JPS638967B2 - - Google Patents

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JPS638967B2
JPS638967B2 JP56119129A JP11912981A JPS638967B2 JP S638967 B2 JPS638967 B2 JP S638967B2 JP 56119129 A JP56119129 A JP 56119129A JP 11912981 A JP11912981 A JP 11912981A JP S638967 B2 JPS638967 B2 JP S638967B2
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JP
Japan
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isocyanate
diisocyanate
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JP56119129A
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JPS5821414A (ja
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Tooru Koyama
Motoyo Wajima
Junji Mukai
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Publication date
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Publication of JPS638967B2 publication Critical patent/JPS638967B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は耐熱区分C種(180℃)以上の硬化物
を生成する熱硬化性樹脂組成物に関し、更に詳細
には硬化によりイソシアヌレート環結合、イミド
結合及びシリコーン結合を化学構造中に有する樹
脂を生成する熱硬化性樹脂組成物に関する。 電気機器は小形軽量化、大容量化、信頼性の向
上などの要求が強くこれに使用する絶縁材料に対
してもより耐熱性の優れたものの開発が要望され
ている。 従来、耐熱性材料は主としてエナメル線又は積
層材料を対象とした溶剤型ワニスの分野で研究が
進みポリイミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリ
アミドイミド、シリコーン、ポリジフエニルエー
テルなどの優れた材料が開発されている。これら
の材料では分子構造中にヘテロ環を導入して耐熱
性を上げる方法が主流となつている。しかし、ヘ
テロ環を分子中に導入すると粘度が高く一般に固
体となるため、これら材料をワニスとして使用す
る場合溶剤を必要とする。このような溶剤型ワニ
スは、硬化の際溶剤が揮発しボイドが多量に残り
やすいため、無溶剤型ワニスに比べ熱放散が悪
い、耐電圧特性、接着力が低い、耐湿性が悪く熱
劣化が大きいなどの欠点がある。このため、電気
機器用絶縁ワニスとしては溶剤を含まない無溶剤
型であることが非常に重要となつてくる。 現在耐熱性の比較的優れた無溶剤ワニスとして
エポキシ樹脂が使用されているが、一般的なもの
ではその最高使用温度は180℃が限度である。又
無溶剤シリコーンは熱安定性が良いため注目され
ているが、高温での強度が低く用途が限定されて
いる。一方、ポリイミドは本来300℃以上の耐熱
性を有しているが、無溶剤型ワニスにするため、
マレイミド系材料又はイミドエポキシ材料に見ら
れるように最初からヘテロ環を導入し、しかも低
分子量化合物を原料としている。そのため、本来
のポリイミドの有する耐熱性が大幅に低下し、そ
の耐熱性はせいぜい200℃が限度である。 ところで、ワニスの低粘度化と耐熱性を比較的
両立したものとして多官能イソシアネートと多官
能エポキシ化合物とを主原料とするイソシアヌレ
ート・オキザゾリドンレジン(特公昭52−31000
号公報参照)及びイミド基含有多官能イソシアネ
