JPS636440Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、スロツトルバルブに向けて燃料を噴
射する、内燃機関における燃料噴射気化器に関す
る。

〔従来の技術〕

従来の燃料噴射気化器では、アイドル安定性、
分配、過渡応答性を向上する目的で、第１図に示
す如く、スロツトルボデイ１のスロツトルバルブ
２の全閉位置下流側のボア全周に温水通路３を設
け、ボア内壁４を温水加熱するようにしている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このような構造ではボアを通過する空気も加熱
されてしまい、体積効率が低下するため、出力性
能が低下するという新たな問題が生じていた。

本考案の目的は上述した欠点に鑑みなされたも
ので燃料噴射式気化器のスロツトルバルブによつ
て燃料が最も付着しやすいボア内の部分を効率よ
く加熱する内燃機関における燃料噴射気化器を提
供するにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために、本考案の内燃機
関における燃料噴射気化器は、スロツトルボデイ
内のスロツトルバルブに向けて燃料を噴射する、
内燃機関における燃料噴射気化器において、前記
スロツトルバルブに、前記内燃機関の冷却水出口
近傍から導入され該内燃機関の冷却水入口近傍に
連通する温水通路を設け、該温水通路がスロツト
ルバルブの全閉位置下流側であつてかつスロツト
ルバルブの回転側近傍部分のボア内壁のみを加熱
する構成としたことを特徴とするものである。

〔作 用〕

上記の構成によると、スロツトルバルブによつ
て最も流速が早まり、熱をうばわれやすく、且つ
最も多く燃料が流れ、そのためにボア内において
最も燃料が付着しやすい部分が加熱されることと
なり、ボア内の吸入空気をできるだけ加熱しない
で燃料のみを効果的に加熱するので、体積効率が
高くなる。

以下、図に示す実施例を用いて本考案の詳細を
説明する。

第２図は本考案に係る内燃機関における燃料噴
射気化器の一実施例を示す断面図で、第１図と同
一部分には一符号を付してある。同図において、
符号１はスロツトルボデイ、２はスロツトルボデ
イ１内にスロツトルシヤフト５を介して開閉自在
に設けられたスロツトルバルブ、６は電子制御装
置（図示せず）からの信号により駆動される噴射
弁で、燃料はこの噴射弁６の駆動により円錐中空
状に噴射されるようになつている。そして、この
噴射された燃料はスロツトルバルブ２、吸気マニ
ホルド（図示せず）を介して機関に供給されるよ
うになつている。なお、燃料はスロツトルボデイ
１の燃料入口７から導入され、噴射弁６の燃料供
給孔を介して燃料通路８を通り、燃料圧力制御弁
９で燃料圧力が一定に制御されるように構成され
ている。また、同図において、符号１０は噴射弁
６のリード線、１１は噴射弁６及びリード線１０
の保護カバー、１２はヒートインシユレータを示
す。

本実施例の特徴とするところは、以上の様な構
成において、スロツトルボデイ１に設けた温水通
路１３を、スロツトルバルブ２の全閉位置下流側
であつてかつスロツトルバルブ２の回転側、つま
り燃料及び空気流量が多く流れる側（スロツトル
バルブ２は矢印Ａで示す如く反時計方向に回転す
るためスロツトルバルブ全開以外、換言すればス
ロツトルバルブ２が閉じ側にある時では、ボア１
ａの左側を多くの燃料及び空気が流れる。）に設
けるようにした点にある。なお、本実施例の温水
通路１３は、第２図において紙面垂直方向にスロ
ツトルボデイ１を貫通する如く直線状に設けられ
ている。このような構成としたことにより、吸入
空気をできるだけ加熱しないで、ボア内壁４に付
着した燃料を効率よく加熱することができるの
で、出力性能を低下することなく、アイドル安定
性、分配、過渡応答性を向上させることができる
という効果が得られる。

また、第３図は本考案の他の実施例を示すもの
で、この実施例においては温水通路１４を、燃料
及び空気流量が多く流れる側のスロツトルバルブ
下流側のボア内壁４の部分を積極的に加熱する第
１の温水通路１４ａと、フアーストアイドル用ワ
ツクス１５にエンジン冷却水を供給する第２、第
３の温水通路１４ｂ，１４ｃとから成る構成とし
たものである。今、この温水通路１４の構造を第
４図及び第５図を用いてさらに詳述すれば、前記
第１の温水通路１４ａは、上述した第１実施例の
温水通路１３と同様に、スロツトルバルブ２の全
閉位置下流側であつてかつスロツトルバルブ２の
回転側に設けられた構造となつており、また前記
第２の温水通路１４ｂは、第１の温水通路１４ａ
の終端部に接続され、この位置からスロツトルボ
デイ１の上側に向つて延設され、更に前記第３の
温水通路１４ｃは、該第２の温水通路１４ｂの上
端部から水平方向に延びてフアーストアイドル用
ワツクス１５に連なり、このフアーストアイドル
用ワツクス１５の所定位置から下方へ向つて延設
され、スロツトルバルブ２の全閉位置下流側にお
いてスロツトルボデイ１から外部へ開口するよう
構成されている。

