JPS636565Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は灯芯を用いた石油燃焼器具に関するも
のである。

従来例の構成とその問題点 従来この種の石油燃焼器具は灯芯を上昇させて
燃焼させ、消火時にはこの灯芯を下降させて消火
するようになつている。そしてこのような石油燃
焼器具の中には、実公昭39−19980号公報に示さ
れているように灯芯下降方向に附勢された灯芯軸
に歯車を固着するとともに上昇して燃焼位置にあ
る灯芯が下降しないように、この歯車に歯車の回
動復帰を防止するロツク体を設け、このロツク体
を手動つまみで歯車から離脱して簡単に消火でき
るようにしたものがみられる。しかしながら上記
石油燃焼器具は灯芯上昇操作を行なう際、灯芯軸
の回転とともに手動つまみでロツク体を歯車から
離脱する操作を行なわなければならず、その操作
性は極めて悪いものであつた。また上記石油燃焼
器具は器具転倒時に上記ロツク体を歯車から離脱
させて灯芯を降下、すなわち消火するようにもな
つているが、地震等の単なる振動を受ける場合は
消火させることができず、安全性の面で問題があ
つた。

一方、特公昭40−15074号公報には灯芯軸にカ
ムを回転自在に設け、このカムと灯芯軸をピン同
志の係合によつて連動させるとともに、上記カム
の切欠きに係合してカムの回転復帰を防止するロ
ツクレバーを感震器ならびにタイマーで操作する
ようにしたものが示されている。しかしながら、
この石油燃焼器具の場合は灯芯軸を途中で係止し
て小発熱量で燃焼させることができないうえに手
動による回転消火とタイマーによる自動消火しか
できず、手動ワンタツチ操作で簡単に消火すると
いうことができないものであつた。そしてさらに
この石油燃焼器具ではタイマーによる自動消火セ
ツトを行なつていない時には上記ロツクレバーを
操作するタイマーレバーがタイマーカムの切欠き
に嵌合して前記ロツクレバーをロツク解除方向に
操作しているため、タイマーを操作しなければ灯
芯軸を係止、換言すれば燃焼させることができな
かつた。すなわちこの石油燃焼器具に示されてい
るタイマー消火手段は手動ワンタツチ消火手段と
しての機能、換言すれば通常は燃焼可能な状態に
灯芯軸を保持して消火時のみ消火させるような機
能は持たないものであり、極めて不都合なもので
あつた。

考案の目的 本考案は上記の点に鑑みてなしたもので、灯芯
上昇操作を簡単に行なえるようにするとともに地
震等による振動があつた場合にも消火ができ、し
かも通常は燃焼させることが可能な状態にある手
動専用消火体を操作すれば灯芯軸をいちいち回転
させなくてもワンタツチで消火できるようにし、
かつワンタツチ消火の度毎に振動感知装置を動作
させてその機能を長期にわたつて確実に発揮させ
得るようにすることを目的としたものである。

考案の構成 本考案は上記目的を達成するため次のような構
成となつている。すなわち下方に付勢された灯芯
と、この灯芯を前記付勢に抗して上昇させる回転
軸と、この回転軸によつて上昇した灯芯を上昇位
置で係止するロツク機構と、振動感知時にこのロ
ツク機構を操作して同ロツク機構による灯芯係止
を解除する振動感知装置とを備え、さらにこの振
動感知装置を作動させる手動専用消火操作体を振
動感知装置に関連させて設け、上記手動専用消火
操作体は押動作によつて振動感知装置のおもりを
作動させるように構成し、さらに回転軸に回転可
能に設けたつめ車を、回転軸に対して摩擦力によ
り連動回転するようにした石油燃焼器具にある。

実施例 以下その一実施例を図面をもとに説明する。

第１図から第８図において、１は油タンク、２
は油タンク１の中央に縦貫して設けた通気筒、３
は通気筒２の上方に設けた火皿筒、４は油タンク
１上に装備した外筒、５は外筒４の上方に設けた
火皿筒、６は通気筒２、外筒４および火皿筒３，
５に案内され常時下降方向に付勢されている灯
芯、７は回動つまみ８の操作によりラツク９、ピ
ニオン１０を介して灯芯を上下させる回転軸、１
１，１２は回転軸７の軸受部材である。

なお上記回転軸７や、回動つまみ８等で灯芯６
の上昇装置が構成されている。１３は油タンク１
外に位置する回転軸７上にバネ板１４，１４を介
して取付けたつめ車で、周縁に複数のつめ１３′
を有し、通常は回転軸７とともに回動するが、一
定の力が加わればバネ板１４，１４の作用により
回転軸７の回動とは無関係となるようになつてい
る。１５はつめ車１３のつめ１３′よりも突出し
て設けた係止突起、１６はつめ車１３に円弧状に
形成した長孔、１７は回転軸７に固定した調整
板、１８は前記長孔１６内を摺動するピンであ
る。また１９は油タンク１上に取付板２０を介し
て取付けた振動感知装置で、その基板２１におも
り２２を揺動自在に装備している。２３は基板２
１に軸２４により回動自在に軸支されたレバー
で、一端はおもり２２と連係しており、他端はつ
め車１３側にのぞんでいてその先端を折曲し二股
の係止片２５，２５を形成している。

なお上記つめ車１３やバネ板１４，１４′、レ
バー２３等で係止装置を構成している。２６はレ
バー２３のつめ車１３側に軸２７により回動自在
に軸支された補助レバーで、これはその中央部に
窓２８を形成し、レバーの遊端側の窓縁に下方へ
折曲した係止片２９を設けている。３１は補助レ
バー２６の遊端が常時係止片２５，２５の内側面
に当接するよう付勢したばね、３２は基板２１と
レバー２３との間に介在させて、補助レバー２６
の係止片２９側が常時つめ車１３に当接するよう
付勢したばねである。なお上記レバー２３、補助
レバー２６等でロツク機構を構成している。３３
は灯芯軸７と別個に設けられた手動専用消火操作
体で、第８図に示す如く器具外装等の基板２１に
前後に摺動自在なる如く取付けられており、振動
感知用のおもり２２を揺動させてレバー２３を操
作することにより、つめ車１３から補助レバー２
６を離すようになつている。

