JPS636446Y2

JPS636446Y2 -

Info

Publication number: JPS636446Y2
Application number: JP11187483U
Authority: JP
Priority date: 1983-07-18
Filing date: 1983-07-18
Publication date: 1988-02-23
Also published as: JPS6019762U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、エンジンのオイルバス式エアクリー
ナを用いた吸気装置に関し、エアクリーナを小形
化するとともに、エアクリーナから燃焼室へのオ
イルの吸引を防止するものを提供する。

本考案は、その基本構造として、例えば図に示
すように、エンジンＥの燃焼室１にオイルバス式
エアクリーナ２の浄気室３を吸気管４を介して連
通して構成したエンジンのオイルバス式エアクリ
ーナを用いた吸気装置に関する。

しかし、従来では、一定のエンジンに付属する
所定のエアクリーナをより小型に改めて全体をコ
ンパクトにまとめようとすれば、エアクリーナに
負荷される空気流量が増大し、吸気がオイル室か
らオイルを吸気管４の方へつれ出してしまう。

従つて、オイルの消耗量が増して塵埃等が浄気
室に侵入する結果、エアクリーナの機能を低下さ
せてしまう。しかも、当該オイルが燃焼室に侵入
し、そこで燃焼するので、不完全燃焼を起こして
カーボンが析出し、ピストンのかじりを起こした
り、大気汚染の虞れもあつた。

また、吸気管４に過吸気を施した場合に、エン
ジンに付設していた既存のエアクリーナをそのま
ま維持して全体の容量の増加を抑制しようとする
と、過給機の負荷によつてエアクリーナに吸引さ
れる空気流量がやはり増大するので、前述と同様
にオイルが吸気管の方につれ出されてしまう問題
があつた。

本考案は、上記問題を解消するものであり、オ
イルが吸気管から燃焼室に入ることをなくしてオ
イルの消耗を防止するとともに、吸気装置全体を
コンパクトにまとめることを目的とする。

本考案は、上記の目的を達するために、前記吸
気装置を例えば、図のように構成したものであ
る。

即ち、エアクリーナ２の浄気室３から吸気管４
を経て燃焼室１に至るまでの間にオイル分離器５
を介在させ、オイル分離器５の分離オイル溜め６
の底部をオイルバス式エアクリーナ２のオイル室
７よりも高く位置させる。

そして、分離オイル溜め６の底部をオイル室７
に戻し路８で連通し、分離オイル溜め６の底部か
ら戻し路８を経てオイル室７に至るまでの間にオ
イル戻し用弁１０を介在させたものである。

従つて、以下にその作用を説明すると、エアク
リーナ内の負圧が高まり空気流量が増大すること
に伴い、オイル室７から吸気管４へオイルが持ち
去られても、オイル分離器５で吸気中のオイルが
油切りされて、下方の分離オイル溜め６に貯留す
る。

そして、エンジンが停止すれば、オイル分離器
に貯留するオイルはエアクリーナのオイル室へ戻
されるのである。

本考案は、上記のように構成され、作用するの
でエアクリーナの空気流量が大きくなり、オイル
が吸気と共に吸気管へつれ出されても、オイル分
離器によつて再びエアクリーナに環流されるの
で、一定のエンジンに対応するエアクリーナの容
量を従来より小型にして吸気装置全体をコンパク
トにまとめることができる。

そのうえ、吸気によつてつれ出されたオイル
は、エアクリーナに戻されるので、オイルの消耗
をなくしてエアクリーナの性能を長期に亘つて高
く維持でき、しかも、オイルが燃焼室に流入する
ことがないので、燃焼室でのカーボン析出をなく
し、大気汚染を防止できる。

以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

図は、エンジンの吸・排気部分の略示系統図で
あつて、エンジンＥのシリンダブロツク中央に
は、シリンダ１１が縦方向に配置され、クランク
軸１２と連動したピストン１３が上・下摺動自在
に当該シリンダ１１に嵌挿される。

上記シリンダ１１の上方を燃焼室１として、吸
気ポート１４及び排気ポート１５が前後に臨み、
共に吸・排気弁１６により開閉可能に構成され
る。

また、上記ピストン１３の右方には動弁機構１
７が形成され、クランク軸１２と連動した動弁カ
ム軸１８の回動により、プツシユロツド１９及び
ロツカアーム２０を揺動させて吸・排気弁１６を
開閉可能にするる。

