JPS6359842B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は着色コンクリートを注入して化粧コ
ンクリートブロツクを製造する方法に関し、非常
に製造を行ない易くしたものである。

従来の単なるコンクリートブロツクに代り、表
面の仕上げが美麗となるよう例えばコンクリート
板の表面にタイルを埋付けることも試みられたが
（実公昭50−5903号公報）、コンクリート塑造時に
タイルを乱れなく一枚ずつ型枠に敷設することが
非常に手数であるほか、製造されたタイル付コン
クリート板としては、コンクリート板と一枚ずつ
のタイルとの連結が確実に行なわれていないと
個々のタイルの剥離等を起すおそれがあり、また
外装用などの場合、タイルの欠け、割れ等を生じ
易いものであり、しかもコスト的にもタイル付コ
ンクリート板を用いる場合高くつくものであつ
た。

そこでこの発明においては、上記タイル付コン
クリート板に比し、はるかに安価で製造もし易く
しかも強度的にも優れたものとして、独自の化粧
コンクリートブロツクを開発したが、該化粧コン
クリートブロツクは着色コンクリートによつて形
成した板状の化粧ブロツクに対し、空洞コンクリ
ートブロツク或は充実コンクリートブロツクが連
結固定されたもので、外観向上のためにも独特な
模様付けを要し、その製造方法としても簡単に模
様出しができて美麗なものを得るために能率的で
安定した方法が要求される。

そこでこの発明では合成樹脂発泡体による型枠
の内面に組積みパターン用とは別個に発泡体表面
に凹凸状の模様部を有することにより、上記要望
を充足できるようにしたものであり、その構成は
合成樹脂発泡体にて板状の型枠を形成し、該型枠
の型面側には化粧ブロツクの組積みパターンを形
成するための凹凸形状部を設け、さらに型面側枠
外周には一部を他部分よりも低く落し込んだ落差
部を形成するとともに、型枠同士の嵌合用凹凸部
を設け、該型枠内に着色コンクリートを流し込
み、該着色コンクリートの未だ固化せざる段階で
空洞コンクリートブロツク或は充実ブロツクを着
色コンクリート上に載せて着色コンクリートの固
化にて両者を連結固化させ化粧コンクリートブロ
ツクを製造する方法であり、型枠内面には組積み
パターンとは別に発泡体表面に凹凸状の模様部を
形成しておき、型枠内に繊維で補強した着色コン
クリートを流し込んで該模様部を組積みパターン
とは別個の立体模様部として化粧コンクリートブ
ロツク表面に形成することを特徴とするものであ
る。

次いで、この発明の実施態様につき図を参照し
ながら以下に例示する。

先ず、１０はこの発明に使用する型枠であり、
ポリスチレン発泡体等の合成樹脂発泡体にて板状
の枠に形成されている。そして型枠１０の型面側
には製造すべき化粧ブロツク２０の組積みパター
ンの凹凸部２１，２２を形成するための凹凸形状
部１２，１１を有すると共に凹凸模様部Ｂを形成
するための地模様ないしは大きな柄模様をなす凹
凸模様部ｂを上記凹凸形状部１２，１１とは別個
に形成している。このような型枠１０内には着色
コンクリートを流し込みその上から空洞コンクリ
ートブロツク３０等を載せる関係上、型面の凸形
状部１１は枠外周よりも低く形成されている。１
３は突部２３形成用の小さな凹部であつて、型面
のうち化粧ブロツク２０の少なくとも上下の組積
み端部のうち一方になる部分に形成されている。
さらに１４は落差部であり、上記凹部１３を形成
した側の端部にて枠外周を他部分よりも低く落し
込んであり、繊維で補強した着色コンクリートを
流し込んだ後に空洞コンクリートブロツク等を載
せた際、着色コンクリートの余剰部分がこの落差
部１４へと逃げ易くしたもので施工後に目立たな
い場所へ余剰部分を誘導させている。１５，１
５′は型枠１０，１０同士の嵌合用凹凸部であり、
重ねて運搬する際には水平方向へのズレを防げる
ようにして嵩低く多数を重ね得るようにしている
（第５図参照）。

なお、上記型枠１０としては、発泡性熱可塑性
樹脂粒子（ビーズ）を加熱発泡させて互に熱融着
させたことによる発泡体にて形成されたものを用
いるほか、押出し発泡されたシートをによる発泡
体をプレス成形等の手段にて形成した型枠１０を
用いても実施可能である。

上記のごとき型枠１０を用いて化粧コンクリー
トブロツクを製造する場合、先ず型枠１０内に、
ナイロン、ガラス繊維で補強した着色コンクリー
トを流し込むもので、この着色コンクリートが未
だ固化せざる段階で空洞コンクリートブロツク３
０或は充実コンクリート部（図示せず）を着色コ
ンクリート上に載せて着色コンクリートの固化に
て互い連結固定させて後、両者を型枠１０から取
外せば、表面に組積みパターンの凹凸部２１，２
２が形成されると共に該パターンとは別な凹凸模
様部Ｂが形成され、さらに組積み側の端部に突部
２３を形成した着色コンクリートによる化粧ブロ
ツク２０ができ、この化粧ブロツク２０の裏面側
には空洞コンクリートブロツク３０等が連結固化
されて一体化した化粧コンクリートブロツクを提
供できることになる。上記着色コンクリートによ
る化粧ブロツク２０はモルタルＭによる空洞コン
クリートブロツク３０，３０同士の接続を考慮し
て該コンクリートブロツク３０よりも上下端で長
くなるよう形成される（第４図参照）。