第６図および第７図はスロツトルボデイ１への
温水導入手段の各実施例を示すもので、第６図の
ものは、エンジン１６の冷却水出口側１６ａとヒ
ータ１７とを連結するインレツトパイプ１８にお
いて、エンジン冷却水出口側１６ａ近傍の部分と
温水通路１４の温水入口側１４ｃとを導入パイプ
１９を介して接続する一方、エンジン１６のエン
ジン冷却水入口側１６ｂとヒータ１７とを連結す
るアウトレツトパイプ２０において、エンジン冷
却水入口側１６ｂ近傍の部分と温水通路１４の温
水出口側１４ｄとを排出パイプ２１を介して接続
するよう構成したものである。また、第７図に示
すものは、第６図に示す構成において、さらに、
温められたエンジン冷却水を利用してライザ部２
２の加熱を行なうようにした構成を追加したもの
で、ライザ部２２の温水入口側２２ａとインレツ
トパイプ１８のエンジン冷却水出口側１６ａ近傍
の部分とを導入パイプ２３を介して接続すると共
に、ライザ部２２の温水出口側２２ｂとアウトレ
ツトパイプ２０のエンジン冷却水入口側１６ｂ近
傍の部分とを排出パイプ２４を介して接続するよ
うにしている。

なお、フアーストアイドル用ワツクス機構の説
明を、第８図を用いて説明すると、該フアースト
アイドル用ワツクス１５に温水通路１４を介して
エンジン冷却水が供給されると、このエンジン冷
却水の水温に対応してフアーストアイドル用ワツ
クス１５の先端部１５ａは左右に移動するよう構
成されている。すなわち、低温時は右側に移動
し、エンジン冷却水の水温が上昇すると左側に移
動する。したがつて、レバー２５は前記フアース
トアイドル用ワツクス１５の先端部１５ａの移動
に対応して動き、又アーム２６も該レバー２５に
連動して動くため、スロツトルシヤフト５を介し
てスロツトルバルブ２が動く。すなわち、低温時
はフアーストアイドル用ワツクス１５の先端部１
５ａが右側に移動するため、レバー２５、アーム
２６を介してスロツトルバルブ２は開方向に動
き、一方、エンジン冷却水の水温が上昇すると、
フアーストアイドル用ワツクス１５の先端部１５
ａが左側に移動するため、レバー２５、アーム２
６を介してスロツトルバルブ２は閉方向（Hot時
のアイドル開度）に動くのである。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案に係わる内燃機関に
おける燃料噴射気化器によれば、スロツトルボデ
イに設けた温水通路を、スロツトルバルブの全閉
位置下流側であつてかつスロツトルバルブの回転
側にのみ設けた構成としたので、吸入空気をでき
るだけ加熱しないで、効果的にボア内壁に付着し
た燃料を加熱することができるようになり、これ
によつて、出力性能を低下させることなく、アイ
ドル安定性、分配、過渡応答性の向上を図れると
いう効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の内燃機関における燃料噴射気化
器のスロツトルボデイの断面図、第２図は本考案
に係わる内燃機関における燃料噴射気化器の断面
図、第３図は本考案燃料噴射気化器の他の実施例
を示す平面図、第４図及び第５図はそれぞれ第３
図の−線断面図と−線断面図、第６図及
び第７図はスロツトルボデイへの温水導入手段の
各実施例を示す系統図、第８図は第３図の燃料噴
射気化器のフアーストアイドル用ワツクス機構の
要部拡大正面図である。 １……スロツトルボデイ、２……スロツトルバ
ルブ、１３，１４……温水通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スロツトルボデイ内のスロツトルバルブに向け
   て燃料を噴射する、内燃機関における燃料噴射気
   化器において、前記スロツトルボデイに、前記内
   燃機関の冷却水出口近傍から導入され該内燃機関
   の冷却水入口近傍に連通する温水通路を設け、該
   温水通路がスロツトルバルブの全閉位置下流側で
   あつてかつスロツトルバルブの回転側近傍部分の
   ボア内壁のみを加熱する構成としたことを特徴と
   する内燃機関における燃料噴射気化器。