JPS6362575B2 - - Google Patents
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- JPS6362575B2 JPS6362575B2 JP7970085A JP7970085A JPS6362575B2 JP S6362575 B2 JPS6362575 B2 JP S6362575B2 JP 7970085 A JP7970085 A JP 7970085A JP 7970085 A JP7970085 A JP 7970085A JP S6362575 B2 JPS6362575 B2 JP S6362575B2
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、耐硫化性銀合金に関する。
〔発明の概要〕
本発明は、耐硫化性銀合金において、銀80〜87
%(重量%、以下同じ)に、白金族金属であるパ
ラジウムを3〜19%、プラチニウム1〜2%を添
加し固溶体を生成させ、さらに亜鉛,インジウ
ム,スズ,マグネシウムを添加し共晶体を生成さ
せ、固溶体と共晶体の表面酸化被膜の相乗作用に
より、耐硫化性を向上させ、なおかつマグネシウ
ムの延性特性により、加工性をも向上させたもの
である。 〔従来技術〕 従来、例えば装飾用として使用されている銀合
金は、銀95%―銅5%、銀92.5%―銅7.5%、銀
90%―銅10%、の銀―銅合金か、または銀―銅合
金をベースに、亜鉛,スズ,インジウム等の元素
を若干添加して、耐硫化性の向上、硬度の向上を
計つている。 〔発明が解決しようとする問題点及び目的〕 しかし、前述の従来技術では、色調は銀に比べ
てやや黄色く、硬度もビツカース硬さ110〜130と
軟らかく加工中にも傷つきやすい。また銀を多く
含有しているために、空気中に存在する微量の硫
化物と反応して硫化銀を生成し、銀白色を失つて
黒く変色し、耐食性の面でも問題点を有する。 そこで本発明は、このような問題点を解決する
もので、その目的とするところは、銀の持つ高貴
な白輝色を失わず、硫化による黒変色に対する抵
抗を大幅に向上させた、耐硫化性銀合金を提供す
るところにある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明の耐硫化性銀合金は、銀80〜87%と、パ
ラジウム3〜19%とマグネシウム1〜5%を主成
分として、プラチニウム1〜2%、亜鉛1〜5
%、インジウム1〜10%、スズ1〜5%の少なく
とも1種、もしくは2種以上を有し、前記、亜
鉛,インジウム,スズ、の総計が1〜10%と不可
避不純物よりなることを特徴とする耐硫化性銀合
金である。 本発明では銀を80〜87%の範囲に限定したの
は、パラジウム3〜19%とプラチニウム,亜鉛,
インジウム,スズ,マグネシウムの添加元素を含
めて合金化する場合、銀が87%を越えると耐硫化
性が低下し、80%未満になると、色調の銀白色を
呈することができなくなる。 次にパラジウムを3〜19%の範囲に限定したの
は、白金族元素であるパラジウムは、耐硫化性に
対して好結果をもたらすものであるが、単独では
10%以下ではその効果は小さい。しかし前述のプ
ラチニウム,亜鉛,インジウム,スズ,マグネシ
ウムを添加元素とした時、3%でも相乗的効果に
よつて、耐硫化性効果をもたらす。また19%を越
えると、耐硫化性は向上するが色調が冷たい黒味
を帯びてくる。 次にインジウムであるが、銀にインジウムを添
加すると、デンドライト系組織を形成し、硬く脆
くなる。本発明合金である銀80〜87%の場合、添
加量が10%を越えると加工面で脆さが増加し、良
い結果をもたらさない。また1%以下では硬化の
効果が上らなくなつてしまう。したがつて本発明
では、インジウムの添加量は1〜10%の範囲が適
当である。 亜鉛は一般に大気中では良好な耐食性を示し、
卑金属の中でも銀の硫化を抑制する作用を持つて
