JPS6365710B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、燃焼時に有害なガスが発生すること
がなく、安全性の高い難燃性組成物に関する。 従来から、ポリオレフインのような可燃性のポ
リマーを難燃化するには、有機塩素系化合物と三
酸化アンチモンのような無機難燃剤を併用する方
法がとられている。 しかしながら、こうして得られた難燃性組成物
においては、燃焼時或いは火炎に曝された際に、
塩化水素ガスなどの有害なガスが発生し、人体に
悪影響を与えると共に近傍の高価な機器を腐食し
易いという難点があつた。また通常の使用状態下
でも、微量の上記難燃性化合物が組成物からブル
ームし易く、これがやはり周辺の機器を汚損しが
ちであるという問題があつた。 本発明はこれらの難点を解消するためになされ
たもので、従来からの難燃剤に代わり、オルガノ
ポリシロキサンと有機金属化合物の組み合わせに
よる難燃系を、可燃性のポリマーに添加配合して
成る難燃性組成物に関する。 本発明の組成物のベースとなる可燃性のポリマ
ーとしては、機器腐食等の原因となる塩素原子
を、分子中に含有しないポリマーは全て用いるこ
とができるが、特に以下に示すようなエラストマ
ーを使用した場合には、ケーブルシース等の材料
として有用な可撓性の高い組成物が得られる。 すなわち、平均分子量が10万以下のシンジオタ
クチツク１・２−ポリブタジエン、酢酸ビニル含
量が20％以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−アクリル酸エチル共重合体、或いはエ
チレンプロピレンゴムとポリプロピレンのブレン
ドポリマーのような熱可塑性エラストマーをベー
スポリマーとして用いた場合には、可塑性に富
み、かつ従来からケーブルシース等として広く用
いられてきたポリ塩化ビニルと同等、或いはそれ
以上の難燃性を有し、しかも無公害化の要請に応
えた組成物が得られる。 本発明に使用するオルガノポリシロキサンとし
ては、KE−96（信越化学(株)社の商品名）のような
ジメチルポリシロキサン（25℃の溶融粘度が10万
センチポイズ以上）やメチルフエニルポリシロキ
サン等があり、上記可燃性ポリマー100重量部に
対して３〜10重量部添加配合する。 また、有機金属化合物としては、鉛、バリウム
などのステアリン酸塩、マレイン酸塩、ラウリル
酸塩などがあり、前述のベースポリマー100重量
部に対して１〜15重量部添加する。 これらの配合量をこのような範囲に限定したの
は、オルガノポリシロキサンの配合量が３重量部
未満、又は有機金属化合物が１重量部未満では、
難燃性向上の効果が得られず、逆にこれらが10重
量部、又は15重量部を越えた場合には、難燃性能
向上以上に、機械的性能、電気的性能が著しく低
下すると共に材料価格が上昇するためである。 本発明の組成物には、以下に記載するようなそ
の他の補助剤を添加することにより、種々の特性
を改良することができる。 そのような補助剤としては、アンテージクリス
タル（川口化学(株)社製4.4′−チオビス（６−ｔブ
チル−ｍ−クレゾール）の商品名）やノンフレツ
クスRD（大内新興(株)社製重合１・２−ジヒドロ
ー２・２・４−トリメチルキノリンの商品名）の
ような酸化防止剤、赤リン、リン酸メラミンのよ
うなリン化合物、或いは水酸化アルミニウムやソ
ーダ沸石のような無機水和物があり、それぞれベ
ースポリマー100重量部当たり、0.1〜５重量部、
１〜10重量部、および10〜100重量部添加するの
が好ましい。これらの補助剤のうちリン化合物や
無機水和物は、主に難燃性向上の効果を有する
が、本発明においては、その他に三酸化アンチモ
ンやホウ酸化合物、或いは臭化物等を難燃補助剤
として加えることもできる。 またこうして得られる本発明の組成物には、ジ
−α−クミルパーオキサイド（DCP）のような
架橋剤および多官能性モノマー架橋補助剤を配合
し、ガス、水蒸気等により架橋することができ、
さらに化学架橋以外にも放射線架橋等種々の方法
を用いて架橋することができる。 以下、実施例について記載する。 実施例 １〜６ 次表の配合の組成物を常法により成形し、場合
により加熱架橋（実施例６と比較例３）して試験
試料を作成した。 得られた試料片について、機械的特性を測定す
るとともに、酸素指数および塩化水素ガス発生量
を求めた。 結果を同じ表に示す。

【表】

【表】 以上の実施例からも明らかなように、本発明の
組成物は、難燃性に優れ燃焼時においても塩化水
素のような有害ガスを発生させないという利点を
有するとともに、可撓性等の機械的特性も良好で
あるので、ケーブルシース材料等に好適する。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 可燃性の非塩素系ポリマー100重量部に対し、
   塩素系添加剤を配合することなく、オルガノポリ
   シロキサン３〜10重量部と、有機金属化合物１〜
   15重量部とを配合して成ることを特徴とする難燃
   性組成物。 ２ 非塩素系ポリマーは、熱可塑性エラストマー
   である特許請求の範囲第１項記載の難燃性組成
   物。 ３ オルガノポリシロキサンは、溶融粘度（25
   ℃）が10万センチポイズ以上のジメチルポリシロ
   キサン、或いはメチルフエニルポリシロキサンで
   ある特許請求の範囲第１項又は第２項記載の難燃
   性組成物。