JPS638188Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、脱穀処理能力を増大するために、扱
室に加え、処理室を設けてある脱穀装置で、詳し
くは、扱室の横一側部に、処理胴を内装した処理
室を、それによる被処理物移送方向が前記扱室に
よる被処理物移送方向と同一又はほぼ同一となる
状態に設けるとともに、前記処理室の移送終端部
に排出口を形成し、前記処理室の処理胴上部空間
部に、二番物を移送終端部から移送始端部側に向
つて飛散供給する二番物還元装置を設け、かつ、
前記処理室内の移送方向中間部にまで移送されて
くる被処理物を処理胴の回転作用をもつて前記扱
室内の移送方向中間部に供給させる連通口を設け
て、さらに、前記処理室内で、かつ、前記連通口
に対応する箇所に、前記処理胴の上側を覆う遮閉
板を設けてある脱穀装置に関する。

かかる脱穀装置は、処理室内への二番物の飛散
供給作用によつて穀物や小枝梗を多く含む重い二
番物ほど被処理物移送方向上手側にまで失速させ
ずに飛翔させて、連通口に対して被処理物移送方
向の上手側部分と下手側部とで、穀物や小枝梗を
多く含む二番物と少ない二番物とを別々に処理さ
せ、かつ、連通口よりも被処理物移送方向上手側
において処理された被処理物を連通口を介して扱
室内に供給させて、連通口よりも被処理物移送方
向下手側での処理負荷を軽減させ、もつて、処理
室内での二番物処理性能の向上が図れるように構
成されたものであるが、従来のように、処理胴上
部を被処理物移送方向全長に亘つて二番物還元用
の上部空間部に開放させた場合には、連通口に対
応する処理胴部分に供給された二番物が、その処
理胴の回転作用をもつて処理室で処理せずに未処
理状態のまま連通口を介して扱室内に供給されて
しまう欠点があつた。

本考案は、かかる欠点を、簡単な構造付加によ
つて解消しようとする点に目的を有する。

本考案による脱穀装置は、前記処理室内で、か
つ、前記連通口に対応する箇所に、前記処理胴の
上側を覆う遮閉板を設けるとともに、二番物還元
装置からの二番物が送り込まれる開口部を遮閉板
よりも高位に設け、その開口部に向いたがわの遮
閉板の端辺に、処理胴の外周面に植設された処理
歯の列間に突入して外周面に近接するように仕切
壁を連設してあることを特徴とする。

このような特徴構成によれば、二番物還元装置
による飛散供給二番物が連通口に対応する処理胴
部分に上方及び側方から供給されることを、遮閉
板と仕切壁とにより阻止できるから、仕切壁付遮
閉板を設けるといつた簡単な構造付加によつて、
処理室内に飛散供給された二番物が未処理状態の
まま連通口を介して扱室内に供給されてしまうこ
とを確実に防止できる。しかも、仕切板により、
飛散供給二番物が連通口に対応する処理胴部分へ
軸芯方向から供給されることを阻止するから、遮
閉板のみによつて、二番物の前記処理胴部分への
供給を阻止する場合のように、遮閉板を、処理胴
の軸線方向に沿つて被処理物移送方向下手側に長
く延長させる必要がなく、従つて、二番物の連通
口よりも被処理物移送方向下手側への飛散供給範
囲を遮閉板によつて極端に狭めてしまうことがな
くて、被処理物移送方向下手側での所期の処理を
良好、確実に行なえる。その上、遮閉板により、
連通口位置にまで移送されてきた被処理物を連通
口側に案内させることができるから、連通口位置
にまで移送されてきた被処理物の扱室内への供給
を確実化させて、その被処理物が引き続き移送さ
れることによる被処理物移送方向下手側での処理
負荷の増大を防止できる。

従つて、本考案は、処理室での処理性能を大巾
に向上して、扱室に加え、処理室を設けたことに
よる脱穀能力アツプを真に実現できるに至つた。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

脱穀装置は、挟持レール１との協働で被脱穀穀
稈を横向き姿勢で挟持搬送するフイードチエーン
２、このフイードチエーン２による挟持搬送穀稈
に作用する扱胴３Ａを内装し、かつ、この扱胴３
Ａによる扱ぎ物（被処理物）の移送方向がフイー
ドチエーン２による挟持搬送方向とほぼ同一とな
る状態に設けられた扱室３、処理胴４Ａを内装
し、この処理胴４Ａによる被処理物移送方向が前
記扱室３による被処理物移送方向と同一となる状
態で、前記扱室３の横一側部に設けられた処理室
４、これら両室３，４からの落下物を選別処理す
る選別部５、選別一番物を回収する搬出スクリユ
ー６Ａ付きの一番物回収部６、選別二番物を回収
する搬出スクリユー７Ａ付きの二番物回収部７及
び、この二番物回収部７から搬出されてくる二番
物を、前記処理室４の処理胴４Ａ上部空間部４Ｂ
移送終端部から移送始端部に向つて飛散供給する
二番物還元装置８を備えている。

