JPS6383020A - 中枢性神経退行性疾患の進行防止および治療剤 - Google Patents

中枢性神経退行性疾患の進行防止および治療剤

Info

Publication number
JPS6383020A
JPS6383020A JP61226135A JP22613586A JPS6383020A JP S6383020 A JPS6383020 A JP S6383020A JP 61226135 A JP61226135 A JP 61226135A JP 22613586 A JP22613586 A JP 22613586A JP S6383020 A JPS6383020 A JP S6383020A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
ngf
secretion
cells
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP61226135A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0529207B2 (ja
Inventor
Noriaki Ikeda
池田 典秋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority to JP61226135A priority Critical patent/JPS6383020A/ja
Priority to FI874163A priority patent/FI874163A/fi
Priority to EP87308482A priority patent/EP0261977B1/en
Priority to AU78956/87A priority patent/AU603137B2/en
Priority to DE8787308482T priority patent/DE3777050D1/de
Priority to KR1019870010738A priority patent/KR900001511B1/ko
Priority to NZ221933A priority patent/NZ221933A/xx
Priority to DK505787A priority patent/DK505787A/da
Priority to NO874032A priority patent/NO874032L/no
Publication of JPS6383020A publication Critical patent/JPS6383020A/ja
Priority to US07/481,677 priority patent/US4985458A/en
Priority to US07/606,817 priority patent/US5102906A/en
Priority to US07/801,866 priority patent/US5214034A/en
Priority to NO921475A priority patent/NO921475D0/no
Publication of JPH0529207B2 publication Critical patent/JPH0529207B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は神経成長因子(Nerve growth f
actor。
以下NGFと略す)の中枢組織内での産生と分泌とを誘
発し、もって支配神経の機能を賦活し、かつ支配神経の
修復あるいはまた未変性神経による再支配を促進して、
アルツハイマー型老年性痴呆症(Senile Dem
entia of Alzheimer Type、以
下5DATと略す)をはじめとする中枢性神経退行性疾
患の進行を防止しかつ治療する剤に関するものである。
〔発明の背景〕
NGFはR,Levi−MontalciniやS、C
ohenらによって発見されて以来、数多くの研究の対
象となり、すでに末梢神経細胞、とくに胎生期の知覚お
よび交感神経細胞の分化と成長、さらに成熟期の交感神
経細胞の生存と機能保持に必須不可欠の因子であること
が明らかにされている(H,ThoenenとY。
^、Barde: Physiol、 Rev、 60
,12844335.1980およびB、A、Yank
erとE、M、5hooter: Ann、 Rev、
 Bio−chem、 51,845−868.198
2)。
しかしながらNGFは超微量生理活性物質であり、Mi
織円内分布動態とはごく最近まで不明で、生体内での作
用を直接証明することはできなかった。
近年NGFの活性サブユニット (以下β−NGFと略
す)に対する高感度酵素抗体測定法(EnzymeLi
nked Immunosorbent As5ay、
以下ELISA )の開発、改良が進み、検出怒度およ
び特異性が飛躍的に高まった(S、Furukawa 
et al: J、Neurochem、 40゜73
4−744.1983およびS、KorshingとH
,Thoenen:Proc、 Natl、 Acad
、 Sci、 USA 80.3513−3516.1
983)。
またNGFの遺伝子がクローニングされ、構造解析され
て、β−NGFの相補的DNA (cDNAと略す)を
プローブとして、そのメツセンジャーRNA (mRN
Aと略す)を定量する方法も確立された(D、L、5h
el tonとり、F、Re1chardt: Pro
c、 Natl、 Acad、 Sci、 USA 8
1゜7951−7955.1984およびR,Heum
ann ら:EMBOJ。
3、3183−3189.1984)。
この結果末梢では交感神経の支配組織にNGFとりわけ
そのmRNAの含量が高(、その量とノルエピネフリン
含量すなわち交感神経細胞の度合との間に正の相関があ
ることが確認された。
さらに驚くべきことに、ラットの中枢、とりわけ海馬、
新皮質、嗅球および前脳基底部の中隔野、ブロー力対角
帯、大細胞性基底核にもNGFが検出され、しかもその
mRNA含量は海馬、新皮質に高く、基底部の中隔野で
は、NGFの検出されない脳の他の領域並に低いことが
判明した(S、Korshingら:EとBOJ、  
4.1389−1393.1985)。
本成績は、その後他の研究グループによっても次々に追
試された(D、L、5heltonとり、F、Re1c
hardt:Proc、 Natl、 Acad、 S
ci、 USA 83.2714−2718゜1986
およびS、R,Whi ttemoreら:Proc、
 Nat、1. Acad。
Sci、USA 83.817−821.1986)。
この結果はNGFが中枢におけるコリン作動性神経束に
対して、いわゆる「神経栄養因子」として作用している
ことを示す生理化学的実験事実を実証したものである。
すなわちNGFは末梢のみならず中枢とりわけ海馬、新
皮質、嗅球などにおいても遺伝子発現つまり産生され、
分泌されて、この領域へ投射するコリン作動性神経束の
神経終末よりとりこまれ、逆軸索輸送によって大脳基底
部の起始核にある神経細胞本体に到ること。ここにおい
て、NGFは該神経の生存と、機能維持たとえばコリン
アセチル転移酵素(Choline acetyl−t
