JPS638844B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は圧延機に関し、特に軸方向に移動可能
な作業ロールを有する圧延機に関する。

〔従来の技術〕

板状の圧延材を圧延する圧延機においては、作
業ロールの摩耗は、圧延材の両端部の接触部分に
おいて大きい。このようにロールの摩耗が一箇所
に集中するため頻繁にロール交換をせざるを得な
いという欠点がある。

作業ロールの胴部を有効に使用して前述の如き
欠点を除去するために、圧延材をバス中心からい
づれかの側に片寄せして圧延することも考えられ
るが、圧延機中心に対して圧延材を片寄せして圧
延すると、圧延材の板幅の両側で上下の作業ロー
ルのギヤツプ不均一になるので圧延材の幅方向の
厚さの精度が得られない。

換言すれば、板状の圧延材を圧延する場合に
は、圧延材の中心に対し左右板幅方向に上下作業
ロールの変形（変位）量を等しくする必要があ
る。すなわち、左右の変形の対称点である圧延機
の中心とパス中心とを一致させるのが望ましい。

以上の問題を解決するためミルハウジングに作
業ロールのシフト装置を取付け、シフト量を調整
してロール胴部の広い範囲に亘つて圧延を行うこ
とが提案されている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このシフト装置は、ハウジング
上のモータの駆動力をウオーム減速機を含む各種
歯車、スクリユー、レバー等を介して作業ロール
へ伝達するものであるから複雑かつ高価な装置と
なつていた。

また、ロールのシフト装置として、上下のロー
ル端をリンク、レバーにて連結し、レバーの中央
をハウジングに回転自在に支持し、レバーの一端
を油圧シリンダー連結し、上下ロールを互に反対
方向にシフトさせる機構が特開昭53−42455号公
報に記載されている。

このシフト機構は、構造的には単純になつてい
るが、圧延材の板厚変化、ロール径の変化が、ロ
ールシフト量に影響を与えるという問題があつ
た。

本発明の目的は、簡単な機構で上下の作業ロー
ルをされぞれ独立してシフト可能な装置を備えた
圧延機を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、作業ロールに装着された軸受箱に一
端が係合しかつ、ハウジングに設けた支点廻りに
回動可能なレバーと該レバーを回動するため前記
支点をはさんで互に反対位置に配置したジヤツキ
とをロール１本に対し、水平方向両側に一対設け
たことを特徴とする。

また、本発明では、軸受箱と前記レバーとの係
合は、ロールがハウジング内で上下方向に移動し
ても、その変位を拘束しないように、レバーに設
けた上下方向の溝に軸受箱の突起が係合するよう
に構成される。

〔作用〕

上記構成によれば、レバーの回動は、ジヤツキ
により行うので、機構が簡単になるとともに、各
作業ロールに、それぞれシフト装置が設けられて
いるので、作業ロールのシフト量は独立して設定
することができる。また、レバーと軸受箱の突起
の係合は、上下方向に変位可能となつているため
圧延材の板厚やロール径の変化によつてシフト量
が変ることもない。

〔実施例〕

第１図は、圧延機の全体構造図で、圧延材３と
直接接触する作業ロール１，２と補強ロール６，
７との間には、圧延材の板幅に応じてロール軸方
向にシフト可能な中間ロール４，５が配置されて
いる。作業ロールは、図示しない装置により第２
図のようにロール軸方向にシフト可能となつてい
るので作業ロールの摩耗は、ロール胴部に広い範
囲に亘つて均等に行われる。

次に添付図面を参照して本発明の好適な実施例
を説明する。

第３図は、作業ロール移動装置の詳細図であ
り、中心線より上側は上作業ロール２、中心線よ
り下側は下作業ロール１を示している。作業ロー
ル１，２の端部には夫々軸受箱１３，１４が装着
されており、この軸受箱１３，１４には作業ロー
ル１，２の軸線に関して側方に突出した突起１３
Ａ，１４Ａが形成されておりレバー１５およびキ
ーパープレート１６によりはさみ込まれている。
第３図は、中心線をはさんで、上、下作業ロール
を示しているが軸受箱の突起１３Ａ，１４Ａはそ
れぞれ、各ロールの中心線に関して対称位置に同
じ突起が設けられており、レバーも、同称に対称
に設けられている。つまり、レバー１５及びジヤ
キは、一本の作業ロールに対し、２個設けられて
いる。

