JPS638353Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は液状のアイライナー、リツプカラー、
ネイルカラー等の化粧料を内蔵した塗布具に関す
る。

従来、アイライナー、リツプカラー等の化粧料
塗布具としては、先端にナイロン刷子を有する筆
が用いられているが、化粧料と筆とが別個になつ
ているため散逸してしまうことや、携帯性に不便
であるといつた欠点があつた。また、塗布時には
筆先に化粧料を幾度も付け直す面倒や、筆先の化
粧料の過不足による掠れを生じ、一筆で均一に塗
布できないという欠点、更には、刷子は軸方向に
方向性が強いため、筆の先端が肌に刺る感触があ
つた。また、肌に与える欠点が柔かいスポンジ等
の多孔性材料で形成した筆先も使用されてはいる
が、上記の種々の欠点を全て解決するものではな
かつた。

出願人は上記の問題点、欠点を解決するため
に、実願昭57年73313号（実開昭58−174022号公
報）によつて化粧料と筆とが散逸することもな
く、また携帯性に優れており、肌に与える感触が
柔かで、しかも、一筆で均一に塗布できる液状化
粧料を内蔵した塗布具を提供した。本考案は上記
出願に係る塗布具と同種の塗布具を提供するもの
であるが、更に、この種の塗布具に生じてはなら
ない化粧料の掠れやボタ落のない塗布具を提供す
ることを目的とする。この目的を達成するために
構成された本考案の要旨は後端を閉塞した主軸筒
に液状化粧料貯蔵部を収容し、主軸筒の前端に螺
合された先端主軸筒には、その軸方向に貫通孔を
有するホルダーを嵌挿し、該貫通孔には、小径か
つ、密な繊維束からなる供給軸の中央部を挿通
し、該供給軸の両端部をホルダーから突出させる
ようにし、前記供給軸の一端部は、先端軸筒の先
端開口部に挿着された多孔性弾性材料からなる、
塗布用筆先部に挿入させ、供給軸の他端部は、前
記ホルダーの後端面に設けた突子と共に、前記液
状化粧料貯蔵部の前端部内にのぞましてあり、前
記ホルダーにはその外周に凹溝と、細溝を設け、
凹溝と細溝を連通させ、前記凹溝は、前記ホルダ
ーの前記貫通孔に連通する小孔を設け、前記凹溝
は、液状化粧料貯溜部の機能を持たせ、かつ、前
記先端軸筒の内周面には、前記主軸筒に収容され
た前記液状化粧料貯蔵部の前端面から先端軸筒の
前記先端開口部に至る通気路が設けられてあり、
該通気路は前記ホルダーの前記凹溝に連通してい
ることを特徴とする液状化粧料を内蔵した塗布具
にある。

以下に、本考案の実施例を図面を参照して説明
する。

第１図は実施例に係る液状アイライナー塗布具
の軸線半断面図で、該塗布具１は主軸筒２、先端
軸筒５、液状化粧料貯蔵部２１、筆先３１、供給
軸３６、ホルダー４１、キヤツプ５１によつて構
成される。合成樹脂等で成形した主軸筒２は底部
が閉塞し先端が開口した中空部３を有している。
主軸筒２の先端部内周壁には、第２図に示すよう
に、雌ぬじ４が設けてある。中空部３は後端から
先端まで等径に形成されていて、液状化粧料貯蔵
部２１を収納する。先端軸筒５は両端が開口した
中空部６を有しており、後端部には主軸筒２に形
成した前記雌ねじ４に螺合する雄ねじ７が設けて
ある。先端軸筒５の中空部６は２つの段部８ａ，
８ｂによつて先端方向に漸次小径の中空部６ａ，
６ｂと開口部６ｃが構成されている。また、先端
軸筒５の内周壁には、第３図に示すように、両端
にかけて直交する直径上の凹溝１０が形成してあ
る。該凹溝１０は先端軸筒５内の通気路の働きを
する。なお、中空部６ａには前記ホルダー４１を
緊密に挿嵌するので、突条よりも凹溝にした方が
保持性が良い。中空部６ｂから開口部６ｃには前
記筆先３１が挿嵌される。

主軸筒２の中空部３に収納する液状化粧料貯蔵
部２１は、第４図イに示すように、合成樹脂等で
形成した有底のタンク２２の前端面２２ａに若干
の押圧力で開口する蓋２３を設けたものからな
り、該タンク内に液状アイライナーＡが貯蔵され
る。なお、液状化粧料貯蔵部２１は前記タンク式
に限られるものではなく、例えば、ポリプロピレ
ン、ナイロン等の繊維を束ねその周方向外側に疎
水性で無孔質の合成被膜であるポリプロピレン、
塩化ビニル、セロハン、ポリエステル等の被膜材
を巻装した繊維束を用いてもよい。