ransferase、 CATと略す)の遺伝子発現
等に不可欠な因子として作用していることが明らかとな
った(M、E、 Schwabら: Brain Re
s、 168.473−483゜1979およびM、 
5eilerとM、E、 Schwab: Brain
Res、300 、33−39.1984およびH,G
nahn ら:Dev、 Brain、 Res、 9
.45−52.1983)。
また脳にもNGFレセプターが存在し、NGFとレセプ
ターの複合体が大脳皮質から基底部へ、海馬からブロー
力対角帯および中隔野へ輸送されることも証明され(M
、TBniuchiら: Proc、 Natl、 A
cad。
Sci、 USA、 83.1950−1954.19
86)、NGFは中枢の生理機能に密接かつ決定的に関
与することがさらに確認された。
他方記銘力低下や失見当識を特徴的な早期症状とする5
DATの直接の病因が中枢性コリン作動神経系の退行性
失調であることを示す知見はすでに数多くある。すなわ
ち5DAT患者脳ではCAT活性が著しく低下している
が、早期においては、これが大脳皮質および海馬の神経
細胞の変性脱落によるというよりはむしろ、本領域への
外因性のアセチルコリン供給路であるコリン作動性神経
束の失調、変性によるものであることが一連の生化学的
検討から明らかにされている(E、 K、 Perry
ら: Lancet。
!、 189.1977、その他)。
その後患者脳の病理学的所見(P、J、Wh i te
houseら: Ann、 Neurol、10.12
2−126.198Lその他)および前脳基底部破壊に
よる記憶、学習障害ラットの行動薬理学的解析(C,F
lickerら: Pharmacol。
Biochem、 Behave、18.973−98
L 1983.その他)からも証明されるに到った。ま
た臨床的にもS D A T 、幌者の脳内コリン作動
系の賦活療法としてアセチルコリンエステラーゼ阻害剤
および前駆物質などの投与の試みもなされ、若干の症状
改善例も報告されている。これとは別に、5DAT患者
におけるNGF遺伝子の発現を検討し、NGF産生、分
泌の失調と5DATの発症との相関を直接解析しようと
する動きも活発になりつつある( M、 Goeder
tら: Mol。
Brain Res、  1.85−92.1986)
〔発明の目的〕
発明者らは、以上述べた二つの大きな研究展開を背景と
して、中枢性神経退行性疾患とりわけ5DATの特徴的
早期症状である記銘力の低下や失見当識として表れる学
習、記憶障害の直接原因が、大脳基底部から大脳皮質及
び海馬へ投射するコリン作動神経束の進行性変性と、そ
れによる支配域の機能不全であるとしても、さらにその
本質的原因は、該支配域において産生、分泌され神経支
配を保証する「神経栄養因子」たるNGFの産生、分泌
不全であるとの立場に立つものである。
従って5DATの進行防止あるいは治療の目的では、ア
セチルコリンの利用率の向上療法には一過性の効果以上
は期待できず、むしろ大脳皮質および海鳥域でのNGF
の産生、分泌を確保して、支配神経との間で成立してい
る機能上の悪循環を断つことこそ効果的であると考える
。ただしこの場合、遺伝子のクローニングによってヒト
型のβ−NGFの大量調製の道が拓かれたとはいうもの
の、分子量10゜000を越えるタンパク質の直接適用
には薬剤掌上の様々な制約は避けられないと予想される
発明者らは、NGFの遺伝子発現機能を賦活化し、産生
、分泌量を高める作用のある低分子化合物を検索し、こ
れを比較的軽症時に末梢投与して、中枢の大脳皮質や海
馬の残されたNGF産生能を高め、支配神経の変性の進
行を防止するとともに、神経修復ないし生存神経による
再支配等、脳機能の可望性に依拠する治療方法の確立を
目標として、本発明のスクリーニング法を設定した。す
なわち1nVi troでの二段階のNGF産生、分泌
促進試験、急性毒性試験、in vivoでのNGF産
生、分泌促進試験によって化合物を順次選別し、最終的
に行動薬理学試験によって効果を確認して本発明を完成
するに到った。以下試験方法と実施例とを示す。
なお、本明細書においては一般式(A)における置換基
Rについて、Rが2個の水素原子又は2個のアシル基で
ある化合物群を化合物(I)、Rが−CO−である化合
物群を化合物(II) 、Rが−co−co−である化
合物群を化合物(I[I) 、RがC(C)lx)z−
である化合物群を化合物(IV)と呼び、これらの化合
物は一般の試薬カタログに記載されているものはそれを
購入して精製して用いたが、入手困難が見込まれるもの
は次のようにして調製してもちいた。
すなわち、無水塩化アルミニウムを触媒としたカテコー
ルと相当するカルボン酸クロリドとのフリーデル・クラ
フッ反応縮合吻、又はBF3を触媒としたカテコールと
相当するカルボン酸とのフリーデル・フラッフ反応筒金
物を通常の方法で還元し精製して化合物(I)(R=H
で、R,、I?2の一方が水素原子、他方がアルキル基
)を得た。
これで得た化合1i (1) (R,R,・H,R2・
アセチル基)の水酸基をアセチル化し、これをカテコー
ルにかわる出発物質として上記の反応を繰り返し脱アセ
チルしてR1にもアルキル基を有する一連の化合物(1
)をえた。
水酸基のエステル型置換体は化合物(I)(1?=H)
に塩基の存在下で酸無水物と反応させて化合Th(I)
(R=ニアシル)を、同じくホスゲン又は炭酸エステル
と反応させて化合物(II)を、同じ(オキザリルクロ
リドと反応させて化合物([[)を容易にかつ高い収率
で得た。
水酸基のエーテル型置換体は化合物(1)(R=H)に
酸の存在下でアセトンと反応させて1ヒ合物(N)を高
い収率で得た。
〔試験1〕マウス線維芽細胞を用いるin vitr。
NGF産生、分泌促進試験 マウス線維芽細胞樹立株、L−M細胞(ATCC。
CCL 1.2 )は血゛清非依存的に増殖し、培養培
地中にNGFを産生、分泌すること、比較的高濃度のカ
テコールアミン類が、アドレナリン作動性レセプターを
介さずにこれを促進することが明らかになっている(Y
、 Furukaivaら: J、 Biol、 Ch
em、 26L6039−6047.1986)。本培
養細胞を用いた検索法は多数の化合物の検索に好適であ
り、古川らの方法に準じて第一段スクリーニング系とし
て試験法を設定した。
すなわち、0.5zペプトン添加199培地(Gibc
o社製)にてL−M細胞を前培養し、24孔培養プレー
ト(Falcon社製、培養孔あたりの培養面積2.1
cm”)に約3x10“個/培養孔の細胞をまき、3日
間37℃にて培養して完全コンフルエント (約106
細胞/培養孔)とする。培地を0.5χ牛血清アルブミ
ン(第五両分、Armour社製)添加199培地(0
,5ml/培養孔)に交換する。被検化合物は本培地中
に所定の濃度で含有させ、24時間後の培養培地中のN
GF?fi度を高感度ELISA法(S、Furuka
waら:J。
Neurochem、40.734−744.1983
)によって測定する。
結果は被検化合物を含まない培地にて培養した対象の培
養培地中の濃度に対する倍率として求めた。
本ELISA法の検出限界ば0.25pg/mlであり
、対照のNGF?i度は、通常50 200pg10.
