JPS636379B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、バン、ワゴン等リヤシートのシー
トクツシヨンおよびシートバツクを前方に回転す
るタイプの所謂折りたたみ式座席に関する。

従来の自動車用折りたたみ式座席としては、例
えば第１図（実公昭53―20093号公報参照）に示
すようなものがある。１はシートクツシヨン、２
はシートバツク、３はシートクツシヨン１の前端
部１ａに車体、特にフロア９に対してシートクツ
シヨン１が回転自在なるよう設けられたシートク
ツシヨンヒンジ、４はシートバツク２の下側に車
体、特にタイヤハウス１０に対してシートバツク
２が回転および前倒自在なるよう設けられたシー
トバツクヒンジ、５は車体、特にタイヤハウス１
０に設けられたストライカー８のピン８ａにロツ
ク部材５ｂを掛合離脱自在でシートバツク２に設
けられたシートバツクロツク、６はシートクツシ
ヨン１の後端部１ｂに固設され、常時はシートバ
ツク２の下端部２ａに圧接してシートクツシヨン
１が回転しないように設けられたストツパーであ
る。折りたたみ座席の作動は、ストツパー６に設
けたベルト６ａを前方（図中左方）に引いて２点
鎖線で示す６′の状態にしてシートバツク２の下
端部２ａよりシートクツシヨン１の後端部１ｂが
離脱自在とし、そのままベルト６ａを前方に引張
ることによつてシートクツシヨン１を持ち上げ、
シートクツシヨンヒンジ３を中心に回転させ２点
鎖線で示す１′の状態にする。このときのシート
クツシヨン１の後端部１ｂの回転軌跡Ｘが本発明
の請求の範囲の回転軌跡である。

次に、シートバツクロツク５のレバー５ａを前
方（反時計方向）に回転させてストライカー８の
ピン８ａからロツク部材５ｂを離脱して開錠し、
そのままシートバツクヒンジ４のピン４ａを中心
にシートバツク２を前方に回転させ、２点鎖線で
示す２′の状態にすることによつて折りたたみ作
動が完了する。

尚、５ｃはロツク５が上下動するのを規制する
ガイドプレート、５ｄはガイドプレート５ｃおよ
びロツク部材５ｂを回動自在に軸支するピン、２
ｂはタイヤハウス１０を逃げるようにシートバツ
ク２に形成した凹みである。又、１８はシートバ
ツク２とストライカー８との間に設けられる緩衝
材である。

しかしながら、このような従来の自動車用折り
たたみ式座席にあつては、シートクツシヨン１の
前端部１ａのヒンジ３を中心に回転させる構造
で、シートバツク２を移動させずシートクツシヨ
ン１の後端部１ｂをシートバツク２の下端部２ａ
に当らないようにストツパー６を逃げさせて回転
できる構造となつていたため、自動車の衝突時又
は急制動等、前方に急激に荷重が加わつた場合、
座席の慣性力によりストツパー６が６′のように
なり、シートクツシヨン１は回転自在となり着座
乗員がシートクツシヨン１によつて放り投げられ
る虞れがある。このため、複雑なロツク機構を設
けてシートクツシヨン１の回動を未然に防止して
いる。また、クツシヨン１の後端部１ｂと着座位
置１″との距離が短いため尻の後部支持が十分で
なく、場合によつては断層を感じ、かけ心地を悪
くするという問題点があつた。

この発明は、このような従来の問題点に着目し
てなされたもので、シートクツシヨン後部にシー
トバツクを重ねるように構成してシートクツシヨ
ンの回転を防止し、かつ、シートクツシヨン後端
部を着座位置より十分長くしてかけ心地を損わな
いようにすることにより、上記問題点を解決する
ことを目的としている。

