JPS637098Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はいす、特にスツールに関する。

（従来技術） 従来この種のスツールに関して、例えば実公昭
56−21014号公報に見られるように、座受基板の
下面に凹設した溝に、パイプ製の脚杆の上端の水
平取付部を嵌合させることによつて、脚杆を座受
基板に安定に取り付けるようになされたものが知
られている。しかし、この構造によれば円板状鋼
板からなる座受基板の下面側に上記脚杆嵌合用の
溝を形成するものであるから、同基板の上面に上
記溝に対応する膨隆部があらわれるものとなる。
このため、座受基板上に直接クツシヨン部材を配
置することはできず、別途鋼板製等の上面がフラ
ツトな座枠板を介してクツシヨン部材を配置する
ことが必要であつた。このことは座部の構成を複
雑化し、コストアツプにつながるのみならず、座
部の厚さが厚いものとなり、スタツキング時のコ
ンパクト化を充分果すことができず、運搬、保管
上も不利であつた。また、座受基板に対する脚杆
の取付状態を強固に保つためには、複数本の脚杆
を中央部で一括的に拘束するための挾着部材を必
要とし、それをねじ止めなければならないのに加
えて、各脚杆自体もそれぞれ別個に座受基板にね
じ止め固定しなければならず、ねじ止め個所が多
くなつて組立製造上不利なものであつた。更に
は、上記のような比較的多数個所のねじ止めにも
拘らず、なお脚杆の固定状態は完璧なものとはい
えず、使用のうちに脚杆の取付にがたつきを生じ
易い欠点があつた。

（考案の目的） この考案は、上述の欠点に鑑み、組立製造上の
みならず、保管、運搬上も有利でかつ丈夫な簡易
構造のスツールを提供することを目的とするもの
である。

（考案の構成） 以下、この考案を図示実施例に基づいて説明す
る。

この考案は、円板状座受基板１と、略下向きコ
字状の一対の脚杆２，２とからなり、これらが１
つの押さえ板３と１本のねじ４により固定され組
立てられたものである。

上記脚杆２は金属パイプ製であり、その横杆部
２ａの両端から湾曲状屈曲部２ｂを介して、脚部
２ｃが下方に延長されて略下向きコ字状に形成さ
れたものである。前記横杆部２ａは、僅かに下方
湾曲状に形成されており、後述のねじ止めと相俟
つて第１図の鎖線で示すような脚部２ｃの傾動を
効果的に防止するようになつている。かつ両脚杆
２の上記横杆部２ａの中央部には互いに上下逆向
きの圧潰凹部２ｄ，２ｄが形成され、該圧潰凹部
２ｄ，２ｄを互いに噛み合わせることにより、横
杆部２ａ，２ａを略同一平面で十字形に交叉させ
て両脚杆２，２が組み合わされている。

上記座受基板１は、円板状鋼板からなるもの
で、その周縁に斜め下方に湾曲せられた下方折曲
縁１ａを有し、かつ該下方折曲縁１ａには脚杆
２，２の湾曲状屈曲部２ｂ，２ｂ，２ｂ，２ｂと
対応する位置に外方膨隆状の抱管部１ｂ，１ｂ，
１ｂ，１ｂが形成されている。該膨隆状の抱管部
１ｂは第１図ないし第４図に示すように、前記下
方折曲縁１ａの一部を断面略逆Ｕ字状にプレス成
形することにより、外方膨隆状に形成されたもの
で、脚杆２の湾曲状屈曲部２ｂと密に嵌合する形
状のものとなされている。従つて、これらに脚杆
２，２の湾曲状屈曲部２ｂを嵌め合わせた状態に
おいて、図に示すＸ方向およびＹ方向への前記座
受基板１に対する脚杆２の遊動を絶対的に防止し
うるものとなつている。

押さえ板３は小さい円板状鋼板からなり、その
周縁部に立上がり縁３ａを有すると共に、中央部
に上方に膨出せしめた凸部３ｂを有し、かつ該凸
部３ｂの中心部にねじ穴３ｃが形成されたものと
なされている。

