JPS638509Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はリヤーステツプを車体に組み込んだ車
両に関する。

従来、例えばライトバン型自動車の後部開口で
は荷物の出し入れの際、作業者が頻繁に乗降を繰
り返すが、荷物室床面は地面から高いため、作業
者の昇降動作や積荷の上げ下ろし作業の負担が大
きく、作業能率が悪く作業者の疲労度も大きく、
また簡易ステツプは車両後面より突出して設置さ
れているため昇降時に爪先を引つかけたり、ステ
ツプに近づいた歩行者の障害物となる等、安全上
も問題で、外観も悪く、更に荷重に対する耐久性
に乏しいという欠点があつた。

本考案は従来の欠点を除去するため、リヤース
テツプを車体構造に組み込むことによつて、リヤ
ーステツプ自体の強度及び耐久性を向上し昇降動
作や荷役作業の負担軽減と作業能率の向上を計る
と同時に昇降時の安全性を確保し、且つ美観を保
つことを目的とした考案である。

本考案は、車体２の後部ドア１の開口部３の下
方に於ける車体外面を構成する外板パネル４の中
央部に、該外板パネル４の左右の外面４ａよりへ
こませて凹部４ｂを形成すると共に該凹部４ｂの
中央から下方にかけて内側に彎曲させ、車体２の
後部ドア１を設けた開口部３の位置に相当する床
板７の後側周縁７ａに前記外板パネル４の上縁４
ｃを固着垂設し、更に下縁４ｄにボード９を、前
記凹部４ｂ内に於いて水平後方向に固着し、外板
パネル４の上縁４ｃ附近の背面と床板７の底面７
ｂとにかけてＬ字型補強部材６を配設固着し、更
にＬ字型の補強部材５の上縁５ａを底面７ａに固
着し、後縁５ｃを前記Ｌ字型補強部材６の壁面部
６ｂに固着すると共に先端部５ｂによつてボード
９の後側縁部の底面を支持し、荷物室床面と走行
路面との間にリヤーステツプ８を設けて成るもの
である。

図中１０はボード９の上面に貼着したステツプ
ラバー、１１はボード９の底面に車巾方向に固着
したハツトセクシヨンの補強部材、１２は外板パ
ネル４の外面に設置したリヤーバンパーである。

本考案の実施の一例をライトバン型自動車を示
した図面について説明すると、１は車体２の後方
の開口部３に斜め上下方向に開閉するように軸支
した所謂、跳ね上げ式の後部ドア、４は開口部３
の下方に位置する車体２の周縁に取り付けた外板
パネルで、この外板パネル４の中央部に、外板パ
ネル４の左右の外面４ａ及び後部ドア１の表面１
ａよりへこませた凹部４ｂを形成すると共に該凹
部４ｂの中央から下方にかけて内側に彎曲させ
る。そして外板パネル４は、荷物室の床板７の前
記開口部３の位置に相当する後側周縁７ａに上縁
４ｃを固着して垂設する。更に外板パネル４の下
縁４ｄにボード９を、前記凹部４ｂより突出しな
い範囲に於いて水平後方向に固着してリヤーステ
ツプ８を形成している。５は内部が中空のＬ字型
ハツトセクシヨンの補強部材で、該補強部材５の
上縁５ａを床板７の車体前方寄りの底面７ｂに固
着し、先端部５ｂを前記ボード９の底面の後側縁
部を支持している。６はＬ字型補強部材で、外板
パネル４の上部と補強部材５の上部との間に配設
し、その上縁６ａを床板７の底面７ｂの後側周縁
７ａ附近に固着し、また壁面部６ｂを補強部材５
の後縁５ｃの上部に重合固着し、更に平面部６ｃ
の後縁６ｄを外板パネル４の上縁４ｃ附近の内面
４ｅに固着して外板パネル４と床板７とにかけて
Ｌ字型補強材６を介在させると同時に外板パネル
４と床板７と補強部材５とを互いに結合してい
る。

