JPS639017Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ワンマンバス等の運転席の傍に設置
される料金箱内の硬貨搬送装置に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

ワンマンバス等に設置される料金箱は、釣銭を
搬出する機能の他に、紙幣を両替する機能や残金
を搬出する機能を有する必要があるが、従来、こ
うした機能は、別々の装置によつて達成されてい
た。すなわち、料金箱内に、釣銭を搬出する装置
と、両替をする装置とを設け、残金を確認するに
も両方の装置からそれら残金を別々に搬出するも
のとなつていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

釣銭搬出装置と両替装置とを別体物として設け
ていた従来技術においては、それぞれの装置に釣
銭用あるいは両替用の硬貨を充填する必要がある
と共に、それぞれの装置から残金を搬出する必要
があり、取り扱いが面倒であるといつた問題があ
つた。

本考案は、こうした点に鑑み考えられたもの
で、釣銭搬出装置と両賛装置を一体化することに
よつて硬貨の充填が一回で達成出来ると共に、残
金の搬出も一回で達成出来、取り扱いの容易な硬
貨搬出装置を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

そのための手段として、硬貨硬貨打ち出し機構
を備えた硬貨貯蔵体７の下方に第１コンベアを設
け、その側方に両替硬貨搬出通路９を設けた。こ
の第１コンベア８の走行端下方には第２コンベア
１０を配し、その走行端には釣銭硬貨搬出通路１
１を、側方には料金収納箱への搬出通路１２を設
けた。

そして、第１コンベア８上に、下降時に第１コ
ンベア８の走行方向に対して傾斜姿勢となつて第
１コンベア８上の硬貨を両替硬貨搬出通路９方向
にガイドする遮蔽板１３を昇降動自在に配すると
共に、第２コンベア１０上に、下降時に第２コン
ベア１０の走行方向に対して傾斜姿勢となつて第
２コンベア１０上の硬貨を料金箱３への搬出通路
１２方向にガイドする遮蔽板１５を昇降動自在に
配した。

〔作用〕

上記した構成にあつて、釣銭を支払う場合に
は、運転手が釣銭用の操作ボタンを押すと、それ
によつて所定枚数の硬貨が硬貨貯蔵体７から打ち
出されて走行する第１コンベア８上に落下する。
この硬貨を打ち出す機構は、従来から存在する各
種手段によつて達成されるものである。第１コン
ベア８によつて搬送された硬貨は、第２コンベア
１０上に落下し、さらに第２コンベア１０から釣
銭硬貨搬出通路１１を経て釣銭硬貨取出口４へと
送られる。

両替の場合には、紙幣を紙幣取出口５に入れる
と、金額が読み取られて所定額の硬貨が硬貨貯蔵
体７から打ち出され、走行する第１コンベア８上
に落下すると共に、第１コンベア８上に遮蔽板１
３が下降して送路を遮断する。これによつて、こ
の両替硬貨は両替硬貨搬送通路９から両替硬貨取
出口６へと送られる。

料金箱内残金の集計に際しては、硬貨貯蔵体７
内の硬貨をも回収しなければならない訳である
が、操作ボタンを押す等の操作をなすと、硬貨貯
蔵体７内の硬貨は全て打ち出されて走行する第１
コンベア８上に落下し、さらに第２コンベア１０
に送られる。この時、第２コンベア１０上に遮蔽
板１３が下降して送路を遮断する。これによつ
て、上記硬貨は搬送通路１２から料金収納箱３へ
と送られる。

〔実施例〕

以下に本考案の一実施例を、図面に従つて説明
する。

所定の大きさを有しバスの運転席と乗客通路と
の間に設置される料金箱１は、直方体形状をして
おり、上面一側端部には料金硬貨、回数券を受け
入れる投入口２が開口し、この投入口２下方の料
金箱１下部には投入口２からの硬貨が落下収納さ
れる料金収納箱３が設けられ、さらに料金箱１の
乗客側面であつて投入口２の所定下方位置には釣
銭硬貨取出口４が受皿を介して開口形成されてい
る。

料金箱１の他側端上端部には、紙幣挿入口５が
受板を介して開口し、この紙幣挿入口５の所定下
方位置には受皿を介して両替硬貨取出口６が開口
している。

こうした外観形状となつた料金箱１内にあつ
て、他端部上部には硬貨貯蔵体７が配されてい
る。この硬貨貯蔵体７は、百円硬貨、五十円硬
貨、十円硬貨等を種類別にストツクしており、運
転席側に設けた操作ボタン（図示していない）を
操作することによつて夫々の硬貨を所望数だけ打
ち出さるようになつているが、場合によつては所
定操作によつて投入口２に入れられた硬貨を選別
してこの硬貨貯蔵体７に送り、夫々ストツクの補
充が達成されるようになつている。

