JPS638352Y2

JPS638352Y2 -

Info

Publication number: JPS638352Y2
Application number: JP1983022294U
Authority: JP
Priority date: 1983-02-19
Filing date: 1983-02-19
Publication date: 1988-03-14
Also published as: JPS59130608U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は液状のアイライナー、リツプカラー、
ネイルカラー等の化粧料を内蔵した塗布具に関す
る。

従来、アイライナー、リツプカラー等の化粧料
塗布具としては、先端にナイロン刷子を有する筆
が用いられているが、化粧料と筆とが別個になつ
ているため散逸してしまうことや、携帯性に不便
であるといつた欠点があつた。また、塗布時には
筆先に化粧料を幾度も付け直す面倒や、筆先の化
粧料の過不足による掠れを生じ、一筆で均一に塗
布できないという欠点、更には、刷子は軸方向に
方向性が強いため、筆の先端が肌に刺る感触があ
つた。また、肌に与える感触が柔かいスポンジ等
の多孔性材料で形成した筆先も使用されてはいる
が、上記の種々の欠点を全て解決するものではな
かつた。

出願人は上記の問題点、欠点を解決するため
に、実願昭57年73313号（実開昭58−174022号公
報）によつて化粧料と筆とが散逸することなく、
また携帯性に優れており、肌に与える感触が柔か
で、しかも、一筆で均一に塗布できる液状化粧料
を内蔵した塗布具を提供した。本考案は上記出願
に係る塗布具と同種の塗布具を提供するものであ
るが、更に、この種の塗布具に生じてはならない
化粧料の掠れやボタ落ちのない塗布具を提供する
ことを目的とする。この目的を達成するために構
成された本考案の要旨は、端面に数個の切欠を有
する突子を一体に形成した底蓋によつて閉塞した
軸筒内に、疎水性の合成被膜を巻装した繊維束か
らなる液状化粧料貯蔵部と、前記繊維束よりも小
径かつ密な繊維束からなる供給軸と、該供給軸に
該供給軸の両側先端部を突出せしめて外嵌してあ
るホルダーとを挿装してなり、前記供給軸の一側
先端部は前記液状化粧料貯蔵部の先端部に挿入せ
しめ、他側先端部は前記軸筒の開口部に挿着した
多孔性材料からなる塗布用先端に挿入せしめ、前
記突子は前記液状化粧料貯蔵部の後端面に当接し
てあり、かつ、前記軸筒の内周面には、前記液状
化粧料貯蔵部の後端面から軸筒の前記開口部に至
る通気路が設けてあり、該通気路は前記切欠に連
通していることを特徴とする液状化粧料を内蔵し
た塗布具、にある。

以下に、本考案の実施例を図面を参照して説明
する。

第１図は実施例に係る液状アイライナー塗布具
の軸線半断面図で、該塗布具１は軸筒２、底蓋１
６、キヤツプ２０、液状化粧料貯蔵部２１、筆先
３１、供給軸３６、ホルダー４１によつて構成さ
れる。第２図は軸筒２の軸線断面図で、合成樹脂
で成形した軸筒２は両端が開口した中空部３を有
している。該中空部３は３つの段部によつて区分
される。軸筒２の後端５から段部６ａまでは等径
の中空部３ａが形成してあるが、内周壁７には、
第３図に示すように複数本の突条８が軸方向に形
成してある。該突条８は中空部３ａに挿装する円
柱状をした液状化粧料貯蔵部２１の外周面が軸筒
２の内周面に密着しないようにして該貯蔵部２１
を保持し、軸筒２内に通気路が形成されるように
するためものである。従つて、突条に代えて、凹
溝を形成してもよい。段部６ａから段部６ｂまで
の中空部３ｂにはホルダー４１が挿嵌される。該
中空部３ｂを形成する軸筒２内周壁９には、第５
図に示すように、直交する直線上に２組の凹溝１
０が形成してある。該凹溝１０は、前記突条８と
同じく軸筒２内に通気路を形成するために設けら
れる。この場合、中空部３ｂには前記ホルダー４
１を緊密に挿嵌するので、突条よりも凹溝の方が
保持性が良い。段部６ｂから段部６ｃまでの中空
部３ｃには筆先３１の基部が挿嵌される。段部６
ｃは筆先３１が先端開口部４から抜け落ちないよ
うに筆先３１を係止する。前記中空部３ｃを形成
する内周壁１２及び先端開口部４の内周壁１３に
も前記凹溝１０に連設した凹溝が先端まで形成し
てある。

軸筒２の後端には外周に係止突条１４を周設し
た係合部１５が形成してあり、該係合部１５には
内周壁に係止凹溝１７を周設してある底蓋１６を
係合して装着してある。該底蓋１６には、装着時
に液状化粧料貯蔵部２１の後端面を先端方向に押
圧する突子１８が一体に形成してある。また、該
突子の端面には複数個の切欠１９を設けて、前記
貯蔵部２１の後端面が空気接触を遮断されないよ
うにしてある。

