JPS63897Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は建築物における防火性能を有する間仕
切壁を構成する際に用いられる間仕切壁パネルに
関するものである。

従来建築物において不燃構造又は耐火構造の間
仕切壁を構成する場合には軽量鉄骨製スタツド又
は表面材と同質の不燃材料を貼合せたスタツド又
はリブを枠組して下地とし、その上に石膏ボード
などの表面材を釘、ネジ、ビス、ステープルなど
を用いて貼着し建込んでいく方式がとられている
が、もしくは表裏両面に不燃材料からなる面材を
備え、該面材間に不燃材料からなるスペーサー枠
材等を設け、それに前記面材を両面に貼着してな
る加工パネルを並設して建込んでいく方式が採ら
れている。

然しながら前者の方式において、軽量鉄骨製ス
タツドの場合は火災発生時の熱が金属製の釘、ネ
ジ、ビス、ステーブルからスタツドを通じて裏面
側に伝わり防火性に問題があり、又不燃材料のス
タツド又はリブの場合には、釘、ネジ等の保持力
が弱いため表面材の固定に問題があり、耐衝撃性
に劣る。一方後者の方式パネルを使用する場合
は、パネルとパネルとの接合部分が弱点となり易
いため、接合に特別の工夫を必要とし、またパネ
ルに加工部分が多く高価になる等の欠点を有する
ものである。

本考案はかかる欠点を改善せんとして鋭意研究
を行つた結果、耐力性、耐衝撃性に優れ且つ防火
性能を有する間仕切壁を簡単な施工にて構成しう
る間仕切壁用パネルを開発したものである。

即ち本考案は中心部に木材又は合板を設け、そ
の両側に石膏ボードを１枚又は複数枚接着して積
層し中間層を形成し、更にその両側に前記の木材
又は合板を固着してなる表面材層を設けた複合ス
タツド又はリブを石膏ボード等の壁材の１側縁部
に沿つて１部がはみ出すようにして固着せしめ且
つ他縁部には設けないことを特徴とする間仕切用
パネルである。

更に本考案パネルを用いて間仕切壁を形成する
には次の如く行うものである。

(1) まず本考案パネルを予め天井面及び床面に固
着されたライナー等の取付金物に固定する。

(2) パネルの１側縁部に設けられたスタツド又は
リブの壁材よりはみ出した部分に隣接のパネル
のスタツド又はリブの設けていない側縁部の壁
材を重ねた後、該壁材の表面から前記スタツド
又はリブに釘、ネジを打込み或は接着剤を併用
して固着し、順次隣接のパネルを同様に固定し
て間仕切壁の片側を構成する。

(3) この片側の間仕切壁に対し裏面側に石膏ボー
ド等の壁材を前記パネルのスタツド又はリブに
釘、ネジ等を用い或は接着剤を併用して貼着固
定する。

このようにして本考案パネルを用いて容易に間
仕切壁を構築することが出来る。

次に本考案の実施例について説明する。

第１図に示す如く中心部に合板１を設置し、そ
の両側に予め両面に接着剤３を塗布した石膏ボー
ド２，２′を貼着して中間層を形成し、更にその
両側面に合板１′，１″を貼着して表面材層を設け
て本考案間仕切壁用パネルのスタツド又はリブ用
の複合板とした。

この複合板及びスタツド又はリブ４をうるため
の具体的工程を示すとまず厚さ４mmの合板１′の
上に、予め両面にアルフアオレフイン系接着剤３
を塗布した厚さ1.5cmの石膏ボード２を貼着し、
その外側に上記の如き合板１、接着剤３を塗布し
た石膏ボード２′及び合板１″をサンドイツチ構造
に貼着した後、プレス機により１〜３Kgの圧力に
よつて15分間プレスを行つて固定結合せしめ、こ
の状態にて約３時間放置して十分に結合を行つた
後、スタツド又はリブとしての所定寸法に切断し
正方形又は長方形断面のスタツド又はリブにする
ものである。

このようにして得られたスタツド又はリブ４を
壁材５に固着して間仕切壁用パネル例えば第２図
に示す如き断面Ｆ字型状パネル又は第３図に示す
如き断面Ｌ字型状パネルをうるものである。

この場合リブ４は石膏ボードの壁材５の表面に
１本又は複数本取付けてもよいが、その内少くと
も１本は第２図及び第３図に示す如くその１部が
縁部よりはみ出すようにして取付け他縁部にはリ
ブを設けないことが必要であり、壁材５とリブ４
との取付けは壁材の表面より釘打、ビス止め等に
よりリブ４を固定する。この場合さらに接着剤を
併用することも出来る。

次に本考案間仕切壁用パネルの作用、効果につ
いて説明する。

即ち石膏ボード等の壁材の１側縁部に沿つてリ
ブをその１部がはみ出すようにし、他側縁部には
設けないように固着させたパネル７であるため、
このパネルを順次該リブのはみ出し部分を介して
建込み固定するのみで間仕切壁の片側を形成する
ことが出来、その反対側に壁板を貼着させれば間
仕切壁が形成出来る。従つて従来の如く軽量鉄骨
や不燃材料等からなるスタツドを別個に設ける必
要はなく、極めて施工が簡単容易である。

又本考案間仕切壁用パネルに使用する複合スタ
ツド又はリブは特に中間層として中心部に木材又
は合板を設け、その両側に石膏ボードを接着した
積層構造となつており石膏ボードのもつ不燃性と
木材又は合板のもつ釘又はビス等の保持力を併せ
もつのは勿論であるが、特に中心部の木材又は合
板は両側の石膏ボードが密着して接合されている
ので燃焼し難いものになつており、たとえ表面の
壁材がかなりの高温になつても燃焼することなく
強度及び釘やビス等の保釘力を保持することが出
来、間仕切壁として防火性能を著しく向上するこ
とが出来る。

又本考案のパネルを用いて形成された間仕切壁
においては実際上は複合スタツド又はリブに対し
て両側より壁材を貼着する構造になつており、本
考案のパネルを構成する複合スタツド又はリブの
中心部に木材又は合板を設けたことにより、釘打
ちした場合、釘又はビスは表面材層と中間層の中
心部に設けた双方の木材又は合板にて強力に保持
される。又表裏の何れの側の壁材に対しても同等
の強度及び保釘力をもたらし更に何れ側からの熱
をうけた場合にも上記の如く二ケ所部分にて強力
に固着されているため表面の壁材が確実に保持さ
れる。以上のことにより耐力性、耐衝撃性が向上
し、更に優れた防火性能をもたらすことが出来
る。

このように本考案のパネルを用いて間仕切壁を
構成すれば極めて容易に施工が出来て作業性が向
上すると共に優れた耐力性並に耐衝撃性を有し且
つ防火性能を有する間仕切壁をうることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案間仕切壁用パネルに用いる複合
スタツド又はリブの１例を示す断面図、第２図及
び第３図は本考案間仕切壁用パネルの１例を示す
ものであり、第２図はＦ字型状間仕切壁用パネル
の斜視図、第３図はＬ字型状間仕切壁用パネルの
斜視図である。 １，１′，１″……合板、２，２′……石膏ボー
ド、３……接着剤、４……リブ、５……壁材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中心部に木材又は合板を設け、その両側に石膏
   ボードを１枚又は複数枚接着し積層して中間層を
   形成し、更にその両側に前記の木材又は合板を固
   着してなる表面材層を設けた複合スタツド又はリ
   ブを石膏ボード等の壁材の１側縁部に沿つて１部
   がはみ出すようにして固着せしめ且つ他縁部には
   設けないことを特徴とする間仕切壁用パネル。