この硬貨貯蔵体７の下方には、図示例では乗客
通路方向に走行する第１コンベア８が配され、第
１コンベア８の側下方位置には、前述した両替硬
貨取出口６と連通する両替硬貨搬出通路９が設け
られている。

又、この第１コンベア８の走行端下方には、第
１コンベア８と直交する形態で第２コンベア１０
が配され、この第２コンベア１０の走行端下方に
は前述した釣銭硬貨取出口４と連通する釣銭硬貨
搬出通路１１が配され、さらに第２コンベア１０
の側下方には前述した料金収納箱３と連通する搬
出通路１２が配されている。

第１コンベア８上の遮蔽板１３を昇降動させる
手段としては様々考えられるが、この実施例にお
いては、電磁石１４を利用している。この遮蔽板
１３は、下端が第１コンベア８の上面に接触しな
い程度までぎりぎりに下降し、しかもこの状態で
は第１コンベア８の上面に対して垂直でかつ走行
方向に対して一定の角度をもつて交叉する姿勢と
なり、されにその角度方向は、第１コンベア８の
側下方に設けられた両替硬貨搬出通路９の開口端
方向となつている。

すなわち、所定操作によつて硬貨貯蔵体７から
打ち出される硬貨は、第１コンベア８上に落下し
てさらに第２コンベア１０に送られるのである
が、電磁石１４を作動させて第１コンベア８上に
遮蔽板１３を下降させて第１コンベア８の送路を
遮断すると、上記硬貨は遮蔽板１３に衝突してせ
き止められかつ走行方向に対する遮蔽板１３の斜
めな姿勢にそつてガイドされ、両替硬貨搬出通路
９開口端に落下し、さらに両替硬貨取出口６へと
送られるのである。

又、上述の遮蔽板１３と同様に、第２コンベア
１０上にも、第２コンベア１０の送路を開閉する
遮蔽板１５が電磁石１６を介して昇降動自在に配
されている。

ここでの遮蔽板１５における第２コンベア１０
の走行方向との交叉姿勢は、第２コンベア１０の
側下方に設けられた料金収納箱３への搬送通路１
２開口端方向に向いた形態である。

従つて、遮蔽板１５が下降した第２コンベア１
０の閉状態では、第２コンベア１０上を搬送され
る硬貨は、この遮蔽板１５に衝突しさらに遮蔽板
１５の姿勢にそつてガイドされて搬送通路１２開
口端に落下し、料金収納箱３へと送られることに
なる。

〔考案の効果〕

このように本考案は、釣銭装置と両替装置を一
体化して、釣銭硬貨および両替硬貨の充填を一回
で達成出来るようにしたと共に、残金搬出も一回
で達成出来るので、釣銭搬出装置と両替装置が別
体であつた従来技術と比べて、取り扱いが容易に
なつた。

又、本考案によれば、運転手が簡単な操作をす
るだけで両替硬貨、釣銭硬貨、残金硬貨を夫々所
定の位置に搬送せしめることが出来、しかも金額
を誤ることもないし、直接手を触れることもない
ので不正の入り込む余地もなく、運転手は乗客と
の応対に手間どることもないので安全運転が確保
され運行時間に支障を来さない等、本考案は優れ
て多くの作用効果を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は料金箱の斜視図、第２図は本考案に係
る装置の斜視図、第３図は同じく平面図である。 符号の説明、１：料金箱、２：投入口、３：料
金収納箱、４：釣銭硬貨取出口、５：紙幣挿入
口、６：両替硬貨取出口、７：硬貨貯蔵体、８：
第１コンベア、９：両替硬貨搬出通路、１０：第
２コンベア、１１：釣銭硬貨搬出通路、１２：搬
出通路、１３：遮蔽板、１４：電磁石、１５：遮
蔽板、１６：電磁石。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 硬貨打ち出し機構を備えた硬貨貯蔵体の下方に
   設けられた第１コンベアの側方に両替硬貨搬出通
   路を設け、当該第１コンベアの走行端下方に第２
   コンベアを配し、更に当該第２コンベアの走行端
   に釣銭硬貨搬出通路、側方に料金収納箱への搬出
   通路を夫々配し、上記第１コンベア上に、下降時
   に第１コンベアの走行方向に対して傾斜姿勢とな
   つて第１コンベア上の硬貨を上記両替硬貨搬出通
   路方向にガイドする遮蔽板を昇降動自在に配する
   と共に、上記第２コンベア上に、下降時に第２コ
   ンベアの走行方向に対して傾斜姿勢となつて第２
   コンベア上の硬貨を上記料金箱への搬出通路方向
   にガイドする遮蔽板を昇降動自在に配して成る硬
   貨搬送装置。