5n31/培養孔である。値は同一細胞標品を用いた4
回の試行の平均値上標準誤差として示しである。
実施例I NGF産生分泌を促進する基本骨格を検討した結果を表
1に示す。これにより、オルト位に水酸基を有する1、
2−ジヒドロキシベンゼン環いわゆるカテコール環が活
性発現のための基本構造であることが判明した。
表1 化合物        濃度(mM)    NGF増
加率カテコール       0.05      1
.97  ± 0.080.15      2.65
  ± 0.2ルゾルシノール     0.05  
    0.99  ± 0.070.15     
 1.25  ± 0.10ヒドロキノン      
0.05      1.21  ± 0.080.1
5      0.52  ± 0.022.3−ジヒ
ドロキシ   0.05      1.14  ± 
0.13ピリジン       0.15      
1.63  ± 0.062.3−ジヒドロキシ   
 0.05      0.83  ± 0.09ナフ
タレン       0.15      0.70 
 ± 0.14実施例2 1.2.ジヒドロキシベンゼン環の4位の側鎖(R2)
の影響を検討した結果を表2に示す。A群にカテコール
アミン類、B群にはそれ以外のカテコール誘導体の効果
を示した。これにより、1.2−ジヒドロキシベンゼン
環の効果は、4位の側鎖によって増強されるが、その度
合は側鎖の構造によって大きく異なることが判明した。
すなわち、側鎖にアミノ基は不可欠ではなく(B群には
A群に匹敵する活性を示すものがある)、水酸基やカル
ボキシル基も必須ではない。また不飽和よりは飽和構造
が好ましく、炭素数は2よりは3のほうが活性が高いこ
とが示唆された。また驚くべきことに、B群のホモカテ
コール(4−メチルカテコール)が、炭素数1ながら低
濃度域で炭素数3の化合物にせまる高活性を示すことが
判明した。本化合物は貰濃度添加では思ったほどの促進
活性がみとめられなかったが、この濃度域では細胞の変
形や一部細胞の器壁からの剥離が観察されたことから、
細胞毒性により効果が滅弱されたと考えられる。
表2 対照                   □   
1.00  ± 0.051−エピネフリン  C)1
(01()CHtlJ)ICH)     0.05 
   6.29  ± 0.650.15  13.9
9 ±2.04 ドパミン        CH2CH1NH2O,05
6,84± 0.110.15  11.02 ±0.
83 1−DOPA    C1(ZCH(COOI()N)
If    O,055,03±0.170.15  
 5.04  ± 1.08イソプロテノール  Ct
l(OH)CLNHCH(CL)エ 0.05    
2.6B  ± 0.260.15   9.74  
± 1,25ノルエピネフリン  CHCO’tDCH
zNHz      O,054,82± 0,370
.15  10.34  ±0,53DOPS    
  CH(O)l)C)I(COOH)NH2O,05
6,13± 1.660.15   7.63 ±0.
81 カフェイン酸    CH=C)IcOOII    
   O,052,21± 0.090.15   5
.16 ±0.45 DOPACCHtCOO)T       O,051
,75±0.110.15   1.98  ±0.1
9DOMA     CH(OR)COOII    
 0.05   1.67  ±0.100.15  
 1.69 ±0.09 (表2つづき) ・ト4會乙袈すイリ’J         <mxイ)
3.4−ジヒドロキシ  C0OHO,050,91?
  ± 0.06安息香酸             
   0.15    1.37  ± 0.12DO
PEG      CH(OH)C1,OHO,051
,02± 0.050.15    8.98  ± 
0.61DHBA       CHtNHt    
     O,051,54± 0,120.15  
  2.46  ± 0.183.4−ジヒドロキシ 
 CIOO,050,99± 0.05ベンズアルデヒ
ド              0.15    1.
33  ± 0.32ホモカテコール   co30.
05    8.26  士 0.730.15   
 3.14  ± 0.26カテコール     HO
,051,63± 0.030.15    2.14
  i  0.09実施例3 L−M細胞のNGF産生、分泌活性に対する促進効果は
当初カテコールアミン類特有の作用として見出されたも
のの、1,2−ジヒドロキシベンゼン環(カテコール環
)を有する化合物に共通な性質であり、より単純なアル
キル側鎖だけでも充分な増強効果が認められる可能性が
示唆された。そこで、1.2−ジヒドロキシベンゼンの
3位あるいはまた4位の(特許請求の範囲に示した化合
物(1)でR=l(のR1あるいはまたlhのアルキル
置換体の効表3 化合物(1) R=)i              濃度     
NCF増加率R+       Rz        
(mM)対照      −1,00±0.06HHO
,031,03± 0.04 0.10    1.81  ± 0.09Hメチル 
     0.03    8.91  ± 0.43
0.10    2.36  ± 1.90Hエチル 
     0.03   10.03  ± 0.97
0.10   12.13  ± 1.09メチル  
  エチル      0.03    6.31  
± 0.390.10    3.19  ± 0.7
3n−プロピtb  HQ、03    9.81  
± 0.920.10   16.30  ± 2,0
4(表3つづき) 化合物(1) R=H濃度     NGF増加率 R1Rz        (mM) (表3つづき) 化合物(r) R−H71度      NGF)1加率R+    
   Rz        (mM)メチ/L/   
  n−ブチル0.03   6.87  ± 0.6
00.1(17,73± 0.53 メチル    5ec−ブチル    0.03   
6.74  ± 0.250.10   7.00  
± 0.76メチ/Ll     tert−ブチル0
.03   2.82  ± 0.140.10   
3.65  ± 0.39n−ペンチ#HO,035,
26± 0.430.1(19,95± 0.98 )1       n−ペンチル   0.03   
6.37  ± 0.250.10 10.24土0.
