JPS624648Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は火花点火式内燃焼機関（以後エンジ
ンともいう）の吸気装置に関するものである。

従来、エンジンにおいてはアイドル運転時及び
低負荷運転時にエンジンのシリンダに供給される
燃料流量が変動し、回転が不安定となる欠点があ
る。

この欠点の対策として燃料、空気の混合気の均
一性の改善、気化器内燃料の加熱、混合気にスワ
ールを発生させるヘリカルポート、副吸気通路及
び混合気にスワールを発生させる偏流板等があ
る。これらの手段のうち、燃料の加熱は正温度特
性ヒータを使用したものがあるが使用電力が多い
ことに難点があり、混合気のスワールを利用する
手段は構造及び制御が複雑となる欠点がある。又
その他の手段も構造が複雑となる欠点がある。

この考案はアイドリング時及び低負荷時に燃
料、空気の混合の均一性を改善し、さらに燃焼室
内に燃焼に有効なスワールを形成する吸気装置の
提供を目的とする。

以下実施例を示す図面に基づきこの考案を説明
する。図において１は２バレル式気化器で、２，
３はそれぞれ１次スロツトル弁、２次スロツトル
弁を示す。４，５はそれぞれ１次スロツト弁２、
２次スロツトル弁３の弁軸である。１次スロツト
ル弁２の横には小径のアイドル用吸気通路６が設
けられ、同通路６の一端はエアクリーナに連通
し、他端は細管７の一端に連通している。又その
途中にフロート室に通じる細管が開口している。
細管７はインテークマニホルドをシリンダ列方向
にほぼ全周取り巻いており、その他端は４本の細
い分岐管８，９，１０，１１の一端に連通し、分
岐管８，９，１０，１１の他端はエンジンの吸気
ポート１２直前のインテークマニホルド（吸気
管）１３の壁に開口している。各開口はエンジン
の燃焼室中心に対し斜め上方に位置しており、第
２図に示すようにこの分岐管の下流端は吸気ポー
ト直前壁でインテークマニホルドと平行に開口し
ている。１４はシリンダヘツド、１５は吸気弁を
示す。細管７と各分岐管８，９，１０，１１との
それぞれの合計長は500〜1500mmであり、主空気
通路に比して非常に長い。分岐管８，９，１０，
１１はインテークマニホルド１３とその下方に位
置する図示しないエキゾーストマニホルドとの間
を通つている。又吸気ポート１２がエンジンのシ
リンダ中心に対して、エンジンの前後に片寄つて
設けられている場合には分岐管８，９，１０，１
１の開口は吸気ポート内の片寄つた方向の斜め上
方に取りつけられる。各分岐管８〜１１から吸気
ポート１２に吐出された吸気は吸気ポート１２の
内壁に沿つて流れ、吸気弁１５のステムのまわり
にスワールを作るようになつている。

上記の構成において、エンジンのアイドル運転
中においては１次スロツトル弁２、２次スロツト
ル弁３は閉鎖され、燃料、空気の混合気はアイド
ル用吸気通路６、細管７及び分岐管８〜１１を経
てエンジンの各シリンダに供給される。この際細
管７と各分岐管８〜１１との合計長は燃料と空気
とを均一に混合させるのに十分な長さとなつてお
り又混合気の速い流速部分は第４図に示すように
吸気弁１５のステムに対し偏心して吸気ポート１
２の壁面に沿つて流れるので吸気ポート１２内で
第５図に示すように吸気弁１５のステムを中心と
する強いスワールを形成する。このスワールは吸
気弁１５の外周に沿つて接線方向に同じ速度で燃
焼室内に流入するので混合気の均一性を向上させ
燃焼をよくする。従つてアイドル運転時の燃焼の
変動すなわち回転数の変動が小さくなり安定した
アイドル運転が可能となる。

エンジンが低負荷で運転される時には、アイド
ル用吸気通路６のみから又はアイドル通路６と従
来の大径の吸気通路から燃料がエンジンに供給さ
れる。

上記の説明においてアイドル用吸気通路６を小
径としたが、これを少し大径として吸気通路６に
バタフライ弁を設けてもよい。バタフライ弁の弁
軸を１次スロツトル弁２の弁軸４と共通にしても
よいし又独立としてもよい。何れにちてもバタフ
ライ弁はアイドル運転時及び低負荷運転時には全
開される。

上述のようにこの考案は吸気系に気化器を有す
る内燃機関において、前記吸気系とは別に低流量
のアイドル用吸気通路を気化器に設け、この用吸
気通路に連通する、インテークマニホルドをシリ
ンダ列方向にほぼ全周取り巻く細管を設け、細管
の下流部分を各シリンダに連通する分岐管に形成
し、この分岐管の下流端を吸気ポート直前壁でイ
ンテークマニホルドと平行に開口させ、この開口
をインテークマニホルドの斜め上方に位置させ、
気化器には機関のアイドル運転時にアイドル用吸
気通路のみから、機関の低負荷運転時にアイドル
用吸気通路のみ又はアイドル用吸気通路と吸気系
とから混合気を機関に供給する機能を附与したも
のであるから次の効果を有する。

(イ) アイドル運転時及び多負荷運転時に均一の混
合気が定常の流れで気化に供給され、かつ機関
の燃焼室にはスワールが形成され安定したアイ
ドル回転及び低負荷回転が得られる。

(ロ) 細管がインテークマニホルドを取り巻いてい
るので燃料と空気とを均一に混合させることが
できる長い通路をコンパクトに配設することが
できる。

(ハ) 分岐管の開口がインテークマニホルドと平行
であるので位置はインテークマニホルドを流れ
る吸気の流れに対して抵抗とならない。

(ニ) 分岐管の開口がインテークマニホルドの斜め
上方の位置に配置されているため吸気はポート
上部壁に沿つて流れ、バルブステム回りに強力
なスワールを形成してシリンダ内に導くことが
できる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は全
体的な平面図、第２図は要部の縦断正面図、第３
図は第１図の−断面図を示す。第４図は混合
気の流動状態の平面図を示し、第５図は混合気の
流動状態の側面図を示す。 １……２バレル式気化器、６……アイドル用吸
気通路、８，９，１０，１１……分岐管（分岐通
路）、１３……インテークマニホルド（吸気管）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸気系に気化器を有する内燃機関において、前
   記吸気系とは別に低流量のアイドル用吸気通路を
   気化器に設け、このアイドル用吸気通路に連通す
   る、インテークマニホルドをシリンダ列方向にほ
   ぼ全周取り巻く細管を設け、細管の下流部分を各
   シリンダに分岐する分岐管とし、この分岐管の下
   流端を吸気ポート直前壁でインテークマニホルド
   と平行に開口させ、この開口をインテークマニホ
   ルドの斜め上方に位置させ、気化器は機関のアイ
   ドル運転時にはアイドル用吸気通路のみから、機
   関の低負荷運転時にはアイドル用吸気通路のみ又
   はアイドル用吸気通路と吸気系とから混合気を機
   関に供給する機能を有することを特徴とする吸気
   装置。