先端軸筒５の前記中空部６ｂ及び開口部６ｃに
は、先端部を軸筒外に突出せしめて筆先３１が挿
装してある。該筆先３１は、第４図ニに示すよう
に、軸方向中間の外周に先端方向が小径となる段
部３２が形成してあり、該段部３２から先端部は
砲弾型をしている。先端軸筒５の後方開口から挿
入される筆先３１は、その段部３２が先端軸筒５
の段部８ｂに係止するので、抜け落ちることがな
い。なお、筆先の先端は斜切面のある馬蹄形ある
いはアヒルのくちばし形にしてもよい。また、前
記段部３２における筆先３１の太さと該段部３２
から先端までの長さとの関係は１：２〜１：10の
間が使用上好ましい。筆先３１の軸心にはその底
部３４から先端寄りにかけて孔３５が形成してあ
る。このような形状からなる筆先３１には、10μ
〜200μのポアが互に連通した微多孔質からなる
合成ゴム質の弾性体材料を用いる。この諸特性を
満たす合成ゴム質の樹脂としては、エチレン酢酸
ビニル樹脂、アセタール・ポリエステル共重合体
樹脂、ポリウレタン樹脂等がある。

第４図ハに示すような尖形先端部３７ａ，３７
ｂを有する供給軸３６は、その先端部３７ａ，３
７ｂを前記液状化粧料貯蔵部２１と筆先３１の孔
３５に挿入した状態で組付けられる。該供給軸３
６は前記貯蔵部２１内の液状アイライナーＡを筆
先３１にいわゆるボタ落ちが生じない程度の適量
を不断に供給すると共に、該貯蔵部２１内の液状
アイライナーＡの残量が少なくなつた場合にも所
定の一定量を筆先３１に供給するものである。供
給軸３６はポリエステル、ナイロン等の繊維を小
径かつ密な繊維束に構成したものからなり、その
外周面は、両先端部を除き、疎水性の被膜で覆う
か、または疎水性の糊剤で固化成型してある。

上記供給軸３６の中間部３７ｃにはホルダー４
１が緊密に外嵌してある。該ホルダー４１は、第
４図ロに示すように、軸心に貫通孔４２を有する
円筒形状をしており、外周面には液状アイライナ
ーＡの貯留部となる複数本の凹溝４３が周設して
ある。なお、凹溝は螺旋状溝でもよい。ホルダー
４１にはいずれかの凹溝４３の底面４３ａから貫
通孔４２に通じる少なくとも１つの小孔４４か、
又は、各凹溝４３を連通し、かつ、貫通孔４２に
達する細溝４５が設けてある。ホルダー４１の後
端面４７には液状化粧料貯蔵部２１の蓋２３を押
圧して挿入する管状突子４８が突設してある。該
管状突子４８の先端部内周４８ａは圧入し易いよ
うにテーパ状に形成してある。貫通孔４２に供給
軸３６を貫装せしめ、突出した供給軸３６の尖形
先端部３７ｂに筆先３１を外嵌したホルダー４１
は、先端軸筒５の中空部６ａに緊密に挿嵌する。
該ホルダー４１は、液状アイライナーＡの塗布中
に筆先３１に掛る押圧によつて該筆先３１が軸筒
内に没入したり、供給軸３６が半径方向に撓んで
液状アイライナーＡの供給が円滑に行なわれなく
なるのを防止する。また、液状アイライナーＡの
漏洩防止の働きもするが、この点については、後
に説明する。

なお、前記先端軸筒５には、筆先３１の保護と
乾燥防止のためのキヤツプ５１を冠着する。

次に、本実施例における液状アイライナーＡの
供給作用について説明する。タンクあるいは繊維
束からなる液状化粧料貯蔵部２１に貯蔵されてい
る液状アイライナーＡは、該貯蔵部２１内に尖形
先端部３７ａをのぞませている供給軸３６の毛細
管作用によつて該供給軸３６内に滲透していく。
次いで、筆先３１のポア群の毛細管作用によつて
供給軸３６の他方の尖形先端部３７ｂから筆先３
１内に液状アイライナーＡが滲透する。使用によ
つてポア群内の液状アイライナーＡの量が減少す
ると再びポア群の毛細管作用によつて供給軸３６
を介して貯蔵部２１内の液状アイライナーＡが筆
先３１に供給される。この場合、供給軸３６の尖
形先端部３７ｂは筆先３１の先端寄りまで挿入し
てあるので、筆先３１の先端部は他の部分よりも
常に一定量の液状アイライナーＡが滲透している
状態にある。また、気圧や温度の変化により供給
軸３６に過剰に供給された液状アイライナーＡ
は、ホルダー４１の小孔４４から外側の凹溝４３
内に湧出し、細溝４５を介して各凹溝内に収容さ
れる。また、凹溝４３は通気路１０に連通してい
る。この場合、液状アイライナーＡは、表面張力
と先端軸筒５内が通気路１０によつて外気圧が保
たれていることによつて該各凹溝４３内に貯留す
るので、いわゆるボタ落ちすることがない。