71 果を詳細に検討し、表3の結果を得た。
これにより、R,、R2の置換基の位置の差は決定的で
はなく、炭素数2から5個の非分技型アルキル基をいず
れかにもち、RI+ RZの組み合わせがより「かさ高
くない」化合物、可及的には一方が水素原子であるよう
な組み合わせの化合物が、有効なカテコールアミン類並
ないしそれ以上の効果を、より低濃度で示すことが判明
した。また炭素数が小さい側鎖を有する化合物で観察さ
れる高濃度域における効果城門が、炭素数が大きいもの
では測定濃度域では観察されなくなることも明らかとな
った。高活性を示した化合物はカテコールアミン類とは
異なり、アドレナリン作動性の神経伝達物質活性を有す
ることは知られておらず、本発明用途での臨床通用上も
有利と判断され、以後高次の試験によってさらに検索す
ることとした。
実施例4 実施例3において高活性が見出された化合物、すなわち
3あるいはまた4位に直鎖アルキル基を有するカテコー
ル類の高濃度域での急性期の細胞表4− 化合物           濃度         
 NGF増加率“(mM)      □ 24時間培養   48時間培養 対   照                  1.
00  ± 0.07   1.21  ± 0,06
*24時間培養時の対照に対する倍率 毒性は、カテコール環の遊離の水酸基に由来すると考え
られることから、これをエステル型ないしエーテル型置
換した場合のNGF産生・分泌活性におよぼす効果を検
討し表4の結果を得た。
これにより、エーテル置換体として、水酸基の一方また
は両方をメトキシ基とした化合物は全く活性を示さなか
った。一方、B群のエステル置換体では遊離の水酸基に
比べて短時間培養では効果は半減するものの、高濃度域
での活性低下は抑制され、しかも長時間培養で同一レベ
ルに近くまで回復することが判明した。またエーテル置
換体でも化合物(IV)では部分的に効果が保存される
ことが判明した。効果を示した化合物はいずれも培養中
に徐々に氷解されて遊離型となって作用していると考え
られる。生体投与時の急性期の毒性を極力抑えるための
有力な方法と考え、この種のエステル型、一部エーテル
型置換体についてもあわせて高次の試験によって検索す
ることとした。
〔試験2〕マウス脳アストロダリア細胞を用いるin 
vitro NGF産生、分泌促進試験マウス末梢′!
F!7im由来の樹立株細胞でNGF産生、分泌活性を
促進した化合物を、中枢組織での主要なNGF産生、分
泌細胞と考えられるアストログリア細胞を用いた系でさ
らに検索し、本発明の巨的に適した化合物の選別を行っ
た。
アストログリア細胞はマウス前脳から誘導し、培養系に
移した(S、 Furukawa  ら: Bioch
em、 Bi。
phys、 Res、 Commun、 136.57
−63.1986)。
すなわち、生後8日目のマウス脳を細切し、カルシウム
、マグネシウム不含リン酸緩衝生理食塩水(以下PBS
)で洗浄後、0.25%トリプシン含有PBS 中で3
7℃、30分間処理し、パスツール・ピペットで組織を
はくして懸濁液とする。200xgで5分間遠心して細
胞および細胞凝集体を回収する。
これを10%牛脂児血清、5X10−’ユニット論のペ
ニシリン、5μg/ml  のストレプトマイシンを含
有するダルベツコ変法イーグル培地(以下DMEl’l
培地、Gibco社製)に移し、3日毎に同培地を変換
しながら、10−14日日間化培養する。コンフルエン
トに達したら、トリプシン処理して別の培養器に分配し
て植え継ぐ。さらに2回以上植え継いで形態的に均一な
細胞集団とする。本実験に用いるのは、抗ヒトグリア線
維タンパク質(GFAP)ウサギ抗血清を用いたPAP
染色法(パーオキシダーゼ−抗パーオキシダーゼ染色法
)で、97%以上が染色される細胞集団であり、これを
以下アストログリア細胞と呼ぶ。
アストロダリア細胞を24孔培養プレート(Falco
n社製、培養孔あたりの培養面積2.1cm”)に約3
X10’個/培養孔まき、10%牛脂児血清含有DME
M培地にて3日間培養し完全コンフルエント(約107
細胞/培養孔)とする。培地を0.5χ牛血清アルブミ
ン(第五画分)含有DMEM培地に交換(0゜5m1/
培養孔)して3日間培養する。もう−度培地交換してさ
らに3日間培養し細胞を培養停止期(quiscent
 stage)に誘導する。被検化合物を所定の濃度で
含む0.5mlの同培地に交換し、24時間後の培養培
地中のN G F 濃度を前述の高怒度EIjSA法に
よって測定する。結果は被験化合物を含まない培地で培
養した対照の培養培地中の濃度にたいする倍率として求
めた。本ELISAの検出限界は0゜25pg/mtで
あり、対照のN G F ?m度は通常1−11−1O
p、5ml /培養孔であった。値は同一細胞標品を用
いた4回の試行の平均値上標準誤差として示しである。
実施例1 アルキル基を側鎖に持つカテコール化合物のNGF産生
、分泌促進活性を牛胎児血清やエピネフリンと比較して
検討した結果を表5に示す。
マウスアストログリア細胞はL−M細胞同様NGFを産
生分泌するが、培養静止FJI(quiscent s
tage)と増殖期(growing stage) 
とでは全く活性が異なり、停止期では数11)g/10
6細胞/日の低レベルであるのに対し、10%牛脂児血
清を加えて増殖期へ誘導すると200−300 pg/
106細胞7日の高レベルへと移行すること(S、 F
urukawaら:  Biochem。
Biophys、  Res、 Commun、 13
6.57−63.1986)が追試された。 エピネフ
リンやヒドロカフェイン酸も牛胎児血清には及ばぬもの
の促進活性を示した。
構造活性相関はL−M細胞の場合にきわめて類似し表5 R1R1 υ、l’3     ”Jt、Ul  =’d、t41
(衾5つづき) 化合物          濃度(mM)    NG
F増加率ており、R1,R2の置換基の位置の差は決定
的ではなく、炭素数2から5個の非分枝型アルキル基を
何れかにもち、R6Rzの組み合わせがより「かさ高く
ない」化合物、可及的には一方が水素原子であるような
組み合わせの化合物が牛胎児血清をはるかに上回る高活
性を示すことが判明した。
実施例2 カテコール環の水酸基の置換体の効果を表6に示した。
この場合もエステル型置換体では急性期の細胞毒性によ
る活性低下が抑制され、長時間培養で水酸基が遊離の化
合物と同一レベルに近い活性を示すことが判明した。
脳における主要なNGF産生、分泌細胞は、アストログ
リア細胞であると考えられ、脳全体でのNGFの遺伝子
発現頻度から計算すると、アストログリア細胞は生理的
には増殖停止期にあると考えられる(D、 L、5he
lton とり、 F、Re1chardt: Pro