ートと多官能エポキシ化合物を主原料とするイミ
ド・イソシアヌレート・オキサゾリドンレジン
(特公昭53−47277号公報参照)がある。これらの
レジンは耐熱性をイソシアヌレート環及びイミド
環で付与し、機械特性、特に可撓性をオキサゾリ
ドン環で付与したものである。しかし、これらは
いずれも、耐熱性の低いオキサゾリドン環を含ん
でいるため、その耐熱性は220℃が限度であり、
更に耐熱性の向上が望まれている。 本発明は上記現状に鑑みてなされたもので、無
溶剤型で加熱することにより耐熱性の優れたイソ
シアヌレート環結合と耐熱性、可撓性共に優れた
イミド結合及びシリコーン結合を有する樹脂に硬
化により転化し得る新規な熱硬化性樹脂組成物を
提供することを目的とする。 前記の目的を達成する本発明の熱硬化性樹脂組
成物は(a)分子中に存在する3個以上のカルボキシ
ル基のうち少なくとも2個が酸無水物環を形成し
ているカルボン酸無水物と化学当量で過剰の多官
能イソシアネートとを反応させて得られる分子末
端にイソシアネート基を有するイミド基含有イソ
シアネート、(b)多官能イソシアネート、(c)シラノ
ール基含有シリコーン及び(d)イソシアネート三量
化触媒を含むことを特徴とする。 本発明の(a)成分であるイミド基含有イソシアネ
ートについて、その反応及び構造式を、カルボン
酸無水物がピロメリツト酸二無水物である場合に
ついて例示すると次のとおりである。 (式中Rは多官能イソシアネートを構成する二
価の有機基を表わし、m,n,pは正の数で、m
>nである。) 当量比m/nが1に近い程、生成物は高重合度
となる。又pは他の成分との相容性上1〜3であ
ることが望ましい。 又カルボン酸無水物がトリカルボン酸の一無水
物である場合生成物は次の一般式()で表され
る。 (式中R,pは式と同一の意味を有し、
R′はトリカルボン酸の有機基である。) 本発明の(a)成分において使用される多官能イソ
シアネートの例としては、メタンジイソシアネー
ト、ブタン―1,1―ジイソシアネート、エタン
―1,2―ジイソシアネート、ブタン―1,2―
ジイソシアネート、トランスビニレンジイソシア
ネート、プロパン―1,3―ジイソシアネート、
ブタン―1,4―ジイソシアネート、2―ブテン
―1,4―ジイソシアネート、2―メチルブタン
―1,4―ジイソシアネート、ペンタン―1,5
―ジイソシアネート、2,2―ジメチルペンタン
―1,5―ジイソシアネート、ヘキサン―1,6
―ジイソシアネート、ヘプタン―1,7―ジイソ
シアネート、オクタン―1,8―ジイソシアネー
ト、ノナン―1,9―ジイソシアネート、デカン
―1,10―ジイソシアネート、ジメチルシランジ
イソシアネート、ジフエニルシランジイソシアネ
ート、ω,ω′―1,3―ジメチルベンゼンジイ
ソシアネート、ω,ω′―1,4―ジメチルベン
ゼンジイソシアネート、ω,ω′―1,3―ジメ
チルシクロヘキサンジイソシアネート、ω,
ω′―1,4―ジメチルシクロヘキサンジイソシ
アネート、ω,ω′―1,4―ジメチルベンゼン
ジイソシアネート、ω,ω′―1,4―ジメチル
ナフタリンジイソシアネート、ω,ω′―1,5
―ジメチルナフタリンジイソシアネート、シクロ
ヘキサン―1,3―ジイソシアネート、シクロヘ
キサン―1,4―ジイソシアネート、ジシクロヘ
キシルメタン―4,4′―ジイソシアネート、1,
3―フエニレンジイソシアネート、1,4―フエ
ニレンジイソシアネート、1―メチルベンゼン―
2,4―ジイソシアネート、1―メチルベンゼン
―2,5―ジイソシアネート、1―メチルベンゼ
ン―2,6―ジイソシアネート、1―メチルベン
ゼン―3,5―ジイソシアネート、ジフエニルエ
ーテル―4,4′―ジイソシアネート、ジフエニル
エーテル―2,4′―ジイソシアネート、ナフタリ
ン―1,4―ジイソシアネート、ナフタリン―
1,5―ジイソシアネート、ビフエニル―4,
4′―ジイソシアネート、3,3′―ジメチルビフエ
ニル―4,4―ジイソシアネート、2,3′―ジメ
トキシビフエニル―4,4′―ジイソシアネート、
ジフエニルメタン―4,4′―ジイソシアネート、
3,3′―ジメトキシジフエニルメタン―4,4′―
ジイソシアネート、4,4―ジメトキシジフエニ
ルメタン―3,3′―ジイソシアネート、ジフエニ
ルサルフアイド―4,4′―ジイソシアネート、ジ