レバー１５はハウジング８に取り付けられたブ
ラケツト１７に対しピン１８によつて枢支されて
おり、ジヤツキ１１、ジヤツキ１２の作用により
回動可能となつている。

レバー１５とキーパープレート１６とにより形
成される溝は、上下方向に延びており、この溝内
に軸受箱の突起１４Ａ，１３Ａが係合している。

また、レバー１５の上下方向の寸法（第３図で
紙面に直交する方向の寸法）は、ロール径の変
化、板厚の変化により、軸受箱が上下方向に変位
する量よりも大きく設定されており、軸受箱の上
下変位があつても、突起１３Ａ，１４Ａが溝から
外れることがないようになつている。

以上の実施例において、ジヤツキ１１、ジヤツ
キ１２を作動させることによりレバー１５をピン
１８を支点として回動させ、更に軸受箱１３，１
４を介して作業ロール１，２を軸方向に移動でき
る。ジヤツキ１１、ジヤツキ１２を軸方向に作動
させる方向を選択することにより作業ロール１，
２を所望の同一の方向又は相反する方向に移動す
ることが可能である。

レバー１５の回動角度は、ジヤツキ１１，１２
の突き出し量を変えることにより、調整でき、も
つて、ロールシフト量を所望の量に設定可能であ
る。

また、板厚の変化により、作業ロール２の位置
が変化しても、突起１４Ａがレバー１５の溝内を
上下に滑るだけで、レバー１５の回動角度は変ら
ないから、ロールシフト量も変化しない。

第４図及び第５図は本発明の他の実施例を示す
図であり、第４図はジヤツキ１２をハウジング４
に内蔵して取付け、ジヤツキ１１をレバー１５に
内蔵し、ジヤツキ１１、ジヤツキ１２を相対させ
た構造であり、図中Ｘ寸法が第３図に比較して小
さくなり、スペースが限定されている場合等にお
いて有効な構造である。第５図はジヤツキ１１、
ジヤツキ１２共レバー１５に内蔵させた構造であ
り、第４図同様Ｘ寸法は小さくなり、第４図にお
いてジヤツキ１２がハウジング４に内蔵された高
価な構造となつている点が解消されている。他の
効果は、第３図の実施例と同一である。

〔発明の効果〕

以上の如く、本発明によると簡単な機構で、
上、下の作業ロールをそれぞれ独立してシフト可
能な装置を備えた圧延機を提供することができ
た。

【図面の簡単な説明】

第１図は圧延機の全体構成図、第２図は作業ロ
ールの移動を説明するための側面図、第３図は本
発明による作業ロール移動装置を示す一部断面平
面図、第４図及び第５図は本発明の他の実施例を
示す一部断面平面図である。 １，２……作業ロール、８……ハウジング、１
１，１２……ジヤツキ、１３，１４……軸受箱、
１３Ａ，１４Ｂ……突起、１５……レバー、１６
……キーパープレート、１７……ブラケツト、１
８……ピン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 圧延材を圧延する作業ロールと、該作業ロー
   ルに装着された軸受箱と、前記作業ロールをその
   軸方向に移動するためのシフト装置とを有する圧
   延機において、前記軸受箱から水平方向側方に延
   びた一対の突起にロールの軸直方向の相対変位を
   拘束し、圧延機の上下方向の相対変位を許容する
   ように係合し、かつハウジングに設けた支点廻り
   に回動可能な一対のレバーと、該レバーを回動す
   るため前記ハウジングとレバー間に前記支点をは
   さんで互に反対位置に設けたジヤツキを含むシフ
   ト装置を各作業ロールに設け、たことを特徴とす
   る圧延機。