c。
Na口、 八cad、  Sci、  USA   旦
3. 2714−2718. 1986)。
非分枝型低級アルキル基の側鎖を3ないし4位にもつカ
テコール化合物はこの停止期のアストログ表 6 NGF増加率“ 化合物         濃 度  □(mM)   
 24時間培#48時間培養10χ牛脂児血if   
     −43,21± 6.20  48.92 
 ± 3.35化合物(1)         0.1
0  77.34  ± 9.21  106.23 
 ± 7.61R,R,=)1. Rtヨメチル   
  0.25   6.59  ± 1.34   2
.47  ± 1.22化合物(1)、 R−アセチル
  0.10  49.82  ± 6.44  77
.35  ± 6.52R1=H,Ri〜ミルメチル 
   0.25  41.25  ± 7.32  8
2.37  ± 7.24化合物(II)、 R+・H
0,1052,35± 5.29  73.37  ±
 4.25R2,メチル         0.25 
 55.92  ± 4.25  78.32  ± 
6.50化合物(I[[)、 Il、=HO,1047
,24± 3.98  69.62  ± 3.25R
z”メチル         0.25  50.62
  ± 4.74  70.22  ± 5.37化合
物(IV)、R,=I(0,1028,62± 2.2
3  41.63  ± 2.21Rz’メチル   
      0.25  33.71  ± 2.09
  55.25  ± 4.42124時間培養時の対
照に対する倍率 リア細胞に対し著しいNGF産生、分泌活性を惹起させ
た。したがって水酸基のエステル型置換体を含めて、こ
れらの化合物が生体投与によって、脳におけるNGF産
生糸を著明に賦活化するものと期待される。
〔試験3〕急性毒性試験 試験法2において、NGF産生、分泌促進活性を示した
化合物の生体での効果を評価するだめの前段試験として
急性毒性試験を行った。
実施例 非分技型低級飽fロアルキル基をもつカテコール化合物
をddY雄性マウス(4週令)に腹腔内、静脈内ないし
経口投与し、常法によりLD、。値(mg/kg)を求
めた。結果を表7に示す。
これによると、いずれの投与法に関しても、側鎖の炭素
数が増加するのに伴い急性毒性が低下するが、特に静脈
内投与でその傾向が著しい。またLD56の252を超
す量を静脈内及び腹腔内投与すると、特に低炭素数側鎖
化合物では一過性の痙彎をおこす個体が観察された。遊
離水酸基のエステル表7 L D、。(mg/kg) 化合物        □ 静脈内投与   腹腔内投与   経口投与z メチル           > 50      >
 200     > 500エチル        
   > 75      > 300     >1
00On−プロピル         >150   
    > 500     >150On−ブチル 
        >150      > 500  
   >150OR,=H メチル           > 50      >
 200     > 50On−プロピル     
    >150       > 500     
 >1500型置換体やエーテル型置換体では相当する
遊離化合物に比してLDs。値は著明に上昇し、痙彎惹
起等の急性期の毒性症状も大巾に改善された。
以上より本化合物たとえば化合物(1) (RJ+=H
R2=n−プロピル、4−n−プロピルカテコール)を
公知の製剤方法により任意の剤型として、注射、内服す
る場合の投与量としては、成人1回投与量として静脈内
投与では75mg以下、非命管内投与では100mg以
下、経口投与で750mg以下であることが望まれる。
水酸基のエステル型置換体ではそれぞれ125mg以下
、375−625mg以下、1250−1500mg以
下と投与量を増大させることが可能である。
〔試験4〕ラツト腹腔内投与による中枢性NGFの産生
賦活試験 WistartJji性ラット(9−100週令200
−250g)に被検化合物を0.5mlの生理食塩水溶
液として腹腔内投与する。投与量、投与回数の影響は実
施例に示す。最終投与後2日目に動物をを髄強打により
殺し、脳各部分を採取して、水冷下吹の操作を行う。
脳各部分を秤量し、ホモジナイズ用緩衝液(0,1Mト
リス塩酸、2%牛血清アルブミン第五画分、2%ゼラチ
ン、1.OM NaC1,0,02χNaNz、2mM
EDTA、2.6KIE/mlアプロチニン、pH7,
6)を10χ(W/V)となるように(中隔野のみ59
4となるように)加え、Dounce型ホモジナイザー
で30ストロークホモジナイズする。各ホモジネートは
100゜000XglO分間遠心し、上清50ハをとっ
て、同量の希釈用緩衝液((1,IM  Fリス塩酸、
2%牛血清アルブミン第五両分、0.02Z NaN3
.20mM CaC1z、pH7,6)を加えて以下β
−NGFに対する高感度EtjSA系(S、 Furu
kaivaら: J、Neurochem、40.73
4−744゜1983)によって定量する。定量限界は
0.25pg/n+1である。結果は脳各部位の湿1シ
gあたりのβ−NGFI)gとして同時に実験した5頭
の平均値±標準誤差の値で示す。
実施例1 化合物(I )(R1R+=l(、Rz=n−プロピル
、以下4−n−プロピルカテコール)につき、5 mg
/kgを1日おきに4回腹腔内投与し、最終投与2日後
に殺した場合の脳の各部位のNGF含量を、生理食塩水
のみを投与した対照群のそれと比較した結果を表8に示
す。前脳皮質部、海馬、嗅球においては著明にNGF産
生は促進されこれらの領域に投射するコリン作動性神経
束の起始核領域においても有意な促進が観察された。
実施例2 4−n−プロピルカテコールにつき、2.5mg、 5
mg。
10mg/kgをそれぞれ1日おきに腹腔内に1−4回
投与し、最終投与の2日後に殺して前脳皮質部のNGF
の含量を、生理食塩水のみを投与した対照群のそれと比
較した結果を表9に、また5 mg/kgを4回投与し
た場合の前脳皮質および海馬におけるNGF含量の時間
的推移を検討した結果を表10に示した。
表9の結果から、1回ないし2回投与では特に低投与量
では効果は出に(いが、3回投与によって急に有意な効
果が認められ、以後一定レベルを保つことが判明した。
また投与後の効果出現は比較的ゆるやかであり、数日間
以上にわたって効果が持続することが表10の結果から
明らかとなった。
表8 NGF含量(pg/mg組織湿重量) 脳部位  □ 生理食塩水投与   4−n−プロピルカテコール投与
前脳皮質部      0.87  ± 0.11  
    2.14  ± 0.49゜海馬    2.