フエニルスルホン―4,4′―ジイソシアネートな
どの2官能のイソシアネート化合物、ポリメチレ
ンポリフエニルイソシアネート、トリフエニルメ
タントリイソシアネート、トリス(4―フエニル
イソシアネートチオホスフエート)、3,3′,4,
4′―ジフエニルメタンテトライソシアネートなど
の3官能以上のイソシアネート化合物が挙げられ
る。 又これらのイソシアネート化合物の2量体、3
量体、あるいは4,4′―ジフエニルメタンジイソ
シアネートの一部をカルボジイミド化した液状イ
ソシアネートなども用いることができる。 本発明の(a)成分において使用されるカルボン酸
無水物の例としてはトリメツト酸無水物、ピロメ
リツト酸二無水物、1,2,3,4―ベンゼンテ
トラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′―ベン
ゾフエノンテトラカルボン酸二無水物、1,4,
5,8―ナフタリンテトラカルボン酸二無水物、
シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、エチ
レングリコールビス(トリメリテート)二無水
物、グリセリントリス(トリメリテート)三無水
物などが挙げられる。 前記式()で例示される反応により本発明の
イミド基含有イソシアネートを製造するに当り、
多官能イソシアネートはカルボン酸無水物に対し
て化学当量で過剰で使用されなければならない
が、多官能イソシアネート及びカルボン酸無水物
はそれぞれ1種の化合物に限定されるものではな
く、それらの混合物を使用してもよい。 イミド基含有イソシアネートの製造について具
体的に説明すると、式()の反応生成物である
イミド基含有イソシアネートはカルボン酸無水物
と該カルボン酸無水物に対して化学量論的に過剰
の多官能イソシアネートとを一般には乾燥不活性
気流中室温から200℃の範囲で4〜200時間加熱す
ることにより合成できるが、反応条件はカルボン
酸無水物及び多官能イソシアネートの性状などに
依存し、必ずしも上記に限定されるものではな
い。又必要に応じて、N,N―ジメチルアセトア
ミド、ヘキサメチルホスホルアミド、N―メチル
ピロリドン、ジメチルスルホキシド、フエノー
ル、クレゾール類などの溶媒を使用しても良い。
反応の進行状態は発生する炭酸ガスの気泡を観察
することで追跡可能であり、気泡の発生が無くな
るまで反応させる。カルボン酸無水物が未反応の
まゝ存在するとイソシアヌレート結合を生成しつ
つ耐熱性樹脂に転化させる過程で気泡が発生し電
気特性に悪影響を及ぼすことがあるため、カルボ
ン酸無水物を完全に反応させイミド基にする必要
がある。 本発明において多官能イソシアネートのカルボ
ン酸無水物に対する仕込当量比は反応系の官能数
によるが2から50の範囲が好ましい。仕込み当量
比が2以下になるとカルボン酸無水物が未反応の
まゝ残る傾向にある。又仕込み当量比が小さい範
囲では耐熱性が悪くなる傾向にある。更に仕込み
当量比が50を超えると硬化物の特性が著しく脆く
なる傾向がある。 本発明の(b)成分である多官能イソシアネートの
例としては前記した(a)成分の多官能イソシアネー
トと同一の化合物が挙げられ、(a)成分のそれと同
一又は異なるものが使用されるが、イミド基含有
イソシアネートを含まないことは理解されるであ
ろう。 そして(b)成分は(a)成分の反応混合物に別に配合
してもよいが、(a)成分の反応混合物における未反
応の多官能イソシアネートがそのまゝ(b)成分とし
て使用することができる。 本発明の(c)成分のシラノール基含有シリコーン
としては、一般式RSiX3,R2SiX2,R3SiX(式中
Rは水素原子、メチル基、エチル基、フエニル基
等、Xはハロゲン原子、アルコキシ基等の加水分
解可能な基を示す)で表わされるシラン類を目的
に応じた組成で配合し、これに水を加えて加水分
解し、次いでケイ素原子に結合したシラノール基
を熱又は触媒の存在下で部分的に脱水縮合させて
適度に重合度を高めたものが使用される。このよ
うなシラノール基含有シリコーンは市販されてお
り例えば信越シリコーン社製KR―272(シラノー
ル基含有量2%)、KR―275(同上0.5〜1%)、
KR―214(同上4%)、KR―216(同上6%)、KR
―215(同上5〜6%)等を適宜利用することがで