いる。しかしながら、5%を越えて添加すると合
金を脆くし、加工性を悪化させ、1%未満では硫
化抑制作用が見られない。したがつて、本発明で
は亜鉛の添加量は1%こえて5%以下が適当であ
る。 スズは卑金属の中でも銀の変色を抑える元素で
あり、なおかつ硬くする作用を持つている。しか
しながら、スズは銀の中に固溶体として合金し得
る限度が10%までであることは周知の通りであ
る。しかし、本発明合金である銀80〜87%の場
合、5%を越えるスズの添加量の増加は、合金の
硬度を増加させるが加工性は低下し、色調もやや
黒味を帯びてしまい、1%未満では耐硫化の効果
が望めない。したがつて本発明では、スズの添加
量は1%こえて5%未満を限度とするのが適当で
ある。 マグネシウムは、銀にインジウムを添加するこ
とによつて形成される、デンドライト系組織の硬
くて脆い特性を改善するための元素である。すな
わち、マグネシウムの特性である延性が、本発明
合金の加工性を大幅に向上させると共に、パラジ
ウム,スズの増加に伴う、色調の黒味化に対し
て、中和的役割を果たす。本発明合金におけるマ
グネシウムの添加量は1%こえて5%未満が効果
的で、1%以下では、デンドライト系組織の脆性
改善は見られず、5%を越える添加は、逆に合金
を脆性化させるので、本発明では、マグネシウム
の添加量は1%こえて5%未満が適当である。 白金族元素であるプラチニウムは耐硫化性に対
して、好結果をもたらすと共に、パラジウム,ス
ズの増加に伴う、色調の黒味化に対して、中和的
役割を果たす。すなわち、柔らかい銀白色を呈す
るための必要添加元素でもある。しかしながら非
常に高価なために、多量の添加は本発明合金のコ
ストを著しく高くするため、意にそぐわなくな
る。プラチニウムは単独では10%未満の添加で
は、耐硫化性の大きい効果は望めないが、パラジ
ウム,インジウム,亜鉛,スズのいずれかの添加
元素が3%以上であれば、プラチニウムは1%で
も、銀の硫化を抑制する作用を持つ。したがつて
本発明合金では、合金コストを抑制するため、1
%こえて2%未満とするのが適当である。 本発明合金は銀80〜87%とパラジウム3〜19%
とマグネシウム1〜5%を主成分として、プラチ
ニウム1〜2%、亜鉛1〜5%、インジウム1〜
10%、スズ1〜5%の少なくとも1種、もしくは
2種以上を有し、前記、亜鉛,インジウム,,ス
ズ、の総計が1〜10%とした。亜鉛,インジウ
ム,スズはいずれも添加量を増加すると合金を硬
く脆くする作用があり、亜鉛,インジウム,スズ
の添加元素の合計が10%を越えると合金が脆くな
り、加工性が著しく低下するためである。 〔実施例〕 表1に示す組成の合金を、全量200gになるよ
う秤量し、真空溶解し、6mm厚のインゴツトを作
り、これから3mmの板厚まで圧延した。以下実施
例に基づき説明する。 (1) 本発明合金1は、6元素からなる成分組成で
ある。銀85%(重量%、以下同じ)、パラジウ
ム5%、プラチニウム2%、亜鉛2%、スズ4
%、マグネシウム2%の成分組成とした。周知
の如く、卑金属のうち銀の変色を多少なりとも
遅くする金属は、亜鉛,スズ,カドミウム,ア
ンチモンの4金属だけで、このうちスズおよび
アンチモンは銀を硬くする。しかしながら、カ
ドミウムおよびアンチモンは毒性の面で使用を
避け、亜鉛,スズ,マグネシウムそれにプラチ
ニウムを添加元素として組成する。この添加元
素のうち、亜鉛は脆性作用があり、スズもまた
合金を硬く脆くする。またスズの添加量の増加
は合金の色調を黒味化する。本発明合金1は、
亜鉛2%、スズ4%、を添加したが、このまま
では合金の硬度は高くなるが、脆性が進んで加
工性が悪くなり色調も黒味化してしまうため、
本発明ではマグネシウム2%、プラチニウムを
2%添加して改善した。すなわち、マグネシウ
ムとプラチニウムの添加で脆性を改善し、また
黒味を帯びた色調も銀白色にすることができ
た。 (2) 本発明合金2および3は、4元素からなる成
分組成である。合金2については銀85%、パラ