21±0.32   3.92±0.63“嗅球   
 0.92±0.08   1.70±0.24亭1中
隔野        0.74  ± 0.06   
   1.39  ± 0.14”線条体      
  0.22  ± 0.02      0.24 
 ± 0.04小脳    0.30±0.09   
0.33±0.16生理食塩水投与に関して有意(市P
 < 0.05.  林p < o、ot >表9 前脳皮質部のNGF念f!、 (pg/閘g湿重量)1
   0.92±0.13  0.89±0.11  
1.03±0.21  1.24±0.362   0
.95±0.10  1.23±0.19  1.21
±0.30  1.52±0.293   0.83±
0.11  1.37±0.24”   1.62±0
.33°  2.16±0.44°34   0.88
±0.12  1.87±0.32′″  2.19±
0.40”  2.24±0.45”表10 4回投与後の        NGF含量(ρg/mg
湿重量)時間 前脳皮質        海 鳥 12  時間      1.41±0.42    
 2.32±0.5624  時間      2.1
0±0.47     3.03±0.4448  時
間      2.28±0.32     3.76
±0.417  日            215 
± 0.48         3.90  ± 0.
36実施例3 各種化合物5 mg/kgを1日おきに3回投与し、最
終投与から48時間後、7日後のNGFの前脳皮質部の
含量を測定した結果を表11に示した。
化合物(I)のうち遊離の水酸基をもつ一連の化合物(
R,H)における側鎖(R+ないしRZ)の効果を比較
すると、炭素数3前後のアルキル基を側鎖にもつ化合物
が長期にわたって安定したNGFレベルを保持させるこ
とが判った。またさらに遊離水酸基をエステル型に保護
した化合物にも遊離水酸基を有する化合物に匹敵する効
果が認められることが判明した。
以上総合すると、in vitroでアストログリア細
胞のNGF産生、分泌活性を促進した化合物は、末梢投
与によって中枢のNGF産生能を部位特異的に賦活し得
ることがin vivo実験で証明された。ただし生体
内での効果発現のためにはやや高投与量を頻回投与する
必要があることから、急性毒性試験(試験3)の結果を
考慮すると、より好ましい化合物として、炭素数3前後
の非分技型低級アル表11 NGF含量(pg/mg前脳皮質湿重量)化合物 48時間後         7日後 対  照           0.92   ± 0
.12     0.87  ± 0.09エチル  
     1.96  ± 0.42”     1.
73  ± 0.391n〜プロピル    1.97
  ± 0.41”     2.28  ± 0.2
9軸n−ブチル     1.88  ± 0.46”
     2.25  ± 0.33軸対照に関して有
意< * p < o、os、林p < 0.01 )
キル基を3ないし4位に有する化合物のうち、可及的に
は水酸基のエステル型置換体が考えられる。
〔試験5〕ラット受動的回避学習の保持に対する効果試
験 カイニン酸の前脳基底部への注入による受動的回避学習
の保持障害に対する防止効果と、障害状態からの反復学
習による回復の促進効果とを検討する。
Sprague−Dawley雄性ラット(9−10週
令、20〇−250g)をネンブタール麻酔下(50m
g/kg、 It!腔)脳定位固定装置に固定し、0.