きる。このうち、KR―215、KR―216のような
無溶剤タイプが好ましい。 シラノール基含有シリコーンは下記式()で
示されるように、(a)及び(b)成分の遊離イソシアネ
ート基と反応して硬化物に組み込まれ、耐熱性及
び可撓性に寄与する。 (R″は(a)成分又は(b)成分の有機基、Rはシ
リコーン骨核を示す) 本発明における前記3成分の配合割合は、(a)/
(b)/(c)の当量比として、望ましくは10/10〜
100/1〜20、一層望ましくは10/20〜50/2〜
10である。イミド基含有イソシアネート及びシラ
ノール基含有シリコーンの配合割合が小さいと脆
くなる傾向があり、多いと耐熱性が悪くなる傾向
がある。 本発明の(d)成分であるイソシアネート三量化触
媒としては酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム等の
酢酸アルカリ又はアルカリ土類金属塩、ナトリウ
ムメトキサイド、ナトリウムエトキサイド等のア
ルカリ金属アルコラート、塩化第二鉄、塩化マグ
ネシウム、塩化ニツケル、塩化第二錫、硝酸鉛、
ナフテン酸の銅、鉛、亜鉛、コバルト、ニツケ
ル、マンガン等の金属塩、オクテン酸の銅、鉛、
亜鉛、コバルト、ニツケル、マンガン等の金属
塩、テトラ―n―ブチルチン、トリ―n―ブチル
チンアセテート、ジメチルチンジクロライド、ジ
ブチルチンジラウレート、ジブチルチン―ジ―2
―エチルヘキソエート等の有機錫化合物及びこれ
らに類似する鉄、マグネシウム、ニツケル、錫、
亜鉛、鉛等の金属塩及び有機金属化合物、2,
4,6―トリ(ジメチルアミノメチル)フエノー
ル、4,6―ジ(ジメチルアミノメチル)フエノ
ール、2,4―ジメチル―6―ジメチル―6―ジ
メチルアミノメチルフエノール等のフエノールの
マンニツヒ塩基、トリメチルアミン、トリエチル
アミン、テトラメチルブタンジアミン、テトラメ
チルペンタンジアミン、テトラメチルヘキサンジ
アミン、トリエチレンジアミン、ジメチルアミノ
エタノール、ジメチルアミノペンタノールなどの
第3級アミン化合物、N―メチルモルホリン、N
―エチルモルホリン、N―ドデシルモルホリン、
ブチレンジモルホリン、ヘキサメチレンジモルホ
リン、シアノエチルモルホリン、トリアジノエチ
ルモルホリンなどのN―置換モルホリン化合物、
2―メチルイミダゾール、2―エチルイミダゾー
ル、2―ウンデシルイミダゾール、2―ヘプタド
デシルイミダゾール、2―メチル―4―エチルイ
ミダゾール、1―ブチルイミダゾール、1―プロ
ピル―2―メチルイミダゾール、1―ベンジル―
2―メチルイミダゾール、1―シアノエチル―2
―メチルイミダゾール、1―シアノエチル―2―
ウンデシルイミダゾール、1―シアノエチル―2
―フエニルイミダゾール、1―(4,6―ジアミ
ノ―s―トリアジニル―2―エチル)―2―メチ
ルイミダゾール、1―(4,6―ジアミノ―s―
トリアジニル―2―エチル)―2―エチル―4―
メチルイミダゾール、1―(4,6―ジアミノ―
s―トリアジニル―2―エチル)―2―ウンデシ
ルイミダゾールなどのイミダゾール化合物が挙げ
られる。上記の触媒のうち、とくにN―置換モル
ホリン化合物及びイミダゾール誘導体が有効であ
る。上記触媒の少なくとも1種を前記イソシアネ
ート化合物に対して0.01〜10重量%の範囲で用い
得る。とくに0.1〜2重量%の範囲が望ましい。
該範囲より少ないと硬化時間が長すぎる傾向にあ
り、多すぎると硬化物の特性が悪くなる傾向にあ
る。 必要に応じて既知の添加剤、充填剤、顔料又は
溶剤等を加えることができる。上記熱硬化性樹脂
組成物は既述のように無溶剤型であるため各種の
材料として用途があり、直接又は予備加熱反応
後、80〜250℃で1〜50時間加熱するだけで容易
に硬化し、240℃以上の高温でも長時間使用でき
る優れた耐熱性を有している。又硬化後の樹脂は
耐クラツク性、電気特性、耐薬品性、自己消炎性
が優れているので耐熱絶縁ワニス、注型用樹脂、
電子部品用モールド樹脂、積層用樹脂、印刷配線
用樹脂、内装材用樹脂など広い用途を有してい
る。 次に、本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれらによりなんら限定されるものではな
い。なお、以下の実施例において使用した略号で
示す多官能イソシアネート化合物、酸無水物、イ
