JPS636041Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は中栓の側壁を蓋の内周壁面に圧接する
ことによつて蓋の栓戻りを防止することを可能と
した栓戻り防止装置に係り、更に詳しくは首部外
周面にネジを有する壜と、該壜の首部開口部に嵌
着し得るやゝ柔軟性を持つた中栓と前記壜の首部
のネジに螺合し得るネジを内周面に持つた蓋とよ
りなる装置に於て、前記首部開口部の外周面にリ
ング状凹溝を穿設し、かつ前記中栓の下端縁内方
に該リング状凹溝に嵌入し得る凸リングを突設
し、更にこの中栓を該壜の首部開口部に嵌着した
際に首部開口部の上縁上面と中栓の天井面とに所
定の隙間が形成されるような関係に中栓と首部開
口部とを構成したことを特徴とした栓戻り防止装
置に関するものである。

従来の栓戻り防止装置は壜の首部及び蓋の内周
面に夫々突設されたネジの太さ或はネジ相互間の
ピツチを変化させたり、又は壜の首部と蓋の下端
部とに夫々突起を突設し、これ等を組合せること
によつて栓戻りを防止していたが、全体の構造が
複雑であり、かつ壜及び蓋の成形時の寸法狂等に
よつて完全に栓戻りを防止することが出来ない等
の欠点があつた。

本考案に係る装置は従来の之等の欠点に鑑み開
発された全く新規な技術に係り、特に蓋をキヤツ
ピングした際にこの蓋によつて中栓を下方に押下
げ、かつ中栓の側壁を外方に突出させて中栓の側
壁の一部を蓋の内周壁面に強く当接し、この当接
による摩擦力によつて蓋の栓戻りを防止可能とし
た栓戻り防止装置に関するものである。

図により本考案に係る装置の一実施例を具体的
に説明すると、第１図及び第２図に於て、１は上
部に開口部２を有する壜の首部であつて、外周面
にはネジ３が設けられ、かつ該開口部２の外周面
にはリング状の凹溝４が穿設されている。５は前
記開口部２の周りに嵌着し得る中栓であつて中央
部に注出口６が設けられ、かつ下端縁内面部には
前記凹溝４に嵌入し得る凸リング７が突設され、
更にこの中栓５はポリエチレン樹脂等の軟質材で
構成されると共にこの中栓５を開口部２に嵌着し
た際には中栓５の天井面と開口部の上縁上面との
間に所定の隙間ａが出来るように構成されてい
る。８は前記首部１に被蓋し得る蓋であつて、内
周壁面の下部にはネジ９が設けられ、かつ天井面
には中栓５の上面を押圧し得る突条１０が突設さ
れている。

上記実施例に於ては図に示す如く、中栓５の外
側壁を予め外方に突出させ、この外側壁が外方に
膨出し易いように構成したが、この外側壁は従来
のものと同様にストレイトでも良い。

本考案に係る装置は上述の構造を有するので、
蓋８を壜の首部１に螺合すると、中栓５が蓋８の
突条１０によつて押されて中栓５が首部１の上縁
に押し付けられ、かつ中栓５の下端部は凸リング
７が凹溝４に嵌着されて規制されているので、結
局中栓５の側壁が外方に膨出し、この膨出した側
壁の一部が蓋８の内面に圧接され、これによつて
該側壁と蓋８との間に強い摩擦力が働き、蓋８の
栓戻りを防止することが出来る。

更に第３図に示す如く、蓋８の下端内面及びこ
れに対応する壜の首部１の外周面所定位置にスト
ツパー１１，１２を設けた場合には蓋８と壜との
位置合せを正確にすることが可能である。

本考案に係る装置は上述の如く、蓋のキヤピン
グによつて中栓を押下げると共に中栓の側壁を外
方に膨出させてその一部を蓋の内周壁面に圧接
し、この圧接による摩擦力によつて蓋の栓戻りを
防止可能としたので、操作が簡単であり、単にキ
ヤツピング動作によつて自動的に栓戻り防止をす
ることが出来、かつ全体の構造が簡単であると共
に成形の際の少しの狂によつてこの装置が作動し
無くなる恐れがなく、しかも安価に大量生産する
ことが出来る等の特徴を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本願装置の断面説明図、第
３図は他例の説明図である。 １は首部、４は凹溝、５は中栓、７は凸リン
グ、８は蓋、１０は突条、１１，１２はストツパ
ーである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 首部外周面にネジを有する壜と、該壜の首部開
   口部に嵌着し得るやゝ柔軟性を持つた中栓と前記
   壜の首部のネジに螺合し得るネジを内周面に持つ
   た蓋とよりなる装置に於て、前記首部開口部の外
   周面にリング状凹溝を穿設し、かつ前記中栓の下
   端縁内方に該リング状凹溝に嵌入し得る凸リング
   を突設し、更にこの中栓を該壜の首部開口部に嵌
   着した際に首部開口部の上縁上面と中栓の天井面
   とに所定の隙間が形成されるような関係に中栓と
   首部開口部とを構成したことを特徴とした栓戻り
   防止装置。