JPH07113812B2 - 訓練用煙発生器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明の分野 本発明は訓練用の装置に概略関連する。更に詳しくは、
本発明は全く無毒な煙を形成するのに好適であるが、火
事の煙を模擬する訓練用装置に関する。

従来技術の記載 現実に即した条件の下で如何に火事を処理するかを生徒
に教えるために、無毒な煙を発生する各種の訓練装置が
利用可能である。そのような従来技術の一つの装置は、
有機液体と混和した蒸気を利用し、気化した有機液を生
成し、その気化した有機液を細いオリフイスを介して大
気中に強制的に排出してその結果該蒸気を急冷すること
により、煙を模擬生成するものである。この従来技術
は、煙を生成するという所期の目的に対し満足に機能す
るが、通常は、特に設計の複雑さ、費用に対する効果
性、エネルギー利用の能率、並びに物理的な寸法の観点
から、所望の問題を残している。

加うるに、生徒に如何に火事を処理するかを教える様に
煙を発生するために各種の発煙弾或は発煙用手投弾が市
場で入手できる。従来技術のかかる装置は煙を発生する
という所期の目的に対し良好に作用するが、費用に対す
る効果性、及び発生した煙が非常に毒性のあることもあ
り、人体への安全性の観点から改良すべき点を残してい
る。

チヤーワツト（Charwat）への米国特許第2,882,240号は
主として風洞で使用するための煙発生器を開示している
が、これは油を沸点以下の温度に加熱し、その油の上に
冷風を放出してその蒸気を凝縮させるものである。発生
した煙は比較的径の大きな管を介して除去される。

スーズ（Seuthe）への米国特許第3,234,357号は電気的
に加熱された煙を生成する装置を開示したもので、該装
置においては、毛細状の孔を有する管状要素が或液体中
に吊り下げられており、該毛細状の孔を介して電気的な
加熱要素が延在しており、該液体は加熱された際に気化
して煙を形成する。

フオートネイ（Fortney）への米国特許第3,250,723号は
携帯用発煙器を開示し、これは加熱され且つ煙を生成す
る液体を噴霧する変換要素を有する。空気の流れが変換
器によつて方向づけられ、変換器からの煙の動作を起さ
せる。

本願の発明者への米国特許第4,326,119号は本願と最も
関連する技術である。これは訓練の目的で火事の煙を模
擬するための携帯用電池式電気発煙器を開示し、該発煙
器は気化可能な煙生成液を満した管状金属性のコイルの
端部に接続された端子を有する再充電可能な電池式電源
を含む管状のハウジングを備えている。管状コイルの一
端はハウジングの一端で煙排出口に連通している。該排
出口は可融性の円板で封止されており、開口を有する煙
放出キヤツプに連通している。その内部にある可蒸発性
液体を過熱するのに充分な時間だけ管状コイルにエネル
ギーを印加するために、熱動式又は電子式の電気スイツ
チ装置がハウジング上でコイルと電源との間の回路中に
配置される。管状コイルの熱は可融性円板を溶融し、過
熱した液体を蒸気の模擬煙として、煙放出キヤツプを介
して大気中に放出する。その液体は鉱油、ポリエチレン
グリコール又はプロピレングリコールであつてよい。

本願発明者への米国特許第4,349,723号は火事の煙を模
擬する無毒な煙の発生器を開示しているが、これは温度
的に絶縁された外部ケーシングによつて間隙をもつた関
係にて取り囲まれた内部円筒形胴部を具備し、外部ケー
シングと内部円筒形胴部との間に空気の流路を作り、そ
の流路を介して、電気式空気ヒーターによつて加熱され
た圧縮空気が、該胴部を気化可能な発煙物質の気化温度
以上の温度にまで加熱するように、螺線状に流される。
例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール
200或は鉱油のような発煙物質は貯蔵器から、該胴部と
ハウジングの間の空間に配置されているコイル状の予熱
部をもつた供給パイプを介してポンプで送られて、そし
て幅の広い散布噴霧ノズルを介して気化室に噴霧され、
該気化室において該発煙物質は、無毒な煙として気化さ
れ且つ排出される。