以下、この発明を図面に基づいて説明する。

第２図乃至第４図は、この発明の一実施例を示
す図である。第１図と同一部品は同一番号を用い
重複する説明を省略する。

まず構成を説明すると、１１は前端部１１ａを
ヒンジ３でフロア９に回転自在で、後端部１１ｂ
をシートバツク１２の下端部１２ａの下に挿入し
たシートクツシヨン、１４はシートバツク１２と
ピン１３で回動自在に連結し、タイヤハウス１０
に回転自在に支持されたシートバツク回転ヒンジ
で、前記ピン１３を回転自在に支承されたリンク
１６と、該リンク１６をピン１５を介してシート
クツシヨン１１の後端部１１ｂの回転軌跡Ｘ内お
よび軌跡Ｘ外双方に移動可能に回転自在に支承
し、且つタイヤハウス１０にボルト２０で固設さ
れたヒンジブラケツト１７とよりなる。１９はヒ
ンジブラケツト１７に設けられたリンク１６の回
動角規制用ストツパー部である。又、リンク１６
とシートバツク１２とは直角の関係（第２図）に
設けている。１２ｂはタイヤハウス１０を逃げる
ようにシートバツク１２に形成した凹みである。

次に作用を説明する。

シートバツクロツク５のレバー部５ａを矢印方
向に回転させるとロツク部材５ｂのフツク部がス
トライカー８のピン８ａからはずれる。シートバ
ツク１２はピン１５を中心に自由に回転できるよ
うになる。シートバツク１２をピン１５を中心に
リンク１６を介して後方に回転させ、第２図の２
点鎖線で示す１２′の状態にする。即ち、シート
クツシヨン１１の後端部１１ｂに重なつているシ
ートバツク１２の下端部１２ａをシートクツシヨ
ン１１の後端部１１ｂの回転軌跡Ｘ外の後方に移
動することになる。次に、シートクツシヨン１１
をヒンジ３を回転中心として倒立させ１１′の状
態にする。次に、シートバツク１２の回転中心を
ピン１３′の位置から１３の位置へもどし、シー
トバツク１２全体を前に倒して１２″の状態にす
る。

第５図および第６図には、他の実施例を示す。

この実施例は３０がシートバツク回転ヒンジ
で、溝３１の位置は第２図のピン１３の位置に相
当する、所謂シートバツク回転中心位置で溝３２
の位置は第２図のピン１３′の位置に相当する位
置で、両溝３１，３２間をシートバツクピン１３
が移動できるガイド用切欠き３３が設けられ、こ
のヒンジ３０の両側が車体たるタイヤハウス１０
にボルト３４で取付けられる。シートバツクピン
１３はシートバツク１２の側部より突出され、先
端にシートバツク回転ヒンジ３０をワツシヤ３５
を介してスナプリング等で固定される。

以上説明してきたように、この発明によれば、
シートクツシヨン後部の回転軌跡内でシートバツ
ク下部がシートクツシヨン後端部に重ねることに
より衝突時シートクツシヨン後部の浮き上りおよ
びシートクツシヨンの回転を防止でき、回転を防
止するロツク機構が不要である。

又、シートクツシヨンを回転させる時は、シー
トバツクをシートクツシヨン後端部の回転軌跡外
にすれば簡単に外すことができる。またシートク
ツシヨン後部を十分延長できるため尻の断続不快
感を防止できるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の折りたたみ式座席の側面説明
図、第２図は本発明の一実施例に係る折りたたみ
式座席の側面説明図、第３図および第４図は第２
図の矢視、矢視に係る拡大図、第５図は本発
明の他の実施例で、シートバツクヒンジ周りの拡
大説明図、第６図は第５図の−線断面説明図
である。 ３…シートクツシヨンヒンジ、５…シートバツ
クロツク、８…シートバツクストライカー、９，
１０…車体、１１…シートクツシヨン、１２…シ
ートバツク、１４，３０…シートバツク回転ヒン
ジ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ シートクツシヨンの前端部に車体に対してシ
   ートクツシヨンが回転自在なるようヒンジを設
   け、シートバツクの下端部に車体に対してシート
   バツクが回転および前倒自在なるようヒンジを設
   け、シートバツクの上部側に車体に対して固持お
   よび離脱自在なシートバツクロツク部材を設けた
   自動車用折りたたみ式座席において、前記シート
   バツクのヒンジを、前記シートバツク下部が前記
   シートクツシヨン後部の回転軌跡内および回転軌
   跡外双方に移動可能なるよう構成したことを特徴
   とする自動車用折りたたみ式座席。