前記扱室３及び処理室４は、同一の軸芯方向長
さに構成され、これら両室３，４の移送終端部に
は、夫々、前記扱胴３Ａ及び処理胴４Ａの下側周
部に沿つて張設した受網３ａ，４ａを切欠くこと
により、受網３ａ，４ａの孔を通過せずに移送終
端部にまで移送されてくる被処理物を落下させる
排出口３ｂ，４ｂが形成され、かつ、両室３，４
の隔室には、処理室４内の移送方向中間部にまで
移送されてくる被処理物を処理胴４Ａの回転作用
をもつて扱室３内の移送中間部に供給させる連通
口９が形成されている。

前記扱胴３Ａ及び処理胴４Ａは同一方向に回転
するものであつて、扱胴３Ａ及び処理胴４Ａの周
面には夫々、扱歯３ｃ……群及び処理歯４ｃ……
群が胴回転に伴なつて被処理物を前記の方向に移
送する状態に植設されている。

前記選別部５は、前記扱室３による被処理物移
送方向と同一方向に被処理物を移送しながら選別
する揺動選別装置５Ａと、選別気流発生用唐箕５
Ｂとを備えている。

前記二番還元装置８は、二番物を跳ね上げる回
転羽根８Ａと、跳ね上げ二番物を案内する筒８Ｂ
とを備えたスロワであり、これによる処理室４内
への二番物の飛散供給は、穀物や小枝梗等の重い
二番物ほど失速せずに遠くまで飛ばされる状態で
行なわれる。つまり、二番物は、その飛散供給に
よつて比重選別される。

而して、前記処理室４内で、かつ、前記連通口
９に対応する箇所に、前記処理胴４Ａの上側を覆
う遮閉板１０を設けるとともに、前記筒８Ｂから
前記処理室４へ二番物が送り込まれる開口部８Ｃ
は遮閉板１０よりも高位に設け、その開口部８Ｃ
に向いたがわの前記遮閉板１０の遊端部を前記処
理歯４ａ……の隣接間に突入させて処理胴４Ａの
外周面に近接する状態に突出する第１仕切壁１１
を遮閉板１０に連設し、かつ、前記遮閉板１０の
被処理物移送方向上手側端辺から処理胴４Ａ側に
向つて、その遊端部を処理歯４ａ……先端部に対
して適宜間隔を隔て位置させる状態に突出する第
２仕切壁１２を遮閉板１０に連設する。

上記実施例構成によれば、遮閉板１０により、
連通口９に対応する処理胴４部分に上方から飛散
供給二番物が供給されることを阻止でき、遮閉板
１０下面により、処理室４から連通口９への被処
理物供給を案内でき、第１仕切壁１１により、前
記連通口９に対応する処理胴４部分に前記開口部
８Ｃから処理室４内に飛散しながら送り込まれる
二番物が供給されることを阻止でき、前記第１仕
切壁１１遊端部が処理歯４ａ……隣接間に突入す
ることにより、連通口９位置にまで移送されてき
た被処理物の連通口９よりも下手側への移送を阻
止して、その被処理物を連通口９に案内でき、第
２仕切壁１２により、被処理物の前記連通口９位
置側への移送を許容する状態で、飛散供給二番物
が前記連通口９に対応する処理胴４部分に移送上
手側から供給されることを防止できる。さらに、
前記開口部８Ｃは前記遮閉板１０よりも高位に設
けてあるので、低位に設けるものより、二番物が
開口部８Ｃより遠方に飛散するため、開口部８Ｃ
側を被処理物の移送下手側とするこの脱穀装置で
は、二番物の処理時間が長くなつてより能率的に
二番物が処理されることになる。これによつて、
飛散供給二番物が連通口９に対応する処理胴４部
分に直接に供給されて、処理されずに扱室３内に
供給されてしまうことを防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は縦断正面図、第２図は縦断側面図、第
３図は第２図での−線断面図である。 ３……扱室、４Ａ……処理胴、４……処理室、
４ｂ……排出口、４ｃ……処理歯、８……二番物
還元装置、８Ｃ……開口部、９……連通口、１０
……遮閉板、１１……仕切壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扱室３の横一側部に、処理胴４Ａを内装した処
   理室４を、それによる被処理物移送方向が前記扱
   室３による被処理物移送方向と同一又はほぼ同一
   となる状態に設けるとともに、前記処理室４の移
   送終端部に排出口４ｂを形成し、前記処理室４の
   処理胴４Ａ上部空間部４Ｂに、二番物を移送終端
   部から移送始端部側に向かつて飛散供給する二番
   物還元装置８を設け、かつ、前記処理室４内の移
   送方向中間部にまで移送されてくる被処理物を被
   処理胴４Ａの回転作用をもつて前記扱室３内の移
   送方向中間部に供給させる連通口９を設けてある
   脱穀装置において、前記処理室４内で、かつ、前
   記挿入通口９に対応する箇所に、前記処理胴４Ａ
   の上側を覆う遮閉板１０を設けるとともに、前記
   二番物還元装置８からの二番物が送り込まれる開
   口部８Ｃを前記遮閉板１０よりも高位に設け、そ
   の開口部８Ｃに向いたがわの前記遮閉板１０の端
   辺に、前記処理胴４Ａの外周面に植設された処理
   歯４Ｃ…の列間に突入して前記外周面に近接する
   ように仕切壁１１を連設してあることを特徴とす
   る脱穀装置。