ソシアネート三量化触媒、シラノール基含有シリ
コーンは次の通りである。 MDI;4,4′―ジフエニルメタンジイソシアネー
ト(当量125)。 L―MDI;MDIの一部がカルボジイミド化され
た常温で液状のMDI(当量約140)。 PMDA;ピロメリツト酸二無水物。 BPDA;3,3′,4,4′―ベンゾフエノンテトラ
カルボン酸無水物。 2E4MZ;2―エチル―4―メチルイミダゾール。 NMM;N―メチルモルホリン。 KR215;信越シリコーン社製KR215;シラノー
ル基含有量5〜6% KR216;信越シリコーン社製KR216;シラノー
ル基基含有量6% 実施例 1 PMDA 10.0g(0.046モル)、MDI114g(0.46
モル)及び脱水したN,N―ジメチルアセトアミ
ド 143g(152ml)を撹拌機、温度計、還流冷却
器を備えた4つ口フラスコに入れ、乾燥窒素気流
中室温で10日間反応させた。次に90℃で2時間
N,N―ジメチルアセトアミドを減圧留去し、反
応物(以下イソシアネート(A)という)を得た。こ
のものの赤外吸収スペクトルは2260cm-1にイソシ
アネート基に基づく吸収が、1780cm-1、1730cm-1
及び720cm-1にイミド基に基づく吸収が認められ
た。 前記イソシアネート(A)は前記反応式()に示
す反応生成物と未反応イソシアネートとの混合物
であり、他の成分との配合にそのまゝ使用した。 イソシアネート(A) 100gにKR216 17.3g及び
NMM 0.5gを添加し、良く混合して組成物を得
た。このものを110℃で15時間、次に150℃で15時
間、200℃で10時間、240℃で10時間と漸次昇温し
ながら加熱して硬化物を得た。 この硬化物の赤外吸収スペクトルは硬化前存在
していた2260cm-1のイソシアネート基に基づく吸
収が消滅し、新たにイソシアヌレート結合に基づ
く1710cm-1の吸収及び1050cm-1にSi―O―Siに基
づく吸収が現われた。又イミド基に基づく1780cm
-1、1730cm-1及び720cm-1の吸収は変化が認めら
れなかつた。このことから硬化物は主にイソシア
ヌレート結合、イミド結合及びシリコーン結合を
有する重合体であることがわかつた。 得られた硬化物は赤褐色の透明な樹脂でこの硬
化物の窒素雰囲気中における減量開始温度は400
℃であつた。 又この硬化物の機械特性、電気特性は次の表1
に示すように非常に優れている。
【表】 実施例 2〜11 BPDA 14.8g(0.046モル)、L―MDI128.8g
(0.46モル)及び脱水したジメチルアセトアミド
143g(152ml)を実施例1と同様にして10日間
反応させた。反応生成物は実施例1と同様に未反
応イソシアネートを含む。この反応生成物100g
及びKR215 9gに表2に示す触媒をそれぞれ添
加し、良く混合して各種の組成物を得た。
【表】 前記実施例2〜11の組成物を110℃で15時間次
に150℃で15時間、200℃で10時間、240℃で10時
間加熱して、硬化物を得た。これら硬化物の赤外
吸収スペクトルには、いずれも実施例1と同様
に、イソシアヌレート結合、イミド結合及びシリ
コーン結合に基づく吸収が認められた。得られた
硬化物は赤褐色の、透明な樹脂でこの硬化物の窒
素雰囲気中における減量開始温度は380〜450℃で
あつた。又この硬化物の電気特性は実施例1と同
様に優れた特性を示した。 更に、この硬化物の機械特性は表3に示すとお
りで優れた耐熱性を示す。
【表】 実施例 12〜18 実施例1で使用したPMDAとMDIとを表4に
示す各種の配合割合で配合し、その外は実施例1
と同様にして、室温で10日間反応させた。この反
応物からジメチルアセトアミドを減圧留去した。
この反応物100g、KR216 15g及びNMM 0.5g
を混合して樹脂組成物を調製した。 この樹脂組成物を110℃で15時間、150℃で15時
間、200℃で10時間、240℃で10時間漸次に昇温し
て加熱して硬化物を得た。この硬化物は赤褐色の
透明な樹脂でその赤外吸収スペクトルは殆んど実
施例1と同じで、これら硬化物は主にイソシアヌ
レート結合、イミド結合及びシリコーン結合を有
する重合体であることがわかつた。実施例12〜18
まで得られた樹脂はいずれも電気特性は実施例1
と実質的に同様な特性を示した。又機械特性は表