25μgのカイニン酸溶液IJLi!(+Jン酸緩衝生
理食塩水溶液、pH7,4)を直接定位注入(breg
ma後方0.7mm、正中線側方2.7mm。
頭蓋表面後側方7.Omm)シて、淡蒼球復側部の両側
性障害モデルを作製する。対照はリン酸緩衝生理食塩水
のみで偽手術したラットとする。
受動回避学習は明暗画室をギロチンドアで仕切った5t
ep−through型の受動回避装置で行った。電気
シg7りは暗室床部グリッドに交流3mAを3秒間通電
して与える。学習試行に先立って馴化試行を行う。すな
わちラットを明室に入れ10秒間ドアを開放して、暗室
に入れば直ちにドアを閉じ、10秒間放置後取り出す、
10秒以内の潜時で暗室に入らないラットは除外する。
獲得試行は馴化試行と同様に行い、ラットが暗室に入っ
た直後に電気ショックを与え直ちに取り出す。保持試行
はラットを明室に入れ10秒後のドア開放から、暗室へ
入るまでの潜時を測定する。最大測定時間は300秒と
し、300秒以上回避したラットの潜時は300秒とし
た。
実施例1 手術1日前に馴化試行を行い、10秒以上の潜時を示し
たラットはあらかじめ除外しておく。30頭にカイニン
酸注入手術、他の30頭にリン酸緩衝生理食塩水のみに
よる注入偽手術を行った。手術群、偽手術群をそれぞれ
さらに10頭の群に分け、1日、4日、7日後に生理食
塩水、化合物(1) (R,R+・H1Rz=n−プロ
ピル;4−n−プロピルカテコール)、化合物(U )
 (R+=FI、 Rz=n−プロピル)の各5 mg
/kgを生理食塩水溶液として、それぞれ腹腔内に投与
した0手術10日後に獲得試行を行い24時間後に保持
テストを行った結果を表12に示す。
カイエン酸注入群では、リン酸緩衝生理食塩水注入群に
対して、学習、記憶の著しい保持障害を示したが、in
 vitro  及びin vivo  で著明なNG
F産生分泌促進活性を示した代表化合物である4−n−
プロピルカテコールとその水酸基のエステル型置換体、
化合物(II )(Rt□H,Rz=n−プロピル)は
、カイニン酸注入による学習記・Lqの保持障害に対し
て著明な防止効果を示した。
実施例2 手術1日前に馴化試行を行い、10秒以上の潜時を示し
たラットはあらかじめ、除外しておく。30頭にカイニ
ン酸注入を行い、手術10日後に獲得試行を行った。2
4時間後、4−n−プロピルカテコールとその水酸基の
エステル型置換体、化合物(n)(R1”H,R2・n
−プロピル)とをそれぞれ10頭ごとに生理食塩水溶液
として5 mg/kgを腹腔内投与した。
残りの10頭には生理食塩水溶液のみを腹腔内投与して
対照とした。投与2日後に1回目の保持試行表12 偽手術対照群 生理食塩水投与        280  ± 510
力イニン酸投与群 生理食塩水投与         27  ± 110
同−群生理食塩水投与に関して有窓(車P<0.01 
)を行い、300秒以内に暗室に入ったラットには電気
ショックを与えて学習を強化した。1回目の保持試行の
翌日に同量の被検化合物ないし生理食塩水を投与し、そ
の2日後2回目の保持試行を行った。300秒以下の潜
時を示したラットには電気ショックを与えて学習を強化
した。同じ間隔で被検化合物ないし生理食塩水投与と保
持試行をさらに、2回くり返し、各保持試行時の成績を
比較した。
表13にその結果を示す。
カイニン酸投与による前脳基底部障害う7)の学習、記
憶障害は、保持試行時に学習を強化すると徐々に回復す
る。4−n−プロピルカテコール化合物とその水酸基の
エステル型置換体、化合物(II ) (R+=H,R
2=n−プロピル)は、カイニン酸注入による学習記憶
障害動物の反復学習による回復過程を著明に強化した。
〔発明の効果〕
特許請求の範囲に示した化合物は必ずしも新規な化合物
とは限らない。しかしながら本発明において設定したi
n vHroからin vivoにいたる一連表13 1       24  ± 1247 ± 1646
± 132     98 ± 19      14
7± 29      167± 3ド3149  ±
 30      201 ”  33      2
36 ± 2814201  ± 23      2
72± 14”″     284 ± 15”の試験
によって、末梢投与によっても、中枢とりわけ大脳皮質
および海馬などの学習記憶機能にかかわる領域の組織の
NGF産生、分泌を著明に促進するという全く新規かつ
驚くべき活性を有する化合物であることが明らかとなっ
た。
NGFの脳における生理作用に関する生理化学、生化学
および分子生物学の最新の知見と、中枢性神経退行性疾
患の生化学および病理学的所見に依拠して、該化合物の
新規医薬品としての利用の可能性を合わせて検討した。
この結果急性毒性試験および行動薬理学的試験において
代表化合物が、薬学的に許容し得る投与量において中枢
性神経退行性疾患の実験モデル動物の学習、記憶の保持
障害を防止し、かつ障害状態からの回復を促すことを実
証し得た。
ヒトにおける中枢性神経退行性疾患の典型例であるアル
ツハイマー型老年性痴呆症に関しては、いまだに厳密な
意味での動物モデルさえも作製し得す、高齢化社会の進
行に伴い増加の一途をたどるこの種の深刻な病態に対し
て、本質的な治療法は確立していない。このような背景
のものとで、本発明にかかる化合物は、従来全く知られ
ていない新規かつ、より本質的な作用機作によって、本
庄の特徴的な早期症状である記銘力低下や失見当識の進
行を防止し、かつこの段階でのすぐれた治療効果をもた
らし得ると期待される。
すなわち当該化合物のいずれかを有効成分として、その
ままもしくはそれ自体公知の薬学的に許容されうる担体
、賦形剤などと混合した医薬組成物として、経口的もし
くは非経口的に投与することが可能である。投与量は投
与対象、投与ルート、症状などによって異なるが、たと
えば4−n−プロピルカテコールの水酸基のエステル置
換体についていえば、成人1日当たり50−500mg
を数日間隔で数回非経口的に投与することにより、中枢
性神経退行性疾患の早期症状を改善することが可能であ
る。
三井東圧化学株式会社

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、一般式(A) ▲数式、化学式、表等があります▼・・・(A) (式中、Rは2個の水素原子、2個のアシル基、−CO
    −,−CO−CO−又は−C(CH_3)_2−であり
    、R_1、R_2は水素原子ないし低級アルキル基を示
    す。)である化合物のいずれかを有効成分として含有す
    る中枢性神経退行性疾患の進行防止および治療剤。 2、一般式(A) ▲数式、化学式、表等があります▼・・・(A) (式中、Rは2個の水素原子、2個のアシル基、−CO
    −、−CO・CO−又は−C(CH_3)_2−であり
    、R_1、R_2は水素原子ないし低級アルキル基であ
    り特にはR_1、R_2のうち一方が水素原子であり、
    他方がエチル基またはn−プロピル基またはn−ブチル
    基である。 )である化合物のいずれかを有効成分として含有する中
    枢性神経退行性疾患の進行防止および治療剤。
JP61226135A 1986-09-26 1986-09-26 中枢性神経退行性疾患の進行防止および治療剤 Granted JPS6383020A (ja)

Priority Applications (13)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61226135A JPS6383020A (ja) 1986-09-26 1986-09-26 中枢性神経退行性疾患の進行防止および治療剤
FI874163A FI874163A (fi) 1986-09-26 1987-09-23 Katekolderivat samt preparat innehaollande desamma foer haemmande och botande av regressiva sjukdomar i det centrala nervsystemet.