ジウム8%、インジウム5%、マグネシウム2
%とし、合金3については銀80%、パラジウム
10%、インジウム7%、マグネシウム3%の成
分組成とした。従来の銀―銅系合金に比べて、
銀―パラジウム系合金は、耐硫化性に対して改
善されるが、パラジウムの増加は色調がやや黒
味を帯び、また硬度も高くならない。このため
インジウムを添加元素とすることで色調と硬度
の改善がはかれた。すなわち銀にインジウムを
添加すると、デンドライト系組織を形成し硬く
脆くなるが、パラジウムおよびマグネシウムと
の相乗効果により、脆さを改善できた。また色
調はインジウムによつて、パラジウムの黒味を
改善し、銀白色を呈することを確認した。 (3) 本発明合金5は、銀87%、パラジウム4%、
インジウム5%、プラチニウム2%、マグネシ
ウム2%からなる成分組成である。銀87%は実
施例中、最も多量の銀を有し耐硫化性も低下す
るので、プラチニウム2%を添加し、相乗的効
果により耐硫化性を向上させ、また硬度の向上
を計るためインジウム5%を添加し、デンドラ
イト系組織の脆さを改善するために、マグネシ
ウム2%を添加した。この結果、色調も銀白色
を呈し、耐硫化性も良好であつた。 (4) 比較合金1は、銀77%、マグネシウム20%、
インジウム2%、マグネシウム1%からなる成
分組成である。この合金の特徴として、耐硫化
性は良好であるが、パラジウム2%の添加で色
調が黒味を帯びて、インジウム2%およびマグ
ネシウム1%の添加では色調を改善することが
できなかつた。 (5) 比較合金2は、銀88%、パラジウム2%、イ
ンジウム5%、亜鉛2%、マグネシウム3%か
らなる成分組成である。この合金の特徴とし
て、銀白色を呈するものの、耐硫化性に問題が
でた。すなわち、パラジウム2%の白金族元素
に加えて、インジウム5%、亜鉛2%を添加し
ても、満足のいく耐硫化性を持たせることは出
来なかつた。
%(重量%、以下同じ)に、白金族金属であるパ
ラジウムを3〜19%、プラチニウム1〜2%を添
加し固溶体を生成させ、さらに亜鉛,インジウ
ム,スズ,マグネシウムを添加し共晶体を生成さ
せ、固溶体と共晶体の表面酸化被膜の相乗作用に
より、耐硫化性を向上させ、なおかつマグネシウ
ムの延性特性により、加工性をも向上させたもの
である。 〔従来技術〕 従来、例えば装飾用として使用されている銀合
金は、銀95%―銅5%、銀92.5%―銅7.5%、銀
90%―銅10%、の銀―銅合金か、または銀―銅合
金をベースに、亜鉛,スズ,インジウム等の元素
を若干添加して、耐硫化性の向上、硬度の向上を
計つている。 〔発明が解決しようとする問題点及び目的〕 しかし、前述の従来技術では、色調は銀に比べ
てやや黄色く、硬度もビツカース硬さ110〜130と
軟らかく加工中にも傷つきやすい。また銀を多く
含有しているために、空気中に存在する微量の硫
化物と反応して硫化銀を生成し、銀白色を失つて
黒く変色し、耐食性の面でも問題点を有する。 そこで本発明は、このような問題点を解決する
もので、その目的とするところは、銀の持つ高貴
な白輝色を失わず、硫化による黒変色に対する抵
抗を大幅に向上させた、耐硫化性銀合金を提供す
るところにある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明の耐硫化性銀合金は、銀80〜87%と、パ
ラジウム3〜19%とマグネシウム1〜5%を主成
分として、プラチニウム1〜2%、亜鉛1〜5
%、インジウム1〜10%、スズ1〜5%の少なく
とも1種、もしくは2種以上を有し、前記、亜
鉛,インジウム,スズ、の総計が1〜10%と不可
避不純物よりなることを特徴とする耐硫化性銀合
金である。 本発明では銀を80〜87%の範囲に限定したの
は、パラジウム3〜19%とプラチニウム,亜鉛,
インジウム,スズ,マグネシウムの添加元素を含
めて合金化する場合、銀が87%を越えると耐硫化
性が低下し、80%未満になると、色調の銀白色を