そして、オイルバス式エアクリーナ２と吸気ポ
ート１４を吸気管４を介して連結し、当該吸気管
の中途部に、上流側からオイル分離器５及び過給
器Ｔを接続する。

上記エアクリーナ２は、長さ方向中央に吸気筒
２１を貫設し、その下端をオイル室７に臨ませる
とともに、当該吸気筒２１の外周にグラスウール
から成るオイル分離層２２を充填して、オイル室
７とオイル分離層２２との間に浄気室３を形成す
る。

また、オイル分離器５は、サイクロン式の分離
器であつて、その入口２３を連通管２４を介して
エアクリーナ２の出口２５と接続し、当該入口２
３より上方に吸気出口２６を付設するとともに、
同じく入口２３より下方に分離オイル溜め６を形
成して、当該分離オイル溜め６を形成して、当該
分離オイル溜め６の底部をエアクリーナ２のオイ
ル室７より高く位置させる。

そして、上記分離オイル溜め６とオイル室７を
戻し路８で接続し、その中途部にオイル逆止弁１
０を介在させる。

一方、オイル分離器５の下流側に設けた過給器
Ｔは、タービン室２７とブロワ室２８を隣接させ
て構成し、タービン室２７にはタービン２９を、
ブロワ室２８にはブロワ羽根車３０を各々同一回
転軸４０に軸支する。

また、タービン室２７は、その入口２７ａを排
気ポート１５と、その出口２７ｂを大気に各々連
通させ、しかもブロワ室２８はその入口２８ａを
オイル分離器の吸気出口２６と、その出口２８ｂ
を吸気ポート１４に各々連通させる。

そして、タービン２９に排気ガスを吹き付けて
ローターに回転力を与え、同時回転するブロワ羽
根車３０によつてブロワ室２８に流入する吸気に
圧力と速度を付与して、吸気ポート１４に当該吸
気を圧入する。

他方、燃焼室１から漏れるブローバイガスは、
クランク室３１からプツシユロツド孔３２を経て
ヘツドカバーの上部に付設したブレザ室３３に案
内される。そして、ブレザ室３３の出口３３ａを
前記エアクリーナ２の吸気筒２１に接続して、オ
イル分離後のブローバイガスをエアクリーナ２に
還流可能に構成する。

斯くしてなる吸気装置においては、オイルバス
式エアクリーナ２は過給器Ｔによつて吸気負圧を
増大されるので、吸気流量が著しく増大してエア
クリーナのオイルを共に吸気管につれ出そうとす
るが、エアクリーナの下流側に接続したオイル分
離器で、吸気中のオイル分を分離して下方の分離
オイル溜め７に貯留する。

従つて、過給器を付設した場合にも、既存のエ
アクリーナをそのまま使用して吸気装置の容量を
維持しながら、オイルが燃焼室に流入することを
防止できる。

しかも、エンジンの連転中は逆止弁１０を閉じ
てオイル戻し路８から吸気管へオイルの逆流する
ことを防止し、またエンジンの停止中は、逆止弁
１０を開いて貯留したオイルをエアクリーナのオ
イル室に返送してやるので、エアクリーナのオイ
ルの消耗をなくして、その機能を高く維持でき
る。

尚、本考案においては、オイル戻し用弁をソレ
ノイド弁としてメインスイツチに連動し、エンジ
ン運転中には当該弁を閉弁し、エンジン停止中に
は開弁するように、弁の開・閉操作を自動的に行
なうように構成してもよい。

また、オイル分離器は、サイクロン式に限ら
ず、内部にオイル分離材を充填したり、多孔板を
数段組み合せて内装したものでも差し支えない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、エンジンの吸・
排気部分の略示系統図である。１……燃焼室、２……オイルバス式エアクリー
ナ、３……浄気室、４……吸気管、５……オイル
分離器、６……分離オイル溜め、７……オイル
室、８……戻し路、１０……オイル戻し用弁。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

エンジンＥの燃焼室１にオイルバス式エアクリ
ーナ２の浄気室３を吸気管４を介して連通して構
成したエンジンのオイルバス式エアクリーナを用
いた吸気装置において、エアクリーナ２の浄気室
３から吸気管４を経て燃焼室１に至るまでの間に
オイル分離器５を介在させ、オイル分離器５の分
離オイル溜め６の底部をオイルバス式エアクリー
ナ２のオイル室７よりも高く位置させ、分離オイ
ル溜め６の底部をオイル室７に戻し路８で連通
し、分離オイル溜め６の底部から戻し路８を経て
オイル室７に至るまでの間にオイル戻し用弁１０
を介在させた事を特徴とするエンジンのオイルバ
ス式エアクリーナを用いた吸気装置。