NZ221933A NZ221933A (en) 1986-09-26 1987-09-25 Catechol derivatives and pharmaceutical compositions
NO874032A NO874032L (no) 1986-09-26 1987-09-25 Fremgangsmaate for fremstilling av terapeutisk aktive catecholderivater.
AU78956/87A AU603137B2 (en) 1986-09-26 1987-09-25 Catechol derivatives, and preventive and remedial preparations for regressive disorders in the central nervous system containing the same
DE8787308482T DE3777050D1 (de) 1986-09-26 1987-09-25 Catecholderivate und vorbeugende sowie heilende praeparate fuer regressive stoerungen im zentralnervensystem.
KR1019870010738A KR900001511B1 (ko) 1986-09-26 1987-09-25 카테콜 유도체 및 그것을 함유하는 중추신경계 퇴행성질환의 진행방지 및 치료제
EP87308482A EP0261977B1 (en) 1986-09-26 1987-09-25 Catechol derivatives, and preventive and remedial preparations for regressive disorders in the central nervous system
DK505787A DK505787A (da) 1986-09-26 1987-09-25 Catecholderivater samt forebyggende og terapeutisk praeparat omfattende samme mod regressive sygdomme i centralnervesystemet
US07/481,677 US4985458A (en) 1986-09-26 1990-02-20 Catechol diacetate derivatives for inducing the production of nerve growth factor to treat degenerative diseases in the central nervous system
US07/606,817 US5102906A (en) 1986-09-26 1990-10-31 Catechol derivatives, and preventive and remedial preparations for regressive disorders in the central nervous system containing the same
US07/801,866 US5214034A (en) 1986-09-26 1991-12-03 Catechol derivatives, and preventive and remedial preparations for regressive disorders in the central nervous system containing the same
NO921475A NO921475D0 (no) 1986-09-26 1992-04-13 Analogifremgangsmaate for fremstilling av terapeutisk aktive catecholderivater

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61226135A JPS6383020A (ja) 1986-09-26 1986-09-26 中枢性神経退行性疾患の進行防止および治療剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6383020A true JPS6383020A (ja) 1988-04-13
JPH0529207B2 JPH0529207B2 (ja) 1993-04-28

Family

ID=16840397

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61226135A Granted JPS6383020A (ja) 1986-09-26 1986-09-26 中枢性神経退行性疾患の進行防止および治療剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6383020A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012157612A1 (ja) * 2011-05-19 2012-11-22 国立大学法人徳島大学 細胞分化誘導剤および分化誘導方法
US9730497B2 (en) 2012-04-24 2017-08-15 Grand Rainbow International Limited Closure for article, in particular for jewelry

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012157612A1 (ja) * 2011-05-19 2012-11-22 国立大学法人徳島大学 細胞分化誘導剤および分化誘導方法
US9730497B2 (en) 2012-04-24 2017-08-15 Grand Rainbow International Limited Closure for article, in particular for jewelry
US9955758B2 (en) 2012-04-24 2018-05-01 Grand Rainbow International Limited Jewelry item, method of manufacturing a closure for jewelry item, finding for an earring, kit of parts forming the finding, and earring constructed from the kit

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0529207B2 (ja) 1993-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3195581B2 (ja) 2−プロピルペンタン酸を含有する薬剤
Zhou et al. Polysaccharides from Lycium barbarum ameliorate amyloid pathology and cognitive functions in APP/PS1 transgenic mice
DE60209504T2 (de) Carbocyclische hydrazino-hemmer von kupferhaltigen aminoxidasen
EP3457851B1 (en) Derivatives of sobetirome
JP5927236B2 (ja) 乾癬を予防または低減する方法
JPH1059852A (ja) 関節症の治療を目的とする医薬組成物の製造のためのストロンチウム塩の用途
JP4970932B2 (ja) コレスト−4−エン−3−オンの誘導体の医薬としての使用、これらを含む医薬組成物、新規誘導体及びそれらの製造方法
KR20060130730A (ko) 파킨슨 플러스 증후군의 예방 및 치료를 위한 로티고틴의용도
JP2010528016A (ja) 細胞を刺激するための方法および組成物
US8338410B2 (en) Neuroprotective compounds and pharmaceutical compositions comprising them
JP2021507944A (ja) 運動ニューロン疾患を含む神経障害のための組成物および治療方法
KR101851603B1 (ko) 신경염증제어를 통한 파킨슨 질환 예방 또는 치료용 조성물
AU2005314935A1 (en) Preventive or therapeutic agent for sleep disorder
DE69925270T2 (de) Mittel zur linderung von juckreiz, enthaltend pgd2- antagonisten
JP2012529477A (ja) 5’−メチルチオアデノシンの神経保護特性
DE69618765T2 (de) Verwendung von kompocedinderivaten zur inhibierung der bildung oder sekretion von beta-amyloid-protein
JPS6383020A (ja) 中枢性神経退行性疾患の進行防止および治療剤
JPH07508258A (ja) モノシアロガングリオシドgm↓1またはその誘導体を含有する,パーキンソン病の治療に適する医薬組成物
Quan et al. Hydralazine plays an immunomodulation role of pro-regeneration in a mouse model of spinal cord injury
JP7295145B2 (ja) 神経変性疾患を治療するための医薬及びその使用
JPH04226918A (ja) ジピリダモールの新規用途
DE112020006237T5 (de) Deuterierte Analoga von Selenophenochromenen, deren Synthese und Verfahren zur Verwendung dieser Mittel
JPH09510467A (ja) 興奮毒性に関連した神経病理学的な状態において神経保護作用を行う薬剤の製造におけるアミノアルコールのn−アシル誘導体の使用
TW383337B (en) Process of making (2S,5S)-5-fluoromethylornithine
RU2799454C2 (ru) Терапевтический препарат для лечения нейродегенеративных заболеваний и его применение