4のとおりで優れた耐熱特性を示した。
【表】 実施例12に示すように多官能イソシアネート/
酸無水物の当量比が1.5では引張強度が低く又熱
劣化が大きく270℃15日間の加熱で引張強度が零
となり満足なものが得られなかつた。又実施例18
に示すように多官能イソシアネート/酸無水物の
当量比が70では引張強度が低く、もろい。それに
対し実施例13〜17に示すごとくイソシアネート
基/酸無水物の当量比が2〜50では高温強度、耐
熱性が良いことがわかる。 実施例 19 ジメチルアセトアミドを使用せず、無溶剤で60
℃、10日間反応させた以外、実施例1の同一の条
件で実験を行つた。得られた硬化物の赤外吸収ス
ペクトルはイソシアヌレート結合とイミド結合と
シリコーン結合に基づく吸収が認められた。得ら
れた硬化物は赤褐色の透明な樹脂で、その機械特
性、電気特性は実施例1と同様に優れた特性を示
した。 実施例 20 実施例1で得たイミド基含有イソシアネート(A)
60g、KR216 10g、MDI40g及びNMM0.5gを
混合して、組成物を調製した。この組成物を110
℃で15時間、150℃で15時間、200℃で10時間、更
に240℃で10時間加熱して硬化物を得た。 この硬化物は赤褐色透明な樹脂で、その赤外吸
収スペクトルにはイソシアヌレート結合とイミド
結合及びシリコーン結合に基づく吸収が認められ
た。この硬化物の電気特性及び機械特性は実施例
15と同様に優れた特性を示した。 比較例 1 ノボラツクタイプのポリグリシジルエーテル
(ダウケミカル社製、DEN438、エポキシ当量
190)100g、メチルエンドメチレンテトラヒドロ
無水フタル酸(日立化成製、MHAC―P)66g
及び2―エチル―4―メチルイミダゾール(四国
化成製2E4MZ)0.8gを配合し、よく混合した。
この混合物を110℃で5時間、150℃で10時間、
225℃で15時間加熱して、硬化物を得た。この硬
化物の窒素雰囲気中における減量開始温度は285
℃で本発明の新規な熱硬化性樹脂組成物にくらべ
約120℃低い値を示した。 この硬化物の機械特性、電気特性は表5に示す
とおりである。この組成物はエポキシ樹脂の内で
は最も耐熱性の良いものであるが、本発明の新規
な熱硬化性樹脂組成物に比較して非常に悪い耐熱
性と電気特性を示した。
【表】
【表】 比較例 2 ビスフエノールAのジグリジルエーテル(米国
ダウケミカル社製DER332、エポキシ当量174)
100g、MDI 174g及びNMM0.27gをよく混合
した。この混合物を110℃で5時間、150℃で10時
間、225℃で15時間加熱して硬化物を得た。得ら
れた硬化物の窒素雰囲気中における減量開始温度
は380℃で本発明の新規な熱硬化性樹脂に比べ約
20℃低い値を示した。この硬化物の機械特性、電
気特性は表6に示すとおりである。
【表】
【表】 以上の説明から明らかなように、本発明の熱硬
化性樹脂組成物は、従来のイソシアヌレート・オ
キサゾリドンレジンを含めて達成されなかつた耐
熱性の優れた硬化物をもたらし、しかも無溶剤型
の樹脂組成物であるのでその適用性が広いという
利点がある。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a)分子中に存在する3個以上のカルボキシル
    基のうち少なくとも2個が酸無水物環を形成して
    いるカルボン酸無水物と化学当量で過剰の多官能
    イソシアネートとを反応させて得られる分子末端
    にイソシアネート基を有するイミド基含有イソシ
    アネート、(b)多官能イソシアネート、(c)シラノー
    ル基含有シリコーン、及び(d)イソシアネート三量
    化触媒を含むことを特徴とする熱硬化性樹脂組成
    物。 2 (a)イミド基含有イソシアネート、(b)多官能イ
    ソシアネート及び(c)シラノール基含有シリコーン
    の組成割合が化学当量比で10/10〜100/1〜20
    である特許請求の範囲第1項記載の熱硬化性樹脂
    組成物。
JP56119129A 1981-07-31 1981-07-31 熱硬化性樹脂組成物 Granted JPS5821414A (ja)

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