JPS636746Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、感光性のフイルム・樹脂板・金属板
等の製版材料にフイルム等の透過型原稿を密着焼
付けする装置に関し、さらに詳細には一枚の製版
材料に同一の画像を複数個焼付けるようにした密
着焼付装置に関する。

従来、この種の装置はいわゆる殖版機と呼ば
れ、例えばガラス板にネガを貼りつけ、ネガまた
は版を移動させるようにして一枚の版に複数の同
一画像を焼付けるようにしたしたもの等、種々の
装置が知られている。

しかしながら、従来装置はいずれも、例えば版
をガラス板に密着させたり、あるいは製版材料に
対する原稿の位置決め等が面倒かつ不確実であつ
て、焼付け作業を迅速に行なうことができなかつ
た。

一方、従来、焼付台上に整置された製版材料上
に透過型原稿を整合させ、この上に可撓性透明シ
ートを覆い重ねて密封状態とし、これを真空ポン
プ等で排気してシート内部を真空とし、更にシー
ト上部を転動するスクイジーローラでスクイズし
て原稿を製版材料に密着させ、可撓性透明シート
上から光照射して焼付けを行なう密着焼付方法が
行なわれている。

本考案の出願人は、製版材料と原稿との密着性
の維持と、製版材料を自動供給するなどして、同
一原稿から複数の製版材料へ焼付ける作業におけ
る原稿の位置整合を容易にして作業の能率化を図
るため、先に特開昭54−141633号公報において、
原稿を可撓性透明シートに固定して上記の焼付方
法を行なうことを、またかゝる方法を実施するた
めの装置を実開昭55−12281号公報において、そ
れぞれ提案した。

上述したように、この密着焼付装置は、同一の
原稿を用いて複数枚の製版材料に画像を一つずつ
焼付けるものであつて、前述したような、一枚の
製版材料に同一の画像を複数個焼付けるものでは
なかつたが、本考案者らは、前記従来装置の有す
る欠点を鑑み、この密着焼付装置によるときは、
上述したような、製版材料に対する原稿の位置決
め、あるいは製版材料の焼付台に対する密着性が
向上される点に着目して、この装置を殖版機に転
用することを想定するに至つた。

本考案は上述したような背景のもとになされた
ものであり、本考案の目的は、焼付台上に整置さ
れた製版材料上に原稿を整合させ、この上に可撓
性透明シートを覆い重ねてから排気手段により該
可撓性透明シートの内部を密封し、かつ、この上
部を転動するスクイジーローラによりスクイズし
て前記原稿を前記製版材料上に密着させて露光す
るようにした密着焼付装置において、前記原稿を
前記製版材料と整合する位置に止着した前記可撓
性透明シートの一端を係止するシート端固定手
段、その他端を緊張保持するシート緊張手段、露
光手段及び前記製版材料とを前記スクイジーロー
ラの転動方向と直角な方向に相対的に往復移動可
能に設けて成ることを特徴とする密着焼付装置を
提供することにある。

以下、図示した実施例装置にて本考案を詳述す
る。

第１図は本考案の一実施態様である密着焼付装
置の正面断面図、第２図は同装置の右側面図であ
る。

図において１は焼付台、２は焼付台１上に整置
された製版材料、３は可撓性を有する透明シー
ト、４は透明シート３の、製版材料２と整合する
位置に止着された原稿、５は焼付台１上面を転動
するスクイジーローラ、６はスクイジーローラ５
を転動せしめるエアシリンダ、７はフレーム、８
はガイドローラ、９，１０は滑車、１１は透明シ
ート３の端部に固定されたベルト、１２はベルト
１１の末端に連結された錘、１３は焼付台１の側
縁に沿つて移動する移動台、１４は移動台１３を
移動せしめるエアシリンダ、１５は透明シート３
の末端を移動台１３に固定するピン、１６はフレ
ーム７に保持された光源、１７は遮光用のカーテ
ンである。

本密着焼付装置は、第３図に平面図で示すよう
に、所定の大きさ（例えば図示するような矩形
状）の一枚の製版材料２に同一の画像Ｐを２個焼
付ける場合の例であつて、前記第２図は、第１の
焼付ステーシヨンS₁で焼付けを行なう場合の状態
を示すものである。

なお図示してないが、焼付台１の上面には減圧
源に通じる吸気孔が設けられており、後述するよ
うに、透明シート３が原稿２を完全に覆つた時点
で該透明シート３の内部が密封減圧されるように
なつている。