而して、この考案に係るスツールは、脚杆２，
２の横杆部２ａ，２ａを前記のようにＸ字形に交
叉させ、その上に前記座受基板１を載せて、その
膨隆状抱管部１ｂ，１ｂ，１ｂ，１ｂに脚杆２の
湾曲状屈曲部２ｂ，２ｂ，２ｂ，２ｂを密に嵌合
せしめると共に、前記押さえ板３を前記横杆部２
ａ，２ａの交叉部分の下面に当てがい、ねじ４を
前記座受基板１の中心部から前記横杆部２ａ，２
ａの圧潰凹部２ｄ，２ｄの交点部分にそれぞれ穿
設されたねじ挿通穴１ｃ，２ｅ，２ｅを通じて、
前記押さえ板３のねじ穴３ｃにねじ込むことによ
り、前記座受基板１と脚杆２，２とを一体的に固
定し組み立てられたものとなされている。

（考案の効果） この考案は、周縁に下方折曲縁１ａを有する円
板状座受基板１と、横杆部２ａの両端から湾曲状
屈曲部２ｂを介して脚部２ｃが下方に延長された
略下向きコ字状の一対の脚杆２，２とからなり、
該脚杆２が前記横杆部２ａを十字形に交叉させて
該交叉部分を前記座受基板１の中央部にねじ止め
固定されると共に、脚杆２の前記屈曲部２ｂが、
座受基板１における前記下方折曲縁１ａの対応位
置に設けられた膨隆状の抱管部１ｂに密に嵌合さ
れたものとなされているから、構成部材点数が極
めて少なくて足り、構造の顕著な簡略化を達成し
うる。

また、１本のねじ４を締めるだけで簡単に組み
立てることができものであるから、組立工数が少
なく、生産性に優れていて、前記部材点数の少な
いことも相俟つて、大幅なコストダウンを実現し
うる。かつ、１本のねじ４で組立てうるにも拘わ
らず、前記座受基板１の膨隆状の抱管部１ｂ，１
ｂ，１ｂ，１ｂに、脚杆２，２の屈曲部２ｂ，２
ｂ，２ｂ，２ｂが密に嵌合されるため、第１図に
示すＸ方向およびＹ方向への脚杆２，２の前記座
受基板１に対するずれを極めて効果的に防止し
得、かつ横杆部２ａの中央に位置するねじ４の存
在と相俟つてＺ方向への脚部２ｃの揺れも効果的
に防止でき、極めて強固な組立状態、ひいては脚
杆の取付状態を実現し得てガタつきの生ずるおそ
れを皆無のものとなしうる。

更に、この考案によれば前記座受基板１の外側
に脚杆２の脚部２ｃを位置せしめることができる
ため、スタツキングが可能となるのはもとより、
座受基板上がフラツトなため同基板上に直接クツ
シヨン部材を配置し、あるいはそれを省略して座
受基板を直接座板として実用可能なものとするこ
とができると共に、いずれの場合も座部の厚さを
薄いものとなしうることにより、スタツキング時
のコンパクト化の要請を満たし、運搬、保管にも
好都合なものを提供しうる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
は全体の斜視図、第２図は分解した状態の斜視
図、第３図は第１図−線断面図、第４図は要
部の斜視図である。 １……円板状座受基板、１ａ……下方折曲縁、
１ｂ……膨隆状抱管部、２……脚杆、２ａ……横
杆部、２ｂ……湾曲状屈曲部、２ｃ……脚部、３
……押さえ板、４……ねじ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 周縁に下方折曲縁１ａを有する円板状座受基板
   １と、横杆部２ａの両端から湾曲状屈曲部２ｂを
   介して脚部２ｃが下方に延長された略下向きコ字
   状の一対の脚杆２，２とからなり、該脚杆２が前
   記横杆部２ａを十字形に交叉させて該交叉部分を
   前記座受基板１の中央部にねじ４止め固定される
   と共に、脚杆２の前記屈曲部２ｂが、前記座受基
   板１における前記下方折曲縁１ａの対応位置に設
   けられた外方膨隆状の抱管部１ｂに密に嵌合され
   てなるスツール。