JPS638534Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、車両の骨組接合部構造に係り、特に
車両の窓隅部応力緩和および窓隅部変形防止に好
適な骨組接合部構造に関するものである。

従来、車両の窓隅部には、構造上応力が集中す
ることは既知のことがらである。特に薄板を使用
した軽量車体においては、この部分へ応力が集中
すると面外変形を伴なう恐れがあつた。すなわ
ち、第１図に示すように外板１の裏面に接合する
フランジ部を有した側柱２および腰帯３の直角接
合部を前記フランジ部に対応する外板側フランジ
部４ａと側柱２および腰帯３の室内側のフランジ
部に対応する室内側フランジ部４ｂと外板側フラ
ンジ部４ａ、室内側フランジ部４ｂを接合するウ
エブ４ｃから成る立体型の骨組継手４によつて接
合した構成において、窓隅部に応力が集中した場
合、外板１、側柱２、腰帯３および骨組継手４が
軽量化を図るためにすべて薄板により構成されて
おり、面外方向すなわち外板１の表面に対して垂
直方向に変形が発生するという欠点があつた。こ
の対策として該窓隅部に補強等を設けるか、また
は、高応力な部材に代えるなどが考えられるが、
前者は作業が煩雑で工数が増大し、後者は材料費
が増大する等の欠点があつた。

上記の点に鑑み本考案は、軽量化車体において
窓隅部の応力緩和および面外方向の変形防止を簡
単な構成で達成できる骨組接合部構造を得ること
を目的としたものである。

本考案は、軽量化車体すなわち薄板外板および
ほぼ同等の板厚を有し、フランジ部およびウエブ
から成る側柱、腰帯、さらに、該側柱、腰帯の各
フランジに密着するフランジ部および該フランジ
部を結合するウエブとから成る骨組継手を入熱量
の少ない溶接等により結合する構成において、該
骨組継手の窓隅部に対応する部分を外板側へ折曲
げたエツジを設け、該窓隅部の応力を前記エツジ
で分担して各部材に掛かる応力を緩和し、簡単な
構成で窓隅部の強度向上を図ることを特徴とした
ものである。

次に、本考案による一実施例を第２図により説
明する。図において、前記従来例と同一符号は同
一部材を示す。５は外板側フランジ５ａ、室内側
フランジ５ｂおよび該各フランジを結合するフエ
ブ５ｃからなる骨組継手で、前記外板側フランジ
５ａの窓隅部に対応する位置にエツジ６が設けら
れている。該エツジ６は外板１、側柱２および腰
帯３の窓隅端面部に密着するように構成されてい
る。ところで、前記外板１、側柱２、腰帯３およ
び骨組継手５は抵抗溶接またはプラグ溶接等によ
り結合される。

このような構成によれば、外板１および側柱
２、腰帯３、骨組継手４を構成する部材が薄板で
あつても、前記エツジ６により応力が緩和され、
かつ、面外変形（図中矢印Ａの方向の変形）に対
して有効に作用して強度の向上を図り、前記変形
を防止できる。したがつて、車両全体の各部材に
おいて、母材の許容応力を基準にした高応力設計
が可能となるため、部材の薄肉化が可能となり、
車体の軽量化が図れる。また、車体製作時におい
ては、骨組継手５にエツジ６を設けただけで、補
強部材等を設ける必要もなく、工数の増大を防止
できる。

以上説明したように本考案によれば、軽量化車
体において窓隅部の応力の緩和および面外方向へ
の変形を簡単な構成で防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の骨組接合部構造を示す傾視図、
第２図は本考案による骨組接合部構造の一実施例
を示す傾視図である。 １……外板、２……側柱、３……腰帯、５……
骨組継手、６……エツジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外板と、該外板に接合する外板側フランジおよ
   び室内側フランジ、該各フランジを結合するウエ
   ブから成る側柱および腰帯と、前記フランシ部に
   密着する外板側および室内側フランジ、該各フラ
   ンジを結合するウエブから成る骨組継手とによつ
   て構成された車両の骨組接合部構造において、前
   記骨組継手の外板側フランジの窓隅部に対応する
   部分に、外板端面に対応したエツジを設けたこと
   を特徴とする車両の骨組接合部構造。