JPS638572Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、厚紙、特に段ボール紙を用いた包装
容器に関しその上方開口を閉蓋する内外蓋板の施
蓋構造の改良に関する。

従来、第６図示のように一方向で対向する側壁
１と他方向で対向する端壁２とにより矩形状枠３
を形成し、該側壁１の上縁に連らなつて外蓋板４
を、また該端壁２の上縁に連らなつて内蓋板５を
夫々に設けたものにおいて、その施蓋のために、
両外蓋板４，４を内方へ折り込んだ際に、その両
前縁が突き合せとなるように形成すると共に両前
縁に連らなつて直角に屈折する差込片６，６を設
け、両内蓋板５，５を内方へ折り込んだ際に両内
蓋板５，５を横断する位置に差込溝７，７を形成
し、内方へ折り込んだ両内蓋板５，５に重合して
両外蓋板４，４を折り込み前記差込溝７，７に差
込片６，６を差込んで閉蓋するものが知られてい
る。このような構成とするときは、差込片６，６
を差込溝７，７に挿入するのは容易であるが、容
易に抜け出して不用意に開蓋する不都合がある。
このため差込片６，６の抜け出し防止のために差
込溝７，７の幅を差込片６の幅よりも僅かに小に
形成し該差込片６の根部両側縁を両差込溝７，７
に係止するようにすることが考えられる。しかし
ながら、このようにするときは差込片６の抜け出
しを防止することができるものの、外蓋板４，４
の前縁が互に突き合せとなり、差込片６は内部に
没入しているため、外蓋板４，４の開蓋操作を行
うのが不便となる。

本考案はかかる従来の不都合を解消し、閉蓋状
態が堅牢であり、開蓋操作も簡便な包装容器を提
供するものである。

本考案の実施の一例を示す第１図乃至第５図に
従つて更に詳説すれば次の通りである。

第１図は実施品の展開状態を示し、段ボール紙
などの厚紙により、側壁１及び端壁２を交互に一
方向に折目１２を介して連設し、第２図示のよう
に矩形状枠３を形成するようにし、側壁１の上縁
には外蓋板４を、端壁３の上縁には内蓋板５を連
設し、両壁１，２の下縁には底蓋１３を連設し
た。

そして、第３図示のように、両外蓋板４，４を
内方へ折り込んだ際に、その両前縁が突き合せと
なるように形成し、その両前縁に連らなつて直角
に屈折自在の差込片６を設けた。他方、両内蓋板
５，５を内方へ折り込んだ際に、第２図示のよう
に両内蓋板５，５を直線状に横断し、外蓋板４を
重合したとき、前記差込片６の下降位置に対応さ
せて差込溝７，７を形成した。

以上の構成は従来のものと相異しないが、本考
案にあつては、外蓋板４を閉蓋した際に差込片６
が差込溝７から抜け出すのを防止するために、両
差込溝７，７の幅を差込片６の幅より僅かに小に
形成し、他方、差込片６の根部両側縁に両差込溝
７，７の両端に係合する係合溝８，８を形成し
た。

また、外蓋板４の開蓋操作を容易とするために
次の構成を備える。前記差込片６の一方の前縁中
央に外蓋板４に向つて切割溝９を形成し、更に、
該切割溝９の両辺１０，１０に連らなつて外蓋板
４上で円弧で接続する破断線１１を施した。

従つて、閉蓋状態にあつては、第４図示のよう
に外蓋板４の差込片６は、差込溝７とその根部両
側縁に形成した係合溝８とで係合し抜け出しが防
止され、閉蓋状態を堅牢に保持する。

そして、外蓋板４を開蓋する際には、第３図の
ように外蓋板４上にある破断線１１で囲繞される
部分を押圧して打ち抜き、このようにして形成さ
れた空所に指先を挿入して外蓋板４を上方へ持ち
上げれば、第５図示のように外蓋板４が切割溝９
の箇所で２つ折りに山形状に変形し、その結果、
差込片６の係合溝８が差込溝７から抜け出し、容
易に外蓋板４が開蓋され、次いで他方の外蓋板４
を開蓋する。

尚、前記実施例にあつては、切割溝９及び破断
線１１を一方の差込片６に設けたが両差込片６，
６に設けても、本考案の目的を妨げない。

以上の説明から明らかなように本考案によると
きは、外蓋板４の閉蓋状態は、その差込片６を内
蓋板５の差込溝６に挿入するだけで差込片６の係
合溝８が差込溝６に係合して確実に行われ、他
方、外蓋板４の開蓋操作は破断線１１を押し破つ
て指を挿入し引き上げるだけで容易に行うことが
でき開閉蓋操作が極めて簡単である包装容器を提
供するの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は本考案の実施の一例を示す
もので、第１図は展開図、第２図は組立状態の斜
視図、第３図は閉蓋状態の斜視図、第４図は第３
図の−線截断面図、第５図は外蓋板の開蓋操
作状態を示す第４図と同様の截断面図であり、第
６図は従来品の組立状態の斜視図である。 １……側壁、２……端壁、３……矩形状枠、４
……外蓋板、５……内蓋板、６……差込片、７…
…差込溝、８……係合溝、９……切割溝、１０…
…切割溝の辺、１１……破断線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 厚紙により、一方向で対向する側壁１と他方向
   で対向する端壁２とにより矩形状枠３を形成し、
   該側壁１の上縁に連らなつて外蓋板４を、また該
   端壁２の上縁に連らなつて内蓋板５を夫々に設
   け、両外蓋板４，４を内方へ折り込んだ際にその
   両前縁が突き合せとなるように形成すると共に両
   前縁に連らなつて直角に屈折する差込片６，６を
   設け、両内蓋板５，５を内方へ折り込んだ際に両
   内蓋板５，５を横断する位置に差込溝７，７を形
   成し、内方へ折り込んだ両内蓋板５，５に重合し
   て両外蓋板４，４を折り込み、前記差込溝７，７
   に差込片６，６を差込んで閉蓋するものにおい
   て、両差込溝７，７の幅を差込片６の幅より僅か
   に小に形成し該差込片６の根部両側縁に両差込溝
   ７，７と係合する係合溝８，８を形成し、少くと
   も一方の差込片６の前縁中央に外蓋板４に向う切
   割溝９を形成すると共に切割溝９の両辺１０，１
   ０に連らなつて外蓋板４上で円弧で接続する破断
   線１１を施したことを特徴とする包装容器。