呈することができなくなる。 次にパラジウムを3〜19%の範囲に限定したの
は、白金族元素であるパラジウムは、耐硫化性に
対して好結果をもたらすものであるが、単独では
10%以下ではその効果は小さい。しかし前述のプ
ラチニウム,亜鉛,インジウム,スズ,マグネシ
ウムを添加元素とした時、3%でも相乗的効果に
よつて、耐硫化性効果をもたらす。また19%を越
えると、耐硫化性は向上するが色調が冷たい黒味
を帯びてくる。 次にインジウムであるが、銀にインジウムを添
加すると、デンドライト系組織を形成し、硬く脆
くなる。本発明合金である銀80〜87%の場合、添
加量が10%を越えると加工面で脆さが増加し、良
い結果をもたらさない。また1%以下では硬化の
効果が上らなくなつてしまう。したがつて本発明
では、インジウムの添加量は1〜10%の範囲が適
当である。 亜鉛は一般に大気中では良好な耐食性を示し、
卑金属の中でも銀の硫化を抑制する作用を持つて
いる。しかしながら、5%を越えて添加すると合
金を脆くし、加工性を悪化させ、1%未満では硫
化抑制作用が見られない。したがつて、本発明で
は亜鉛の添加量は1%こえて5%以下が適当であ
る。 スズは卑金属の中でも銀の変色を抑える元素で
あり、なおかつ硬くする作用を持つている。しか
しながら、スズは銀の中に固溶体として合金し得
る限度が10%までであることは周知の通りであ
る。しかし、本発明合金である銀80〜87%の場
合、5%を越えるスズの添加量の増加は、合金の
硬度を増加させるが加工性は低下し、色調もやや
黒味を帯びてしまい、1%未満では耐硫化の効果
が望めない。したがつて本発明では、スズの添加
量は1%こえて5%未満を限度とするのが適当で
ある。 マグネシウムは、銀にインジウムを添加するこ
とによつて形成される、デンドライト系組織の硬
くて脆い特性を改善するための元素である。すな
わち、マグネシウムの特性である延性が、本発明
合金の加工性を大幅に向上させると共に、パラジ
ウム,スズの増加に伴う、色調の黒味化に対し
て、中和的役割を果たす。本発明合金におけるマ
グネシウムの添加量は1%こえて5%未満が効果
的で、1%以下では、デンドライト系組織の脆性
改善は見られず、5%を越える添加は、逆に合金
を脆性化させるので、本発明では、マグネシウム
の添加量は1%こえて5%未満が適当である。 白金族元素であるプラチニウムは耐硫化性に対
して、好結果をもたらすと共に、パラジウム,ス
ズの増加に伴う、色調の黒味化に対して、中和的
役割を果たす。すなわち、柔らかい銀白色を呈す
るための必要添加元素でもある。しかしながら非
常に高価なために、多量の添加は本発明合金のコ
ストを著しく高くするため、意にそぐわなくな
る。プラチニウムは単独では10%未満の添加で
は、耐硫化性の大きい効果は望めないが、パラジ
ウム,インジウム,亜鉛,スズのいずれかの添加
元素が3%以上であれば、プラチニウムは1%で
も、銀の硫化を抑制する作用を持つ。したがつて
本発明合金では、合金コストを抑制するため、1
%こえて2%未満とするのが適当である。 本発明合金は銀80〜87%とパラジウム3〜19%
とマグネシウム1〜5%を主成分として、プラチ
ニウム1〜2%、亜鉛1〜5%、インジウム1〜
10%、スズ1〜5%の少なくとも1種、もしくは
2種以上を有し、前記、亜鉛,インジウム,,ス
ズ、の総計が1〜10%とした。亜鉛,インジウ
ム,スズはいずれも添加量を増加すると合金を硬
く脆くする作用があり、亜鉛,インジウム,スズ
の添加元素の合計が10%を越えると合金が脆くな
り、加工性が著しく低下するためである。 〔実施例〕 表1に示す組成の合金を、全量200gになるよ
う秤量し、真空溶解し、6mm厚のインゴツトを作
り、これから3mmの板厚まで圧延した。以下実施
例に基づき説明する。 (1) 本発明合金1は、6元素からなる成分組成で
ある。銀85%(重量%、以下同じ)、パラジウ
ム5%、プラチニウム2%、亜鉛2%、スズ4