以上の説明から明らかな如く、本実施例の軸筒
２内には先端開口部から底部に至る通気路が形成
される。

軸筒２の中空部３ａには液状化粧料貯蔵部２１
が前記底蓋１６によつて軸筒２の段部６ａに押圧
された状態で挿入してある。該貯蔵部２１はポリ
プロピレン、ナイロン等の繊維を束ね、周方向外
側に合成被膜２４を巻装した繊維束２２からな
る。該繊維束２２は液状アイライナーＡを貯蔵す
ると共に、毛細管作用によつて該アイライナーＡ
を塗布具１先端方向に供給するものであつて、該
アイライナーＡの貯蔵量を多くするためにポリプ
ロピレン等の繊維をある程度粗なる状態に束ねて
ある。また、微粒子状の顔料を含む液状アイライ
ナーＡが繊維束２２内を毛細管作用によつて円滑
に移動できるように、繊維束２２を構成する繊維
には表面が平滑な長手の連続した繊維を用いると
よい。従つて、使用する繊維の種類は特に限定さ
れないが、天然繊維よりもポリプロピレン、ナイ
ロン、ポリエステル、アクリル等の合成繊維を用
いた方が好適である。また、繊維束２２には中実
繊維の他に中空繊維を用いてもよい。要は、繊維
束２２内で毛細管作用が円滑に行なわれる繊維で
あればよい。

繊維束２２に巻装してある合成被膜２４は、疎
水性で無孔質の合成被膜である塩化ビニル、セロ
ハン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピ
レン等の被膜材からなり、軸筒２の中空部３ａに
前記繊維束２２を容易に挿入できるようにすると
共に、該繊維束２２に含浸せさている液状アイラ
イナーＡが軸筒２内に滲漏するのを防止する。

軸筒２の前記中空部３ｃから先端開口部４に
は、先端部を軸筒２外に突出せしめて筆先３１が
挿装してある。筆先３１は、第７図ニに示すよう
に、軸方向中間の外周に先端方向が小径になる段
部３２が形成してあり、該段部３２から先端部は
砲弾型をしている。軸筒２の後方開口から挿入さ
れた筆先３１は、その段部３２が軸筒の段部６ｃ
に係止するので、抜け落ちが防止される。なお、
筆先の先端は斜切面のある馬蹄形あるいはアヒル
のくちばし形にしてもよい。前記段部３２におけ
る筆先３１の太さと該段部３２から先端までの長
さとの関係は１：２〜１：10の間が使用上好まし
い。筆先３１の軸心にはその底部３４から先端寄
りにかけて孔３５が形成してある。このような形
状からなる筆先３１には、10μ〜200μのポアが互
に連通した微多孔質からなる合成ゴム質の弾性体
材料を用いる。この諸特性を満たす合成ゴム質の
樹脂としては、エチレン酢酸ビニル樹脂、アセタ
ール・ポリエステル共重合体樹脂、ポリウレタン
樹脂等がある。

前記液状化粧料貯蔵部２１の先端部２１ａと筆
先３１の孔３５には、第７図ハに示すような尖形
先端部３６ａ，３６ｂを有する供給軸３６の各先
端部をそれぞれ挿入してある。該供給軸３６は前
記繊維束２２内に滲透し貯蔵されている液状アイ
ライナーＡを筆先３１にいわゆるボタ落ちが生じ
ない程度の適量を不断に供給すると共に、繊維束
２２内の液状アイライナーＡの残量が少なくなつ
た場合にも所定の一定量を筆先３１に供給するも
のである。供給軸３６は前記繊維束２２と異種の
繊維、本実施例ではポリエステルを繊維束２２よ
りも小径かつ密な繊維束に構成したものからな
り、その外周面は、両先端部を除き、疎水性の被
膜で覆うか、または疎水性の糊剤で固化成型して
ある。なお、貯蔵部２１の繊維束２２と供給軸３
６の繊維束とは必ずしも異種のものである必要は
なく、ナイロン等の同種のものでもよい。

上記供給軸３６の中間部３６ｃには、第７図ロ
に示すような中空円筒形状をしていて、軸筒２の
段部６ａから段部６ｂまでの長さよりは幾分短い
長さのホルダー４１が緊密に外嵌してある。ホル
ダー４１の先端面軸心部４２ａと該先端面から突
出している供給軸３６の尖形先端部３６ｂを挿嵌
した前記筆先３１の底部３４とは当接している。
このように供給軸３６と筆先３１とを組付けたホ
ルダー４１はその先端面外縁部４２ｂを軸筒２の
段部６ｂに圧接した状態で軸筒２の中空部３ｂに
緊密に挿嵌してある。従つて、ホルダー４１の後
端面４３と前記貯蔵部２１の先端面２１ｂとは離
隔しているので、液状アイライナーＡが貯蔵部２
１の先端面２１ｂからホルダー４１に伝つて流出
することがない。このホルダー４１は、化粧料の
塗布中に筆先３１に掛る押圧によつて筆先３１が
軸筒２内に没入したり、供給軸３６が半径方向に
撓んで液状化粧料の供給が円滑に行なわれなくな
つたりするのを防止する。

