JPS6317711Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、キヤブオーバ型自動車のシート構造
の改良に関する。

第１図に示す如く、キヤブオーバ型自動車では
運転室内にドライバーシート１、補助シート２，
３が一連に設けられ、後部側に同種のシートある
いは荷室が設けられているが、後部側の乗員が運
転室側に、逆に運転室側の乗員が後部側へ移動し
たい場合、自動車を停止させて一旦車外へ出る必
要がある。

このような不便を解消するために、第２図に示
す如く、中間位置の補助シート２のシートバツク
４を前倒させて移動用の通路を形成する、いわゆ
るウオークスルータイプのシート構造が提案され
ているが、シートバツク４を前傾位置のままで前
傾させた場合、チエンジレバー５にシートバツク
４が当たることがあり、運転中にチエンジレバー
５が外れることがあり、あるいはチエンジ操作が
できなくなるという問題があつた。

また、シートバツク４は前倒位置でフリーの状
態であるから、乗員が移動中に踏むと跳ね上がる
ことがあり、また、コツプ等を置いたり、ラリー
等で机代りに使用することができないという問題
もあつた。

本考案は、上記従来の問題点に鑑みてなされた
もので、シートボトムに対してシートバツクを第
１ヒンジ軸を中心としてリクライニング装置によ
り、前後傾調節するようにした補助シートをドラ
イバーシートの側方に配置し、上記シートバツク
を第１ヒンジ軸より上位置の第２ヒンジ軸でリク
ライニング装置に枢着し、このシートバツクが第
２ヒンジ軸回りに前倒するのを阻止するロツク装
置を設け、上記ロツク装置を常時はロツク位置に
保持すると共に、上記シートバツクの所定の後傾
時、上記ロツク装置を解除する前倒規制機構を設
け、上記シートバツクの前倒時、該シートバツク
を当該前倒位置にロツクする前倒位置ロツク機構
を設けて、シートバツクをチエンジレバー等に当
らない第３図のような後退位置でのみ前倒し得る
ようにして、運転中の安全を確保すると同時に、
不意に跳ね上がつたりすることがないようにした
ものである。

以下、本考案の一実施例を添付図面について詳
細に説明する。

第３図〜第６図に示すように、シート２は、シ
ートボトム６に対してシートバツク４が、Ａ側で
ボトムブラケツト７とナツクルブラケツト８、Ｂ
側でボトムブラケツト９とヒンジブラケツト１０
とを夫々第１ヒンジ軸１１，１１で連結されて、
前後動自在に支持されている。

また、第１ヒンジ軸１１，１１より上位置にお
いて、Ａ側でナツクルブラケツト８とシートバツ
ク４、Ｂ側でヒンジブラケツト１０とシートバツ
ク４とを夫々第２ヒンジ軸１２，１２で回動自在
に連結して、各ブラケツト８，１０に対してシー
トバツクを前倒自在に支持している。

Ａ側のナツクルブラケツト８には、第８図にも
示すように、ブツシユ１３を挿通する支ピン１４
の両側にリクライニングレバー１５ａ，１５ｂの
一側を支持して止め輪１６で抜け止めすると共
に、該リクライニングレバー１５ａ，１５ｂの他
側にはロツクピン１７を挿通させて止め輪１８で
抜け止めして、ブツシユ１３に巻装したコイルば
ね１９によりリクライニングレバー１５ａ，１５
ｂをロツク方向に付勢する。

該リクライニングレバー１５ａ，１５ｂのロツ
クピン１７は、ロツク方向に付勢された状態でシ
ートボトム６の半円状のボトムブラケツト７外周
に当て止められ、該ボトムブラケツト７には、ロ
ツクピン１７が係合してシートバツク４を、前傾
位置（第５図）にロツクする前傾ロツク機構２０
と、所定の後傾位置（第１１図の二点鎖線）にロ
ツクする後傾ロツク溝２１と、後倒位置にロツク
する後倒ロツク溝２２とを設けている。

従つて、リクライニングレバー１５ａ，１５ｂ
の操作によりシートバツク４を前傾、後傾、後倒
の各位置に前後傾倒調節することができる。

また、ナツクルブラケツト８には、支ピン２３
で前倒レバ２４を支持して、該前倒レバー２４に
はシートバツク４に植設した前倒ロツクピン２５
をロツクするフツク部２４ａと、アウターチユー
ブ２６内のインナーケーブル２７の一端部２７ａ
を係止する係止部２４ｂとを設け、支ピン２３に
巻装したコイルばね２８により前倒レバー２４を
ロツク方向に付勢する。

従つて、前倒レバー２４によりシートバツク４
はナツクルブラケツト８に対してロツクされ、前
倒レバー２４の操作によりシートバツク４を前倒
位置に前倒させることができる。

つぎに、Ｂ側のヒンジブラケツト１０には、第
９図にも示すように、支ピン３０で検知レバー３
１を支持して、該検知レバー３１の検知ピン３２
をシートボトム６の半円状のボトムブラケツト９
外周に当て止めて、該ボトムブラケツト９には、
検知ピン３２が係合する、上述の後傾ロツク溝２
１と同位置の後傾検知機溝３３を設けている。

また、ヒンジブラケツト１０には、支ピン３４
で前倒プレート３５を支持して、該前倒プレート
３５には、上述の前傾ロツクピン２５と同様にし
てシートバツク４に植設した前倒ロツクピン３６
をロツクするフツク部３５ａと、シートボトム４
が前倒したときにシートボトム４に植設した前倒
位置ロツクピン３７を当該前倒位置でロツクする
フツク部３５ｂと、上記アウターチユーブ２６内
のインナーケーブル２７の他端部２７ｂを係止す
る係止部３５ｃとを設け、支ピン３４に巻装した
コイルばね３８により前倒プレート３５をロツク
位置に付勢する。

