JPS638276Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、収納位置と引き出し位置との間で前
後移動可能なスライドテーブルを備えた棚の改良
に関するものである。

以下、本考案に係るスライドテーブル付き棚の
基本構成を例示図第１図乃至第３図に基づいて説
明する。１はスライドテーブルであつて、その後
端近傍両側部には、ガイドローラー２が水平軸３
で軸支され、このガイドローラー２の直前位置に
は、サイドガイドローラー４が垂直軸５で軸支さ
れている。又、両側下部には、後端近傍位置と前
端とにおいてストツパー６，７が下向きに突設さ
れ、一側部には、係止プレート８と係止片９とが
横向きに突設されている。

１０は、スライドテーブル１の左右両側に隣接
するように、棚枠１１に架設された溝形ガイドレ
ールであつて、スライドテーブル１のガイドロー
ラー２及びサイドガイドローラー４が嵌合し、こ
のガイドローラー２を支持する上向面１０ａと、
ガイドローラー２の浮き上がりを防止する下向面
１０ｂ、及びサイドガイドローラー４に近接する
横向面１０ｃを有する。１２は、スライドテーブ
ル１の左右両側辺の下側面を支持する支持ローラ
ーであつて、ガイドレール１０の前端取付用ブラ
ケツト１７に、水平軸１３により軸支されてい
る。１４は、支持ローラー１２の上方位置で棚枠
１１に垂直軸１５で軸支されたサイドガイドロー
ラーであり、スライドテーブル１の左右両側面に
近接する。１６は、スライドテーブル１の係止プ
レート８及び係止片９に係合可能なアンチバツク
ストツパーであつて、前記ガイドレール１０の前
端取付用ブラケツト１７に水平回転軸１８を介し
て上下揺動自在に軸支されている。１９は前記ス
トツパー１６の解除操作用つまみである。

第１図実線及び第２図に示すように、スライド
テーブル１が、ストツパー７が支持ローラー１２
に当接する収納位置にあるときには、スライドテ
ーブル１の前端部が支持ローラー１２によつて支
持され、後端部は、ガイドローラー２を介してガ
イドレール１０の上向面１０ａによつて支持され
ている。そしてアンチバツクストツパー１６は、
係止プレート８の直前位置でガイドレール１０上
に当接し、自重によつて斜め後方下方に指向した
状態に保持されているので、スライドテーブル１
の前方への移動は、このアンチバツクストツパー
１６と係止プレート８の前端とが当接して阻止す
る。

スライドテーブル１を前方に引き出すときは、
つまみ１９により、アンチバツクストツパー１６
を上方に回動させた状態で、スライドテーブル１
を前方に引き出せば良い。このとき、スライドテ
ーブル１とこれに載せられている荷の全体の重心
位置が、支持ローラー１２よりも前方に移動した
以後は、スライドテーブル１に前下がりのモーメ
ントが作用するので、ガイドローラー２がガイド
レール１０の下向面１０ｂに当接する。スライド
テーブル１は、ストツパー６が支持ローラー１２
に当接する出限位置まで引き出す事ができる。

以上のようなスライドテーブル付き棚におい
て、前記溝形ガイドレール１０を水平に架設する
と、当該ガイドレール１０の上向面１０ａと下向
面１０ｂとの間の間隔がガイドローラー２の直径
よりも若干大きいために、第１図仮想線で示され
るように、スライドテーブル１が引き出し位置に
到達して、ガイドローラー２と支持ローラー１２
とが接近した状態では、スライドテーブル１のた
わみが全く無いものとしても、又、上向面１０ａ
と下向面１０ｂとの間隔とガイドローラー２の直
径との差が僅かであつても、スライドテーブル１
が比較的顕著に前下がりに傾斜する事になる。実
際には、スライドテーブル１自体も、自重と荷重
とによつて支持ローラー１２を支点にして前下が
りにたわむため、全体としてスライドテーブルの
前下がり現象は顕著に生じる。この結果、特に重
量物を載置した場合、スライドテーブル１を引き
出し位置から第１図実線で示す収納位置へ押し込
む作業に大きな力を必要とし、或いはその作業が
非常に困難になる。