アルバルダ（Albarda）への米国特許第4,477,395号は、
患者に供給される液化麻酔薬と呼吸ガスとを混和する装
置を開示するものである。その装置は液化麻酔薬と呼吸
ガスを受けるための流入口と、混合されたものを供給す
る流出口を有する混合室を含む。供給ラインは液化麻酔
薬の流入口に、麻酔及び呼吸ガスの流入温度を等しくす
るための熱交換器を具備している。温度検出器が流入口
及び流出口に設けられており、流入口及び流出口の温度
の差を測定する回路を具備している。該混合室を加熱し
なければ、この温度差は蒸発した麻酔薬と呼吸ガスとの
間の比に比例する。該混合室を加熱して流入及び流出の
温度を等しくすると、加熱の量は該混合室への麻酔薬の
流量に比例する。

本発明の概要 本発明は従来技術の欠点を克服するもので、無毒な煙を
発生する最適にして比較的簡単な携帯用煙発生器を構成
するものである。

本発明は簡単な要素の煙発生器システムとして利用され
る長い、コイル状の肉薄の管を含む。その管は熱を一様
に管の全長に亘つて分配する電気導体として、そして種
々の気化段階を通じて加熱される発煙剤材料のための導
管並びに熱交換機として作用する。更にその管は、温度
制御器と共同して温度検出要素としても作用する。温度
制御器はヒーター要素の抵抗率の変化を利用して適当な
設定温度を維持し、平衡ブリツジ回路を経て抵抗管にお
ける電流を制御する。煙の微粒子は、周囲空気の中で過
熱された蒸気の凝縮により生成される。

これに加えて、酸化ベリリウムセラミツク円板は、コイ
ルの加熱機能に関係する電気回路をコイルに液体を供給
する装置の他の構成部品から絶縁するために利用され
る。

好ましい実施例の記載 本発明の好ましい実施例を全図面についてやや詳細に論
ずるが、その際類似の部品は、実際的である限りに於
て、類似の参照番号で明示することとする。

第１図は本発明が配置されている携帯用ケースハウジン
グ10を示す。容易に補充できるように取はずし可能な液
体貯蔵器12を含む。貯蔵器12の容量は発煙供給時間を限
定する。500mlの容量は約4000cfmの煙を10分間供給す
る。貯蔵器12は一方の側に出口のある内部袋を含み、い
かなる方向にあつても本装置の運転が可能になつてい
る。一般に装置を使用する条件が発煙剤材料の選択を決
定する。航空機用非難シミユレーター及びコツクピツト
訓練にはプロピレングリコールのような無毒で残留物を
残さない材料を必要とする。船上での訓練には、更に持
続性の発煙材料、例えば無毒で水溶性のポリエチレング
リコール200が一層適当であろう。プロピレングリコー
ル、PEG200と水の種々な混合物も、他の無毒な発煙剤と
同様に試みてよい。プロピレングリコールは本発明で使
用するのに好ましい材料である。

モータ駆動のギアポンプ14は、貯蔵器12の流出口に導管
により連結された液体流入口を有する。ポンプ14は電気
的に駆動され、第２図に示す回路によつて制御されてい
る。電気回路の主な部分は制御パネル16、モータ制御パ
ネル18、及び温度制御器20に示されている。ポンプ14は
60psiで60ml/分供給する容量をもつた電磁駆動のギアポ
ンプが好ましい。使用する電圧に比例する可変的な出力
が提供され、第２図に示す高／低容量スイツチ22によつ
て調整される。

電磁バルブ24は、貯蔵や運搬中に発煙剤がシステムを介
して漏出するのを防止するために備えられている。図示
していない圧力計は、ポンフから下流の液圧を監視する
ために、この段階の導管に含まれてもよいしそしてこの
旨は推奨されることである。

固定オリフイス26は導管を抵抗コイルヒータ28に連結す
る。オリフイス26は液圧及び液量を設定するために選定
される。更に、それはヒーターを接地されたシヤシから
電気的に絶縁する。

抵抗ヒーターコイル28は遮熱シールド30の中に収容する
のが好ましい。コイル28は組み合わせヒーター（combin
ation heater）、流動導管熱交換器（flow conduit hea
t exchanger）及び温度制御検出要素として働く。発煙
剤はポンプによりコイルを経て送られ、そこで過熱され
て蒸気になり、流出口オリフイス32に供給される。過熱
された蒸気が周囲の空気中で冷却され且つ煙の粒子に凝
縮された場合に、濃煙が形成される。流出する煙の量
は、ポンプ14を高速または低速で作動するためのスイツ
チ22の位置を選定することにより、調節する事が出来
る。