上記した石油燃焼器具においてつまみ８を操作
すれば、ラツク９、ピニオン１０の作用により灯
芯６は上昇するが、同時につめ車１３も回動す
る。つめ車１３はその周縁が係止片２５，２５間
に位置しているものであつて、回動する際、その
各つめ１３′が補助レバー２６の遊端をばね３１
に抗して押しながら回動する。そして回動を止め
ればつめ１３′が、補助レバー２６の係止片２９
と係合し、逆転が防止され、付勢に抗してつめ車
１３がその位置に保持される。すなわち灯芯６が
所定量突出してその突出高さが保持されるもので
ある。この時上記つめ車１３には複数のつめ１
３′が形成してあるので任意の位置で係止するこ
とができる。そして上記のつめ車１３の回動時に
は、補助レバー２６は軸２７を中心に回動する
が、レバー２３はばね３１，３２の力関係によ
り、何ら動くことはないものである。なお灯芯６
の最大突出量は係止突起１５が補助レバー２６の
遊端に係当することによつて規制されている。

次に灯芯６の突出高さの調整、すなわち燃焼量
の調整であるが、これはつまみ８を逆方向に回動
させることにより、長孔１６の範囲内で調整が行
なえる。

次に、使用中に地震等により器具に衝撃が加わ
れば、おもり２２がこれを感知し、軸２４を中心
にレバー２３をばね３２に抗して第４図矢印方向
に回動させる。これによつて、レバー２３は係止
片２５，２５を介して補助レバー２６をも同方向
に移動させ、つめ車１３との係止を外す。したが
つて灯芯６は常に下降方向に付勢されているため
に瞬時に下降し消火されるものである。

また通常使用時における消火動作は、手動専用
消火操作体３３を第８図において左方へ押動す
と、振動感知装置１９のおもり２２がレバー２３
に作用したと同様に、このレバー２３が回動し
て、つめ車１３からはずれ、消火が行なえるもの
である。消火においてつまみ８をさらに灯芯下降
方向へ回動させる必要はないが、この場合係止突
起１５が補助レバー２６の係止片２９と係合する
ため、次の使用時に支障をきたすといつたことは
ない。

考案の効果 本考案は以上の如く構成されているから、回動
摘子を従来の如く回動させて芯を昇降し点火や燃
焼炎の調節を行うことができると共に上記回動摘
子の周辺に設けた芯降下用手動操作専用体を手動
で少し変位させるだけで芯を瞬間的に降下させて
消火を行うことができる。すなわち従来の如く回
動摘子を一々回転させて芯を降下させる必要がな
く、消火操作が極めて簡単迅速になる。

また、手動専用消火操作体による消火はこの手
動専用消火操作体で振動感知装置のおもりを揺動
させることによつて行なつているので、手動専用
消火操作体による消火の度毎に振動感知装置のお
もりを動作させることになり、長期間使用してい
て振動感知装置のおもりが、ほこりの付着、さび
つき等で動作不良となることがなく、その機能を
確実に発揮しえて、その安全性を一段と高めるこ
とができる。

さらに手動専用消火操作体は押動するようにし
ているので、これを回転させるもののように手間
どることなく、緊急時であつても確実に動作させ
ることができる。

更に上記芯降下用手動操作専用体は上記回動摘
子とは別個に設けられているので、燃焼中の調芯
時に誤つて作動されることがない。

又、回転軸に回転可能に設けた回転体はこの回
転軸に対して摩擦力により連動回転するように連
係させているので、芯上昇時に微小振動が繰返し
加わつて芯が降下しようとしても上記摩擦力によ
つて回転軸の回転が回転体を介してロツク体によ
り阻止されるようになり、長時間にわたつて燃焼
量を正確に保持することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案石油燃焼器具の一実施例を示す
正面図、第２図はその平面図、第３図はその側断
面図、第４図はつめ車部分の要部拡大正面図、第
５図ａは補助レバーの斜視図、ｂはその部分断面
図、第６図はレバーの部分斜視図、第７図はレバ
ーと補助レバーの組合せ状態を示す部分平面図、
第８図は手動専用消火操作体の実施例を示す要部
断面図である。 ６……灯芯、７……回転軸、８……回動つま
み、１３……つめ車、１９……振動感知装置、２
２……おもり、２３，２６……ロツク機構（レバ
ー）、３３……手動専用消火操作体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上下動自在な灯芯と、この灯芯を回動つまみの
   手動操作により上下動させる回転軸と、上記回転
   軸の芯上動操作に基づき上昇位置にある灯芯を消
   火位置まで降下させる附勢力を蓄えるバネ手段
   と、上記回転軸に対して回転可能に設けたつめ車
   と、つめ車のつめに係合してこのつめ車が芯降下
   時における回転軸の回転方向と同方向へ回転する
   ことをロツクするロツク機構とを備え、上記回転
   軸とつめ車は摩擦力によつて連動回転するように
   連係させ、かつ上記ロツク機構をつめ車のつめよ
   り離脱してそのロツクを解除するための振動感知
   装置を設けるとともに、この振動感知装置を作動
   させる手動専用消火操作体を振動感知装置に関連
   させて設け、上記手動専用消火操作体は押動作に
   よつて振動感知装置のおもりを作動させるように
   構成した石油燃焼器具。