本考案は、このような欠点を解消する事を目的
とするものであり、その一実施例を第４図及び第
５図に基づいて説明すると、ガイドレール１０が
角度θだけ前下がりに傾斜せしめられる。勿論、
ガイドレール１０の後端位置は、収納位置にある
スライドテーブル１が水平状態となるように設定
される。そしてガイドレール１０の前端側は、ス
ライドテーブル１が収納位置にあるときのガイド
ローラー２が、そのまま水平にスライドテーブル
引き出し相当位置Ａまで移動したと仮定して、そ
の位置Ａのガイドローラー２の上面より下向面１
０ｂが若干低くなるように設定される。

この構成によれば、スライドテーブル１を第５
図に示すように前方に引き出したとき、スライド
テーブル１が重心の移動により支持ローラー１２
を支点に前下がりに運動して、ガイドローラー２
がガイドレール１０の下向面１０ｂに当接した以
後は、スライドテーブル１の引き出しに伴つて、
下向面１０ｂの前下がり傾斜によりガイドローラ
ー２を介してスライドテーブル１の後端部が押し
下げられ、スライドテーブル１が前上がりに傾斜
する事になる。この上向きの傾斜の程度は、スラ
イドテーブル１自体に生じる自重及び荷重による
下向きのたわみ変形量より若干大きい程度とす
る。

本考案は以上のように実施し得るものであつ
て、その特徴は、スライドテーブルの左右両側に
位置する棚枠の前端近傍位置に夫々支持ローラー
を軸支すると共に、両棚枠に前後方向の溝形ガイ
ドレールを架設し、スライドテーブルの左右両側
辺の下側面を前記両支持ローラー上に載置すると
共に、当該スライドテーブルの左右両側辺の後端
近傍位置に軸支したガイドローラーを前記両溝形
ガイドレールに夫々遊嵌して成る棚であつて、前
記両溝形ガイドレールを前下がりに傾斜させ、引
き出し位置にあるスライドテーブルが前上がりに
傾斜するようにした点にある。

このような本考案の構成によれば、棚枠側の左
右一対の溝形ガイドレールそのものを前下がりに
傾斜させて取り付けるだけで、引き出したスライ
ドテーブルを前上がりに傾斜させることが出来る
ので、重量物を載置した場合でもスライドテーブ
ルを軽く容易に収納位置へ押し込むことが出来る
ので、特殊なガイドレールを必要とする場合と比
較して、スライドテーブル側にガイドレールが不
要であることと相俟つて構造が極めて簡単とな
り、非常に安価に実施することが出来る。

尚、アンチバツクストツパー１６を使用する場
合、ガイドレール１０の前下がり傾斜によつて、
第１図に示すように当該トツパー１６をガイドレ
ール１０の上面に当接させる事ができないとき
は、第４図及び第５図に示すように、このストツ
パー１６の姿勢規制用ストツパー２０を別に設け
れば良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の構成を示す縦断側面図、第２図
は同平面図、第３図は同縦断正面図、第４図は本
考案一実施例の縦断側面図、第５図はスライドテ
ーブル引き出し状態の縦断側面図である。 １……スライドテーブル、２……ガイドローラ
ー、４，１４……サイドガイドローラー、６，７
……ストツパー、１０……ガイドレール、１０ａ
……上向面、１０ｂ……下向面、１２……支持ロ
ーラー、１６……アンチバツクストツパー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スライドテーブルの左右両側に位置する棚枠の
   前端近傍位置に夫々支持ローラーを軸支すると共
   に、両棚枠に前後方向の溝形ガイドレールを架設
   し、スライドテーブルの左右両側辺の下側面を前
   記両支持ローラー上に載置すると共に、当該スラ
   イドテーブルの左右両側辺の後端近傍位置に軸支
   したガイドローラーを前記両溝形ガイドレールに
   夫々遊嵌して成る棚であつて、前記両溝形ガイド
   レールを前下がりに傾斜させ、引き出し位置にあ
   るスライドテーブルが前上がりに傾斜するように
   した、スライドテーブル付き棚。