第２図においてヒーター回路は太線で目立たせて示し
た。好ましい実施例に於いては、該ヒーター回路は120V
AC、15アンペアに適応する。温度制御器20は、流量に関
係なくコイルヒーター28の温度を発煙剤を過熱するため
の適当なレベルにおいて維持するように選定又は設計さ
れている。好ましい実施例に対する満足すべき制御器は
フルーイド・キネテイクス社（Fluid Kinetics,Inc.）
製のモデルAD7であり、該モデルは従来ステンレス鋼線
用の温度制御器として用いられていた。該モデルAD7は
プリツジ回路の一部としてヒーーター28の抵抗率を検出
し、そして適当なヒーター温度を維持するのを必要な平
均電流を調節する。選定される制御器はヒーター28の材
料との適合性を考慮して選定されるべきである。

第２図の回路は、不規則な接地漏洩を検知し、そしてそ
のような漏洩を検知した場合に線間電圧を遮断するため
の接地ライン保全監視器34を含む。監視器34は安全装置
手段であり、該手段は若し接地ラインが欠けていたり、
或は電極が間違つている場合に本装置が作動する事を防
止する。更に温度制御器20に連結された障害リレー36が
含まれているが、これは若し制御回路に障害が発生した
場合に、本装置を電力リレー40において作動しなくなる
様にするものである。そして、予熱或は遅延タイマー38
が含まれており、該タイマーは電流が先ずヒーター28に
接続された後、ヒーター28の温度が発煙剤を過熱し且つ
湿性の煙が吐出するのを防止するのに充分な温度となる
まで、ポンプ14の作動を遅延させる。遮断タイマー42は
調節可能であり、且つ貯蔵器12が空になる前に装置の作
動を停止することを目的とする。タイマー42に関する時
間は、好ましい実施例に於ては、10分まで選定できる。
熱電対44は校正に役立ち、そして安全な運転停止のため
の手段を提供するのに適している。これは酸化ベリリウ
ム円板によつてヒーター28から電気的に絶縁されてい
る。酸化ベリリウムは良好な電気絶縁物であり、且つ良
好な熱伝導体である。

好ましい実施例に於ける抵抗コイルヒーター28はコイル
状のステンレス鋼の管である。ステンレス鋼は温度に対
する電気抵抗率の充分な分解能を供給するように選択す
ることができ、ヒーター28に対する本発明の意図する数
多くの機能を満足させるために用いられる。例えばステ
ンレス鋼304はオーム/500度の分解能を提供する。好ま
しい実施例に於ては、1/8インチ×5/1000の管の35フイ
ートが使用される。更に好ましくは、ヒーター28は、耐
高温絶縁材、例えばコトロニクスコーポレーシヨン（Co
tronics Corporation）製の成形可能なセラミツク材360
−Ｍ、をはめこんで封入する。絶縁は第１図に於て、遮
熱シールド30として示す。

本発明は新規で、独創的で、そして極めて有用ナ携帯用
煙発生器を構成し、公知の従来技術を越えた少からぬ改
良を構成するものであることは上記より容易に理解でき
るところである。明かに本発明を多々改変し変化させる
ことは上記の教示に照らして可能である。従つて、添付
する特許請求の範囲内で、特記されているもの以外にも
本発明を実施できることが理解されるべきである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の液体処理手段の基本的構成部品の図で
ある。 第２図は本発明の好ましい実施例の電気回路の模式図で
ある。 10……ケースハウジング、12……貯蔵器、14……ギヤポ
ンプ、16……制御パネル、18……モータ制御パネル、20
……温度制御器、24……バルブ、26……オリフイス、28
……抵抗コイルヒータ、30……遮熱シールド、32……流
出口オリフイス。

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−186895（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−68276（ＪＰ，Ｕ) 米国特許4568820（ＵＳ，Ａ) 米国特許4547656（ＵＳ，Ａ) 米国特許4477395（ＵＳ，Ａ) 米国特許4349723（ＵＳ，Ａ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】液体の形態の発煙材の供給物を貯蔵し且つ
   供給する手段を含み；該手段は流出口を有する貯蔵器
   と；前記流出口に結合された第１の端部を有する導管
   と；前記導管の第２の端部へ結合された入力を有し且つ
   出力を有するポンプとを備えており； 前記ポンプの出力へ確実に連結した第１の端部、及び大
   気に開放した第２の端部を有する管状コイルと； 前記コイルを前記貯蔵し且つ供給する手段から電気的に
   絶縁する手段と；そして、 前記コイルを加熱し且つその温度を検出し、該温度に応
   答して前記ポンプを制御するため、前記貯蔵し且つ供給
   する手段に連結し、そして前記コイルに連結している電
   気的手段； とを含むことを特徴とする携帯用煙発生器。