホリエステル系テ
アリ、ｔｌを０．７５１１１ｍ以下、ｔ２を０．３ｍａ
＋以上で行った結果である。尚しわ高さく１１ｍ）の評
価は実施例の欄で詳述するプレス条件と同で行った。第
１図に示すごとく、しわに対しては、２枚の表皮鋼板の
板厚の関係は、（ｔ□＋ｔｚ）／ｌｔを１．７５以下に
することによって、その発生を著しく低下させることが
できることを見出した。材料は金型内または金型へ絞り
込まれる成形過程で、板面内の圧縮応力を受ける。この
圧縮応力が材料特性と周囲からの拘束条件から定まる座
屈応力を超えることによって、しわを生ずると考えられ
る。座屈応力は材料の剛性に関与することから、Ｄｚ＋
ｔｚ）／１．を１．７５以下とすることによって、制振
鋼板の剛性が著しく改善されるものと認められる。

このことは２枚の表皮鋼板の片側を厚く、他方を薄くす
ることが、しわに対し有効であることを示す、しかしな
がら、一方の鋼板を著しく薄くすることは、プレス成形
における破断限界を低下させるため好ましくない、プレ
ス成形品にはエンボスを初めとし、高い張出し成形性が
要求されることが多い、第２図は簿い側の鋼板すなわち
他方鋼板の板厚ｔ２が張出し性の尺度であるエリクセン
値に与える影響を示す図である。尚第２図は鋼板成分や
樹脂は第１図と同じであり、ｔＬを０．６ｍｍと一定に
してｔ２を変えたものをＪＩＳＺ２２４７に準拠してテ
ストした結果である。第２図にみられるととくｔ２を０
．３ｍｍより薄くすると急激なエクリセン値の低下をま
ねく、このため、他方鋼板の板厚ｔ２を０．３ｍｍ以上
とした。

さらに制振鋼板は、プレス成形中に、単一鋼板とは異な
った特異な現象を生ずる。されはダイス肩、ビード部等
で材料が曲げ・曲げ戻しを受ける際、２枚の鋼板に、は
がれが生ずることである。

はがれが生ずるとプレス成形品としての価値を失うため
、絶対にその発生を避けなければならない。

本発明者等は第３図に示す装置で引張曲げ変形（張力の
加わった曲げ・曲げ戻し変形）を与え、この点に関し、
検討した。引張曲げ変形は実施例の欄で詳述する引張曲
げ条件と同じで、材料としては鋼板成分及び樹脂は第１
図、第２図と同じで、ｔ２を０．３ｍｍと一定にしｔ工
を変えて検討した結果、片側鋼板、すなわち厚い側の鋼
板板厚（ｔｌ）を０．７５ｍｍ以下とすることで、はが
れを回避することができることを見出した。このため厚
い側の鋼板板厚（ｔｌ）は０．７５１１１Ｑ＋以下にす
る必要がある。このような鋼板のはがれは粘弾性樹脂の
破断耐力に比べ、ｒｌ板の変形抵抗が著しく高くなると
、鋼板が自由に変形し、樹脂層が鋼板の変形を拘束する
ことが出来なくなるために起ると考えられる。

鋼板板厚を制限することは、はがれに対する鋼板の変形
抵抗と、樹脂厚の破断耐力の関係を有利なものとすると
考えられる。さらに、特に限定するものではないが、し
わを−屑発生し難くするために用いる鋼板は、できるだ
け軟質な例えば降伏強、原２０ｋｇ／１ＩｉｏＩ２以下
のものがよい、また鋼板はたとえば冷延鋼板、各種メッ
キ鋼板、有機液Ｗ４ｇｉ板。

化成処理鋼板などを単独で、また種々組合せて用いるこ
とができる。樹脂厚さは０．０６ｎ＋ａ＋以下が望まし
い、これは例えば制振鋼板に溶接性を付与するために、
ステンレス粉、カーボンブラック等を樹脂中に分散させ
、表皮鋼板の導通を確保する場合、樹脂厚が厚くなると
粒径が大きなステンレス粉等を均一に分布させ安定した
導電性を確保することが麗しくなるためである。樹脂種
類としてはアクリル系、ポリイソブチレン系、ポリオレ
フィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ビニル系樹
脂等を、単独または種々混合して用いてもよい。

［実施例］ つぎに本発明の実施例の第１表番号１〜５を比較例の第
１表番号６〜８と比較して第１表に示した０片側鋼板、
他方鋼板の板厚をそれぞれ変化させ（１，＋１．）／１
工を変化させ、しわ、はがれ。

エリクセン値を調べた。

第１表の各制振鋼板の製造条件としては、ポリエステル
系：３０重量％のキシレン溶液をバーコーターで鋼板上
に塗布し、鋼板を１８０℃に保った炉で１分間加熱し温
材を蒸発させた。その後塗布面を内側にして２枚の鋼板
を合せ、１９０℃まで昇温２分間保持し、１００℃まで
冷却して行った。加圧は昇温前から冷却後まで常時２ｋ
ｇ／ｄとした。ポリアミド系：樹脂フィルムを２枚の鋼
板で挟み、１８０℃まで昇温、２分間保持し、１００℃
まで冷却して行った。加圧は昇温前から冷却後まで常時
２ｋｇ／ａＪとした。

又各制振鋼板の性能試験はつぎの方法で行った。

（イ）プレス時のしわ高さ プレス条件　　二　円筒深絞り ポンチ径：１００＋ａｍ ポンチ肩半径：１０ｍｍ ダイス肩半径：１０ｍ＋＊ しわ押えカニ　０．５　トン 潤滑　　：防錆油 ブランク径：２００＋ｍ 上記条件で高さ２０ｍｍ成形し、フランジ部のしわ高さ
を評価した。２０ＩＩＩ１１スパン内のしわの高さで、
しわ高さを評価した。

（ロ）引張曲げ時鋼板はがれの有無 第３図に示す治具で鋼板に引張曲げを与えた際のはがれ
を観察した。

引張曲げ条件 引抜き速度：　５００ｍｍ／ｍｉｎ 引抜き長さ：２００ｍｍ 引抜き後残存試料長さ＝３０１１１ｍ 潤滑　　　：防錆油 治具面圧　：３０ｋｇ／ａ＋ｆ （ハ）エリクセン試験 試験は、薄い側の鋼板を張出し外側にして行つた。試験
方法はＪＩＳＺ２２４７に準拠して行った。

第１表から明かなどとく本発明の実施例はいずれも比較
例に対し、すぐれたプレス成形性を示す。

［発明の効果コ 以上説明したように、本発明範囲においてプレス成形性
に優れた制振鋼板が得られた。これは自動車用用途を中
心とした高いプレス成形性を必要とする制振鋼板の用途
に対し、寄与するところ大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は（ｔ、Ｌ”　ｔａ）　／　ｔ工の値としわ高さ
の関係を示す説明図。第２図は他方の鋼板板厚ｔよとエ
リクセン値（張出し性を示す）の関係を示す説明図、第
３図は引張曲げ試験方法の概略図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 ２枚の鋼板の間に剪断接着強度７０ｋｇ／ｃｍ＾２以下
   の樹脂を介在させた制振鋼板において、片側の鋼板の板
   厚ｔ＿１が０．７５ｍｍ以下で他方の鋼板の板厚ｔ＿２
   が０．３０ｍｍ以上であり、下記条件を満足することを
   特徴とする、プレス成形性に優れた制振鋼板 （ｔ＿１＋ｔ＿２）／ｔ＿１≦１．７５