JPS6367236B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、煙感知器に煙を供給して作動試験
または感度試験を行なうのに用いる試験装置に関
する。

従来より煙を感知して火災の発生を検出するイ
オン化式煙感知器、光電式煙感知器等の煙感知器
を、煙雰囲気中にさらすことにより作動試験また
は感度試験を行なうのに用いられる試験装置があ
る。例えば線香より立ち上る煙を用いたり、ある
いはフロンガスが充填されたスプレーより発生す
る霧を用いるもの等がある。しかし、前者の線香
を用いるものにあつては、その臭いのため使用に
際して敬遠される場合があり、また火気厳禁の場
所においては使用できず、さらに後者のフロンガ
スを用いるものにあつては、最近米国等において
このガスの毒性等が問題となつており、使用がた
めらわれているのが現状である。

ところで、流動パラフインは常温において無臭
の液体であり、その安全性については食品添加物
として認められている程高いものである。そこ
で、この発明による試験装置では、このような性
状を有する流動パラフインを効率よく霧化させて
煙感知器に供給するようにして上記問題をすべて
解決したものであつて、以下実施例に基づいて詳
細に説明する。

第１図は、この発明による試験装置の一実施例
における使用状態の要部縦断面図であつて、この
試験装置は、大別して煙感知器を収容する収容部
１と、流動パラフイン２を圧電振動子３の超音波
振動により霧化する霧化部と、該霧化部に発生す
る流動パラフインの霧４を上記収容部１に送出す
る電動フアン５からなる送出部の３つの部分から
なり、これらを一体にして筐体６内に組込んだも
のである。さらに詳述すると、上記霧化部は、補
給タンク７より供給されて常に液位が一定に保た
れた液槽８内の流動パラフイン２を、その底部に
設けられた圧電振動子３の超音波振動により霧化
する構造となつている。このように霧化され、液
槽８上部の空間に滞留した流動パラフインの霧４
は、液槽８上部の側壁に穿たれた搬送空気供給口
９から供給される搬送空気によつて、搬送パイプ
１０より収容部１に送出される。上記電動フアン
５は、筐体６の底部に設置され、その周囲には上
記圧電振動子３を駆動するための発振回路部１１
と、この回路部１１および電動フアン５に電源を
供給する電源部１２とが設置されている。上述の
ように各部は筐体６内に一体に組込まれ、この筐
体６は長い操作棒１３の先端に固定されたＵ字形
の支持具１４に揺動自在に軸支されている。この
操作棒１３の手元側には電源スイツチ１５が設け
られており、上記電動フアン５および発振回路部
１１の電源投入は、手元において行なえるように
なつている。なお、上記流動パラフインの補給タ
ンク７は、取り外し自在となつており、筐体６装
着時にはゴムパツキング等の押圧片１６により流
動パラフイン２の液槽８へ通じる流路に連結され
ている。

以上のように構成されたこの発明による試験装
置によつて煙感知器の作動試験を行なうには、天
井面１７等に設置された目的とする煙感知器１８
を、操作棒１３の操作により収容部１内に収容
し、手元の電源スイツチ１５を投入する。この電
源スイツチ１５が投入されると、発振回路部１１
が作動して、圧電振動子３が超音波振動状態とな
り、液槽８内の流動パラフイン２を霧化すると共
に、電動フアン５が作動して液槽８内に搬送空気
供給口９より搬送空気を供給し、液槽８内に滞留
している流動パラフインの霧４を上記収容部１へ
送出する。このようにして送られてきた流動パラ
フインの霧４により、煙感知器１８はその検出機
能が正常であれば、あたかも本物の煙が加えられ
たのと同様に作動する。そして、この流動パラフ
インの霧４は、常温において無臭であり、かつ極
めて安全性の高いものであり、さらに、その発生
過程において一切火気を使用していないので、従
来の試験装置で問題となつていた諸点がすべて解
決された。

次に、この発明による試験装置の他の実施例を
第２図に示す。

第２図は、第１図同様、他の実施例における使
用状態の要部縦断面図であつて、収容部１と、霧
化部および送出部とを分離して比較的かさばる霧
化部および送出部を、肩掛けベルト２０等の携帯
に便利な手段を有する筐体２１内に収め、収容部
１のみを操作棒１３の先端に設置して、その間を
可撓管２２によつて連結することにより操作性を
向上させたものである。基本的な構成部分は前記
実施例と同一であつて、同一部分は同一符号によ
り示してある。

また、この実施例のように、霧化部および送出
部を収容部より分離することにより、補給タンク
７および電源部１２の容量を大きくすることがで
き、長時間の使用に耐え得る試験装置が得られ
る。

なお、上記実施例は通常「加煙試験器」と称せ
られる試験装置であつて、単に煙感知器が作動す
るか否かを判別するために用いられるものであ
り、この外にも試験装置には「感度試験器」と称
せられる試験装置があつて、煙の発生量を可変と
して煙感知器が作動する煙濃度を検出するもので
あるが、この発明による試験装置は、圧電振動子
の駆動制御等により発生する流動パラフインの霧
の濃度を制御することは、比較的容易に行なうこ
とが可能であるため、このような感度試験に際し
てもこの発明の試験装置を採用することは容易な
ことである。

以上のように、この発明による試験装置は、そ
の発生する煙（正確には霧であるが）が無臭かつ
無害であり、その発生手段において火気を使用し
ていないため、従来の試験装置においては欠点と
されていた部分が一挙に改善され、試験作業にお
いて寄与するところは多大なものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は、この発明の実施例を示
し、両図を通じて同一部分は同一符号で示してあ
る。 １８……煙感知器、１……収容部、２……流動
パラフイン、３……圧電振動子、４……流動パラ
フインの霧、５……電動フアン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 煙感知器を収容する収容部と、流動バラフイ
   ンを超音波振動により霧化する霧化部と、該霧化
   部に発生する流動バラフインの霧を上記収容部に
   送出する送出部とよりなることを特徴とする煙感
   知器の試験装置。