なお、本考案は、上記実施例で述べた液状アイ
ライナー塗布具に限られず、リツプカラー、ネイ
ルカラー等の液状化粧料の塗布具として広く利用
できるものである。

本考案は上記の構成からなるものであり、下記
各項の諸効果を奏する。液状化粧料は塗布具内
に貯蔵されていて絶えず塗布用先端に滲透してい
るので、塗布する時に該先端に化粧料を付ける面
倒が省ける。と同様の理由から、塗布用先端
に残留した化粧料が固形化することがなく、該先
端は何時も好適な状態に保たれる。液状化粧料
と塗布具とは一体に構成されているので、従来の
ように、化粧料と塗布具とが散逸することがな
く、保管性、携帯性に優れている。供給軸によ
つて液状化粧料の貯蔵量の多少に拘らず常に適切
な一定量の化粧料が塗布用先端に供給されるの
で、円滑に塗布することができ掠れることがな
い。液状化粧料は多孔性塗布用先端全体に滲透
しているので、太い線でも細い線でも、換言すれ
ば、面状にも線状にも塗布することができる。
塗布用先端には、多孔性の弾性体材を用いている
ので、肌に与える感触が柔かく、従来の筆のよう
に肌を刺激することがない。供給軸が塗布用先
端のほぼ先端寄りまで挿入されているので、該先
端が従来のスポンジ製筆先のように塗布時にいわ
ゆる腰くだけ状態とならない。液状化粧料は毛
細管作用によつて塗布用先端に供給されているの
で、該先端が上向きの状態でも円滑に塗布するこ
とができる。ホルダーには、貫通孔に連通する
凹溝が設けられてあり、凹溝は通気路に連通して
いるので、ホルダーが過剰供給される液状化粧料
の漏洩を防止するので、気圧や温度の変化による
いわゆるボタ落ちを生じない。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例に係る液状アイライナー塗布具
の軸線半断面図、第２図は主軸筒の一部を含む先
端軸筒の拡大断面図、第３図は第２図のＡ−
A′線断面図、第４図イは液状化粧料貯蔵部をな
すタンクの軸線半断面斜視図、同図ロはホルダー
の軸線半断面斜視図、同図ハは供給軸の斜視図、
同図ニは筆先の軸線半断面斜視図である。 １……塗布具、２，５……軸筒、６ｃ……開口
部、１０……通気路（凹溝）、２１……液状化粧
料貯蔵部、２２ａ……前端面、３１……塗布用先
端（筆先）、３６……供給軸、３７ａ，３７ｂ…
…尖形先端部、４１……ホルダー、４２……貫通
孔、４３……凹溝、４４……小孔、４７……後端
面、４８……突子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 後端を閉塞した主軸筒に液状化粧料貯蔵部を収
   容し、主軸筒の前端に螺合された先端軸筒には、
   その軸方向に貫通孔を有するホルダーを嵌挿し、
   該貫通孔には、小径かつ、密な繊維束からなる供
   給軸の中央部を挿通し、該供給軸の両端部をホル
   ダーから突出させるようにし、前記供給軸の一端
   部は、先端軸筒の先端開口部に挿着された多孔性
   弾性材料からなる、塗布用筆先部に挿入させ、供
   給軸他端部は、前記ホルダーの後端面に設けた突
   子と共に、前記液状化粧料貯蔵部の前端部内にの
   ぞましてあり、前記ホルダーには、その外周に凹
   溝と、細溝を設け、凹溝と細溝を連通させ、前記
   凹溝は、前記ホルダーの前記貫通孔に連通する小
   孔を設け、前記凹溝は、液状化粧料貯溜部とし
   て、かつ、前記先端軸筒の内周面には、前記主軸
   筒に収容された前記液状化粧料貯蔵部の前端面か
   ら先端軸筒の前記先端開口部に至る通気路が設け
   られてあり、該通気路は前記ホルダーの前記凹溝
   に連通していることを特徴とする液状化粧料を内
   蔵した塗布具。