%、マグネシウム2%の成分組成とした。周知
の如く、卑金属のうち銀の変色を多少なりとも
遅くする金属は、亜鉛,スズ,カドミウム,ア
ンチモンの4金属だけで、このうちスズおよび
アンチモンは銀を硬くする。しかしながら、カ
ドミウムおよびアンチモンは毒性の面で使用を
避け、亜鉛,スズ,マグネシウムそれにプラチ
ニウムを添加元素として組成する。この添加元
素のうち、亜鉛は脆性作用があり、スズもまた
合金を硬く脆くする。またスズの添加量の増加
は合金の色調を黒味化する。本発明合金1は、
亜鉛2%、スズ4%、を添加したが、このまま
では合金の硬度は高くなるが、脆性が進んで加
工性が悪くなり色調も黒味化してしまうため、
本発明ではマグネシウム2%、プラチニウムを
2%添加して改善した。すなわち、マグネシウ
ムとプラチニウムの添加で脆性を改善し、また
黒味を帯びた色調も銀白色にすることができ
た。 (2) 本発明合金2および3は、4元素からなる成
分組成である。合金2については銀85%、パラ
ジウム8%、インジウム5%、マグネシウム2
%とし、合金3については銀80%、パラジウム
10%、インジウム7%、マグネシウム3%の成
分組成とした。従来の銀―銅系合金に比べて、
銀―パラジウム系合金は、耐硫化性に対して改
善されるが、パラジウムの増加は色調がやや黒
味を帯び、また硬度も高くならない。このため
インジウムを添加元素とすることで色調と硬度
の改善がはかれた。すなわち銀にインジウムを
添加すると、デンドライト系組織を形成し硬く
脆くなるが、パラジウムおよびマグネシウムと
の相乗効果により、脆さを改善できた。また色
調はインジウムによつて、パラジウムの黒味を
改善し、銀白色を呈することを確認した。 (3) 本発明合金5は、銀87%、パラジウム4%、
インジウム5%、プラチニウム2%、マグネシ
ウム2%からなる成分組成である。銀87%は実
施例中、最も多量の銀を有し耐硫化性も低下す
るので、プラチニウム2%を添加し、相乗的効
果により耐硫化性を向上させ、また硬度の向上
を計るためインジウム5%を添加し、デンドラ
イト系組織の脆さを改善するために、マグネシ
ウム2%を添加した。この結果、色調も銀白色
を呈し、耐硫化性も良好であつた。 (4) 比較合金1は、銀77%、マグネシウム20%、
インジウム2%、マグネシウム1%からなる成
分組成である。この合金の特徴として、耐硫化
性は良好であるが、パラジウム2%の添加で色
調が黒味を帯びて、インジウム2%およびマグ
ネシウム1%の添加では色調を改善することが
できなかつた。 (5) 比較合金2は、銀88%、パラジウム2%、イ
ンジウム5%、亜鉛2%、マグネシウム3%か
らなる成分組成である。この合金の特徴とし
て、銀白色を呈するものの、耐硫化性に問題が
でた。すなわち、パラジウム2%の白金族元素
に加えて、インジウム5%、亜鉛2%を添加し
ても、満足のいく耐硫化性を持たせることは出
来なかつた。
【表】
次に実施例に基づく本発明合金の特性結果を、
表2に示す。特性は色調,人工汗,硬度について
評価した。比較サンプルとして装飾用合金として
広く使用されている、スターリング・シルバー
(銀92.5重量%―銅7.5重量%)を取りあげた。色
調については、スターリング・シルバーを標準色
調として、本発明合金を鏡面仕上した後、トレー
シングペーパーを介して、直接光および間接光に
ついて色別を行つた。その結果、本発明合金1〜
5の全てが、スターリング・シルバーと同じ銀白
色を呈していた。また比較合金1は、パラジウム
の添加量が多いため、黒味を帯びた銀色となつ
た。
表2に示す。特性は色調,人工汗,硬度について
評価した。比較サンプルとして装飾用合金として
広く使用されている、スターリング・シルバー
(銀92.5重量%―銅7.5重量%)を取りあげた。色
調については、スターリング・シルバーを標準色
調として、本発明合金を鏡面仕上した後、トレー
シングペーパーを介して、直接光および間接光に