なお、前記軸筒２の先端部には、筆先３１の乾
燥防止のためのキヤツプ２０を冠着する。

次に、本実施例における液状アイライナーＡの
供給作用を説明する。液状化粧料貯蔵部２１の繊
維束２２に滲透し貯蔵されている液状アイライナ
ーＡは、該繊維束２２よりも供給軸３６の繊維束
が密であるから毛細管作用によつて供給軸３６内
に滲透していく。次いで、筆先３１のポア群の毛
細管作用によつて供給軸３６の尖形先端部３６ｂ
から筆先３１内に液状アイライナーＡが滲透す
る。使用によつてポア群内の液状アイライナーＡ
の量が減少すると再びポア群の毛細管作用によつ
て供給軸３６を介して前記貯蔵部２１内の液状ア
イライナーＡが筆先３１に供給される。この場
合、供給軸３６の先端部は筆先３１の先端寄りま
で挿入してあるので、筆先３１の先端部は他の部
分よりも常に一定量の液状アイライナーＡが滲透
している状態にある。

本考案は、上記実施例で述べた液状アイライナ
ー塗布具に限られず、リツプカラー、ネイルカラ
ー、等の液状化粧料の塗布具として広く利用でき
るものである。

本考案は上記の構成からなるものであり、下記
各項の諸効果を奏する。液状化粧料は塗布具内
に貯蔵されていて絶えず塗布用先端に滲透してい
るので、塗布する時に該先端に化粧料を付ける面
倒が省ける。・と同様の理由から、塗布用先
端に残留した化粧料が固形化することがなく、該
先端は何時も好適な状態に保たれる。液状化粧
料と塗布具とは一体に構成されているので、従来
のように、化粧料と塗布具とが散逸することがな
く、保管性、携帯性に優れている。供給軸によ
つて液状化粧料の貯蔵量の多少に拘らず常に適切
な一定量の化粧料が塗布用先端に供給されるの
で、円滑に塗布することができ掠れることがな
い。液状化粧料は多孔性塗布用先端全体に滲透
しているので、太い線でも細い線でも、換言すれ
ば、面状も線状にも塗布することができる。塗
布用先端には、多孔性の弾性体材を用いているの
で、肌に与える感触が柔かく、従来の筆のように
肌を刺激することがない。供給軸が塗布用先端
のほぼ先端寄りまで挿入されているので、該先端
が従来のスポンジ製筆先のように塗布時にいわゆ
る腰くだけ状態とならない。液状化粧料は毛細
管作用によつて塗布用先端に供給されているの
で、該先端が上向きの状態でも円滑に塗布するこ
とができる。軸筒にはその先端開口部から液状
化粧料貯蔵部の後端面に至る通気路が形成してあ
るし、また、底蓋の突子には切欠が設けてあつて
該切欠が通気路に連通していて、液状化粧料貯蔵
部は大気と連通しているので、気圧や温度の変化
によつて液状化粧料が吹出したり掠れたりするこ
とがない。液状化粧料貯蔵部に交換可能な容器
タイプのものを使用することも可能であり、塗布
具を再使用することもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例に係る液状アイライナー塗布具
の軸線半断面図、第２図は該塗布具の軸線断面
図、第３図は第２図のＡ−A′線断面図、第４図
は第２図のＢ−B′線断面図、第５図は第２図の
Ｃ−C′線断面図、第６図は実施例に係る底蓋の軸
線半断面斜視図、第７図イは液状化粧料貯蔵部の
軸線半断面斜視図、同図ロはホルダーの軸線半断
面斜視図、同図ハは供給軸の斜視図、同図ニは筆
先の軸線半断面斜視図である。１……塗布具、２……軸筒、４……先端開口
部、２１……液状化粧料貯蔵部、２１ｂ……先端
面、３１……（塗布用先端）筆先、３６……供給
軸、４１……ホルダー、４３……後端面。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

端面に数個の切欠を有する突子を一体に形成し
た底蓋によつて閉塞した軸筒内に、疎水性の合成
被膜を巻装した繊維束からなる液状化粧料貯蔵部
と、前記繊維束よりも小径かつ密な繊維束からな
る供給軸と、該供給軸に該供給軸の両側先端部を
突出せしめて外嵌してあるホルダーとを挿装して
なり、前記供給軸の一側先端部は前記液状化粧料
貯蔵部の先端部に挿入せしめ、他側先端部は前記
軸筒の開口部に装着した多孔性材料からなる塗布
用先端に挿入せしめ、前記突子は前記液状化粧料
貯蔵部の後端面に当接してあり、かつ、前記軸筒
の内周面には、前記液状化粧料貯蔵部の後端面か
ら軸筒の前記開口部に至る通気路が設けてあり、
該通気路は前記切欠に連通していることを特徴と
する液状化粧料を内蔵した塗布具。