なお、凹凸形状部２１，２２による組積みパタ
ーンは種々のパターンで実施できる（第６図〜第
８図参照）。

次ぎに、図面中第９図〜第１２図および第１５
図〜第１７図はこの発明により製造された化粧コ
ンクリートブロツクと適宜接続してコーナーに用
いる化粧ブロツクの製造用型枠を示すものであ
り、５０は容器状の型枠本体、６０，６０′は補
助型枠であり、何れもポリスチレン発泡体等の合
成樹脂発泡体にて形成される。そして型枠本体５
０の内部にはコーナー用化粧ブロツク７０の煉瓦
状をなす組積みパターンの凹凸部７１，７２を形
成するための凹凸形状部５２，５１を有すると共
にこの組積みパターン用とは別個に地模様ないし
は大きな柄模様等を形成するための種々の凹凸状
模様部ａを発泡体表面に形成している。上記補助
型枠６０，６０′は化粧ブロツク７０，７０′の背
面側空間７３を肉盗みおよび配筋部等となるよう
に形成するためのものであつて、型枠本体５０と
は互の嵌合部５３，６３にて嵌合されると共に接
着、融着等の手段にて連結固化されている。６４
は肉盗み部である。なお、型枠本体５０には必要
に応じて化粧ブロツクの組積み側の上下一端に寸
法調整用の突部を形成するための凹部を形成して
実施してもよい。このような突部は、化粧ブロツ
クの組積み施工時に必要量を削り取つて組積み寸
法の微調整を行なうのに使用できる。なお、型枠
はコーナー用化粧ブロツク７０，７０′の形状に
応じた形状をなすもので、型枠本体５０の組積み
パターンを形成する凹凸形状部５２，５１側が角
形にて角形化粧ブロツク７０を製造する場合と
（第９図〜第１４図参照）、弧形にて弧形化粧ブロ
ツク７０′を製造する場合とがある（第１５図〜
第１９図参照）。上記構成の型枠を用いてコーナ
ー用化粧ブロツク７０，７０′を製造する場合の
一例を説明すると、型枠本体５０と補助型枠６
０，６０′間にできた空間ｃ内に、モルタル状な
いしコンクリート状のナイロン、ガラス繊維等で
補強した着色コンクリート（例えば砂２に対し白
セメント１の割合でこれに長さ15mm程度のガラス
繊維と若干の顔料を混和したもの）を流し込み、
固化後に型枠本体５０および補助型枠６０，６
０′をニクロムカツト等の手段にて適宜個所から
切断させてコーナー用化粧ブロツク７０，７０′
を取出せばよい。そして次回の製造時には新たな
型枠本体５０と補助型枠６０，６０′とを用いれ
ばよい。上記の製造にて、組積みパターン側に該
パターンの凹凸７１，７２とは別に凹凸模様ａが
表わされたコーナーに用いる化粧ブロツク７０，
７０′が簡単に提供されることになる。

次にこの発明にて得られた化粧コンクリートブ
ロツクの使用例を述べる。

上記化粧コンクリートブロツクはその組積みパ
ターンに沿つて、順次縦横へ用途形状に応じて組
積みするのみでよく、組積み作業時には化粧ブロ
ツク６０の裏側に連結固定されてある空洞コンク
リートブロツク７０の部分で順次モルタルＭを用
いて組積み接続すればよい（第４図参照）。特に
組積み端部に突部６３が形成されてあるので、必
要量を削り取る等して組積み寸法の微調整も、簡
単に行なえて綺麗なパターンで組積みが行なえ
る。施工後の仕上りは、空洞コンクリートブロツ
ク７０の形状および上記寸法調整用の突部６３は
表面から見えないか或は見え難くなり、煉瓦状の
パターンのみが凹凸にて明瞭に表われ美麗に仕上
るこができる。なお、コーナー部においては前記
したコーナー用化粧ブロツク７０，７０′を、順
次組積みして左右の化粧コンクリートブロツクと
接続すればよい。

上記したごとくこの発明によれば、組積みパタ
ーンとは別個に化粧コンクリートブロツクの表面
に凹凸模様が顕著に表われたものを得ることがで
きるが、該凹凸模様を形成するための発泡体から
なる型枠の凹凸模様部については、成形金型使用
による型成形と同時に形成された凹凸模様部の場
合と、型枠内面を平滑面で成形した後に溶剤等を
用いて所望の凹凸模様部を型枠内面に形成してあ
る何れのものを用いて実施してもよい。