ついて色別を行つた。その結果、本発明合金1〜
5の全てが、スターリング・シルバーと同じ銀白
色を呈していた。また比較合金1は、パラジウム
の添加量が多いため、黒味を帯びた銀色となつ
た。
以上述べたように本発明によれば、銀80〜87%
に、白金族金属であるパラジウムを3〜19%、プ
ラチニウム1〜2%を添加し固溶体を生成させ、
さらに、亜鉛,インジウム,スズ,マグネシウム
を添加し共晶体を生成させ、固溶体と共晶体の表
面酸化被膜の相乗作用により、従来に見られない
耐硫化性を有し、加工性のよい硬質を銀合金であ
る。 本発明によつて、時計用外装部品、ライター,
シガレツトケースなど携帯用装飾品はもとより、
指輪,腕輪,ペンダントなどの高級装飾品や食器
などにも、幅広く応用できるという効果を有す
る。
に、白金族金属であるパラジウムを3〜19%、プ
ラチニウム1〜2%を添加し固溶体を生成させ、
さらに、亜鉛,インジウム,スズ,マグネシウム
を添加し共晶体を生成させ、固溶体と共晶体の表
面酸化被膜の相乗作用により、従来に見られない
耐硫化性を有し、加工性のよい硬質を銀合金であ
る。 本発明によつて、時計用外装部品、ライター,
シガレツトケースなど携帯用装飾品はもとより、
指輪,腕輪,ペンダントなどの高級装飾品や食器
などにも、幅広く応用できるという効果を有す
る。
Claims (1)
- 1 銀80〜87重量%と、パラジウム3〜19重量%
と、マグネシウム1〜5重量%を主成分として、
プラチニウム1〜2重量%、亜鉛1〜5重量%、
インジウム1〜10重量%、スズ1〜5重量%の少
なくとも1種、もしくは2種以上を有し、前記、
亜鉛,インジウム,スズ、の総計が1〜10重量%
と不可避不純物よりなることを特徴とする耐硫化
性合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7970085A JPS61238934A (ja) | 1985-04-15 | 1985-04-15 | 耐硫化性銀合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7970085A JPS61238934A (ja) | 1985-04-15 | 1985-04-15 | 耐硫化性銀合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61238934A JPS61238934A (ja) | 1986-10-24 |
JPS6362575B2 true JPS6362575B2 (ja) | 1988-12-02 |
Family
ID=13697482
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7970085A Granted JPS61238934A (ja) | 1985-04-15 | 1985-04-15 | 耐硫化性銀合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61238934A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS647015U (ja) * | 1987-07-03 | 1989-01-17 |
-
1985
- 1985-04-15 JP JP7970085A patent/JPS61238934A/ja active Granted
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS647015U (ja) * | 1987-07-03 | 1989-01-17 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61238934A (ja) | 1986-10-24 |
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