本考案は上述のように構成し、車体２の後部ド
ア１の開口部３の下方に位置する車体外面の一部
を、その外面の附近の他の外面に比べて引つ込め
て凹部４ｂを形成し、該凹部４ｂ内に於いてリヤ
ーステツプ８を設けることによつて、ステツプを
車体に組み込んだので、リヤーステツプが車両の
外方に突出して居らず、作業者が路面から車内に
昇降する際に爪先を引つかけて車内や路面に転倒
したり、足先やすねを痛めることもなく作業時の
安全性が確保されると同時に対歩行者との関係に
於いてもステツプが障害物となつたり、また怪我
の原因となることもなく、更にリヤーステツプ８
は路面と床板７との途中に設けたことにより作業
者の昇降動作が行い易く、リヤーステツプ８と床
板７との間には高低差はあつてはリヤーステツプ
８と床板７とは接近しているので床板上即ち車室
内への積荷の搬入や床板上から車外への搬出する
荷役作業も容易となり、作業者の負担も軽減され
積荷の処理作業の能率を向上させることが出来、
また凹部４ｂを形成して該凹部４ｂにボード９を
固着した外板パネル４は車体外面の一部を構成し
ているので、リヤーステツプ自体が車両のデザイ
ンの一部として構成され、ステツプが突出した従
来の車両に比べ外装美観は著しく向上する。更に
ボード９にかゝる荷重は、上縁４ｃを中心に凹部
４ｂの背壁部分を斜め後方に傾斜させる力として
作用するが、床板７に対してはＬ字型補強部材６
によつて支持され、該Ｌ字型補強部材６には床板
７に固着した補強部材５が接合しているので凹部
４ｂの背壁部分が彎曲したりせず、ボード９も補
強部材５の先端部５ｂによつて支持されているの
で下方に彎曲せず、リヤーステツプ全体として大
きい強度を保つて歪むことなく、車体外面を構成
している外板パネル４をへこませたことから生じ
た補強効果と相俟つて長期間の使用に対する耐久
性も従来のものに比し頻る大である。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すもので、第１図は本
考案のライトバン型の車両の後方斜視図、第２図
はステツプ設置部分の斜視図、第３図は第２図の
AA線縦断拡大側面図である。 符号：１……後部ドア、１ａ……表面、２……
車体、３……開口部、４……外板パネル、４ａ…
…外面、４ｂ……凹部、４ｃ……上縁、４ｄ……
下縁、４ｅ……内面、５……補強部材、５ａ……
上縁、５ｂ……先端部、５ｃ……後縁、６……Ｌ
字型補強部材、６ａ……上縁、６ｂ……壁面部、
６ｃ……平面部、６ｄ……後縁、７……床板、７
ａ……後側周縁、７ｂ……底面、８……リヤース
テツプ、９……ボード、１０……ステツプラバ
ー、１１……補強部材、１２……リヤーバンパ
ー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体２の後部ドア１の開口部３の下方に於ける
   車体外面を構成する外板パネル４の中央部に、該
   外板パネル４の左右の外面４ａよりへこませて凹
   部４ｂを形成すると共に該凹部４ｂの中央から下
   方にかけて内側に彎曲させ、車体２の後部ドア１
   を設けた開口部３の位置に相当する床板７の後側
   周縁７ａに前記外板パネル４の上縁４ｃを固着垂
   設し、更に下縁４ｄにボード９を、前記凹部４ｂ
   内に於いて水平後方向に固着し、外板パネル４の
   上縁４ｃ附近の背面と床板７の底面７ｂとにかけ
   てＬ字型補強部材６を配設固着し、更にＬ字型の
   補強部材５の上縁５ａを底面７ａに固着し、後縁
   ５ｃを前記Ｌ字型補強部材６の壁面部６ｂに固着
   すると共に先端部５ｂによつてボード９の後側縁
   部の底面を支持し、荷物室床面と走行路面との間
   にリヤーステツプ８を設けたことを特徴とするリ
   ヤーステツプ８を車体２に組み込んだ車両。