以上の如くこの発明によると、板状型枠の発泡
体表面に形成した凹凸模様部によつて、組積みパ
ターン側に該パターンとは別個に凹凸模様が明瞭
に表わされた化粧コンクリートブロツクを簡単な
方法で美麗且つ能率的に安定して製造でき、型枠
外周の一部を他部分より低く落し込んで落差部を
設けた型枠を使用しているゆえ、過剰に注入され
た余剰の着色コンクリートは速やかにこの落差部
から型枠外方へと導かれることとなり、コンクリ
ートブロツクとその表面に形成された組積みパタ
ーンとが位置ずれすることはなく、美麗な化粧コ
ンクリートブロツクの製造が可能であつて、ブロ
ツク製造のため、多数の型枠を積み重ね使用する
場合でも型枠外周に型枠同士の嵌合用凹凸部を形
成してなるものを使用するゆえ水平方向へのズレ
がなく安全且つスムーズに作業を行なうことがで
きる。

また、工場生産のみでなく、施工現場において
も製造可能な方法であつて、合成樹脂発泡体によ
る型枠使用にて複雑な外形を有する化粧コンクリ
ートブロツクの製造も簡単に行ない得て、表面の
凹凸模様形成並びに組積みパターンの形成も至極
容易である。しかも使用する型枠は軽量で取扱い
易いほか、緩衝性も良好で、化粧コンクリートブ
ロツクを取外す前のままで輸送用包装材として用
いることもでき、この場合着色コンクリートによ
る化粧ブロツクの保護効果の大きいものである。

しかも着色コンクリートとして繊維混和で補強
したものを用いているので、保形性に優れたもの
となり、ブロツク表面に形成された凹凸模様、特
に突起部がブロツク成形時に型枠と接触して、欠
損したり、施工後に他物との接触によつて欠け落
ちたりするのを防ぐことができ、一層強靭とな
り、欠け、割れ等の発生も少なく、表面保護効果
が良好となる。

さらに全体的な耐震度も高くなるほか、耐侯
性、不燃性にも優れることになる。そして外観的
には美麗で組積みするだけで目地が出来上り施工
が行ない易く、工費が大巾に節約できることにな
る。

従つて、一般住宅、ブロツク住宅、ビル、ホテ
ル、旅館、スーパーマーケツト、ガソリンスタン
ド、ゴルフ場のクラブハウス、喫茶店等の内外装
および各種の外柵等に施工でき、優れた諸効果を
発揮できる。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の実施態様を例示するものであ
り、第１図はこの発明に使用する板状の型枠を示
す斜視図、第２図は前図型枠を用いた化粧コンク
リートブロツク製造時の一部切欠斜視図、第３図
は製造された化粧コンクリートブロツクの斜視
図、第４図は前図ブロツクの組積み状態を示す断
面図、第５図は型枠の積重ね状態を示す正面図、
第６図〜第８図は化粧コンクリートブロツクの組
積みパターンの数例を示す正面図、第９図はコー
ナー用化粧ブロツクの製造に使用する型枠の一例
を示す平面図、第１０図および第１１図は前図
−線およびXI−XI線における断面図、第１２図
は化粧ブロツクとなる着色コンクリートを流し込
んだ断面図、第１３図は製造された化粧ブロツク
の斜視図、第１４図は前図化粧ブロツクをコーナ
ーに使用した組積み状態の平面図、第１５図はコ
ーナー用化粧ブロツクの製造用型枠の変更例を示
す平面図、第１６図および第１７図は前図−
線および−線における断面図、第１
８図は製造された化粧ブロツクの斜視図、第１９
図は前図化粧ブロツクをコーナーに使用した組積
み状態の斜視図である。 １０……板状の型枠、１２，１１……凹凸形状
部、ｂ……凹凸模様部、２０……化粧ブロツク、
Ｂ……凹凸模様、３０……空洞コンクリートブロ
ツク、５０……型枠本体、５２，５１……凹凸形
状部、６０，６０′……補助型枠、ａ……凹凸模
様部、ｃ……型枠本体と補助型枠間の空間、７
０，７０′……コーナー用化粧ブロツク、７１，
７１……凹凸部、７３……背部空間、Ａ……凹凸
模様。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 合成樹脂発泡体にて板状の型枠を形成し、該
   型枠の型面側には化粧ブロツクの組積みパターン
   を形成するための凹凸形状部を設け、さらに型面
   側枠外周には一部を他部分よりも低く落し込んだ
   落差部を形成するとともに、型枠同士の嵌合用凹
   凸部を設け、該型枠内に着色コンクリートを流し
   込み、該着色コンクリートの未だ固化せざる段階
   で空洞コンクリートブロツク或は充実ブロツクを
   着色コンクリート上に載せて着色コンクリートの
   固化にて両者を連結固定させ化粧コンクリートブ
   ロツクを製造する方法であり、型枠内面には組積
   みパターンとは別に発泡体表面に凹凸状の模様部
   を形成しておき、型枠内に繊維で補強した着色コ
   ンクリートを流し込んで該模様部を組積みパター
   ンとは別個の立体模様部として化粧コンクリート
   ブロツク表面に形成することを特徴とする化粧コ
   ンクリートブロツクの製造方法。