なお、第７図に拡大して示すように、検知レバ
ー３１の検知ピン３２がボトムブラケツト９の外
周に当て止められている状態では、検知レバー３
１の立上り３１ａが前倒プレート３５の係止部３
５ｃをロツク解除方向に当て止めるので、前倒プ
レート３５、つまりインナーケーブル２７で連結
された前倒レバー２４を操作できない。

上記のようなシート構造であれば、シートバツ
ク４が第４図の前傾位置にあると、前倒レバー２
４を上方へ操作しようとしても、インナーケーブ
ル２７を介して連結された前倒プレート３５の係
止部３５ｃが、ボトムブラケツト９外周に検知ピ
ン３２が当て止められた検知レバー３１の立上り
３１ａに当て止められるので、前倒レバー２４、
前倒プレート３５ともに回動操作できず、前倒ロ
ツクピン２５，３６はフツク部２４ａ，３５ａに
係止されたままとなり、シートバツク４が前倒で
きない。

つぎに、リクライニングレバー１５ａ，１５ｂ
を操作してシートバツク４を第１０図の実線の後
傾位置に調節すると、第１１図及び第１２図にも
示すように、検知レバー３１の検知ピン３２がボ
トムブラケツト９の検知溝３３に係合して検知レ
バー３１が回動し、前倒プレート３５の係止部３
５ｃの当て止めを解除する。

この状態で前倒レバー２４を上方へ操作する
と、インナーケーブル２７を介して連結された前
倒プレート３５も同時に回動操作され、フツク部
２４ａ，３５ａが同時に前倒ロツクピン２５，３
６の係止を解除するので、シートバツク４は第１
０図の二点鎖線で示す前倒位置に前倒される。

この前倒位置においては、第１ヒンジ軸１１に
対して第２ヒンジ軸１２が後退位置にあるので、
第３図のように前倒したシートバツク４がチエン
ジレバー５に当たることがなくなる。

また、前倒位置ロツクピン３７が前倒プレート
３５のフツク部３５ｂに係止されるので、シート
バツク４は当該前倒位置でロツクされる。

以上の説明からも明らかなように、本考案は、
シートボトムに対してシートバツクを第１ヒンジ
軸を中心としてリクライニング装置により、前後
傾調節するようにした補助シートをドライバーシ
ートの側方に配置し、上記シートバツクを第１ヒ
ンジ軸より上位置の第２ヒンジ軸でリクライニン
グ装置に枢着し、このシートバツクが第２ヒンジ
軸回りに前倒するのを阻止するロツク装置を設
け、上記ロツク装置を常時はロツク位置に保持す
ると共に、上記シートバツクの所定の後傾時、上
記ロツク装置を解除する前倒規制機構を設け、上
記シートバツクの前倒時、該シートバツクを当該
前倒位置にロツクする前倒位置ロツク機構を設け
たものであるから、従来のように、シートバツク
がチエンジレバーに当たる等の事故がなくなり、
安全に運転が行なえる一方、前倒位置にシートバ
ツクがロツクされるので、移動中に踏んでも跳ね
上がることがなく、コツプを置いたり、机代りに
使用することもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図はキヤブオーバ型自動車のシートの斜視
図、第２図は従来のシートバツク前倒時の斜視
図、第３図は本考案に係るシートバツク前倒時の
斜視図、第４図は前倒時のシートの斜視図、第５
図は第４図のＡ矢視方向の機構正面図、第６図は
第４図のＢ矢視方向の機構正面図、第７図は前倒
プレートと検知レバーの関係を示す拡大正面図、
第８図は第５図の機構の分解斜視図、第９図は第
６図の機構の分解斜視図、第１０図は後傾及び前
倒時のシートの斜視図、第１１図は第１０図のＡ
矢視方向の機構正面図、第１２図は第１０図のＢ
矢視方向の機構正面図である。 ２……シート、４……シートバツク、６……シ
ートボトム、７……ボトムブラケツト、８……ナ
ツクルブラケツト、９……ボトムブラケツト、１
０……ヒンジブラケツト、１１……第１ヒンジ
軸、１２……第２ヒンジ軸、１５ａ，１５ｂ……
リクライニングレバー、２４……前倒レバー、２
５……前倒ロツクピン、２７……インナーケーブ
ル、３１……検知レバー、３２……検知ピン、３
３……検知溝、３５……前倒プレート、３６……
前倒ロツクピン、３７……前倒位置ロツクピン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シートボトムに対してシートバツクを第１ヒン
   ジ軸を中心として、リクライニング装置により、
   前後傾調節するようにした補助シートをドライバ
   ーシートの側方に配置し、 上記シートバツクを第１ヒンジ軸より上位置の
   第２ヒンジ軸でリクライニング装置に枢着し、こ
   のシートバツクが第２ヒンジ軸回りに前倒するの
   を阻止するロツク装置を設け、上記ロツク装置を
   常時はロツク位置に保持すると共に、上記シート
   バツクの所定の後傾時、上記ロツク装置を解除す
   る前倒規制機構を設け、上記シートバツクの前倒
   時、該シートバツクを当該前倒位置にロツクする
   前倒位置ロツク機構を設けたことを特徴とするキ
   ヤブオーバ型自動車のシート構造。