このように、本密着焼付装置においては、透明
シート３の末端を係止した移動台１３にスクイジ
ーローラ５が載置され、また移動台１３に固定さ
れたフレーム７にガイドローラ８、滑車９，１０
及び光源１６が連結されているので、移動台１３
がエアシリンダ１４によつて第１の焼付ステーシ
ヨンS₁から第２の焼付ステーシヨンS₂に移送され
ると、これらのローラ類及び露光手段は全て第２
の焼付ステーシヨンS₂に移される。一方、スクイ
ジーローラ５はエアシリンダ６によつて、移動台
１３の移動方向と直角な方向に移送される。この
ときスクイジーローラ５は自重により常に焼付台
１の上面を押圧するように設けられているので、
エアシリンダ６の作動により、焼付台１上面を転
動しながら、第１図に点線で示すように移動す
る。この結果、焼付台１に整置された製版材料２
の上面は原稿４、透明シート３の順で覆われる。
なお、透明シート３にはベルト１１及び錘１２か
ら成る緊張手段によつて常に一定の張力が与えら
れており、また該透明シート３がスクイジーロー
ラ５によつて展開された後には前記減圧手段によ
つて透明シート３内部が減圧されるので、原稿４
は製版材料２の上面に完全に密着される。以上の
準備が終了した時点で光源１６により露光し、か
くして所定の焼付け作業が終る。

本密着焼付装置は以上の操作を繰り返すことに
より、第１の焼付ステーシヨンS₁から第２の焼付
ステーシヨンに移つて同一の画像Ｐを一枚の製版
材料２に焼付ける。なお、遮光用のカーテン１７
は、ステーシヨンS₁とステーシヨンS₂の略中央部
の、製版材料２を実質上長さ方向に二分する位置
に設けられていて、ステーシヨンS₁における露光
時に、ステーシヨンS₂に位置する製版材料２に光
が照射されることを同様にステーシヨンS₂におけ
る露光時に、ステーシヨンS₁に位置する製版材料
２に光が照射されることを防止している。

以上の操作は周知のシーケンスを組むことによ
り、これを自動的に行なうことは容易であり、ま
た必要によりマニユアルで行なうことも可能であ
ることは云うまでもない。

以上に詳述したように、本密着焼付装置によれ
ば、製版材料に対する原稿の密着及び位置整合を
確実に行なうことができる上に、簡単な装置構成
のもとに同一画像を一枚の製版材料に連続して複
数個焼付けることができるので、焼付け作業を迅
速かつ効率よく行なうことができる。

以上、本考案の内容を一実施態様に基づき説明
したが、本考案は必ずしも前記態様に限定される
ものではなく、その構成において次のような変更
が可能である。

前記態様においては、焼付台１を一定位置に固
定し、製版材料２に対し、シート端固定手段、シ
ート緊張手段及び露光手段を具備した移動台１３
をスクイジーローラ５の転動方向と直角な方向に
往復移動させるようにしたが、このとき製版材料
２のみを往復移動させることも可能であり、ま
た、焼付台１自体を移動させるようにしても作用
効果に大差を生じることはない。このように焼付
台１（従つて製版材料２）を移動させる場合に
は、前者に較べ装置構成が大幅に簡単化される
が、版サイズの大きい製版材料を移動させるため
にはそれ相当のスペースが必要となるので、装置
全体が大型化するという多少の難点がある。

また本考案は前記態様のように一枚の製版材料
に対し、２個の同一画像を焼付ける場合に限られ
るものではなく、焼付ステーシヨンを増すことに
より多数個の焼付けが可能となることは説明する
までもない。

以上の通り、本考案によれば同一の画像を一枚
の製版材料に複数個、正確かつ迅速に焼付けるこ
とができ、実用上極めて顕著な効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施態様装置の正面断面
図、第２図はその右側面図、第３図は製版材料に
対する焼付け位置を示す平面図である。 １……焼付台、２……製版材料、３……透明シ
ート、４……原稿、５……スクイジーローラ、６
……エアシリンダ、７……フレーム、８……ガイ
ドローラ、９，１０……滑車、１１……ベルト、
１２……錘、１３……移動台、１４……エアシリ
ンダ、１５……ピン、１６……光源、１７……遮
光カーテン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 焼付台上に整置された製版材料上に原稿を整合
   させ、この上に可撓性透明シートを覆い重ねてか
   ら排気手段により該可撓性透明シートの内部を密
   封し、かつ、この上部を転動するスクイジーロー
   ラによりスクイズして前記原稿を前記製版材料上
   に密着させて露光するようにした密着焼付装置に
   おいて、前記原稿を前記製版材料と整合する位置
   に止着した前記可撓性透明シートの一端を係止す
   るシート端固定手段、その他端を緊張保持するシ
   ート緊張手段、露光手段及び前記製版材料とを前
   記スクイジーローラの転動方向と直角な方向に相
   対的に往復移動可能に設けて成ることを特徴とす
   る密着焼付装置。